二次創作小説(紙ほか)
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- 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡
- 日時: 2024/02/02 20:20
- 名前: むう (ID: F7nC67Td)
- プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=18201
――これは俺達の、軌跡と奇跡の物語だ。
********
どうも、むうです。
鬼滅、花子くん、その他色んなものが好きです。
六人の軌跡、通称『ろくきせ』にようこそ!
隠語は「rkks」!よろしくお願いしますっ!
このお話は【鬼滅の刃】全集中・会話文短編集の続編になります。
前作は参照のURLから。
この本編だけでも充分話は分かる(はずです)のでお楽しみくださいませ。
新かまぼこ隊が旅をしながら成長する話。
柱も登場しますので、是非楽しんで行ってください。
第5章からは地縛少年花子くんとのコラボです♪
[前編]【鬼滅】会話文短編集
[公式スピンオフ]ろくきせ恋愛手帖
〈キャラ紹介〉
・新かまぼこ隊>>136
・花子くんキャラ>>137 参照あり
〈注意〉
●本編完結済み
●スマホだと読みにくいかも
●ネタバレ若干あり
●流血の表現あり
●オリキャラあり
●時々東方キャラ登場
〈新たな設定{花子くんのみ}〉
●花子・つかさ めちゃ仲良し
●放送室メンバー→味方
●葵ちゃんや輝さんは外伝で登場!
〈ルール〉
●つぶやきや拡散〇
●中傷行為や荒らし、作品に対してのネット上での暴言×
●キャラの貸し出し〇(その場合コメント)
●また、ネット上での自作発言×
上を読んで、OKな方はゆっくりしていってね!
★Special thanks★
応援コメントありがとうございます!
蝶霞さん 優羽さん ベリーさん 蜂蜜林檎さん
一緒に執筆した弟
応援してくれた学校の先生、友達
★2021年冬⭐︎小説大会★
「二次創作合同」金賞受賞作
感謝 >>398
ーーーーーーーーーーーーーーーー
【目次一覧】
まとめ読み>>01-
読者様の好きな話まとめ(蜂蜜さんthank you!)>>367
作者的に好きな話まとめ>>368-369
(4年ぶりに帰ってきた)作者的にツッコミたい話まとめ>>399—
◆大生コソコソ噂話・執筆裏話
第1回「むうの執筆あるあるまとめ」>>27
第2回「春になってきましたね」>>31
第3回「オリキャラ登場のお知らせ」>>36
第4回「遅いけど自己紹介」>>49
第5回「コラボ決定のお知らせ」>>56
第6回「コロナ怖い」>>84
第7回「閲覧数1000突破!!ゴフッ(吐)」>>92
第8回「花子くんキャラ追加のお知らせ」>>101
第9回「放送室メンバーと作者の楽しい会話」>>107
第10回「閲覧数3000突破コメント」>>245
第11回「外伝の秘話&あとがき&ルールのお知らせ」>>256
第12回「むう流表現方法」>>337
第13回「花子くんに勉強教えてもらった」>>339
第14回「帰還者ムーマス ~4年ぶりに帰ってきた~」>>399
◆むうと弟の楽しい会話
第1回>>371
第2回>>380
第3回>>381
◆閲覧数突破記念
「閲覧数2000突破記念 鬼滅ラジオ」>>166>>169
「閲覧数3000突破記念 キメツ学園」>>246>>247>>248>>250
「閲覧数4000突破記念 オリキャラに20の質問」>>313>>319>>326
□第1章 蝶屋敷での三週間
第1話「おはよう」>>01-02
第2話「機能回復訓練・前編」>>03>>04>>06
第3話「機能回復訓練・後編」>>08>>10>>11>>12
第4話「伊之助ハッピーバースデー」>>15-19
第5話「お久しぶりです」>>20
第6話「いざ、出発!」>>21
幕間 >>22
□第2章 六人の初任務
第7話「聞き込み調査」>>23-24
第8話「鏡ノ森」>>25
第9話「かまぼこ隊、出動!」>>26>>28
第10話「意外な助っ人との反撃開始」>>30>>32
第11話「本当なら」>>33
□第3章 柱9人の格闘
第12話「列車の中」>>34-35
第13話「九人揃えば何とやら」>>38
第14話「鬼の猛攻」>>40-41
第15話「少年は目を撒き、糸は広がる」>>42
第16話「瞳の数字」>>43
□第4章 柱合会議へようこそ
第17話「再会とちょっとした喧騒」>>44>>47
第18話「ご教示願う」>>50-51
第19話「六新鬼月と陰陽師の噂」>>53
第20話「集められた鬼たち」>>55
□第5章 陰陽師を探せ!
第21話「宵宮家探索」>>59>>64
第22話「地縛少年花子くん」>>66-67
第23話「最悪の出会い」>>68-69
第24話「陰陽師・宵宮有為」>>72>>73>>75
第25話「地獄の手合わせ」>>76>>78-80
幕間 >>81
◆番外編
第壱話「お願い叶えてください」>>82>>83>>85>>86
第弐話「寧々の男性観察」>>87>>88>>90
第参話「チョコレート」>>93>>94>>96>>99
□第6章 お膳立ては計画的に
第26話「臨時柱合会議」>>103>>105
第27話「それぞれの対策」>>111>>113>>115>>116
第28話「それぞれの対策・後編」>>118-119
第29話「六新鬼月と無惨」>>121
第30話「決戦の火ぶたを切る」>>122
□第7章 最終決戦
第31話「燐月・銘祈戦:前編」>>124>>125>>129>>132
第32話「燐月・銘祈戦:後編」>>135>>139>>142
第33話「こんな噂知ってますか?」>>143
第34話「七不思議旋風」>>145-147
第35話「お魚になります!」>>150>>153
第36話「求手名:新羅戦:前編」>>156>>160>>165
第37話「求手名:新羅戦:後編」>>173>>174>>176>>178
第38話「大好き」>>180
第39話「刻羽睦彦」>>184>>186>>187>>189>>192>>193
第40話「胡桃沢仁乃」>>194>>195 >>197-199
第41話「骸と、最後の鬼:前編」>>200 >>203-205 >>207
第42話「骸と、最後の鬼:後編」>>211-212
第43話「重なる想い」>>213-216 >>219>>220
最終話「キセキ」>>221
あとがき>>222
◆本編外伝
外伝1話「inかもめ学園」>>228>>230>>231
外伝2話「柱とのパジャマパーティー」>>237-239 >>242>>244
外伝3話「柱とのパジャマパーティー2」>>251-253
外伝4話「キミの反応見てみたい」>>240-241
外伝5話「恋ゴコロ」>>254>>255 >>257-258 >>260
◆キャラクター設定集
〇オリキャラ設定集>>223-226
〇六新鬼月 設定集>>232-236
◆あとがきSP
○あらすじについて>>261
○振り返り編
[第一章]>>262-265
[第二〜三章]>>267-271
[第四〜五章]>>272
〇企画コーナー
[キャラの名言を再翻訳してみる!]>>270
[キャラに○○してみる]>>278-343
[演技力むうむう面接☆]>>287-298
[想像でキャラの中の人にインタビュー」>>335>>338
◆特別編
☆遊園地編☆
第壱の怪「現代パロ☆遊園地での肝試し」>>299>>300
第弐の怪「遊園地での肝試し2」>>303-316 >>317-318
第参の怪「遊園地での肝試し3」>>321 >>323-342
☆お泊り会編☆
第肆の怪「現代パロ☆ワクワクのお泊り会」>>347>>349>>350
第五の怪「お泊り会2」>>351>>354
第陸の怪「お泊り会3」>>359
□ろくきせ最終章 I'm on your side.
第45話「スレ違い、それぞれの葛藤」>>361>>363
第46話「企みと変貌」>>364>>370
第47話「掴むべきもの」>>373>>374>>377
第48話「軌跡と奇跡の輝石」>>379 >>382-386
第49話「ごめんねは、また今度」>>387>>390
第50話「サヨナラは言わない」>>393>>394>>395
あとがき>>396
2020年3.10 執筆開始
2020年6.11 本編完結
2020年6.12 外伝執筆開始
2020年6.27 外伝完結
2020年7.07 キャラクター紹介を一部加筆
2020年8.02 最終章執筆開始
2020年8.20 最終章含め本編完結
- Re: 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡 ( No.381 )
- 日時: 2020/08/11 17:02
- 名前: パドル (ID: 9Yth0wr6)
※名前、ふみかずに変えたんじゃなかったんかい
姉)ちょっと弟が書きたいって言ってるので変わります。
ちょっと変な問題とかあるかもですが弟なりに頑張って書きましたので
(゜-゜)←こんな目で見守ってくださいませ。
今日はパドルだけのものにしようと思いまーす
お姉ちゃんになんで一緒にやらないのか聞かれたので書いときます!
一緒にやらないのは、なんか取りあえず自分だけの奴かいてみたいし!(年相応の語彙力)
お姉ちゃんがついてるとなんか色々とさっさとやれとか言われそうです! 嫌です!
※すまん。。。
じゃあ〜今から〜鬼滅の刃と(弟からのサービスで)花子くんのクイズを出すので
答えが分かった人はコメントで書いてください。
よろしくお願いします。
姉)あ、ちなみに分からなくても答えは後程お知らせしまーす
☆難易度高いのは目をつぶってください☆
・鬼滅のクイズだよぉぉぉぉ! by善逸
第壱問「胡蝶しのぶの誕生日は 何月何日でしょうか?」
第弐問「水の呼吸の陸ノ型は?」
第参問「弐ノ型 昇り炎天は誰の呼吸の技でしょうか」
第肆問「手鬼が食べた人の数は 次のうちどれ? ①11 ②12 ③13」
第伍問「蜘蛛の鬼の母を倒した呼吸と名前は何でしょうか」
・花子くんのクイズだよぉぉぉぉお! by善逸
第壱問「寧々ちゃんが女子トイレの奥から3番目の扉をノックして出て来た人は?」
第弐問「花子くんが好きな食べ物は?」
第参問「七不思議1番は、カコと、ミライと、○○」
第肆問「七不思議の五番目の場所はどこ?」
第伍問「アメやる妖怪は〜? せーのっ」
- Re: 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡 ( No.382 )
- 日時: 2020/08/11 18:01
- 名前: むう (ID: 9Yth0wr6)
弟がどうもすみません……。
何か無駄にませてんですよ。
いうなればミツバくんに近い性格?
*******************
〈放送室メンバーside〉
【カガミジゴクの部屋】
有為「●×△%●×△%」
つかさ「宵宮そのままお願いね!」
有為(了解。詠唱をやめると空間が歪んで、学園と繋がらなくなるから念話で話すよ)
夏彦「なんか…僕っ子やめちゃったから、違和感がすごいね…」
桜「人は変わる生き物だし、どう生きようと本人の自由よ」
夏彦「そっか。そだね。ってことでワンモア俺たちもやってやりますか!」
桜「ええ。今回は4番もえらく協力的だしね。どんな手を使って口説いたの?」
夏彦「口説いたとか人聞き悪い。ただ単に、七番がめっちゃお願いして受け入れてくれただけ☆」
つかさ「よし、行くよ桜ー」
ミツバ「こんなに頑張ってる僕をほっといて話を進めるとか脳みそ腐ってんの!??」
桜「頑張っているそぶりなんてないわ。ああ、見張り…お世話様」
ミツバ「キィ—————! 褒めてないねありがとう!」
つかさ「そう怒らないでよミツバ—。だいじょうぶ、桜は優しいから」
桜「ええ」
ミツバ「うーわ自画自賛とか痛い……」
夏彦「人の事言えないけどね」
ミツバ「うーわ耳が痛い……」
つかさ「じゃあ改めて行くよ、桜!」
桜「ええ。ナッツン、ラジオの電源入れて。行くわよ(ヘッドホンスチャ)」
夏彦「(カチッ)」
こんな噂、知ってますか?
七不思議が四番目、「美術室のシジマさん」
彼女の絵の世界に閉じ込められたものは、彼女の命令を執行しない限り、
二度と生きては戻れないでしょう。
そして………。
・・・・・・・・・・・・・
〈紅羽side〉
【神社】
〜紅羽(鬼化仁乃)、絵の世界の睦彦と出会い〜
睦彦「…………だれ??」
紅羽「お前こそなんでそんなとこにいるそす。ここはどこそす」
睦彦「…………俺んちだよ。つかお前は何? 客なら金払えよ」
紅羽「生憎我は、天下不滅の一文無しそす」
睦彦「何だよ冷やかしかよ! 行った行った! お前なんかに付き合ってられっかよ」
紅羽「何でお前は隠れてたんそすか?」
睦彦「掃除サボると親父に叱られるんだよ。あと兄ちゃんにチクられる。怖いんだぜ」
紅羽「この世で一番怖いものは、そいつはそすか?」
睦彦「ああ。親父は怒るとそろばん投げつけてくるんだぜ。そんな親がいてたまるか」
紅羽「鬼は、怖くないそすか」
睦彦「鬼? なんだそれは」
紅羽「………知らない? 馬鹿な。だってお前はさっき、紅羽に追われてた人間そす」
睦彦「何のことだか知らねえが、俺がここに隠れていることは内緒にしてくれ。えっと、お前—」
紅羽「………紅羽そす」
睦彦「可愛い名前だな。俺気に入ったよ」
そう言って愛嬌のある顔でにっこりと笑う少年に、また胸がずきりとうずいた。
先ほどから何かがひっかっかる。
何でなのか、まだ分からない。けれど、心が何かを訴えかけているのは分かる。
こんな奴は知らない、記憶にないと考えると、焼くような痛みが頭を直撃する。
その頭痛は自分に何かを知らせようと、しているのかもしれない。
紅羽「お前……睦彦、とか…う゛っ」
また、頭痛が精神を蝕んだ。
ズキズキと、その痛みはやむことはなく。
睦彦「おいおい、大丈夫か。マジでヤバそうだぞ」
紅羽「よくあることそす。気にすんなそす」
睦彦「そうか。無理すんなよ」
紅羽「お前に、聞きたいことがあるそす。我、ここから出たい。どうすればいいのか知らんそす」
睦彦「………こことは?」
紅羽「あのおさげの女は、我を絵の世界に閉じ込めたらしいそす。出る方法、教えてくれんそす」
睦彦「………」
紅羽「せめて無惨が助けに来てくれればいいのに……」
そう言った直後だった。
目の前にいる彼の様子が、劇的に変わったのは。
睦彦は、さっきまでの表情とは違う、裏表があるような怪しげな表情をしていた。
そして我を押し倒すと、呆気にとられた我の顔を覗き込む。
女の体の上に男が乗っかかる光景はいささかどうかと思うが、今はそこに突っ込む余裕はない。
——睦彦の表情は、暗く暗く、怖気を与えるには充分だった。
紅羽「睦彦? ど、どうした……そす……」
睦彦「………………」
紅羽「ね、ねえどうしたそす………むっくん………」
むっくん?
あれ、何で今、そんな言葉がするっと口に出たんだろう。
むっくんなんて愛称、目の前に居るコイツは呼んでくれなんて一度も言ってないのに。
睦彦「…………ねぇ……」
紅羽「な、何そす……っ 怖いそす……」
睦彦「…………その、無惨って奴は……ホントにお前のこと好きなのかな?」
紅羽「え?」
睦彦「おかしいと、思わない? 助けにずっとこない無惨……」
紅羽「き、きっと後で来るそす。絶対絶対来るそすっ」
睦彦「…………無惨は、ホントはお前の事、何とも思ってないんじゃない?」
紅羽「ち、違うそすっ。お前に何が分かるそすっ」
睦彦「ねえ。お前をそんなふうにさせた男は今何をしてるのかな」
紅羽「な、何を言うそす」
睦彦「…………お前が一生懸命、悪と対峙している時に、そいつは何をやってたのかな」
紅羽「………やめてそす……」
睦彦「…………そいつがいなかったから、お前は今こんなふうに、無惨にも裏切られた」
紅羽「……そいつって誰そす! な、なんでそんなこというそす………っ」
睦彦「…………ねえ。そいつ、……睦彦の事、殺したほうが、いいんじゃない?」
紅羽「…………聞きたくなかったそす」
睦彦「………!!?」
紅羽「…………お前の口から、そんなこと、聞きたくなかったそす!!」
なんで、何で何で何で何で。
なんで紅羽は、睦彦のことをそんなに庇ってしまうのだろうか。
なんでこんなに、胸が痛いのだろうか。
求める答えは、もう少しでつかめるはずなのに、なんで、つかめないのだろうか。
怖い。怖い怖い怖い怖い怖い。
自分が、怖い。
睦彦「…………殺さないんだ。じゃあ、俺が殺してあG」
??「仁乃ちゃんにそんな物騒なこと、言うんじゃぁぁぁぁねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
ズバァドンパスべスブスベリべりべりベリべりベリッッッ
妖艶な笑みを浮かべて、睦彦が我の腕を掴もうとしたとき。
甲高い大声が、そして自分の耳を疑いたくなる轟音が、神社の敷地内に鳴り響いた。
ネクスト→思わぬ助っ人とは一体? 次回もお楽しみに!
- Re: 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡 ( No.383 )
- 日時: 2020/08/12 17:34
- 名前: むう (ID: 9Yth0wr6)
私は戦闘シーンを書くとき雰囲気作りでテンポの速い曲を流してます。
今回のこのお話を書くにあたって、PCの横にiPadを置き
大音量で「ロキ」を流しました。
内容も「ロキ」にあってると思うので、ぜひ曲を聴きながら聞いていただきたい!
では、「死ぬんじゃねぇぞお互いにな!」
*******************
〈六新鬼月side〉
骸「水の呼吸・拾壱ノ型 凪!!(ブンッッ)」
無惨「むッ(飛んで避ける)どうした銘祈! 動きが止まったぞ!」
銘祈「(う゛っ。無惨の支配が強くなってきた……っ。思うように体が動かせない……っ)」
燐月「負けないで銘祈くん。先に逝ったらこの俺が許さないからね」
銘祈「お前に心配されるほどヤワじゃねえよ!」
燐月「ちぇ。可愛げのない。血鬼術・不死の魂獣!!」
〜燐月、死なない雑魚鬼を出現させる〜
燐月「それ、かかれぇ!!」
雑魚鬼「ウガァァァァァァ!!」
無惨「っっ!(すんでのところで避ける)」
フラン「さっきから避けてばかりでちっとも攻撃してこないね」
彼岸「当然。あの方にとっては私たちは大事な駒。傷一つ付けたくないんでしょう」
魔理沙「マスタ—スパーク!!」
ルーミア「ムーンライトレイ!!」
ズダァァァァァァァァァァンン!!!
パチュリー「やった……かしら」
茜「!? 姿が消えたっ? ま、まさかっ。おい後ろっ」
一同「(バッと振り向いて)」
無惨「この姿見の中に入れば、紅羽と会える。吸収すれば私の能力もさらに強くなるだろう…」
レミリア「あいつ、いつのまにっ」
求手名「ダメだっ。早くしろ! 中に入らせるな!!」
〜無惨、姿見に手をかけて〜
〜瞬間、姿見の中から黒い腕が伸び〜
無惨「ぐっ。離せ!!」
燐月「今だ、操り人形、行け—————————っ」
雑魚鬼「ウがぁぁぁぁぁ!!」
雑魚鬼が無惨に向かって突進する。
無惨はニヤリと笑い、右腕を高く上げた。
茜「(ヤバイ。何か嫌な予感がする!) 止まれぇぇぇ時間!!」
雑魚鬼「ウがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
茜が壱番の能力を使い、時間を止めた僅か0.1秒前。
燐月の雑魚鬼たちが、鏡の世界に吸い込まれた。
茜(っやばい!! 有為ちゃんミツバ聞こえる!? そっちに雑魚鬼襲撃!)
ミツバ(何だってぇぇぇ!?? ちょ、うわっ ギャッ)
ガタンッ
バキンッ
ボコッ
グチャグチャグチャグチャグチャッ
・・・・・・・・・・・・・・・
〈紅羽side〉
大爆音が鳴り響き、慌てて音をした方に視線をやると、睦彦の体が地面にめり込んでいた。
反射的に振り向くと、黄色い髪の少年は二タァッと笑みを浮かべたのち、
善逸「こんな可愛い子になにやってんだ睦彦! お前な! このアホッッ」
伊之助「てめぇもちょっと落ち着け——————ッッ(ボカスカッ)」
善逸「ギャウッ」
伊之助「ここは絵の世界だっつってんだろ! この陸太郎はあの陸太郎じゃねぇ!」
善逸「知ってるよそれぐらい! つかさの奴が調子乗って色々いじったんだろ? 馬鹿が!」
花子「こんなところでケンカしないでくれる? せっかく案内してあげたのに」
善逸「花子おまえな!! ………その恰好は何だ」
花子「これ? カッコイイでしょー(マントバサッ)」
善逸「あーもうムカつく! 何よコレ何よコレ!! でも俺やってやったよカッコつけたよ!」
睦彦「……ちょっと危ないからこっち行こうな、胡桃沢(紅羽も手を取って)」
紅羽「……ヒッ」
睦彦「勘違いするなよ。お前を襲ったのはあくまで『絵の中の俺』であってこっちの俺とは違う」
紅羽「意味が分からんそす」
睦彦「いいよ今は分からなくても。取りあえず俺と一緒に来い!(グイッ)」
紅羽「うわっっ」
その時。
茜(そっち聞こえるっ!? ちょっとヤバい状況になった!)
花子「え、ど、どしたの1番」
茜(実は無惨がこっちに来そうになって、慌てて時間止めたんだけど、)
茜(止める瞬間、燐月の雑魚鬼がこっちの世界に入っちゃって)
一同「マジいいいいいいいいいい!??」
茜(柱たちが今対処してるけど、そのうちそっちにも来るだろうから気を付けて!)
善逸「何やってんのお前!! それで、時間を止められる期限は?」
茜(五分だよ、だから急いで!!)
善・伊・睦「短けぇぇよ!」
茜(仕方ないんだよ!!)
〜と、奥から土ぼこりが上がって〜
雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァァァァ!!」
善逸「ギャ————! 来たぁぁ!!」
睦彦「よっし分かった。俺は胡桃沢連れて鏡の外を目指す! お前たちは、」
花子「全力で足止めね。おっけ!」
善逸「ええええええええ、うもう分かったよ! 俺頑張るっ」
伊之助「つべこべ言うんじゃねェ! 行くぞ!」
雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァァ!!」
花子「蹴散らせ、白状代!!(ビュンッ)」
善逸「雷の呼吸・壱ノ型 霹靂一閃・六連!!(ダダダダダンッ)」
伊之助「獣の呼吸・参ノ牙 喰い裂き!!(ビシャッッ)」
善逸「今だ行け———————————ッ」
睦彦「了解—————!(駆け出して)」
睦彦が我の腕を掴んで駆け出す。
後ろから聞こえる、鋼が打ち合う音がどんどん遠ざかっていく。
彼の手のぬくもりを感じながら紅羽は、なぜかとても満たされた気持ちになっていた。
理由は分からないけど、彼と二人で逃げ出すことが嬉しかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
睦彦「大丈夫かっ 胡桃沢っ。疲れてないか? もうちょっとペース上げてもいいかっ」
紅羽「好きにするそすっ。あと我は紅羽そすっ。仁乃でも、胡桃沢でもないそすっ」
睦彦「そうか! それでも俺は胡桃沢って呼ぶぜ。あとペース上げるぞ!!」
紅羽「話を、聞けそす!!」
紅羽「前から聞きたかったけど、その足どうしたそす」
睦彦「大事な人を守るために、俺が一っっ番嫌いな奴にあげた!」
紅羽「その大事な人とは?」
睦彦「…………お前だよ(ボソッ)」
紅羽「? 何て言った?」
睦彦「なんでもない!」
〜ダダダダダダダダ〜
雑魚鬼「ウガァァァァァァァ!!(前から突進してくる)」
睦彦「チッ。次から次へと……。面白い。胡桃沢、ちょっと下がってろ」
雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァ」
睦彦「光の呼吸・壱ノ型 爆光一閃!!(ビシャッッ)」
雑魚鬼「………ァ……ぁぁぁ……」
睦彦「はい、進めぇぇぇぇぇぇぇ!!(だだだだだだだ)」
紅羽「無理そす。ここはメイとか言うやつの命令に従わない限り出られないそす」
睦彦「そのっ、命令とはっ? ……やべえ息キレて来た……っ(だだだだだだだ)」
紅羽「自分自身と向き合え、失ったものに気づけ、仁乃が愛されていることを感じろ」
睦彦「なら話は早い。足は止めないでこれでも見とけ!(懐から紙を出して)」
紅羽「………これは、写真?」
睦彦「猫被りの生意気なミツバって奴がとってくれた現像写真だ(だだだだだだだ)」
そこには、遊園地かどこかで撮った集合写真や、
木刀で手合わせをする男の子と女の子の写真などが映し出されていた。
雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
無一郎「睦彦、ごめん取り逃がした————!(向こうから駆けてくる)」
睦彦「おっけー! 光の呼吸……」
紅羽「一つ、聞いていいそすか」
睦彦「このタイミングで!? いいけど簡潔によろしく! 参ノ型 暗暗流打!(ビシャッッ)」
雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
無一郎「霞の呼吸・漆ノ型 朧!(ブンッッ)」
紅羽「なぜおまえは、我を見ても首を斬ろうとしない?」
睦彦「光線昇降突!(ドスッ)なんだ、そんなことか?」
睦彦「好きな奴の首を斬るとか、できるわけないだろうが!」
紅羽「え、ちょ、お前なにしてるそすっ」
睦彦「俺の口からそれを言わせんな!」
〜紅羽の体がふわっと浮く〜
無一郎「………おんぶだよ」
睦彦「時透てめぇ! ありがとうあと後ろからも来たから後頼む!」
雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
無一郎「了解。胡桃沢さんのこと、よろしく頼むね(駆け出して)」
睦彦「おう、任せとけ!」
紅羽「はな、降ろせそすっ。ちょ、お前っ」
睦彦「絶対にお前を元に戻す。約束する」
ネクスト→雑魚鬼VS鬼滅隊&花子隊&東方。次回もお楽しみに!
【大正コソコソ噂話】
今日の大正コソコソ噂話:むうのひとりごと
( ,,`・ω・´)ンンン?
ちょとまてちょと待て。この後どうやって絵の世界から抜け出すか全く考えてねぇ!!
愛と勇気で何とかなるのだろうか。それともみんなが一生懸命、仁乃を説得してくれるのか?
それともこういう展開にありがちな『過去エピソード』を書いた方がいいのか……。
あ、そうそう有為ちゃんの過去エピソードかけてないいい……。
どうしようどうしようこのままだとなんか上っ面だけいい子になっちゃう。
そんなの嫌だ有為ちゃんエピと仁乃の鬼化戻る方法考えなきゃ……。
あと、
燐月お前、地獄で待ってろ(ドス)。
- Re: 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡 ( No.384 )
- 日時: 2020/08/13 16:47
- 名前: むう (ID: 9Yth0wr6)
今日のハイライト。
一人で見えない友達と会話した後に、弟、
弟「中二病がキツイ」
*******************
〈放送室メンバーside〉
【カガミジゴクの部屋】
雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
ミツバ「ギャぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! 頼むから鏡だけは割らないでぇぇぇ!!」
雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
ミツバ「………ひいいいいっ」
雑魚鬼がミツバへと迫る。
鏡の外にいる無惨の様子を伺っていたミツバは、不意を突かれてじりじりと後ずさる。
雑魚鬼がゆっくりと口を開く。その口には鋭利な牙がびっしりと生えていて。
ミツバ「っっっっ!!」
つかさ「ブンッッ(ドスボキャビシャッッ)」
凄い音が響いて、思わず顔を上げる。
眼前にいるはずの雑魚鬼は、何故か白目をむいて倒れていた。
どうなったのかは、部屋に飛散した血飛沫の量で大体わかる。
つかさ「だいじょーぶ? ミツバ」
ミツバ「え……っと、ありがとう……っってぎゃあああああああああ!!」
桜「無理もないわ。ここではあの子はかなりの危険人物だもの」
お礼を言おうとして振り返った瞬間、司の着物を真っ赤に染めた血の量に悲鳴を上げるミツバ。
司が拳骨一発で雑魚鬼を地獄へ送ったのだ。
胸に去来する、鬼への同情心と既視感。
夏彦「確かつかさって、前代のカガミジゴクも拳骨一発で殺したよね」
桜「………つくづくお気の毒だと思うわ」
ミツバ「………た、助けられて嬉しいと思いたいんだけど思えないごめん……・」
有為「私の術でメイさんの領域とこの鏡の領域を繋いでる。そのうちここも危なくなるよ」
夏彦「そだよね。俺らはつかさに敵殴ってもらって終わりだけど、ミツバはどうする?」
ミツバ「え、え、え、僕一人になるのっ? 守ってくれないのっ?」
桜「残念ながら私たちは噂を変える能力しかないから……すまないのだけど一人で…」
ミツバ「いじめだっ! これ絶対いじめだっ!」
有為「……何を言っているの? 私がミツバさんもろとも助ければいいだけの事でしょ」
夏彦「さっすがー有為ちゃん話分かってる。もろともの使い方間違えないで怖いよ」
ミツバ「た、たた、助けてもらうまでの事でもないしっ! 君は自分の命を守りなよっ」
雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
有為「………分かった。じゃあここで一旦解散、お疲れ様です」
ミツバ「分かったよ!! 守ってくださいお願いします!」
つかさ「よし。じゃあ俺たちは普と合流するから、後頼んだよ宵宮!」
桜「よろしく頼むわね。じゃあナッツン行くわよ、全速力で逃走!」
夏彦「りょーかい!」
※茜の時間停止が終わるまで、あと3分50秒
・・・・・・・・・・・・・・・・
〈義勇×しのぶside〉
【エソラゴトの世界】
雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
しのぶ「蟲の呼吸・蝶ノ舞 戯れ!!(グサッッ)」
義勇「水の呼吸・弐ノ型 水車(ビシャッッ)」
〜雑魚鬼の頸が斬れ〜
しのぶ「ふぅ……。頸を斬っても死なないとか言ってませんでしたっけ? あれ?」
義勇「この量…。恐らく何体もの鬼に血を与えているから、そこまで強くはしてないのだろう」
しのぶ「なるほど。数は力なり、いや、烏合の衆ですかね」
義勇「さあな。行くぞ胡蝶。まだ向こうに敵が残っている」
しのぶ「分かってますよ。善は急げです」
・・・・・・・・・・・・・・・
〈蜜璃×伊黒side〉
雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
蜜璃「きゃあぁいっぱい来た! 受けきれるかしらっ。いや、頑張るっ!」
伊黒「14体いるから一人7体で行くぞ。行けるか?」
蜜璃「大丈夫です。任せて下さい!」
雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
蜜璃「恋の呼吸・壱ノ型 初恋のわななき!(ビシャッッ)」
伊黒「蛇の呼吸・伍ノ型 蜿蜒長蛇!(ブンッッ)」
雑魚鬼「ァァ………ァ……ぁぁぁぁ……(シュウッ)」
蜜璃「やりましたね伊黒さん! この調子でいけば時間を稼げるわ」
伊黒「了解した。油断は禁物、判断を怠るなよ」
蜜璃「はい!」
・・・・・・・・・・・・・・
〈宇髄×煉獄×炭治郎×禰豆子〉
雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
炭治郎「禰豆子来たぞ———ッ。お願い!」
禰豆子「ムー! 血鬼術・爆血!!」
〜ゴォオォオォオォ〜
雑魚鬼「ギャッ」
炭治郎「今だ! 水の呼吸・肆ノ型 打ち潮!!(ブンッッ)」
雑魚鬼「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
宇髄「的がでかいとやりがいがあるぜ! 音の呼吸・壱ノ型 轟!(ゴオオン)」
煉獄「炎の呼吸・壱ノ型 不知火!!(ブンッッ)」
炭治郎「ありがとうございます宇髄さん煉獄さん!」
宇髄「なあにお礼を言われるまでもねえよ。それよかお前の技も派手になったな!」
炭治郎「本当ですか! そう言ってもらえると嬉しいです」
茜(時間停止が切れるまで、あと1分!! 急いで!!)
燐月(みんなホント俺の不注意のせいでごめん。もうちょっと辛抱して!)
煉獄「了解した! 無惨の卑劣な行い、許すわけにはいかない!」
禰豆子「ムームー!(仁乃ちゃんは絶対助けるよ!)」
・・・・・・・・・・・
〈紅羽side〉
〜エソラゴトの世界脱出を目指して逃走中〜
〜ついでに紅羽おんぶ中〜
睦彦「おいシジマさん聞こえるかっ? これ、何とかなんないのかっ?(だだだだだだだ)」
紅羽「おい、離せっ。離すそすっ!」
メイ(もちろんこの世界を消滅させることは出来ますが、……それでいいんですか?)
睦彦「それは、どういう意味だ?(だだだだだだだ)」
メイ(七番様の弟さんも、もちろん私も出来る限り、仁乃さんが記憶を取り戻せるようにしてる)
メイ(自力で何とかしないと、いけないのではないですか?)
睦彦「…………そう、だな。言われてみればそうだ。ごめん、俺やっぱり焦ってるかも」
メイ(お疲れ様です)
睦彦「なあシジマさん。胡桃沢、戻ると思うか? ……まだちょっと、不安で(だだだだだだ)」
有為(希望とか魔法とか勇気とか、そんなものにすがるのが正しいとは思わない)」
睦彦「っ。てめえ何を言っ」
有為(でも、起こせないかもしれない奇跡を願うのは悪いことじゃないよ)
睦彦「宵宮、お前……っ」
有為(実体験があるから…。奇跡、一緒に起こそう。みんなで、一緒に)
睦彦「いつもバリバリの毒舌で攻撃してたやつに言われると不思議な気分だな。ありがとう」
メイ(自力でやらなきゃいけないけれど、睦彦くんがサポートすることは悪いことではない)
睦彦「そうだよな! よっし分かった。こうなったら全力で思い出させてやる!」
みんなは、まだ知らない。
茜の能力が解け、みんなが懸念していた無惨の鏡の世界侵入が、
もう既にされてしまっていると言うことに。
無惨のたくらみは、まだ終わらない。
ネクスト→無惨、鏡の世界侵入!? 次回もお楽しみに!
【大正コソコソ噂話】
今日の大正コソコソ噂話:しのぶ×無一郎
しのぶ「いつしかのコンビでお送りいたしますね〜。よろしくお願いします」
無一郎「よ、よろしくお願いします」
しのぶ「いよいよ激しくなってきましたが、体調管理は大丈夫ですか?」
無一郎「はい。キレッキレです」
しのぶ「良かったです〜。冨岡さんはちょっとお腹の調子がわるそうでしたので」
無一郎「……それは、心配ですね」
しのぶ「直前に『そんなんだから、みんなに嫌われるんですよ』と言ってからですね」
無一郎「……それが原因なのでは……」
しのぶ「それでは次回もお楽しみに!」
無一郎「いつも応援ありがとう。これからもよろしくね」
- Re: 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡 ( No.385 )
- 日時: 2020/08/15 21:55
- 名前: むう (ID: 9Yth0wr6)
お久しぶりです。
うちのパッパが家にいるので家族の時間大切にしてました。
あ、そうそう今日のイメージ曲は、YOASOBIの「夜に駆ける」です。
ぜひ聞きながらお読みくださいませ。
*******************
〈ミツバside〉
【カガミジゴクの部屋】
有為「炭治郎くんたちからの念話で、多少雑魚鬼の数も減ってきているようですね」
ミツバ「そ、そう? それは良かった。…ってあれ、僕っ子再発?」
有為「勘違いしないでください。どうにも、敬語なしだと慣れないんです」
ミツバ「そ、そなんだ。いいんじゃない? 自分の好きなようにすれば」
有為「そうだね…ですね」
と、その時。
ドンガラガシャンドシャッッ
バラバラバラバラバラッッ
無惨「やっと中に入れた。貴様が鏡の世界の支配者か? 随分と警備が甘いようだが」
ミツバ「ッ!? 無惨? な、なんで…東方の人たちはどうして…」
無惨「ああ、あいつらは少し動けなくしただけだ。しぶとい奴らだった」
有為「ろ、六新鬼月の皆さんは?」
無惨「……裏切者たちの事なら、深手を与えた。まぁ少しばかりの時間稼ぎは出来たと思うが」
ミツバ「……何てことをっ」
無惨「ミツバと言ったかな。よくもまあ好き放題してくれた、今から地獄に送ってやろう」
ミツバ「嫌だッ!」
ミツバの腕が無惨の襟元を掴む。
鋭い爪が無惨のシャツに食い込み、無惨は鬱陶しそうに首を回す。
そして彼は、数分前と同じようにニヤリと笑い、腕を振り上げようとして……。
彼岸「させないっ!」
骸「光の呼吸・玖ノ型 閃光爆裂!!」
壁にかけられた鏡からカガミジゴクの部屋へと落ちて来た、六新鬼月の壱の双子の姉妹。
自身の血鬼術で全ての呼吸が使えるようになった骸は、常に装備している剣を振りかざす。
バチィィィィィィィィィィッッ!
無惨「ッ。この私に勝負を挑むとは面白い!」
無惨が赤い相貌を細めて振り向く。
彼の視線の先には、六人の鬼—六新鬼月たちが立ちはだかっている。
燐月「ここで決着をつけよう無惨様。俺たちは俺たちらしく行動する自由があるんだ」
求手名「いつまでもお前の命令に従ってはいられないな!」
新羅「そこの陰陽師と怪異くんはどうする? 逃げてもいいんだよ?」
有為「逃げる? そんな選択肢は残念ながらありませんね!」
ミツバ「と、とと、当然僕も、こいつにお仕置きしてあげるよ!」
無惨「——愚かだな。そうしている間にも、紅羽の支配は強まっているのだぞ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〈睦彦side〉
睦彦「ハァ、ハァ。出口がどこかも分かんねえ。取りあえず胡桃沢の記憶を取り戻す!(だだ)」
紅羽「………刻羽さん」
睦彦「え?」
鬼化した胡桃沢が、不意にポツリと呟いた。
今まで「お前」とか、「睦彦」としか呼ばれてなかったので、驚いて背中の彼女を見る。
胡桃沢は罰の悪そうに、ぼそぼそと続ける。
紅羽「睦彦くん」
睦彦「へ?」
紅羽「睦彦さん」
睦彦「お前、何を言って……」
紅羽「むっくん」
刹那、俺は目を見開いていた。
久しぶりに聞いたような感覚に、再び振り向く。
昔は「刻羽さんと呼べ」だなんて怒鳴っていたけれど、今となればそれ以外で呼ばれることが、とても変に思う。
紅羽「なんか、むっくんって呼ぶと、安心する」
睦彦「………」
紅羽「紅羽のせいで無理をさせてしまってるなら、謝る」
睦彦「………そ、そんなこと」
紅羽「分かってるそす。我もずっとモヤモヤしているから。答えはすぐそこにあるのに」
睦彦「そうだよ、あと少しなんだ。お前に早く戻ってほしい」
紅羽「どうすればい……う゛っ」
思慮深げな顔で何やら考えていた彼女が、急に悲鳴を上げて俺の背中から滑り落ちた。
頭を抱えて地面にうずくまっている。
睦彦「ど、どうした? 大丈夫か?」
紅羽「や……やだッ……やめて……ッ 紅羽はお前のものじゃない……っ」
睦彦「どうしたんだ? なぁ、胡桃z」
紅羽「ウガァァァァァァァァァァァッッ」
突然、牙をむき出して胡桃沢が俺に遅いかかってきた。
不意を突かれた俺は、慌てて剣の柄で攻撃を受け止める。
彼女は苦しそうに、何かを必死で我慢しているような表情で、こっちを睨んでいた。
睦彦「っ!?」
紅羽「違う……グルルルル……違うそす……頭から離れろ無惨…グルルルル……」
無惨!?
無惨が鏡の世界に、はたまたこっちのエソラゴトの世界に来ているのか?
そして胡桃沢がこんなに苦しんでいる原因は、もしかして……。
睦彦「頑張れ胡桃沢、負けんな! 大丈夫だ、俺はここにいるっ」
紅羽「我は紅羽じゃない……そんな名前じゃなかったはず……っ お前の言う通りなんか……っ」
睦彦「負けるな胡桃沢!! こんなの、お前は望んでないだろっ! お前はもっとっ」
そう、あの胡桃沢仁乃は、ここで折れる人間じゃない。
俺は彼女を一番近くで見てた。
いつだって明るくて、優しくて、強くて。
こんな俺を好きだと言ってくれて、必要だって、そう言ってくれて俺は嬉しくて。
二人で肩を並べて歩くのが、
同じ話題で盛り上がるのが、
彼女にからかわれるのが、ただただ楽しくて。
だからここで終わっちゃダメだ。
まだまだ、やりたいことが残っている。
だからふんばれ、負けないで、また笑って俺を「むっくん」って呼んでほしいから。
紅羽「離れろ無惨………っ。紅羽は! 仁乃は! お前なんかの支配になんか負けない……っ」
睦彦「フンバレ! 頑張れ胡桃沢!!」
紅羽「無惨っ………う゛っ!」
また、胡桃沢が苦し気にあえいだ。
どうやら無惨の支配に逃れることに成功したようだ。
きっと、見えないところで炭治郎たちが無惨と戦ってくれていたのだろう。
そのことに感謝しつつ、俺は胡桃沢の腕を引っ張って起き上がらせる。
胡桃沢はまだ瞳や牙は鬼のままだったが、自我はしっかりと取り戻した様子だった。
睦彦「大丈夫か? 胡桃沢」
紅羽「思い出した……。全部思い出した。私は、胡桃沢仁乃だった」
睦彦「ああ、そうだよ。いつだって明るくて優しい、俺の自慢の彼女だよ」
紅羽「むっくん、一緒に抜け出そう。きっともう、大丈夫だから」
睦彦「おう。俺はいつでも、お前の味方だ」
胡桃沢にそっと手を差し出す。
彼女は俺の手に、自分の小さな指をそっと絡ませた。
メイ(おめでとうございます。どうやら命令をクリアしたようですね)
ははは、甘かったなシジマさん!
俺たちはずっと信じてた。
こんなことで折れるほど弱い人間じゃないんだぜ!
睦彦「よし、走るぞぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
紅羽「うん!!」
二人の歩調がしっかりと合わさる。
俺たちは、二人で夜に駆けだしていく。
【大正コソコソ噂話】
今日の大正コソコソ噂話:むうのひとりごと
随分あっさりと支配を外した仁乃ですが、これには理由があります。
何故こんなにもあっさりと事が進んだのか?
種明かしはまた次回。お楽しみに!
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