戦闘の村 ~デビル村~ 作者/辰巳(元NARUMI ◆a0N.W/9D1.

第233話・闇夜に舞うのは蛾ばかりだが妙な蝶がひらひらと飛んでいたりもする



雪「未知村?んなもん知るか!つーかこっち(地)の事はお前らの方がよくわかってんじゃねぇのか?」
雀「そーなんだけどさァ雪君よォ。彰の情報掴めるかもしれんのよ雪君よォ。だから何とかして調べてくれない雪君よォ。」
雪「雪君よォ雪君よォうるさい。まあそーいう事なら・・・っつっても地理の事は俺らしらねぇぞ。絢に聞け。」
そして絢のいる場所。キング村へ行った4人。
絢「未知村ァ?ん~、確かThe ripper村のそばだったかな~。」
総悟「普通にザ・リッパー村って言えよ。ザ・リッパー村はどこだ。」
絢「幽霊村のすぐ隣。幽霊村なら知ってるでしょうね。なんせ聖夜村の近くだものね。」
雀「・・・・・聖夜村って何だっけ?」
ブーケ「蒼夜の村。それくらい覚えてろ莫迦コノヤロー。」
良「アレ?ブーケってMじゃなかったっけ?Sなの?」
総悟「大丈夫だ。こいつはMだ。」
そして聖夜村を超えて幽霊村の近くのザ・リッパー村に行きそのまたそばの未知村にたどり着いた。説明する側も疲れるわこれ。
雀「着いたな。ここに妖刀村雨丸があるのか~。」
ブーケ「違うぞ。妖刀阿弥陀丸だ。」
総悟「どっちでもねぇよ。わざわざつっこまさせんな。つーか阿弥陀丸だったらパクリになるだろうが。」
良「ていうか名称ちゃんと言おうね。みんな、壊磁だよ。」
闇「ここに妖刀壊磁があるのは間違えないのか何か天然っぽい人。」
良「うん、そうだよ。てか見た目でなんで天然って分かるの?」
闇「情報提供に感謝する。んじゃ。」
と金髪の女性が去っていった。金髪の女性?
雀「良君良君。アレ、優雅舞闇だよね。」
良「えっとあの・・・・・・それは・・・。」
総悟「アレ、尽の四天王の四天王の闇だよね。」
良「あの・・・・そうなんですけどですね・・・・。」
ブーケ「掃除屋のリーダーで彰に雇われてる『蜻蛉』を使う人だよね。」
雀「何あっさり通してんだお前はよォォォォ!!」
と暴力が始まった。良ってどっちかと言うとMだよね。剣悟もMで良もM。そして羅武はSで総悟はドS。結構成り立ってる。
総悟「とにかく、奴を追うぞ。見失ったら良一郎君。お前をぶっころす。」
雀「覚悟しとけよ良三郎君。」
ブーケ「足引っ張ったら殴るからな良子君。」
良「一番最後のは最早男にすらなってねぇよ。」
と遺跡の谷を渋々奥に行き始めましたとさ。


夏の特別企画第1作品目・暗闇



剣悟「アレ?やっぱお前もそこにいた?」
ここは墓地。総悟と剣悟がいる。
総悟「そりゃまあ・・・・・・咲き先生の命日だから・・・。」
剣悟「・・・・・・そ~だな。彰も追われる身じゃなかったらここに来るだろうな。」
8月21日。正確に言うと8月21日午前7時32分、処刑となり亡くなった。その不幸な女性の名は咲き。
そして総悟と剣悟はその教え子。まあ剣悟は利口じゃないけど利口な生き方を教えてくれた人生の教師。
剣悟「そ~や~総悟って咲き先生の処刑の時処刑場にいたっけか?」
総悟「いや、いなかった。俺こう見えて現実拒否してた。咲き先生がしぬのを認めたくなかったんだ。気が付くと失ってたけど。」
剣悟「・・・・・・・毎年ここに来てるけど、来るたびに昔の事を思い出すな。総悟。」
総悟「そうだな。お前が莫迦げてた昔の思い出を。なあ莫迦剣。」
剣悟「うっさいよ。お前は昔からドSだったよな。S星の王子よ。」
咲きが亡くなったのは戦後。と言っても終わってすぐだったので戦争でと言ってもいいだろう。
それは昔の話だった。咲きの笑顔が眼中に移っていたのはだいぶ昔の話だった。
時が流れる事で笑顔は消えていった咲き。
羅武「咲き先生~、今度剣教えてよ。ど~しても莫迦剣をぎゃふんと言わしてやりてぇんだよ。」
咲き「相変わらず強気な女の子ね。まあ強い女の子はいい事よ。教えてあげる。」
女性のくせに剣の腕は超一流。夜胴流を使っていた。その夜胴流を1つでも覚えたのはあの5人だけ。
総悟「オイ莫迦剣。テメェ今日も授業サボってたろ。莫迦だよお前本当に。一生莫迦でいな。」
剣悟「傷つくな~、かなり傷つくよサディスト。」
良「いいけど剣悟もおちおちしてらんねぇぜ。いつか羅武に腕、抜かされるぜ。」
彰「・・・・・・俺授業サボる奴嫌いなんだよね。」
剣悟「悪ィよ。」
総悟「本当に悪い。俺ら、ずっと仲間でいんのかな。」
竜紀「なんだよ総悟急に。なんだ?親が欲しいか恋しいか?」
総悟「ん、んなわけねぇだろ。ただ、この光景、そう長く続かねぇなと思っただけだ。」
その総悟の予想はどんぴしゃり。かなり当たっていた。
咲きは処刑され、彰は悪に染まり竜紀は戦死(今は生きてるけどね。)
総悟「・・・・・・タイムマシンに乗って昔に戻りてぇな。」
剣悟「一つ言う。それ無理。」
総悟「お前に言われたかねぇよ莫迦剣が。」

1作目終 次の主役はやよいです


夏の特別企画第2作品目・悩み


やよい「結局総悟さんと上手くできてないな~。」
また総悟の事で悩んでいるやよい。最近発展がない。と言うか気持ちすら相手に伝えられてない。
やよい「それに比べてブーケさんとかは羨ましいです。自分の気持ちにハッキリさせていて・・・。」
「そうだね、それに比べてやよいはモジモジモジモジ、何にも出来てないよね~」
やよい「そうそう、・・・って今の辰巳さんじゃないよね。私一体誰と話してんの?」
絢「私私!絢よ。久しぶり、やよいちゃん。何独り言してんの?」
やよい「恋の悩み事。」
絢「羨ましいな~、私こんな歳して恋した事すらないのに・・・。」
と何か羨ましがっている。絢が恋した事すらないのは本当の話。中学高校大学でもしていない。恋愛に疎いのはそのせいでもある。
絢「でも、その人が自分の事を仲間扱いしてくれてるだけで感謝しなさい。」
やよい「でも・・・、発展しないし・・・。」
絢「やよいはどーせ奇跡で発展するとでも思ってるでしょ。それは大間違えよ。」
と恋愛に疎い絢がアドバイスをし始めた。アドバイスを出すのは上手いから。
絢「奇跡とは自分で起こす物なの。だから自分で起こさなきゃ相手は向き合ってくれないよ。」
やよい「自分で・・・?」
絢「そう。やよいは私の眼で見る限り奇跡を待っている。それはダメ。起こさなきゃ。行動しなきゃ絶対に起きないよ。」
やよい「そうですか。絢さんはアドバイスがお上手ですね。頼りになるし、憧れます。」
悩みが少しは解消できたやよい。でもまだモヤモヤが残っている。
やよい「私、今から総悟さんと会ってきます。」
絢「え?そんな積極的になりすぎも・・・。」
やよい「心のモヤモヤは総悟さんと会わないと解消しない気がしますので。」
とやよいはその場から立ち去った。やよいも絢のおかげで一歩成長したのである。
やよい「総悟さん!絶対あなたの心を盗んでみせます!」
何と怪盗みたいな言い方を。
絢「若いのっていいわね~。」
アンタも十分若いだろ。そのうち恋くらいしますよ。
やよい「あ、そうだ!総悟さんに本プレゼントしよ!」
絢「お~い、プレゼントするには金が・・・」
やよい「金くらいあります!」
財布は可愛そうなことに机の上に出しっぱなしだったとさ。

2作目終 次はララです。


夏の特別企画第3作品目・瞳の奥



ララ「もしもし・・・・ってまたお前か。まだそっちには帰れんぞ。忙しいんだ。」
って充分暇なような気がするが放っておこう。今、幽霊の人、ララの部下から電話が来たらしい。
部下「しかし、ララ管理官がいなくなっただけなら電話の取り合いで何とかなるのですが、雪隊長までいなくなるとなってわ・・・。」
ララ「五月蠅い。雪隊長も電話で通信してんだろ?それに捜査部隊と守備部隊も援護してくれてるし。」
部下「実は千春隊長・・・、援護というか案外グーたらしてます。」
ララ「そういう事は隊長に言えや!じゃあ切るぞ!」
と電話を切ってため息をつくララ。なかなか忙しいと言えば忙しい。
ララ「最近部下からの電話が増えてきた。それこそ疲労を増すっつーの!」
雪「どれこそだ。ていうかお前、今月の書類、ちゃんとやってんだろうな。」
ララ「(ビクッ!)せ、雪隊長・・・・・・。」
雪「ここに来てから結構経つが・・・『人間になっちゃお』とか言うなよ。」
ララ「そんな事全然思ってません!今月の書類をやりますので外行って下さい!」
と雪を追い出し、一人にしたララ。
ララ「上手くいかないな~、仕事も恋も。」
こういう悩み、大人の女性ならよくある話。
悪力零「管理官!何か疲れているようですが・・・。マッサージしてあげましょうか?」
ララ「お前にされるならマッサージ機を買った方がマシだ。」
悪力零「そう言わずに・・・これでも医療学校へ少し行ってたんですよ。」
ララ「成績悪くできが悪くて一学期落ちだったらしいがな。」
グサっときた悪力零だがララの肩を揉み始める。まあ、お子様や大人がやるよりは気持ちいいだろう。多分。
ララ「・・・・・・何か最近ナイフで刺して裁かれた罪人の事を思い出してな。」
悪力零「たくさんいますよね。管理官とてもお強いですから。」
ララ「最近お前は知らんが『虹勝負』ってのがあってな、相手が手裏剣使いで・・・、ナイフを刺された時の気持ちが少し分かった気がする。」
悪力零「それで戦いを辞退するとか言わないで下さいね。」
ララ「言わないよ。ただ何かこの先、また気持ちが分かる時が来るような気がするだけだ。」
その予感はおそらく対彰から来たのだろう。この悩みと疲れ、いつになったら解消できるか誰にも分からない。

3作目終 次は雪です。


夏の特別企画第4作品目・ケジメ



死・・・それは生物の最後を意味する言葉。それは最後は笑っていたり最後は残酷だったり・・・。
そしてその最後になった者はだいたいが天国というトコに記憶や原型を変えて生活する。
雪「・・・・・・おい、お前が何故ここにいる。」
千春「ふ~ん、地っていいねぇ。文化栄えてるし。あたしいっそここに暮らそうかねぇ。」
彼女は千春。守備部隊の隊長。普段はグーたらしているが戦闘になったら目つきが変わる。
そんな彼女の外見は小柄でパッと身「この人ホントに隊長?」って思うほどだ。
雪「おい、俺お前が嫌いだ。視界に出てくるな。つーかこの小説に出てくるな。」
千春「ダメだよ。運命には逆らえないのさ。ていうか、アンタ聞いたよ。孤独霊なんだって?」
雪「・・・・・・だから何?俺に親なんて必要ない。」
孤独霊・・・、それは親から生まれなかった幽霊の事。
普通の幽霊はこっちに来たら母が生んでくれるが例外もごくまれにある。
何かの現象で親無しで生まれなかった幽霊。彼はその一人。その幽霊はたいてい化け物扱いされる一方。
千春「あたしゃアンタが孤独霊って知った時は驚いたよ。」
雪「まさか俺を避けるつもりじゃねぇだろうな。つーか避けてくれよ。」
千春「自分の身近に孤独霊がいるとか最高じゃね!?」
雪「誰が最高だ!つーかむしろ最悪最低だ!」
孤独霊はだいたい飢え死でほとんどいない。雪がどうやって生きてきたのやら。
雪「おいコラ辰巳。過去なんてどーでもいいだろ?」
千春「よし、天に帰るか!」
雪「帰ってくれ!って何でだ?」
千春「お前を徹底に調べてイジる。」
雪「それ無理だよ。俺は一応Sだからなこーみえて。」
どー見てもSである。まだ雪の過去は謎に包まれたままである。

4作目終 最後はモモコ!