コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。堂々の完結! 皆様ありがとう!
- 日時: 2015/01/24 21:51
- 名前: 桐生玲 ◆kp11j/nxPs (ID: zCMKRHtr)
拝啓、天国のお父さんとお母さん。
ついでに世界1周旅行へ行っている珊瑚叔母さん。
私は元気です。とても元気です。元気を分けてあげたいぐらいに元気です。
今日も私の前を、
パンツが飛んでー。
男の怒声が飛び交ってー。
何だか炎まで飛んできてー。
挙句の果てに今、恋人になるように強要されています。
……私、人生間違えましたでしょうか?
***** ***** *****
初めまして、というのもなんですが。一応。
桐生玲(きりゅう/あきら)という者です。まぁ、名前を変えただけですが。
私が誰だか当てられるでしょうk((殴
大変失礼しました。
ちょこっと上で話の内容を書いたつもりなのですが、分かりませんよねww
私もこれをパッと見て、何だこれって思いますもん。
では、これに関する注意点をいくつか。行きますよ。
☆この物語は逆ハーレム要素を含みます。苦手な方はお戻りください。
☆駄作に変わりはないです。
☆恋愛50%、バトル45%、シリアス0.05%、後のは勇気と愛。
☆少しドリームっぽいです(が、そんなに気にはなりません)
☆桐生玲誰? あ、お前知ってるでも嫌いな人は出口はあちらです→
☆また、荒らしやチェーンメール、パクリを行う人も出口はあちらです→
読みましたか? あの、いくつか多いんでゴメンなさい。
それでは。
お客様(桐生的目線でご紹介)
由羽様『最初のお客様です。逆ハー、ハーレムおkの方ww』
野宮詩織様『2番目のお客様です。リア友であり、神作を生み出しているお方です!』
ヴィオラ様『3番目のお客様です。キャラを送って下さりました! お互い頑張りましょう!』
蓮華様『4番目のお客様です。キャラを送ってくださいました。使いやすいキャラをありがとうございます!』
秋様『銀ちゃんの推しなお客様です! あざっす!!』
翠蓮草様『先生キャラを送ってくださったお客様です。登場はもう少々お待ち下さい!!』
メデューサ様『結構オリキャラでお世話になっている方です。今回もありがとうございます!!』
ジョーカー様『前作に限らず今作も送ってくださいました!! 感謝!!』
あんず様『翔推しのお客様です。翔君は俺の嫁!!』
北大路様『神様の名前を考えてくださった人です! コメもくださいました』
マリ様『ルールを守って読んで下さった人です。さすが!!』
梨花様『企画の祭りに参加してくれてありがとうございます。コメももらいました!』
愛河姫奈様『キャラクターの質問に答えたら、来てくださった人です! 感謝です!』
暁月様『一気読みをしてくださった人です。根気ある!』
闘神のアスラ様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部も見てくださっています』
抹茶猫様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部の愛読者様。あざっす!!』
藤田光規様『一気読みしてくださった人です。翔君のおし?』
在様『携帯で一気読みしてくださった人です。しにがみのデートがお気に入りだそうでw』
北斗七星様『最初は桐生玲誰と思っていらした方ですが、山下と気づいてくれて幸いです。大丈夫ですよ!』
リア様『下剋上の方も読んでくださりました。ありがとうございます!』
美桜様『この小説をお気に入りにしてくださりました。ありがとうございます!』
粉雪百合様『もう1つの小説「お前なんか大嫌い!!」から来ました方です。ありがとうございます』
miru様『空華推しの人です、ありがとうございます! 一気読みしちゃったんです!』
葵様『こちらは昴君推しですwぜひとも翔君と取り合ってくださいありがとうございます!』
kyon様『こちらも空華推しの方です。なんと、歴代小説を読んでくださった人です!』
凪紗様『黒影寮ではまったお客様です。なんとディレッサさん推しです!!』
結羽凛様『個人的に好きなキャラは翔様だそうで。少し前から見てくださっていたようですよ! Thanksです』
現在劇場版を展開中。
『劇場版。黒影量は今日もお祭り騒ぎです!〜空と海と未来の花嫁〜』
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『劇場版。駆け抜けろ! 地獄と天国と幽閉された死神〜複雑ファジー』>>290 NG>>296
目次
登場人物>>02 皆のオリキャラ大集合>>67 新キャラ>>175
プロローグ>>4
第1章『ウェルカム、黒影寮』
>>5 >>6 >>7 >>8 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15
第2話『とある彼女は銀の鈴』
>>16 >>17 >>18 >>23 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30
第3章『銀と白亜と黒影寮』
>>31 >>32 >>33 >>36
第4章『兄より吐き気』
>>39 >>42 >>45 >>47 >>50
第5章『しにがみのデート』
>>51 >>52 >>53 >>54 >>55 >>56 >>59 >>60
第6章『俺達の管理人がこんなに可愛い訳がない』
>>71 >>72 >>77 >>81 >>83 >>86
第7章『英学園の愉快な文化祭』
>>93 >>95 >>102 >>105 >>106 >>115 >>118 >>123 >>126 >>129
第8章『神威銀の誘惑』
>>134 >>135 >>136 >>139 >>140 >>146 >>147
第9章『本当にあった黒影寮の怖い話』
>>149 >>154 >>158 >>159 >>160 >>163 >>170 >>174
第10章『突撃☆隣の中国マフィアさん!』
>>176 >>182 >>185 >>189 >>196 >>199 >>204 >>207 >>215 >>220 >>226
第11章『王良家こんぷれっくす!』
>>278 >>281 >>282 >>284 >>285 >>286 >>287 >>288 >>289 >>300 >>303 >>306 >>309
第12章『君と僕〜オリジナルと亜種〜』
>>314 >>321 >>322 >>323 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>333
第13章『黒影寮の問題児が妖精を拾ったようです』
>>337 >>345 >>346 >>349 >>352 >>353 >>355 >>356 >>360 >>361 >>364 >>365 >>366
第14章『もし黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら』
>>372 >>378 >>379 >>382 >>385 >>386 >>390 >>393 >>394 >>397 >>401 >>402 >>405
第15章『皇高校ホスト部!!』
>>416 >>417 >>418 >>419 >>423 >>424 >>427 >>430 >>433 >>434
第16章『カゲロウタイムスリップ』
>>437 >>444 >>445 >>448 >>452 >>453 >>454 >>455 >>456 >>459
第17章『家出少女の死にかけ人生』
>>460 >>461 >>464 >>465 >>466 >>467 >>470 >>474 >>478 >>481
第18章『今日、私は告白します』
>>490 >>494 >>497 >>500 >>503 >>506 >>521 >>524 >>527 >>528
第19章『進撃の巨人〜ヒーローと死神がやってきた〜』
>>532 >>535 >>536 >>537 >>538 >>541 >>542 >>543
第20章『噂の空華さん!』
>>544 >>546 >>549 >>552 >>553 >>554 >>557 >>560 >>561 >>562
第21章『明日は明日の風が——吹いたらいいなぁ』
>>565 >>568 >>569 >>570 >>575
エピローグ
>>576
あとがき
>>577
お知らせ☆
現在部門ごとにオリキャラ募集>>19→終了しました!!
企画開始!!
その1『もしも黒影寮の全員が○○だったら』>>82
その2『みんなで神様の名前を考えよう』>>125
その3『黒影寮フェスティバル! 参加者募集』>>263
期間限定小説
10月31日『ハロウィン』>>46
12月24日『クリスマス』>>94
12月31日『大晦日』>>109
1月1日『お正月』>>112
12月7日『寮長・翔の誕生日』>>130 >>132
2月14日『バレンタイン』>>225
2月23日『都立高校一般入試』>>238
4月1日『エイプリルフール』>>311
7月7日『七夕&銀ちゃんの誕生日』>>387
童話パロディ
『白雪姫』>>63>>68
『赤ずきん』>>87 >>92
『シンデレラ』>>274 >>277
『7匹の子ヤギ』>>409 >>412
黒影寮は今日は作者と質問日和!
神威銀>>124
東翔>>155
椎名昴>>188
王良空華>>241
二条蒼空>>261
堂本睦月>>354
月読怜悟>>357
祠堂悠紀>>400
企画小説『黒影寮主催☆やりたい事は何でもやっちゃうぜふぇすてぃばる!』開催中
・メデューサ様
もしも『黒影寮の住人とその他のキャラの能力』が『ごちゃまぜ』だったら>>85
バレンタイン『お相手:蒼空』>>219
・あんず様
もしも『東翔』が『スクール水着』を着たら>>89
翔が性転換して昴と付き合うことになったらどうなるか>>367
・蓮華様(現:夕遊様)
もしも『黒影寮の全員(つかさ除)と高梨羅』が『性転換』したら>>91
もしも『黒影寮の全員+高梨羅』が『性格ごちゃまぜ』になったら>>114
バレンタイン『お相手:鈴』>>224
・マリ様
『神威鈴が銀の体を乗っ取り東翔にいたずらを仕掛けよう!』>>273
・梨花様
『神威銀を怒らせたらどうなるか?!』>>317
・北斗七星様
『銀ちゃんが幼児化したらどうなるか!!』>>510
『もしも銀ちゃんが本物のビッチだったら(VS翔)』>>513
・kyon様
『銀ちゃんに彼氏がいたら』>>516
番外編
俺は今日、恋を始めます『羅(男)×銀』>>148
翔ちゃんなう!『翔×昴×大地』>>283
どうかこの手でもう1度『蒼空&睦月』>>449
断章『下剋上☆黒影寮!!』
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- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。 ( No.2 )
- 日時: 2011/10/04 22:01
- 名前: 桐生玲 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
黒影寮 名簿表
神威銀(カムイ/ギン)
皇(スメラギ)中学高等学校に通う高校1年生。
家庭的な性格が目立つ、ほんわかおっとり系天然ガール。通称『マザー』
JKにあるまじき、オシャレなどに興味はない。そして恋も興味なし。料理、洗濯、掃除、裁縫などと言った家事を得意とする。
昔、家族を火事で亡くして、叔母である神威珊瑚と共に暮らしていたが、ある日『黒影寮』の管理人代理になってしまう。
銀髪に黒の瞳。スタイルはまぁまぁいい。
特殊能力は他人の怪我を治癒できる術『銀の鈴』。
王良空華(オウラ/クウカ)
英(ハナブサ)学園に通う高校2年生。黒影寮に住まう生徒。
女好きが目立つが、飄々としていて掴めない空気のような性格。だがしかし、裏には残忍で残酷な性格も併せ持つ。
彼女があちこちにいるだとか噂があるが、それはそれで内緒。情報収集が得意。
何かを隠しているようだが、それは誰にも明かしていない。
黒髪短髪にボサボサ。右目に眼帯をしていて、エメラルドグリーンの瞳。身長は高い。
忍者であり、自分で技を作る我流忍術『王良家』の当主。
東翔(アズマ/ショウ)
黒影寮の寮長。
頭脳明晰、運動神経抜群な完璧野郎だが、唯一の欠点とも言える性格が最悪。常に他人を見下したような口調と態度を取る。誰に対しても。
女が嫌いで、特に銀を見ると『ビッチ』と叫んで逃げだすほど。中国武術と棒術が得意。甘党。
黒髪長髪、女の子のような容姿をしている。ニット帽は確実。
正体は死神。炎を操る大鎌を持っている。
椎名昴(シイナ/スバル)
黒影寮の副寮長。
運動神経抜群で、底なしの体力を持つ少年。楽観主義で鈍感。常にボーとしている。が、やる時はやるで1本芯の通った奴。
翔の幼なじみであり、唯一翔を『ちゃん』づけで呼べる存在。あだ名は常識知らず。テコンドーなどの足技が得意。
茶髪が肩につくまでの長さ。瞳は黒。
いくつもの星が見えるとか。反閇(ヘンバイ)技を得意とする踊り子。
二条蒼空(ニジョウ/ソウクウ)
みんなのムードメーカー。
唯一のお馬鹿キャラで、黒影寮きっても盛り上げ隊長。だかしかし、赤天記録更新中。前向きで諦め癖が悪い。変な所に真面目。
勉強が嫌いらしく、翔や空華などに教えてもらってはいるが理解出来ない。でも運動は得意、特に球技。
黒髪に青い瞳。女装が似合う。
重力操作を得意とする。
堂本睦月(ドウモト/ムツキ)
大阪弁を使う兄貴キャラ。
優しくいつも笑みを絶やさないが、たまにドM発言をしてくる変態。でも怒る時は怒る。
銀を女王様として慕っているだとか。犬キャラ? でも柔道が得意らしい。
金髪に青い瞳のイギリス人みたいな奴だが、純日本人。いつも飴をくわえている。
超能力者。あと傷つけられると力が増す。
月読怜悟(ツクヨミ/レイゴ)
無口なオーラ少年。
あまり喋る事はなく、そして方向音痴。オーラが見えるとか見えないとか、その辺は分からない。気配がない。
いつもブツブツと独りごとを喋っているが、そこは彼の特徴。
黒髪に紫色の髪。馬鹿じゃないと触れない刀を持つ。
シャーマン。だから幽霊と話せる。
祠堂悠紀(シドウ/ユウキ)
小説家志望の少年。
ひねくれ者で性格がねじ曲がっている。翔より悪いかも。いつも眠そうな感じで、口を開けば悪口ばかり。でも結局はやるあまのじゃく。
パソコンを使うのが得意で、いつも持っている。芸術家?
黒髪の少し天パ。片目が隠れている。パソコン常備。
言葉を使うワードマスター。
篠崎蓮(シノザキ/レン)
不良。ド短気の不良。
すぐにキレるキレ者の野郎だが、雷とかで驚いたりするチキンでもある。実は不良などと言われているがチキンを隠す為ww
いつも猫耳をつけている?
銀髪を1つに括っている。ニット帽常備。下には猫の耳。
肉体変化(メタモルフォーゼ)を使う。常に猫に変身。
国枝つかさ(クニエダ/-)
いつもニコニコの女の子。ちゃんとした寮の住民。
実は女である事を隠して学校に通っているが、みんなにはばれている。性格は温厚。めったな事では怒らない。
でも重大な秘密が——?
琥珀色の髪で泣きほくろ。
刃や刀、針などを使う戦闘民族。
神威珊瑚(カムイ/サンゴ)
銀の叔母。現在世界旅行中。
黒影寮の管理人。
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。 ( No.3 )
- 日時: 2011/10/05 21:16
- 名前: 桐生玲 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
由羽様>>
初コメありがとうございます☆
逆ハー初心者ですが、ぜひとも皆様がキュンキュンするようなそんな小説が書けたらいいかと思いますww
炎も飛んできちゃうし、パンツも飛んできちゃいますよww
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。 ( No.4 )
- 日時: 2011/10/05 21:37
- 名前: 桐生玲 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
プロローグ とある少女はとある寮での管理人!!
とある少女の日記から抜粋。
○月×日。
こんにちは。初めまして、神威銀です。
私はあの名門の男子校、『英学園』の7つあるうちの1つ、黒影寮の管理人をしています。
とても寮の中は広いですし、住んでいる人も優しいです。
でも、問題が1つあります。
私が住んでいるこの黒影寮——ただの人が住んでいる訳じゃないんです。
「どおりゃ、必殺! めろきゅん☆らぶびーむ!」
「気持ち悪い!」
今日も蒼空さんと睦月さんがどつきあいをしています。
この2人は何だか、仲がいいようで悪いのです。喧嘩するほど仲がいいと言いますね。
「ねぇ。うるさいんだけど。ネットに投稿する原稿が出来ないんだけど」
「ヘッドホンでもつけろ」
「……蓮。人の相談は流してるのかな、このチキン!」
小説家志望である悠紀さんが、近くで本を読んでいた蓮さんの傍で大きな物音を立てます。
蓮さんは大きな音にびっくりしたのか、本を放り出して逃げてしまいました。お尻についていた尻尾がぼわぼわになっていましたね。
「……今日も、聞こえる」
「怜悟君。シュールすぎて分からないよ」
部屋の隅では、霊感があると言われている怜悟さんが天井を見上げながら言いました。
その隣で怪訝そうに目を細めているつー君。いや、つかさちゃんとでも言いましょう。
この2人は案外、仲がいいんですよ。
「翔ちゃん翔ちゃん勉強教えて明日当たるんだよね!」
「知るか。赤恥をかけ、俺は知らん」
「えー! 翔ちゃんの薄情者! いいもん。翔ちゃんのノートを勝手に見てやる。ついでにえっちい本を机の上に並べておいてやる!」
「テメェ、裸の女が乗った本なんぞ、俺の机の上に置いてみろ! 骨の髄まで消し炭にしてやる!」
そんな事を言い合っているのは、この黒影寮の寮長である翔さんと副寮長である昴さんです。
この2人はいつも一緒にいます。昔から仲がいいらしいです。
そして最後、私の傍にいつもいますこの方——
「ぎーんちゃん☆」
にっこり笑顔を浮かべて私の髪の毛をくるくるといじってくるこのお方。
眼帯をしていて、パッと見ると怖い雰囲気の人なんですが、口調からして軽い男であると分かります。
この人は本当に分からない人です。彼女がいるんですから、他の人のところに行けばいいのに。
「空華さん! 髪の毛をいじらないでください!」
「いいじゃないのー。だって、俺様は銀ちゃんの事が好きなんだしさ」
「よくそんな出まかせが言えますね? 女の子を弄んで楽しいですか?」
「弄んでないよー。俺様は、いつもマジマz「翔さんこの人をまず最初に消し炭にしてもらえませんか?」嘘、ちょっと銀ちゃん?!」
という訳で、これから始まるのは。
私・神威銀と黒影寮に住まう『能力者』である9人の生徒達の物語です!
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。 ( No.5 )
- 日時: 2011/10/05 22:00
- 名前: 桐生玲 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第1話 ウェルカム。黒影寮。
朝起きたら、叔母さんが蒸発していました。
というのはほんの少しの冗談で、私、神威銀はテーブルに置かれた白い封筒と可愛らしいメモ用紙に目を落としました。
黄色い便せんに犬の模様が入った、本当に可愛らしい便せんです。
これが50代の叔母さんではなく、5歳児だったら本当に可愛かったのですが。
『愛しの娘、銀ちゃんへ』
「誰が娘ですか。姪でしょう」
誰もいないのにツッコんでしまいます。
いけないいけない。少し押さえないと。まず、何があるのか見なくては。
『叔母さんは友人と一緒に世界1周旅行へ行ってきます。しばらく帰ってきません』
「何でですか?!」
1人で留守番してろとでも言うんですか?!
そんなの、寂しすぎます! 高1ですけど!!
『でも安心して! 叔母さんの息子達が一緒に暮らしてくれるって言うから』
「息子?」
叔母さんに息子なんていましたでしょうか。
少なくとも、年齢の割に若く見えるので生んでいるのかもしれませんが。
『この白い封筒を持って、山の上にある黒影寮ってところに行きなさい』
そこで手紙は終わっていました。
黒影寮? どこかで聞いた事あるような——。
「あ、英学園の7つ寮の1つですね!」
***** ***** *****
英学園。私が通う『皇中学高等学校』の近くに建てられた、超マンモス校です。生徒数は軽く1000人を越し、全員が寮に入ります。
寮は7つに分かれていて主に6つの寮が使用されていますが、問題は7つ目の黒影寮です。
元は出来の悪い生徒をそこに住まわせていましたが、最近ではお菓子な生徒を住まわせているようです。
そこに私は行けと言われました。
……なんて、自殺行為でしょう。
「と、とにかく……。着きました」
坂を何とか上りきり、私は額に浮かんだ汗を拭いました。
洋館を思わせる白い壁で作られた建物。どこか年代物かと思いましたが、噂では最近建て直したらしいです。
鍵を渡されているので、ドアを開けました。
「この野郎! ワシのパンツを返せや!」
「やなこった! 睦月のパンツはイチゴ柄!」
「お前かて、ケーキ柄のパンツを穿いてるやろがい!」
「うるさい」
「「黙れふんどし!!」」
ドアを閉めました。
無言でドアを閉めました。
何でしょう、今の。2人の男の子がパンツを片手に廊下を走っていましたよ?
しばらく待つと、静かになったのでもう1度ドアを開けてみました。
先程のように男の子達は走っていませんでした。が、豪奢な作りである玄関ホールは黒焦げになっていました。
一体何があったのでしょう?
「あれ、お客さん?」
突如、声がしたのでその方に目を向けてみました。
そこに立っていたのは、飲むタイプのゼリーを吸っている茶髪のとこの子がいました。
茶色い髪は肩まであります。どこか幼い感じの男の子です。
「何か用?」
「あ、叔母さんの神威珊瑚からここに来るように言われたんですが」
そう言うと、男の子はポンと手を打った。
「あぁ、神威銀ちゃん。よく来たね。辛かったでしょ? こっち来て。寮長呼んでくるから」
「ハァ。ありがとうございます」
靴を脱いで寮の中に入ります。
綺麗ですね。黒焦げになっていなければ、の話ですが。
廊下を真っ直ぐ進んで行くと、食堂になりました。いくつものテーブルが並べられていて、雑談が出来そうな空間です。
男の子は私を端の席に通すと、少し待つように言いました。
言われた通りに、私は席に座って待つ事にしました。
一体、何が始まるんでしょう?
「ねぇ、あれ誰?」
黒い影は隣にいる金髪の少年に訊いた。
金髪の少年は、口にくわえた飴の棒を指でいじりながら答える。
「空華、知らへんの? 新しい管理人や。珊瑚さんが旅行で留守の間の」
「へぇ。初耳」
「仕方ないよ、空華は彼女と忙しいもん」
今度は隣の黒い髪の少年が答えた。
影は椅子に座る銀髪の少女をもう1度見ると、にやりと笑う。
「決めた。俺様、今度はあの子をオトすよ」
「ハァ? 無理に決まっとるやろ」
「俺様に、」
影は、黒光りする何かを金髪の少年の鼻に突き付けた。
「不可能は、ないんだぜ?」
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。 ( No.6 )
- 日時: 2011/10/06 21:46
- 名前: 桐生玲 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第1話 ウェルカム、黒影寮。
という訳で、あの茶髪の男の子に言われた通り、食堂で待っていました。
何だか1人で待っているのも暇ですね。さっきの男の子とかが通りかかったりしませんでしょうか。
そんな事を思いながら、私はぼんやりと天井を見ていました。
すると、
「君、1人なの?」
声が降ってきました。
私の隣には、いつの間にか男の子が座っていました。走っていた男の子とは別の人です。
綺麗な顔立ちに右目には眼帯をしています。していない左目は、澄んだ翡翠色でした。黒い髪は短く、梳かしてるんですかって訊きたくなるぐらいにぼさぼさです。
何でしょう。不思議な感じの男の子です。
「ハイ。寮長にご用があるんです」
「そうなんだ。でも、1人なんでしょ? 誰かが呼びに行ってるんだよね」
私が頷くと、男の子は笑いました。
何が楽しくて笑っているのでしょう。よく分かりません。
「何なら、俺様がここで一緒に待とうか? 1人じゃ退屈でしょ?」
「いいんですか? じゃあ、お願いします」
確かにこんな広い空間で1人ぼっちは寂しかったです。
あ、でも……迷惑じゃないんでしょうか?
「大丈夫。俺様も暇だったし。部屋にこもってるのも何かね」
「そうなんですか。あ、私は神威銀です。ここの管理人だった神威珊瑚の姪です」
ペコリとお辞儀をします。一応、自己紹介はしておかないといけませんから。
男の子もにっこりとした笑みを浮かべつつ、自分の名前を名乗ってくれました。
「俺様は王良空華。空華でいいよ。よろしくね、銀ちゃん」
「ハイ。よろしくお願いしますね、空華さん」
ちゃん付けにされるとこそばゆい感じがしますが、そこは慣れですね。男の人と付き合う事になるなら、こういう呼び方になるでしょう。
でも、私は恋なんて興味ありませんが。
「ねぇ、銀ちゃんってどこの学校行ってるの?」
空華さんの質問です。
「私は皇中学高等学校に通っています。空華さんは英学園ですよね?」
「そうそう。クラスも多くてさー。俺様なんか特別クラスで勉強してる訳なんだけど、進みが早くて」
空華さんはやれやれ、と言うように肩をすくめて見せる。
特別クラスなんですか。私には到底理解できないでしょう。私の頭脳は一般人並みですからね。
すると、2つの声が遠くから聞こえてきました。
その声を聞いた瞬間、空華さんは椅子から立ち上がりました。そして笑顔を作ります。
「寮長達が来たようだから、行くね? また会おうね」
「あ、」
行っちゃいました。
もう少しいてもよかったのに……きっと忙しいんでしょうね。
廊下からやってきた茶髪の男の子と——女の子、でしょうか。可愛らしい姿の子が嫌々というような表情を浮かべて引きずられてきました。
黒い髪はとても長く、左下で結ばれています。可愛らしい顔立ちに茶色い大きな目、まるでお人形さんです。
「いやぁ、なかなか部屋から出てきてくれなくて。あ、俺は副寮長の椎名昴って言うんだけど。ま、好きに呼んで。そんでこちら」
昴さんと名乗った男の子は、女の子を前へ押し出します。
女の子は私の事を睨みつけると、大きなため息をつきました。
「珊瑚のババアに似てるな。やっぱり姪だからか、まるで親子だ」
「あの、叔母が何か?」
女の子は不機嫌そうに椅子に座ると、何でもないとだけ言いました。
「ほら、名前を名乗りなさいよ。話はそれからでしょー?」
「……言われなくても分かってる」
女の子は昴さんに名乗るように促され、渋々口を開きました。
そんなに名乗るのが嫌なら、昴さんが代わりに言ってあげればいいのに。
「黒影寮の寮長、東翔だ」
……男の子、だったんですね。
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