二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- DM エクストリーム
- 日時: 2015/10/03 05:53
- 名前: 彩都 (ID: ???)
初めまして、そうでない人も初めまして、彩都(サイト)と申します。
DMはデュエルマスターズの略です。
オリジナルカードも出るかもしれません。
複雑・ファジー小説にて、『セカイ戦記』を執筆中ですので、こちらも宜しくお願いします。
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- Re: DM エクストリーム ( No.214 )
- 日時: 2017/07/25 21:41
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「……なぁ、まだ着かないのか?」
「まだだ」
「まだです」
「…………」
はぁ、と溜息を吐いて、レンはアシュラ、龍華に着いて行く、何つー長い道だこと……レンはそう思いながら頭を抱える。
「…………」
「…………」
「ねぇ、まぁだぁ?」
「まだだ」
「まだです」
「何か長くない?すっげぇ長い気がするんだけど?」
「そんな『気』がするだけだ」
「そうです」
「…………」
……もう黙ってコイツ等に着いて行くしか無さそうだ、レンはそう考えて、吐き出したい溜息を耐える。
それから何分が経っただろうか?いや、何十分、もしくは何時間ものの時間が経った気がする、レンは汗を流しながら歩き続ける、そして急にアシュラ、龍華が立ち止まった。
「えっ?急にどうしたんだ?」
「『急にどうしたんだ?』お前は何を言っている、遂に到着したんだよ、お前が望んでいる『到着』って奴がな」
「は、はぁ?アシュラ、お前は何を言っているんだ、此処はただの『森林』じゃないか……?こんなんでは自然文明の『マナ』しか溜まらねぇよ……」
「そう言うと思ったぜ、大丈夫だ、今、私が立っている部分に立てば、火文明と自然文明の『マナ』が溜められる」
アシュラがそう言うと、レンが驚愕する。
「なっ!?何だと!?それなら急いで呼吸しなきゃ!」
「待て!」
レンがいきなり動き出して、アシュラの許へ向かおうとする、だが、アシュラは大声を出して、静止させる。
「まぁ、待て、今のお前では確実に危ない……此処は自然文明と火文明の『マナ』がある場所、というのは理解出来るな?だが、此処は『両方の『マナ』があるが故に『マナ』の量が濃い』のだ、だから一般人であるお前が吸うと、死ぬか、気絶するかのどちらかだ」
「えっ……?つまり、醤油を舐めたら悶絶する様に、その場所の『マナ』が濃厚だから、気絶、死亡、悶絶するってか?」
「まぁ、『マナ』を醤油とやらに置き換えるならそうだな」
「へぇ……でも、俺は少しでも早く『マナ』を吸いたいんだが……」
レンがアシュラにそう言うと、アシュラは頭を掻いて、大きな溜息を吐く。
「そんなもん、分かっておる、だから、今から吸う為の行動を教えるんだよ」
「やった!これで濃厚な『マナ』も簡単に吸える!」
「……簡単かどうかは知らんがな……」
アシュラは溜息を吐いて、片手で頭を抱える──
「それでは、教える、まず、片手で口を押さえろ」
「お、おう……」
「そして残った手で鼻を押さえろ、そしてその時に少しの穴を開けておけ、そうでもしないと呼吸が出来ないからな」
「成程……つまり、鼻に少しの呼吸する穴を用意して、一気に吸わない様にするんだな?」
「あぁ、そう言う事だ、一気に吸うのでは無い、少しずつ、体を慣らして行けば良いのだ、一気に吸うから気絶や死んだりする、と言う事は、一気に吸わず、少量ずつ吸って、体を慣らして行けば良いのだ」
「成程、それでは吸うか」
「あぁ、ちゃんと吸う穴は小さくしておけよ?」
「あぁ、分かってる」
アシュラの伝授を受け、レンは左手で口を押さえ、右手で鼻を覆い、小さな穴を作り、アシュラの方に移動し、ゆっくりと息を吸う──するとその時だった、急に頭に痛みが走り、その場で両手を鼻や口から離し、尻餅をついてしまう。
「うぐぅっ!?」
「どうしたんだ!?」
「何かあったのでしょうか!?」
アシュラ、龍華が心配する中、レンは急に来た頭の痛みについて、静かに考える。
「まさか……穴を小さくしても、自分では耐えられなかった、と言う事か……」
レンが一人ごちると、アシュラは頭を片手で抱えて考える。
どうする?もう少し『マナ』の量が少ない所を選ぶか?いや、選んでその場所に行ったとしても、時間が掛かる可能性がある!無闇矢鱈と進んでいいモノでは無い……さぁ、どうする!?もう帰るしかないか……?アシュラがそう考えていると、レンはその場で立ち上がって、もう一度呼吸しようとする。
「ばっ!馬鹿!頭が痛いのなら、止めた方が……!」
「はぁ?たかが『頭が痛い』だけだろ?体調が悪い訳でもなし、体が痛い訳でもなし、ただ単に『頭が痛い』、たったそんな事だろ?頭の痛みなんか耐える事なんて簡単だ、少しでも『マナ』を体に取り入れて、『あの二人』よりも前に進みたい!自分は五人より、アシュラ、アシュラの隣の女よりデュエルの腕も低いし、弱い、そしてアシュラ、アシュラの隣の女よりも度胸も身長も小さいし、年齢も最年少!だから!『最年少でも『何かしら』は皆より大きい、多いって見せ付けたい』んだ!だから!自分は立ち上がるんだ!」
「…………」
「…………」
アシュラ、龍華は無言になって、レンを見つめる……な、何でそこ迄するのか……?龍華はそう思いながら見ていた。
……矢張り、血は争えないな、流石我に勝利した男の甥だこと……どうしてこうも『一族の血』というのは争えないのか……アシュラはそう思いながら頭に手を当てて、大きな溜息を吐く。
そして二人は、必死に頭を痛めながら呼吸するレンを見つめる──
- Re: DM エクストリーム ( No.215 )
- 日時: 2017/07/28 21:21
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「はぁ……はぁ……」
未だ頭を痛めながらレンは呼吸する、そして急に立てなくなり、膝を曲げてしまう。
「うわっ!?」
「もう無理だ!それ以上すると……!」
「えっ?どうなるんです?」
アシュラの言葉に反応して、間抜けな発言をする龍華、そしてアシュラが膝を曲げたレンをお姫様抱っこして、発言する。
「危険な状態になる、人間の病気とやらで言えば、発熱状態って奴だな」
「成程……一種の熱暴走ですかぁ」
龍華は『成程』と思い、理解する、そして元来た道を引き返し、結花の所へと戻る──
「……うぅっ」
頭を片手で支えながら光は息を漏らす、まさか毒を吸わせたなんてな……アシュラの野郎、帰ったら絶対に殴ってやる……!そう思いながら光は何とか立ち上がる。
「お、おい、大丈夫か?」
お爺さんが光にそう言うと、光は口角を上げて言い返す。
「アハハ……大丈夫ッス……とりあえずは帰りましょうか……」
「お、おう……お前がそれで良いのなら……」
光の言葉を聞いて、お爺さんは静かに頷いて、帰宅する事を考える。
アシュラめ、何で俺を毒で攻撃したのか……光はそう思いながらお爺さんに背負われて、帰路に着く──
「すぅ、はぁ……」
アシュラに言われた場所から少し離れて、水姫は水の『マナ』を吸収していた、案内をした一勝は本を読んで時間を潰している、上着の左ポケットにはストップウォッチがある。
そしてストップウォッチが急に音を鳴らす、時間の様だ、一勝は読んでいる本に栞を挟み、水姫に言う。
「おぅい、もう時間だ、『マナ』を吸収するのは止めだ」
「えぇっ……もう少し吸収したいです!」
一勝の発言を受け、頭を下げて水姫は言う、だが一勝はそれを許さない。
「ダメだ、これ以上吸うと帰宅するのにも時間が掛かってしまう、だからこれ以上吸うな」
「……其処を何とか!」
「何とかしない、出来ない、諦めろ、さぁ、帰ろう」
一勝は厳しく言って、一人だけ先に帰る、頭を上げた水姫は、渋々走って一勝の背中に着いて行く──
「さぁ、私は留守番を任された訳だが、とても暇である、生憎自分に『小説』という本は合わない、それは何故か?そんな物は簡単だ、『イラストが無い』し、『文字を読むのが面倒だから』である、漫画とか絵が付いていて、台詞、文字が少ないのを読むのはいい、だが小説はどうだ?『動き、台詞が長い』と思う、だから読み難い、と判断でもしよう」
結花は一人で自問自答をしながら、時間を潰していく、そして自問自答は段々と長くなる。
「でも、アニメだけは面倒だ、何故なら『忙しなく動くから』だ、漫画とは違って、色々と動いて何だかイライラしてしまう、漫画の方が自分は好きだ……そしてそんな私が好きなのは『ドラマCD』という物だ、アニメの声優の声も聞けて、アニメとは違って、アニメーションでは無いからだ、そして場面とかを想像で補完出来る、という点も素晴らしい……だが、目の前には一冊の小説がある、太宰治の『人間失格』だ、生憎先述した様に『私には『小説』が合わない』のだ、だから私は太宰治の『人間失格』は見ない……だけれど、私には目の前の本以外に読む物は無いのだ、あぁ、何で私は本を持ってこなかったのか、とてもとても暇で死んでしまいそうだ、早く誰か帰ってこないですかねぇ!?頼みますよ運命!誰でも良いから誰か帰って来いやぁ!」
結花が怒鳴って両手を上げる、すると背後の山から巨大なクリーチャーが現れる、そして結花を見るや否や、巨大な咆哮をし、結花に恐怖心を植え付ける──だが、『そんなもん』で恐怖なんか植え付けられねぇよ、結花はそう思い、デッキから五枚のカードを取り出す。
一枚目は『天海の精霊シリウス』、二枚目は『光陣の使徒ムルムル』、三枚目、四枚目、五枚目も『光陣の使徒ムルムル』だった。
まず、最初に『天海の精霊シリウス』を目の前に召喚し、巨大なクリーチャーにぶつける、すると『天海の精霊シリウス』はパワー負けで破壊される。
「……結構強い、と見た」
冷や汗を拭い、結花は『天海の精霊シリウス』を再度召喚、だが今回は攻撃はまだしない、そして取り出した四枚の『光陣の使徒ムルムル』を召喚し、『天海の精霊シリウス』のパワーを底上げする。
「『天海の精霊シリウス』の元々のパワーが12000、そして『光陣の使徒ムルムル』の効果でパワーが+3000される、それが四体居るから+12000となる……つまり『天海の精霊シリウス』のパワーは24000!もしもこの『天海の精霊シリウス』であのクリーチャーに攻撃して破壊されたら……ただの『マナ』消費だけじゃ済まないねぇ……!」
結花はそう呟いて、巨大なクリーチャーを睨み、『天海の精霊シリウス』で巨大なクリーチャーに攻撃する、すると巨大なクリーチャーはその場で倒れ、消滅する。
クリーチャー同士の戦いでどちらかが負けたら、カードを使う者はカードに戻り、自然に存在するクリーチャーなら、自分の陣地に転送される。
そして結花は何とか勝てた事に安堵し、召喚したクリーチャー達を手札に戻す。
「はぁ……何とか勝てたわ、これで安心ね……」
結花はそう言って、青空を見つめる──今日も空は綺麗だった──
- Re: DM エクストリーム ( No.216 )
- 日時: 2017/08/01 21:46
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「あぁ、今日も平和だったわ」
結花はそう呟いて、椅子に座って空を見る、そして深い深い溜息を吐いて、他の皆を待つ事にする。
「それにしてもおっそいわねぇ」
結花は独り言の様に呟いて頬杖をする、すると何かが走ってくる音が聞こえた、『もう!何なの!?』と思い、頬杖を解き、周りを確認する、すると走ってくる音の正体が分かった、それは『お爺さんが走ってくる』音だった。
お爺さんはこっちに向かってきて、お姫様抱っこする光を机の上に置いて、息を切らしながら膝に手をつく。
「ハァハァ……!アシュラ、アシュラは何処だ!?」
大声を荒げてお爺さんは結花の胸倉を掴む、だが結花にはアシュラが帰って来ていないので、何処に居るか等分からない。
「はぁ!?そんなの知らないわよ!だってまだ帰って来ていないんだもん!」
「えっ?まだ帰って来ていない……?ほっ、それなら良かった、これで後で殴れる」
「ん?殴れるって?」
お爺さんの独り言が聞こえた結花はお爺さんに聞き返す、そしてお爺さんが結花の質問に答える。
「あぁ、そうだ、アシュラの野郎、光に毒を吸わせやがったんだ……!その所為で光が寝ているんだ!」
「へぇ、光君が寝ている、ねぇ……」
結花はお爺さんの話を聞いて、静かにそう呟いて、光が寝ている机に向かう。
そして結花は光の額に触れて、安否を確認する、すると結花には光の症状が分かってしまった、こりゃ確かにアシュラが悪いわ、結花はそう思い、鼻から息を吐いてお爺さんに言う。
「あー、えっとぉ……お爺さん?光君は無事よ?ただ単に濃い『マナ』を吸って、気絶しただけよ」
「そんな訳あるか!」
大声を荒げるお爺さん、そんなお爺さんに対し、『人の話は聞け』と思う結花、まぁ、面倒だし、話はアシュラに聞いた方がいいかもしれないわねぇ……結花はそう思いながら、机に座って、光の容態を見る。
とりあえず、濃い『マナ』の吸収による気絶、って所かしら?それにしても事前説明が無いのは少々ダメかも知れないわね、まぁ、当の本人であるアシュラ、女、連勝君チーム、水姫ちゃん、一勝君チームなら、セーフかもしれないけれど、そもそもとして、一勝君、アシュラが居ないお爺さん、光君のチームには分からないのも無理は無いか……結花はそう考えて、その場で欠伸する、今ならお爺さんにアシュラを探させて、気絶している光君を襲えるチャンス!結花は舌舐めずりをし、お爺さんに言う。
「お爺さん、そんな所で叫んでいるのも意味が無いわ、走ってアシュラを探しましょう?」
「あぁ?……確かにそれもそうだな、よし、探しに行ってくる!」
結花はこの場からお爺さんを離すべく、必死に策を練って、名案を思いつき、お爺さんに話す、そしてお爺さんは結花の名案に乗り、走ってアシュラを探す事にした。
結構うまくいったなこの名案……結花はそう考えて、横目ですやすや寝ている光を見る。
「うふふ……これで、光君を襲っても、既成事実が出来て、光君は逃げられなくなる……ちゃんとカメラを用意してっと……」
ぐへへ、結花は汚い笑いをしながら光の頬にキスをする、そのキスをしている場面をカメラで撮って、SDカードに保存する。
「ぐへへ……これで第一段階完了!さぁ、第二段階、『上着を脱がして、抱き合う』だ!」
結花は女性の胸を揉む様に指を動かして、光の服を簡単に脱がし、光の腹部を揉む。
「うぅん!やっぱりショタはいいねぇ!ショタの肌はもちもちしていて最高!いや、ロリも最高だロリはロリでもちもち、というより、柔らかい肌!ショタの肌はもちもち!ロリの肌は柔らかい!」
結花は再度舌舐めずりをして、自分の胸を光の腕に挟み、カメラで写真を撮り、SDカードに保存する。
「きゃー!これ完全に夫婦じゃーん!うーん!ショタを夫に……!いいねぇ!そ、それじゃあ第三段階……『下を脱がす』だぜ!うへ、うへへ……少年の禁断の場所を開放するする時が来た!光君よ!君は一歩大人の階段に上るのだよ!」
結花は口から涎を出しながら光のズボンを脱がす、そして最後の関門であるパンツに手をかける。
「楽しそうだなぁ、俺も混ぜてくれよ」
「はぁ!?部外者が私の至高で至福で嗜好なタイムを邪魔するな!……えっ?」
『急に聞こえた声』に対し、結花は怒鳴って反論する、だがその『急に聞こえた声』には、聞き慣れていた声だった、そして結花は恐る恐るその声の方に向く──すると其処には笑顔の一勝が存在していた。
「楽しそうだなぁ、俺も混ぜてくれよ?」
「え、えっと……この行為は小学六年生以下のショタとお姉さんしか出来ない行為でありまして……」
「へぇ、でも『セクハラ行為』は自分が何歳でも相手が何歳でも出来るよな?」
「え、えーと……そ、そうですね……でも私がしている行為は……」
「でもも杓子もねぇよ、お前がやっている行為は『犯罪行為』だ」
「で、ですよねー……」
一勝の言葉に静かに頷くしかない結花、結花は机の上で正座になって、頭を下げながら一勝の説教を受ける。
そんな二人を見ながら水姫はほぼ全裸の光に服を着せていく──この人は筋金入りの変態だ、水姫はそう思いながら結花を横目で見る──
- Re: DM エクストリーム ( No.217 )
- 日時: 2017/08/04 21:39
- 名前: 彩都 (ID: kgjUD18D)
「あのなぁ?前にも言ったよなぁ?『襲うなよ』って?」
「でも!」
「でもじゃない!」
一勝は結花の胸倉を掴みながらこめかみの近くに血管を浮かせながら話す、だが、両手で『落ち着け』と静止させる結花は弁解と説明を繰り返して言う。
「誰もいなかったから襲っただけ!まだ犯罪では無い!」
「ガキを襲っている時点で犯罪だよ!理解出来ないのか!?」
「そう言うのが理解出来たら性犯罪なんて起きねぇんだよ!」
「今正にお前が起こしたんだろうがよ!」
「うっせー!こっちだって溜まるモン溜まるってんだ!」
「それを理性で制御しろって道徳にも色々と書かれてんだろうが!」
「その理性が崩壊したらどうだ!?人間は異性を、同性を犯し、更に人肉を食べる!」
「どんな世紀末の話をしているんだお前は!」
「私の世紀末!いや、性紀末ってか!?」
「誰も上手いとは思えねぇよ!」
そして胸倉を離して、静かに横目で結花を睨む。
「やっぱり、面倒だが、アリスに……!」
「止めて下さい!私の楽園(パラダイス)を邪魔しないで!」
「お前のパラダイスなんてもうとっくの昔に崩壊しとるわ!」
一勝はそう言って、その場で座り込み、溜息を吐く、も、もうダメだ……カオス、いや、混沌を超えて、闇鍋だ……一勝はそう思いながら額の汗を拭う。
「もうやだコイツ……」
そんな一勝を見て、『大丈夫ですか?』と宥める水姫。
「もう、この世界に来た女子の中で頼れるの、お前だけだわ……」
一勝がそう言って、頭を垂れる、本当に苦労しているんだなぁ、と思いながら、隣に座る事しか水姫には出来なかった──
「ん?うーん……」
光は目を擦りながらやっと目覚めた、そしてあの苦しい感覚も何もなくなっており、何とか安心し、起き上がった。
だが、一つだけ可笑しいのは、『ズボンのチャックが開いていた』事だった、何時もは閉じているのに……そう思いながら周りを確認すると、視界に入ったのは、三角座りで黄昏れる水姫、一勝と、泣いている結花だった。
この場面を見て光はやっと理解した、あぁ、また結花さんが俺を襲ったのか、と。
はぁ……何で結花さんは俺を襲うんだ?っていうか、連勝だって襲われていた様な……?光はそう思いながら立ち上がって、結花の近くに向かい、結花に言う。
「……結花さん、アンタ俺が寝ている間に襲ったのか?」
「何でそれが!?ちゃんとバレない様にした筈なのに!?」
「……生憎ズボンのチャックが開いていたんだよ、何時も俺はそういうチェックを欠かさないから……今日の朝はチャックが閉じていた、更に朝起きた時も、デュエマしている時も、俺とお爺さんが移動している時も、到着した時もチャックは弄っていない、と言う事は『俺が寝ている時にチャックが開いた』って事……んで、こう言う事をするのはあんただけなんだよ、結花さん」
物の見事な推理を目の当たりにして、頭を下げる結花、そして結花は口を緩ませながら光に言う。
「…………単なるお遊びだよ、ほら?か弱い少年少女を弄りたいって言う加虐心?」
「…………」
「あっ、すいません」
「はぁ……もう良いですよ、貴方の事は最初っから信用していないし」
「酷し!も、もう少しは信用して欲しかったなぁ」
「じゃあセクハラをしなければ」
「それはキツいなぁ、お姉さんだって溜まるんだよ、ぐへへ」
「その下心とか色々隠せれば、いいお姉さんなんですけどね」
「そんな私の歯車は何時狂った?」
「そんなの、俺に言われても……精々十年とちょっとしか生きていないんです、それよりも前の貴方の事は知りませんよ」
「で、ですよねー」
光は結花の隣に座って、会話をする、そして結花も光と会話をする。
「ていうか、私はまだいいお姉さんだと思うんですけど?」
「何処がだ、何処が」
「い、いや、胸とか……その、少年少女の性欲発散係というか……」
「それ、何処が『いいお姉さん』なんです?逆に言ってしまえば、性欲とか目覚めていない少年少女にとっては迷惑では?」
「……正論だなぁ」
「正論しか生まれて来ないですよ……ていうか、何でこういう人が性犯罪で逮捕されないんだ?」
「簡単だよ、襲うのは脳内の妄想、想像だけで、現実では我慢しているだけだよ、現実で襲うのは、我慢が出来ていない人達だけ」
「貴方も現実で我慢して下さい、この世界という現実で」
「厭だね、襲える少年少女が居たら襲うだけ」
「もうやだこの大人」
光が結花と会話して、頭を抱える、すると砂が擦れる音が聞こえる。
「ん?誰か来たのかな?」
光がそう呟き、顔を上げる、すると其処にはアシュラにお姫様抱っこされるレンが居た、その後ろには龍華がいる。
「…………」
「ただいま、というのが人間の中では正しかった、かな?」
「あ、あぁ……一応は」
光は立ち上がって、アシュラの手の中ですやすや寝ているレンを机の上に置いて、寝転がらせる、そしてアシュラが言う。
「えーと、明日から、もう少し『マナ』が薄い場所を選ぼうと思う、一勝もそう思っただろう?コイツ等ではまだまだだって」
アシュラがそう言うと、『あ、あぁ、コイツ等ではまだまだだな』と呟く、すると結花がアシュラに言う。
「あっ、忘れてたけど、アシュラ、アンタ光君の付き添いのお爺さんを怒らせているよ?何だか『光を毒ガスで殺害する気だ!』とか何とか……」
「あぁ、しまった、『マナ』の濃厚さの話をしていなかったな、これはこっちの不備だ」
『マナ』の濃厚さ?一体何の話をしているんだろう?光はそう思いながら、走ってこちらに向かってくるお爺さんを遠目で見つける──
- Re: DM エクストリーム ( No.218 )
- 日時: 2017/08/08 21:34
- 名前: 彩都 (ID: tVX4r/4g)
「うぉおおおお!」
お爺さんはアシュラに近づいて、アシュラの胸倉を掴もうとするが、そもそもアシュラは上半身裸だった為、胸倉を掴む事は出来なかった。
「てめぇ!光を毒ガスで殺害する気だっただろう!?」
「は、はぁ?何を言って……」
「じゃあ何でお前が案内した場所で『マナ』を吸収したら光が倒れたんだ!?普通それは有り得ない筈!どういう事だ説明しろ!」
「確かに、貴様に『マナ』の説明をするのを忘れていたな、今は怒りを忘れて話を聞いてくれ」
「は、はぁ!?巫山戯んなよ!?怒りを忘れろ!?出来る訳が無い!今はとてもイライラいているんだ!光を……!」
「いや、俺は生きてるよ、勝手に殺めるなって」
そう言って、頭を掻く光、背後の光の声を聞いて、お爺さんは驚愕していた。
「えっ?生きてる?どうして?」
「いや、死んでいないからだよ、ていうか、レンも寝ているんだけど?『俺と同じ症状』で」
お爺さんの言葉に返答する光、そしてお爺さんはレンの方を見て、またもや怒鳴る。
「おい!?どういう事だアシュラ!貴様……連勝迄も殺害を……!」
「まぁ待てよ、お爺さん、俺にだって、不備があったんだ、少しは落ち着いてくれ」
「あぁ!?不備!?一体何なんだよ!?」
お爺さんを落ち着かせる一勝に対し、お爺さんはまだ怒鳴る、仕方無いので、アシュラが説明する。
「あーはいはい、説明するから……えーと、私が選択した場所は『マナ』が濃厚な場所、だが私は一つ、失敗していた事があった、それは『お前等三人が一勝と同じ位、『マナ』を吸収している』、と勘違いをしていた、だからこんな出来事が起きた……基本的に『マナ』を吸い始めた人間は何時も吸っている場所より、『マナ』が濃厚な場所で『マナ』を吸収しようとすると、体が耐えられなく、その場で気絶してしまうのだ、それを連勝、光は起きてしまった、と言う事だ、つまり貴様の言う『毒ガス』ではなく、濃厚な『マナ』を一気に吸収した事による気絶だったのだ」
アシュラが説明すると、お爺さんが顎に手を当てて、言う。
「え、えーと、つまり、『濃厚な『マナ』を吸った事により、体が耐えられずに、気絶した』、と?」
「極論そう言う事」
お爺さんの要約に腕を組んで、静かに答えるアシュラ、そしてお爺さんはその場で四つん這いになって、恥ずかしがる。
「じ、自分は何と言う恥ずかしい勘違いを……!」
「人間誰しも間違い、勘違いを犯すものだ、そう落ち込むではない、私は怒っていない」
「す、すまんなアシュラ……自分の怒りの感情だけで暴れて……」
「いいや、気にするな、『マナ』の話をしていなかった私も悪いのだ、人間で言う、『お互い様』、って奴だな……伝えていなくて済まない……」
「おいおい、謝るなよ……こっちだって悪いんだろ?というより、一番悪いのは自分だ、いきなり難癖つけて……」
お爺さんとアシュラが謝罪ムードになる、そして一勝は机の上で倒れているレンを見て、腹部を殴って、目覚めさせる。
「ぐぇっ!?」
「いい加減起きろ」
「うぅっ……巨大なシュークリームは?」
「はぁ?何言ってんの?夢でも見ていたのか?」
「えっ?あれ……?シュークリームが無い、じゃああれは夢だったのか……」
レンはそう言って、顔を覆って、恥ずかしがる、そして一勝が言う。
「んで、お前が倒れたのは、どうして?」
「……アシュラが言っていた、『濃厚な『マナ』を吸う事で体が慣れていないから、気絶する』って……だから、少しでも吸う『マナ』の量を下げる為に鼻の穴を狭めて吸った……けれど、気絶した」
「成程な」
一勝はそう言って、レンが気絶した理由を聞く、するとレンが一勝に言う。
「ねぇ、何で光の着衣が乱れていて、結花さんが正座しているの?」
「…………光を襲った、結花が、そして俺が襲っている現場を見付けたから、正座で反省させている……」
レンの問いに一勝は静かに答える、するとレンは『あぁ、成程……ってか、何回光を襲ったら気が済むんだろう……?』と小言を言う。
実際お前も対象内なんだけど、そう思いながら口に出す事を止める一勝。
そして結花が一勝に言う。
「ねぇ、もうこれでお爺さんの誤解は解けたかしら?」
「さぁ、どうだろうな?傍から見れば、誤解は解けた、と考えた方が良さそうだが……」
一勝はそう言って、結花を睨みながら言う。
「俺はお前を許さない」
「だから、誰もいなかったからやっただけで、人がいたらしないわよぉ!」
「……何だか信じ切れない」
一勝がそう言うと、結花は立ち上がって一勝の服を掴む。
「昨日一昨日一昨昨日は人前では何もしていないじゃない!全部誰もいない時に行ったじゃない!」
「お座り」
「わん」
服を掴んで抗議する結花に対し、『お座り』と宣言する、すると結花は『わん』と言って、服から手を離し、その場で正座する。
「えっ?」
「えっ?」
二人の言葉が一緒になる、そして結花は顔を赤らめながらその場で立ち上がって、一勝を殴る、そしてその場で一勝は地べたに這い蹲(つくば)る様に倒れる。
「痛い!」
そして結花は一勝を殴った後、自分の寝床である洞窟に走って逃げる──『お座り』と言っただけで、『わん』と言って座った結花に驚愕しながら一勝は殴られた場所を擦る──殴られた場所を擦った後、一勝はゆっくりと立ち上がった──
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