コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- マーメイドウィッチ
- 日時: 2016/06/21 11:41
- 名前: いろはうた (ID: FEOD1KUJ)
世界が止まった。
手が震える。
数拍のちに気付く。
私は大切な人に裏切られたのだと。
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- Re: マーメイドウィッチ ( No.44 )
- 日時: 2016/06/06 07:37
- 名前: 梵天丸 ◆fW.B1yx9WY (ID: dj1cLQBV)
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- Re: マーメイドウィッチ ( No.45 )
- 日時: 2016/06/08 11:28
- 名前: いろはうた (ID: b4ZHknAo)
- 参照: http://pixiv.me/asaginoyumemishi
「しかしながら、これほどまでに遠くまでいらしてくださるなんて
……何が目的ですか」
フレヤはそれまでの丁寧さを捨てた。
この食えない男から情報を引き出すには、
なりふりかまってなどいられない。
「目的、とは」
「結婚式に招いたとはいえ、あれは形式上のもの。
ただの社交辞令だと貴方もお分りでしょう。
ただの結婚式に参列するには、この国はあなたの国から遠すぎる」
「——————聡い女は嫌いではない」
がらりと音を立ててシウの仮面が取れた気がした。
冴え冴えとした光を放つその瞳に射すくめられる。
「目的なら我の目の前に」
シウがこちらに一歩近づいてきた。
気おされぬように、フレヤは足に力を入れた。
気おされたら負けだと必死に自分に言い聞かせて、
フレヤはぐっと睨むようにして正面からシウを見つめた。
もし、悪意を持ってこの国に来たのなら
ただではおかないつもりだ。
「我は汝を一目見に来たのだ、人魚の末裔、フレヤ王女」
「……!?」
驚きが表情に現れないようにして、フレヤは必死に平静を取り繕った。
どういうことだろう。
会いに来た?
何がどういうことなのだろうか。
「私に会ってどうなさるおつもりで」
「確認をしに来たまでだ。
どのような者なのかを」
シウがまた一歩近づいてきた。
次の瞬間、腰に手が回ってぐいっとシウに引き寄せられた。
彼の思いもよらぬ行動に、フレヤはよろけて、
自ら彼の腕の中に飛び込む形となった。
炊きしめた香が鼻をかすめる。
背後で高らかにワルツが奏でられているのが遠くで聞こえた。
- Re: マーメイドウィッチ ( No.46 )
- 日時: 2016/06/08 20:27
- 名前: いろはうた (ID: b4ZHknAo)
- 参照: http://pixiv.me/asaginoyumemishi
「離して」
平静をよそって距離をとろうとするが、
シウの腕はびくともしなかった。
自分のものではない体温に体がこわばる。
さらりと彼の長い黒髪が、露わになっている首筋をかすめた。
耳がかっと熱くなる。
自分が自分でなくなるような感覚。
「我は、汝に興味があってここまで来た」
なるべく表情を変えないようにして、
至近距離からシウの目を見る。
宝石のような瞳は、ぞっとするほど美しかった。
「我は、異形の血を持つ者を探し求めている。
ゆえに汝がどのような者であるか、興味があったのだ」
シウの指が、すっとこちらに伸びてくる。
その指が頬に触れそうになった時、
腹部に力強い腕が回って、景色が流れた。
髪がなびいて、ふわりと宙を舞う。
癖のある濃い青の髪。
視界の端に黒衣が見えた。
「逢瀬の邪魔をするとはずいぶんと無粋な輩だな」
「主によからぬことをしようとする者から遠ざけただけだ」
チノだ。
さきほどまで彼の存在に心乱されていたはずなのに
今は驚くほど安堵していた。
「なるほど。
人魚の姫には番犬がついているということか」
シウがこちらに向かって歩いてくる。
チノが全身に緊張を走らせているのが密着した身体から伝わってくる。
しかし予想とは裏腹に、シウは、横を通り過ぎていく。
「また会おうぞ、人魚の姫よ。
我はますます汝に興味がわいてきた」
ふわりとその場に残り香が漂う。
シウは、華やかな広間に紛れていってしまった。
黒髪が完全に見えなくなってしまってから、
ようやくチノが緊張を解いた。
「あの男」
「なに?」
「知り合いなのか」
振り返るようにしてチノの顔を見ようとすると、
驚くほど近くに緑の瞳があってわずかに動揺する。
その緑の瞳には一瞬驚きの色がにじんだが、
瞬きの間に消えてしまった。
「遠き東の大国、ミン国の皇子らしいわ。
お目にかかったのは初めて」
あれほど腹の立つ、食えない男性は初めてだ。
するりと腰に回った腕が解ける。
残ったぬくもりが妙に寂しさを感じさせた。
「戻りましょう、中に」
- Re: マーメイドウィッチ ( No.47 )
- 日時: 2016/06/09 00:32
- 名前: いろはうた (ID: b4ZHknAo)
- 参照: http://pixiv.me/asaginoyumemishi
〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜
平静を装っているけど
あなたの瞳に囚われてしまうのが怖くて
もう貴方の目をまっすぐに見れないの
そんな私にきっとあなたは気付いていない
夜になると、どうしようもなく寂しくて
貴方が扉の向こうから来てくれるんじゃないかって
眠ってしまう最後の一瞬まで期待しているの
目覚めたら、そこには私一人しかいなくて
私は冷たいシーツを握りしめて
一人で涙を流しているわ
もう一度私に触れてほしい
そんなあさましい願いを口にしそうで
あなたに会うといつも
あなたを冷たくあしらってしまって
後でひどい罪悪感にかられているの
今までのは全部嘘だ
おれが悪かった
おれには君しかいない
どうかもう一度おれの元に戻ってくれないか
そう言ってくれるのを期待し続けている馬鹿な私
あなたは優しいから
こんな意地っ張りな私でも
もう恋人でも何もないのに
こんなにも気にかけてくれる
優しい言葉をかけてくれる
それが泣きたいほどに嬉しくて
胸をかきむしって声をあげて泣くほど苦しい
また元の関係に戻れるんじゃないかって期待してしまう
またあの時みたいに笑って
よりそって
傍にいられるのではないかと
私にはもう、あなたの隣に立つ資格などないと
頭ではいやというほど理解しているのに
心がいうことをきいてくれない
ただあなただけを求めているの
離れてからわかったわ
私がどれほどあなたを愛してしまっていたのか
ねえ助けて
涙が止まらないの
こんな無様な姿見せたくないわ
それでも
それでも
私の涙をぬぐってくれるのはあなたであってほしいと
どうしても願わずにはいられないの
一人になると気がおかしくなってしまいそう
狂ってしまいそうよ
自己嫌悪に陥ってしまって
あなたにふさわしくなれなかった自分を
責めて責めて、狂いそう
こんな私は知らない
こんな苦しい感情があるなんて知らなかった
叶うのならばすべてなかったことにしてほしい
こんな思いをするくらいならば
あなたになんて出会いたくなかった
こんなに心乱されてしまうくらいなら
最初から声なんてかけられたくなかった
わかっているわ
もうすべて遅いって
わかっているの
だって、私は今でも
無意識のうちに、あなたの姿を探してしまっているのだから
〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜
- Re: マーメイドウィッチ ( No.48 )
- 日時: 2016/06/10 00:00
- 名前: いろはうた (ID: b4ZHknAo)
- 参照: http://pixiv.me/asaginoyumemishi
成宮 理斗様!!
本当に本当にすみません!!
コメントに気付くのが一週間も遅れてしまって
もう作者失格ですね……
ちょっと土に埋まってきます……
絵も見ていただけたなんて!!
本当にありがとうございます!!
泣きそうです今!!(´;ω;`)
いろはうた、最近リアルで結構キツイ想いをしたので
それが、逆に、恋心の描写では
いい味を出せているのではないかな、と
個人的に思っていたりします。
よかったら読んであげてくださーい!!
コメントありがとうございます!!
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