二次創作小説(紙ほか)
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- 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡
- 日時: 2024/02/02 20:20
- 名前: むう (ID: F7nC67Td)
- プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=18201
――これは俺達の、軌跡と奇跡の物語だ。
********
どうも、むうです。
鬼滅、花子くん、その他色んなものが好きです。
六人の軌跡、通称『ろくきせ』にようこそ!
隠語は「rkks」!よろしくお願いしますっ!
このお話は【鬼滅の刃】全集中・会話文短編集の続編になります。
前作は参照のURLから。
この本編だけでも充分話は分かる(はずです)のでお楽しみくださいませ。
新かまぼこ隊が旅をしながら成長する話。
柱も登場しますので、是非楽しんで行ってください。
第5章からは地縛少年花子くんとのコラボです♪
[前編]【鬼滅】会話文短編集
[公式スピンオフ]ろくきせ恋愛手帖
〈キャラ紹介〉
・新かまぼこ隊>>136
・花子くんキャラ>>137 参照あり
〈注意〉
●本編完結済み
●スマホだと読みにくいかも
●ネタバレ若干あり
●流血の表現あり
●オリキャラあり
●時々東方キャラ登場
〈新たな設定{花子くんのみ}〉
●花子・つかさ めちゃ仲良し
●放送室メンバー→味方
●葵ちゃんや輝さんは外伝で登場!
〈ルール〉
●つぶやきや拡散〇
●中傷行為や荒らし、作品に対してのネット上での暴言×
●キャラの貸し出し〇(その場合コメント)
●また、ネット上での自作発言×
上を読んで、OKな方はゆっくりしていってね!
★Special thanks★
応援コメントありがとうございます!
蝶霞さん 優羽さん ベリーさん 蜂蜜林檎さん
一緒に執筆した弟
応援してくれた学校の先生、友達
★2021年冬⭐︎小説大会★
「二次創作合同」金賞受賞作
感謝 >>398
ーーーーーーーーーーーーーーーー
【目次一覧】
まとめ読み>>01-
読者様の好きな話まとめ(蜂蜜さんthank you!)>>367
作者的に好きな話まとめ>>368-369
(4年ぶりに帰ってきた)作者的にツッコミたい話まとめ>>399—
◆大生コソコソ噂話・執筆裏話
第1回「むうの執筆あるあるまとめ」>>27
第2回「春になってきましたね」>>31
第3回「オリキャラ登場のお知らせ」>>36
第4回「遅いけど自己紹介」>>49
第5回「コラボ決定のお知らせ」>>56
第6回「コロナ怖い」>>84
第7回「閲覧数1000突破!!ゴフッ(吐)」>>92
第8回「花子くんキャラ追加のお知らせ」>>101
第9回「放送室メンバーと作者の楽しい会話」>>107
第10回「閲覧数3000突破コメント」>>245
第11回「外伝の秘話&あとがき&ルールのお知らせ」>>256
第12回「むう流表現方法」>>337
第13回「花子くんに勉強教えてもらった」>>339
第14回「帰還者ムーマス ~4年ぶりに帰ってきた~」>>399
◆むうと弟の楽しい会話
第1回>>371
第2回>>380
第3回>>381
◆閲覧数突破記念
「閲覧数2000突破記念 鬼滅ラジオ」>>166>>169
「閲覧数3000突破記念 キメツ学園」>>246>>247>>248>>250
「閲覧数4000突破記念 オリキャラに20の質問」>>313>>319>>326
□第1章 蝶屋敷での三週間
第1話「おはよう」>>01-02
第2話「機能回復訓練・前編」>>03>>04>>06
第3話「機能回復訓練・後編」>>08>>10>>11>>12
第4話「伊之助ハッピーバースデー」>>15-19
第5話「お久しぶりです」>>20
第6話「いざ、出発!」>>21
幕間 >>22
□第2章 六人の初任務
第7話「聞き込み調査」>>23-24
第8話「鏡ノ森」>>25
第9話「かまぼこ隊、出動!」>>26>>28
第10話「意外な助っ人との反撃開始」>>30>>32
第11話「本当なら」>>33
□第3章 柱9人の格闘
第12話「列車の中」>>34-35
第13話「九人揃えば何とやら」>>38
第14話「鬼の猛攻」>>40-41
第15話「少年は目を撒き、糸は広がる」>>42
第16話「瞳の数字」>>43
□第4章 柱合会議へようこそ
第17話「再会とちょっとした喧騒」>>44>>47
第18話「ご教示願う」>>50-51
第19話「六新鬼月と陰陽師の噂」>>53
第20話「集められた鬼たち」>>55
□第5章 陰陽師を探せ!
第21話「宵宮家探索」>>59>>64
第22話「地縛少年花子くん」>>66-67
第23話「最悪の出会い」>>68-69
第24話「陰陽師・宵宮有為」>>72>>73>>75
第25話「地獄の手合わせ」>>76>>78-80
幕間 >>81
◆番外編
第壱話「お願い叶えてください」>>82>>83>>85>>86
第弐話「寧々の男性観察」>>87>>88>>90
第参話「チョコレート」>>93>>94>>96>>99
□第6章 お膳立ては計画的に
第26話「臨時柱合会議」>>103>>105
第27話「それぞれの対策」>>111>>113>>115>>116
第28話「それぞれの対策・後編」>>118-119
第29話「六新鬼月と無惨」>>121
第30話「決戦の火ぶたを切る」>>122
□第7章 最終決戦
第31話「燐月・銘祈戦:前編」>>124>>125>>129>>132
第32話「燐月・銘祈戦:後編」>>135>>139>>142
第33話「こんな噂知ってますか?」>>143
第34話「七不思議旋風」>>145-147
第35話「お魚になります!」>>150>>153
第36話「求手名:新羅戦:前編」>>156>>160>>165
第37話「求手名:新羅戦:後編」>>173>>174>>176>>178
第38話「大好き」>>180
第39話「刻羽睦彦」>>184>>186>>187>>189>>192>>193
第40話「胡桃沢仁乃」>>194>>195 >>197-199
第41話「骸と、最後の鬼:前編」>>200 >>203-205 >>207
第42話「骸と、最後の鬼:後編」>>211-212
第43話「重なる想い」>>213-216 >>219>>220
最終話「キセキ」>>221
あとがき>>222
◆本編外伝
外伝1話「inかもめ学園」>>228>>230>>231
外伝2話「柱とのパジャマパーティー」>>237-239 >>242>>244
外伝3話「柱とのパジャマパーティー2」>>251-253
外伝4話「キミの反応見てみたい」>>240-241
外伝5話「恋ゴコロ」>>254>>255 >>257-258 >>260
◆キャラクター設定集
〇オリキャラ設定集>>223-226
〇六新鬼月 設定集>>232-236
◆あとがきSP
○あらすじについて>>261
○振り返り編
[第一章]>>262-265
[第二〜三章]>>267-271
[第四〜五章]>>272
〇企画コーナー
[キャラの名言を再翻訳してみる!]>>270
[キャラに○○してみる]>>278-343
[演技力むうむう面接☆]>>287-298
[想像でキャラの中の人にインタビュー」>>335>>338
◆特別編
☆遊園地編☆
第壱の怪「現代パロ☆遊園地での肝試し」>>299>>300
第弐の怪「遊園地での肝試し2」>>303-316 >>317-318
第参の怪「遊園地での肝試し3」>>321 >>323-342
☆お泊り会編☆
第肆の怪「現代パロ☆ワクワクのお泊り会」>>347>>349>>350
第五の怪「お泊り会2」>>351>>354
第陸の怪「お泊り会3」>>359
□ろくきせ最終章 I'm on your side.
第45話「スレ違い、それぞれの葛藤」>>361>>363
第46話「企みと変貌」>>364>>370
第47話「掴むべきもの」>>373>>374>>377
第48話「軌跡と奇跡の輝石」>>379 >>382-386
第49話「ごめんねは、また今度」>>387>>390
第50話「サヨナラは言わない」>>393>>394>>395
あとがき>>396
2020年3.10 執筆開始
2020年6.11 本編完結
2020年6.12 外伝執筆開始
2020年6.27 外伝完結
2020年7.07 キャラクター紹介を一部加筆
2020年8.02 最終章執筆開始
2020年8.20 最終章含め本編完結
- Re: 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡 ( No.361 )
- 日時: 2020/08/01 19:35
- 名前: むう (ID: 9Yth0wr6)
ずっと物語が続くわけにはいきませんよね。いつかは終わらせないと。
でも寂しいし悲しいという思いからずっとこの結論に辿り着きませんでした。
それでもオリキャラ3人を始めとする、この小説の中での鬼滅・花子くん・東方キャラを
愛してくれた読者さんのために、本当の最後のお話を書きたいと思います。
*******************
〈仁乃side〉
——朝起きると、大体いつも少し、泣いている。
つかさ「ねーねーどうしよう。この鱗って奴取れないの?」
伊之助「分かんねーけど、飲んだんなら無理じゃね」
蜜璃「だ、大丈夫よ! 今しのぶちゃんに頼んで薬作ってもらってるし…」
実弥「まあ何かあったら八尋に相談してみればいいんじゃねえのかァ?」
今日も普通の毎日だ。
特別嫌なこともない平和な一日。
昨日もそうだった。もしかしたら明日も同じかもしれない。
それは、この上なく嬉しいことなのに、私の心は暗いままだ。
仁乃「(満たされるほど、将来が不安になるのは何でなんだろう…)」
善逸「おはよう仁乃ちゃん! 禰豆子ちゃんも」
禰豆子「ムームー」
仁乃「あ、お、おは、おはよう」
花子「どうしたの胡桃沢。具合でも悪いの?」
光「しのぶさんに言って、診てもらうか?」
仁乃「ううん大丈夫。ちょっと怖い夢見ただけ…」
ルーミア「そーなのかー。もう現実だから怖くないぞー」
煉獄「うむ! そう言えば先ほど四島が呼んでいたぞ!」
仁乃「ああ、多分頼んだ絵が出来たんだ。ちょっと行ってくる」
一同「はーい。いってらっしゃい」
〜仁乃、廊下を進んで〜
〜廊下で誰かが話している〜
ミツバ「ハンッ何? どーせ僕は機械音痴だよ!! フンッ」
睦彦「何だよお前。せっかくコピーの仕方教えてやってんのに。写真現像したくないのかよ」
寧々「ケンカはダメよぉ〜」
ミ・睦「お前(君)は黙っとけ!!」
寧々「あ……う……ごめんなさい」
睦彦「大体お前はいっつも本音を言わない! そこが嫌いなんだよ!!」
ミツバ「何それ!! 誰もが皆、君みたいに脳みそスカスカじゃないでしょ!!」
睦彦「は? 何だとお前今なんて言った!!」
ミツバ「何度だって言ってやるよ! お前は本当は皆から嫌われてんだよッ」
寧々「ふ、二人とも………(ヘタ〜)」
仁乃「(なにこれ……なんか……嫌だな……)」
炭治郎「どうしたんだ、大きい声出して」
有為「大丈夫ですか? 何かあったんですか?」
〜部屋から皆が出てきて〜
寧々「じ、じつは……(説明中)」
桜「あなたたちいい加減にしなさい。朝から騒ぎ立てられると困るのよ」
睦彦「……お前も…本当は俺のこと嫌いなのか」
桜「そんなことないわよ」
睦彦「嘘つけ!! お前も陰で『あの子うるさいわよね頭おかしい』って言ってんだろ!」
桜「……………何かしらその言いがかり」
炭治郎「む、睦彦くん一回落ち着いたらどうだ?」
睦彦「炭治郎。いい子ぶりはもう飽きたよ。優等生気取りで何言ってんだよ」
炭治郎「…………!」
仁乃「むっくんもうやめて! こんなの、私嫌だよ!!」
睦彦「……あ、そうそう俺みんなにずっと言いたかったんだけどよ」
睦彦「……俺と胡桃沢の関係が羨ましいからって寄ってたかってくんのマジムカつく」
善逸「は? 何だと睦彦、お前言っていいことと悪いことの違いがないのかよ」
霊夢「…………嫌よ私、こんな…皆がバラバラになるの……」
睦彦「お前らなんか皆きらいなんだよッ。そんなに俺が嫌なら話しかけんな!」
花子「…………刻羽。ちょっと殴ってもいい?」
葵「花子くん……ッ」
睦彦「好きにしろよ」
花子「(ブンッッ)頭冷やしな」
睦彦「う゛っ………分かった、頭冷やしてくる。よかったな俺がいなくなって(スタスタ)」
有為「睦彦くん……ボクは……ボクが悪かったんでしょうか…ごめんなさい」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
睦彦「………………………………最悪だ………」
ネクスト→バラバラになってしまった皆。仲直りは出来るのでしょうか?
そして睦彦が怒鳴った意味とは? 次回もお楽しみに。
- Re: 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡 ( No.362 )
- 日時: 2020/08/01 09:22
- 名前: 優羽 (ID: f7aWX8AY)
まさかの喧嘩…
むっくううううん!
どうしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
そろそろ終わるのか…
悲しいなぁ…
- Re: 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡 ( No.363 )
- 日時: 2020/08/03 16:52
- 名前: むう (ID: 9Yth0wr6)
更新遅くなってごめんなさい!
これからさらに遅くなるかも……。
待ちすぎて読者さんの首がキリンみたいにならないことを祈る!
*******************
〈炭治郎side〉
睦彦くんはもう三時間も部屋から出てこない。
それに関係して、みんなもどこか心ここにあらずという感じで、口数少ない。
なんか、これまで皆でつくってきたものが、輪郭を失ってぼやけていく感じがする。
早めに何とかしないと、もうそれは元通りにできなさそうで、
だからと言って何かが出来るわけでもなく、俺は廊下の床に座っている。
炭治郎「……………ハァ………」
禰豆子「ムームー……」
炭治郎「ごめんな、禰豆子。兄ちゃんがこんな調子じゃ、困っちゃうよな」
禰豆子「ムームー」
炭治郎「どうすればいいのか、分かんないんだ。どうするのが正解なのかも」
禰豆子「ムームー」
炭治郎「なあ、禰豆子は、どうすればいいと思う?」
禰豆子「ムー………」
〜と、奥からメイが駆けてきて〜
メイ「ど、どうされたんですか? 皆さん元気がなさそうですが…」
炭治郎「四島さん……実は、——ということがあって……」
メイ「あら…。残念です。折角みんなで仲良くできると思ったのに…」
炭治郎「睦彦くんにはきっと、色々思っていることがあるんだと、思います」
メイ「そうですね…これを渡すのは、もうちょっと後にしましょうか」
炭治郎「これ?」
メイ「はい。仁乃さんからの依頼で、絵を」
炭治郎「ごめんな四島さん。……俺たちが、こんなふうで」
禰豆子「ムー」
メイ「そんなの気にしてないですよ。お互い様ですから」
〈ミツバside〉
【廊下】
ミツバ「最初は、何てことない会話だったんだ……」
光「………」
ミツバ「僕の写真をみんなが見たがるから、旅館の一階のコンビニで現像しようと思って」
光「………」
ミツバ「カメラの操作は出来るのに、コピーが出来ないんで睦彦は呆れててさ」
睦彦『教えてほしいなら言えよ! 教えてやるから!』
ミツバ『嫌だよ君に教えてほしいことなんてないし!!』
ミツバ「………僕は、わざと思ってることと反対のことを言っちゃう癖があるから、つい…」
光「それが睦彦には気に食わなかったのか?」
ミツバ「僕も睦彦のああいう性格、慣れてないんだよ…嫌いってわけじゃないんだけど……」
光「それで、感情がヒートアップして、出たのがあの言葉か」
ミツバ「…………ほんと、ダメだなぁ……僕も……」
〜ポンッとミツバの頭に光が手を置いて〜
光「大丈夫。きっと睦彦も、言いたくてああいうこと言ったんじゃないだろうから」
ミツバ「触らないでよ、バカ」
光「元気出せよ! な、ミツバ!(ニカッ)」
〈睦彦side〉
【自室、夢の中で】
光彦「おう睦彦。久しぶりだな、元気にしてたか?」
睦彦「…………」
光彦「どうした、しみったれた顔して。らしくねえじゃねえか」
睦彦「…………兄ちゃん……俺……うまくいかなかった……」
光彦「…取りあえず座れ。話ならいくらでも聞いてやるから」
睦彦「…………うん」
〜睦彦、兄の隣に腰を下ろして〜
睦彦「ケンカ…しちゃったんだ。みんなに酷い事言っちゃったんだ……」
光彦「そっか。……謝ったか?」
睦彦「ううん。……だって、怖いんだ。……皆からどう思われているか」
『何度だって言ってやるよ! みんなお前のことなんか嫌いなんだよ!!』
光彦「そんなの……気にしなくていいじゃんか。お前はお前のままで…」
睦彦「でも!! ………鬼殺隊に入隊した一カ月くらい後にさ、俺、言われたんだ」
−−−−−−−−−−−−−−
そいつは俺の同期で、亜門って言う変な名前で。
もともと貧民街の最下層の出身で、親に捨てられたところを育手が拾ったとか言ってたっけ。
亜門はもうこの世にはいない。
体が弱かったのが災いして、二年くらい前に肺炎で死んだらしい。
取り柄も何にもなくて、ただ生きるためだけに鬼殺隊を目指してる奴だった。
そいつが最終選別のあと、俺を人目に付かない場所に連れ出して、俺にこういったんだ。
亜門「お前なんか大っ嫌いだ」
睦彦「………へ?」
亜門「僕には何のとりえもない。剣士になることだけが唯一の夢だ。それなのに」
亜門「最終選別で、鬼は皆お前が倒しちゃったじゃないか」
睦彦「…………お前が倒せないのが悪いだろ」
亜門「……世の中には、才能に恵まれてない奴もいるんだよ!! それなのにお前は!!」
〜ガツッ〜
睦彦「う゛っ!」
亜門「この害悪! 害っっ悪!! 害悪!!(ガツッ ガツッ ガツッッ)」
睦彦「う゛っ あ゛っ、ぐっ」
亜門「お前なんか大っ嫌いだ! お前なんか嫌いだ!!」
−−−−−−−−−−−−−−
睦彦「亜門は俺に会うたび、そう言って俺を殴った……」
光彦「………」
睦彦「俺はアイツが嫌いだったからお互い様だと思ってたけど、今となって思うんだ……」
睦彦「………怖いんだ兄ちゃん。右足を失って、今度は何を失うんだろうって…怖いんだ…」
光彦「………」
睦彦「もちろんみんなは優しいよ。そんなみんなを俺は傷つけたんだ……最悪な人間だ」
光彦「それは違う」
睦彦「違わねえ。俺は自分の弱さが嫌いでわざと虚勢張るような人間だ、嫌われて当然なんだ」
光彦「………睦彦」
睦彦「なんだよ……うわっ」
振り返った直後、俺の肩に兄ちゃんが手を回してきた。
夢の中なのに、抱き着いた兄ちゃんの体温がしっかりと伝わってきて。
それだけで泣けてきそうで、でも必死に涙をこらえた。
カッコ悪いと思ったからだ。
泣くなんて男のすることじゃないと思ったからだ。
つらいことなら、もうとっくに経験してるし、その時に涙も出し切った。
光彦「………睦彦、兄ちゃんはずっとお前が好きだ。いつもお前を見てる」
睦彦「………嘘だよ。いねえじゃん……化けてでも出て来たり……しねえじゃん…」
光彦「睦彦、頑張ったな」
睦彦「……が、頑張ったよ、俺、めっちゃ頑張ったんだよ。足失って痛かったし辛かったけど」
光彦「うん」
睦彦「いい仲間にも恵まれてんのに怖くて怖くてたまらないんだよ……っ」
光彦「うん、分かってる」
光彦「睦彦。兄ちゃんはずっとここにいたいけど、それはむりだ。目を覚ませば俺はいない」
睦彦「………いやだ」
光彦「そういう決まりだ」
睦彦「………いやだ……ずっとここにいたい……生きててほしい…見守っててほしい……」
光彦「大丈夫。ちゃんと見てるから」
兄ちゃんは、生前と変わらない笑顔で俺を見た。
その笑顔に振れた瞬間、心の中で眠っていた黒い感情が、じゅうっと解けていった。
そしてその黒い感情が消えるのと同時に、両目から涙がこぼれ落ち、それはやむことはなく。
睦彦「………うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
光彦「よしよし。お前は自慢の弟だ」
兄ちゃんはそっと俺の背中を叩いてくれた。
俺はずっと泣き続けた。もういない兄のぬくもりに触れながら。
兄の体の輪郭がぼやけ、見えなくなるまでずっと、俺は泣き続けていた。
−−−−−−−−−−−−−−
〈仁乃side〉
【外】
どうしようもなく寂しくなったとき、私は外を散歩することがよくある。
今日も、そういう気分だった。
人と接している限り、仲たがいは仕方のないことなのかもしれない。
このまま元通りに戻らなかったらどうしよう…。
そもそも、元通りになるという根拠も何もない。
仁乃「………はぁ………帰るか………」
??「おや、もう帰るのか?」
仁乃「……誰っ!!?」
??「初めましてではないだろうから『おやすみ』とでも言っておこうか」
ぞわっと身の毛がよだつ感覚に、私は警戒心を強め振り返る。
直後、後ろか前か、はたまた斜めからか、音もなく自身へと伸びて来た鋭い刃。
仁乃「……カハッッッ」
その刃はのど元を突き、鮮血を飛び散らせる。
赤い、真っ赤な血がドクドクと流れ、命の終わりを告げていた。
—−−−−痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い死にたい死にたくない死ぬ。
ドサッ
- Re: 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡 ( No.364 )
- 日時: 2020/08/04 16:35
- 名前: むう (ID: 9Yth0wr6)
はいすみません←謝罪大好き作者・むうです。
現代パロと大正時代がごっちゃになってます。
舞台はパロと同じ旅館、しかし大正時代真っ只中だよ! ということにしといてください。
そうしないとあれです、仁乃が…ヤバす(説明を終えるな)
*******************
〈仁乃side〉
【外、襲撃を受けて】
身体が熱い。
喉を突いた刃の斬撃で、喉からは血が滴り落ちる。
それは何故か体から漏れ出る熱気によって気体となり、赤黒い水蒸気へと変化する。
二つに結わえていた髪がほどけ、頭から大量に血を浴びたせいで色はどす黒い。
鬼の血の影響で喉の傷が塞がる。
血の不快な感触に顔を歪ませながら、私はよろよろと起き上がった。
仁乃「う………」
??「まだ死なないとは頑丈だな」
仁乃「いきなり誰? あなたは…………」
襲撃犯の顔を拝もうと顔を上げた直後、鋭い切れ目の双眸がこちらを見やる。
その視線は酷く冷たく、見覚えのある顔は悦しげに笑っている。
無惨「私の名前を聞きたいか? 頭の悪い娘だ」
仁乃「鬼舞辻無惨………っ!!(剣を構えて)」
無惨「そう焦るな、私は貴様と話がしたいだけだ」
仁乃「お前と話してなんのメリットがある? お前は私の姉妹と家族を奪った」
無惨「胡桃沢仁乃、貴様は非常に珍しい個体だ。鬼化しない、出来ない人間だ」
仁乃「それがどうした」
無惨「貴様に私の血をくれてやろう」
仁乃「意味が、分からない」
無惨「簡単なことだ。貴様が鬼化に耐えられる血の量は決まっているはずだ。そこで」
仁乃「………」
無惨「更に多量の血を与えるとどうなるか? 貴様の体は血の量に耐えきれない」
仁乃「誰がお前のそんな手に乗る!!」
無惨「私はずっとこの時を待っていたのだ。竈門炭治郎を倒すこと」
仁乃「……」
無惨「そして今日はあの旅館に大勢の人間が集まっている最高の日ではないか」
仁乃「……・そんなこと、何としても止めてやる!!」
無惨「聞き分けのない人間だ。手荒な真似はしなくはないのだがな(仁乃を見据えて)」
仁乃「覚悟しろ無惨!! 私は鬼殺隊【乙】、胡桃沢仁乃だ!!」
勝算なんてない。
片や鬼の始祖、片や柱以下の鬼殺隊員が一人だ。
不利なのは目に見えて分かっている。
それでも私は、たった1%、100%に届く最後の希望を捨てたくはない。
かまぼこ隊や花子隊や柱や、みんなの大切な笑顔を失わせたくはない。
もう誰も死なせたくない。もう誰も泣いて欲しくない。
——だから今、私は剣を構える。
二本の短刀を構えた腕を大きく振りかぶって地を蹴る。
加速した足は止まらず、正面にいる相手の元へ一直線に駆けていく。
無惨「………人間とは、愚かな生き物だ(腕を振りかざして)」
仁乃「はぁぁあぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!!」
——願わくば、自分が失われたことを知った時、彼の心にさざ波がおきますように。
−−−−−−−−−−−−−−
〈つかさside〉
つかさ「ん? あ、黒状代が戻ってきたっ!」
黒状代「(慌ててつかさの元へ)」
つかさ「どーしたの? なんでそんなに慌ててるの? 胡桃沢はブジ?」
黒状代「(かくかくしかじか)」
つかさ「……………え」
【別室】
睦彦「………あ、みんな……」
無一郎「睦彦……」
寧々「…………」
睦彦「ごめんみんな。さっきはごめん。俺が悪かった。許してくれ」
寧々「睦彦くん……(ホッ)」
ミツバ「僕の方こそ、ごめん……。あんなこと言って」
炭治郎「俺も色々悪かった。またみんなで楽しいことをしよう」
有為「全くもう。ボクも、色々と悪かったです。ごめんなさい」
一同「(ホッッ)」
しのぶ「はい、ではみんな仲直りも終わったことですし、何かして遊びませんか?」
夏彦「っていうか仁乃ちゃんがまだ戻って来てないから迎えに行かないとね」
レミリア「どこ行ったのかしらあの子…」
つかさ「みんな大変———————————!!!(奥から駆けてきて)」
花子「ど、どしたのつかさ、そんなに慌てて」
茜「らしくないね、どうしたの?」
つかさ「どうしよう………胡桃沢が………っ!(説明)」
一同「!!」
−−−−−−−−−−−−−−
〈炭治郎side〉
【外】
炭治郎「仁乃ちゃ——————ん!!」
善逸「仁乃ちゃんどこだ—————ー?」
睦彦「胡桃沢———————!! ………え」
睦彦くんが突然口をつぐみ、目を見開いた先にいたのは。
悲惨なまでに傷ついた、仁乃ちゃんの姿だった。
紫色の羽織と隊服は返り血の量が凄くて、本来の色が分からなくなっている。
トレードマークの二つ結びはほどかれ、血を被った長い髪が肩にかかっていた。
そして顔や腕には無数の擦傷がついており、苦しそうに肩で息をしている。
その顔はうつむき加減なので、表情は分からない。
寧々「仁乃ちゃんっ……。どうしたの、何があったの、大丈夫??」
しのぶ「寧々さん待ってください。私が診てみます」
仁乃ちゃんと仲がいい寧々ちゃんと、救急箱を抱えたしのぶさんが彼女の方へ近づく。
………多分、付き合いが長いからだろう。
彼は彼女の様子がおかしいことに真っ先に気づいた。
睦彦「待て八尋!! 胡桃沢の方に近づくな!!」
睦彦くんが鋭く叫ぶのと、仁乃ちゃんが寧々ちゃんに飛び掛かるのがほぼ同時だった。
不意を突かれた寧々ちゃんは驚いて尻餅をつく。
それが幸いして、怪我をすることはなかったのだが……。
仁乃「…………ウガァァァァァァァァァァァッッ!!」
仁乃ちゃんは、明らかにいつもの仁乃ちゃんではなかった。
いつもの人懐っこそうな顔は凶悪に歪められ、優しい瞳は血走っている。
手や足の爪は長くのび、額には血管が浮き出て、額には白い美しい角が一本。
鬼、だ。
善逸「な、何でだよ…っ。仁乃ちゃんがそんな……嘘だろ……!?」
花子「(ハッと睦彦の表情を伺って)」
睦彦「くる、み、ざわ………?」
無惨「ふふふふふふふふ、すべてうまく行った」
一同「!!!」
炭治郎「鬼舞辻…………っ」
有為「仁乃さんをどうしたっ。お前は何が目的だっ!」
無惨「何が目的だと? それは愚問だ。私はただお前たちを倒す、そのためにここにいる」
光「じゃあ、なんで仁乃ちゃんを……っ」
無惨「簡単なことだ。今からそいつにはお前たちを殺してもらう」
一同「!!」
睦彦「いやだ、いやだ、嫌だいやだいやだいやだ………」
無惨「さあ、いけ【紅羽】。こいつらを始末しろ」
仁乃「…………ウガァァァァァァァァァァァッッ!!!!」
ネクスト→怒涛の展開、スタート。次回もお楽しみに!
【大正コソコソ噂話】
今日の大正コソコソ噂話:無一郎×禰豆子×仁乃×有為
無一郎「さて、みんな。こんな怒涛の展開の後でこのコーナーってふざけてんのかな」
禰豆子「ムームー!(ふざけてるよ!)」
仁乃「ウガァァァァ!(作者がここではリラックスしてほしいって)」
有為「出来ませんよ……だって仁乃さん……自我ないじゃないですか…」
無一郎「ということで、みんながザワッとしたシーンだったと思うけど…」
仁乃「ウガァァァァァァ!!」
禰豆子「ムームー(これからさらに盛り上がってくるから楽しみにしててね!)」
有為「次回、鬼化仁乃さんVSかまぼこ花子隊&柱・東方キャラ」
無一郎「まさかの仲間同士の戦いという、ちょっと見苦しい場面になるけど応援よろしくね」
禰豆子「ムームー!!」
むう「ちなみに鬼化仁乃に無惨が付けた名前は紅羽(くれは)と読むぜ!」
無一郎「可愛いけど実際は……」
仁乃「ウがぁぁぁぁぁ!」
有為「皆さん早く仁乃さんを直してください……っ」
- Re: 【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡 ( No.365 )
- 日時: 2020/08/05 16:50
- 名前: むう (ID: 9Yth0wr6)
【拡張編 大正コソコソ噂話】
今日の大正コソコソ噂話:花子×つかさ
花子「どうもっ! みんないつもありがとう! 花子です!」
つかさ「つかさだよ————!」
花子「あっれ今日は本編更新じゃないのは何でかな」
つかさ「コメディライトの執筆とこっちの本編執筆が難しいからだってー」
花子「あれ、むうまた違うの書いてるの? また尻切れトンボにならない?」
つかさ「んー俺は分かんないけど、なる可能性は大らしーよ」
花子「おばかさんだなあ……んじゃあつかさ、前置きは置いといて早速始めるよ!」
つかさ「おー! 普と一緒、すっごく嬉しいよ!」
花子「はーい、いよいよ本当のラストに向かって突っ走っている本編」
つかさ「俺がもうちょっと早く気づいてたら……仁乃ファンはほんとゴメンね」
花子「う、うんまぁ悪いのはつかさじゃくて無惨でしょ」
つかさ「ん。無惨ってさぁ、スマブラとかLINEとかしてなかったっけ…」
花子「実はそれも俺らを油断させるためだったり?」
つかさ「でも割とガチで楽しんでたらしいけど。んーよくわかんない」
花子「そっか。俺さぁ、つかさと一回してみたかったコトあるんだよねー」
つかさ「えっ何? なんなの? ねぇねぇねぇねぇ(ずいずいずい)」
花子「ちょ、近づくのはやめて! ほら…このご時世アレだからさ」
つかさ「えーっと、なんだっけ、そーしゃる? でぃすたんすだっけ」
花子「そうそれ」
つかさ「ええええ嫌だぁぁぁ! 桜にも普にも抱っこできない!!」
花子「…………(かわいい)」
花子「(ギュ————————ッッッ)」
つかさ「ふぁ? ちょ、ちょっと普さっき自分で……うぐ」
花子「つーかーさーっ!」
つかさ「ちょ、やめ、苦しい゛ってば……」
花子「やっとしたかったことできた」
つかさ「え、もしかして普のやりたいコトって……」
花子「んーどうでしょう?」
つかさ「ゼッタイそうでしょ! だって普…いつも俺に抱っこしてくれないじゃん」
花子「あー…。んー、なんか……ね?(察して)」
つかさ「あーまあ……まあここでは仲良くやろ!(ギュ————ッ)」
花子「それでは次回、戦闘に入ります! ……あ、残念だけど俺はヤシロと行動するからー」
つかさ「えええええ、さっきまでは俺と一緒にタッグ組むって言ってたじゃん!!」
花子「そうだっけ」
つかさ「ねえ何でダメなの、何が悪かったの、ねぇねぇねぇねぇ」
花子「ハアーしょうがないなあ。分かったよ、一緒にやってあげる」
つかさ「うわーい普ありがとぉ! 大好きだよ———————ッ」
花子「………まあ、俺もやりたかったし(ボソッ)」
つかさ「無惨のお腹殴ってぇ、カラダの中身調べられたらいーなー」
花子「つ・か・さ!」
つかさ「はーいごめんなさい」
花子「では、次回・鬼化仁乃VSかまぼこ花子隊・柱・東方キャラ。お楽しみにぃ」
つかさ「みんなまたね———————っ!」
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