二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- DM エクストリーム
- 日時: 2015/10/03 05:53
- 名前: 彩都 (ID: ???)
初めまして、そうでない人も初めまして、彩都(サイト)と申します。
DMはデュエルマスターズの略です。
オリジナルカードも出るかもしれません。
複雑・ファジー小説にて、『セカイ戦記』を執筆中ですので、こちらも宜しくお願いします。
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- Re: DM エクストリーム ( No.149 )
- 日時: 2016/12/16 21:03
- 名前: 彩都 (ID: ae8EVJ5z)
「い、一枚目チェック……」
仮面の修道女はそう言って、自分のシールドを確認する、一枚目、『シールド・トリガー』無し。
「一枚目、トリガー無し、二枚目」
仮面の修道女は二枚目のチェックに入った、二枚目、『シールド・トリガー』無し。
「二枚目も無いです……最後のシールドチェック!」
仮面の修道女は勢いよく、三枚目のシールドを捲る、だがそのカードにも『シールド・トリガー』は無かった。
仮面の修道女 シールド五枚→二枚
「……!?まさか本当にアシュラ様は……『シールドを確認出来ている』……!?そんなバカな!?カードとテレパシーを送っているんじゃないんだから!」
「何だ、全てシールドの中にトリガーは入っていなかったか……まぁ、普通だな」
仮面の修道女に対し、アシュラは言う、そしてアシュラは『紫電』をアンタップする。
「『紫電』の効果、『各ターン、このクリーチャーが初めてタップした時、アンタップする』、『紫電』をアンタップさせていただこう──そして最後の攻撃!『バルケリオス・ドラゴン』をタップして、トリプル・ブレイク!このカードも『シンカゲリュウ・柳生・ドラゴン』の効果を受けて、シールドブレイク枚数プラス一枚だ!さぁ、最後の攻撃に対し、仮面の貴様はどうする!?ブロックか!?だがブロッカーが場に居ない!さぁ、どうする!?この眠っていた数年間で新たなカードが出てくるか!?さぁ、さぁ、さぁ!私を楽しませてくれよぉ!!」
アシュラが叫ぶ、そんなアシュラに対し、仮面の修道女は悩む、今回のブレイクに対し、『『シールド・トリガー』が来ない』と言っていない!だから来る可能性はある!と思い、自分の残り二枚のシールドを捲っていく──
「一枚目チェック……!」
仮面の修道女はそう言って、一枚目を確認した、捲って現れたカードは『シールド・トリガー』では無かった。
「一枚目、トリガー無し……最後の一枚、チェック!!」
来い来い来い来い来い来い来い来い!!と願いながら最後のシールド一枚を確認する──そして現れたカードは──呪文だった、よし、チャンスはある、後はトリガーかどうか!仮面の修道女はそう思いながら深呼吸してカードを見た、だがトリガーでは無かった──
「最後の一枚……トリガー無し!」
仮面の修道女はそう言って、机を鉄槌打ちした、その光景を見て、嘲笑うアシュラ。
「げっげっげっ……何だぁ?まさか『シールド・トリガー』が出ないだけでそこ迄落胆するのかよ……?何言ってんだ、お前等人類は私よりも前に進んでいるではないか、逆にこの場を逆転するカードがあるかもしれないと言うのに……まさか逆転するカードさえも出来ていないのかぁ?これは傑作だぁ……最高に傑作だぁ!初めてだぁ!こんな状況になるなんて初めてだぁ!前に戦ったガキは『シールド・トリガー』が無くなっても、『希望の力』だか何だかで私の攻撃を防いでいたが……仮面、貴様はそのガキよりも弱いな──はっきり言って弱い、こんなに弱いデュエリストは初めて見たぞ──さぁ、お巫山戯もこれ迄にしてと……さぁ、トドメだ、このトドメで防がないと意味が無いぞぉ?」
アシュラはそう言って、自分のクリーチャーを一体タップする。
「さぁ、これで終わりだ……『『コッコ・ルピア』でトドメ』ェェェ!!」
今、何と言った?まさかとは思うが、『コッコ・ルピア』でトドメ、と言ったのか?まさかそんな『弱小クリーチャーでトドメをさせられる』のか!?何と言う屈辱……こんな屈辱初めてだ──そう思いながら仮面の修道女は『コッコ・ルピア』の攻撃でぶっ倒れた──
「ふむ、口程にも無く、前菜の様だ──」
アシュラがそう言って、カードを回収する、すると仮面の修道女は台を支えにして、立ち上がる、足は完全に震えている。
「ハァ……ハァ……な、何ていう強さだ……」
仮面の修道女がそう言うと、仮面が縦に罅が入る、そして仮面が割れて、素顔が曝される。
「……何だ、仮面で隠さなくても綺麗な顔じゃないか、何故仮面で隠している?」
アシュラが仮面の修道女に言うと、仮面の修道女基修道女が呟く。
「私は……この顔が醜い!だから隠しているんだ!私は……!私は……!」
修道女はそう言うと、アシュラは不思議そうに言う。
「何故こんな綺麗な顔を醜いと言うのか……?人間には理解出来ない所があるな──あぁ、そうだ、聞いていなかったな、貴様の名は何と言う?」
「……龍華(りゅうか)、と申します、アシュラ様──」
「龍華、ふむ、中々いい名前じゃないか、これから貴様の名前は龍華、と言わせてもらおう」
「有難き幸せ……!」
仮面の修道女基龍華はそう言って、跪く……そしてアシュラは自分の後ろにある龍の顔を見続けて、口の中に一つのデッキがある事に気付く。
「何だこれは……?」
「それは……」
龍華がそう言った瞬間、アシュラは思い出す。
「あぁ、これはガキと戦う時に自分でも傷つけてしまうから封印していたデッキじゃないか、三つあった筈だが?」
アシュラがそう言うと、龍華が答える。
「一つは私の知り合いが、もう一つは私がアシュラ様と戦ったあのデッキがそうです」
「成程……中身を見た事が無いから分からなかったのか……まぁ、使えるレベルのデュエリストが二人も居た、と言う事か……私もこのデッキを扱える様にしないとな……」
アシュラはそう言って、ソファに座る。
「それでは私はもう一度寝よう、そして明日襲う事を考えようか、それでは」
アシュラはそう言って、座りながら寝る──私は寝転ばないと寝れないなぁ、と龍華はそう思いながら寝室に向かう──明日はどんな計画が練られるか、それはまだ分からない──
- Re: DM エクストリーム ( No.150 )
- 日時: 2016/12/20 20:28
- 名前: 彩都 (ID: 96KXzMoT)
「……ん?もう朝か、早く朝ご飯を摂取しないと……」
仮面の修道女基龍華はそう言いながら布団の中から起き上がる、そして仮面を装着して、立ち上がって、修道女の服装に着替えて、外に出る、すると上半身裸の男性が体を動かしていた、この上半身裸の男性こそ、数年前、日本を、世界を恐怖に陥れた存在、アシュラと言うのだが……完全にそうには見えない、するとアシュラが龍華に元気な声で話しかける。
「おっ、起きたか、龍華、遅いな、何時もこんな時間に起きているのか?」
アシュラの言葉を聞いて、欠伸をしながら龍華は答える。
「えぇ、そうです、ふあぁ……」
「全くだらしが無いな、私でも朝の五時から活動していると言うのに」
「えぇっ!?朝の五時!?何でそんな時間に……って今の時間はまだ朝の九時ですよ!約四時間も前から起きていたんですか!?」
アシュラの起床時間に驚く龍華、だがアシュラは普通に答える。
「悪の存在なれど、起床時間は常人と一緒、私は遅寝早起きを実行している、睡眠時間なんて私はあまり取らなくても良いんだ、私は10徹程度、普通にこなしたりするからな、そして寝て起きた後は体を動かさないと気が済まない、だから体を動かしているんだ、体を動かすのは良いぞぉ!健康になれるし、もっと痩せる事が出来る!」
痩せる、と聞いて、ピクピクと体を動かす龍華。
「えっ?痩せるって?本当ですか?」
「ん?あぁ、痩せるぞ、私みたいに上半身裸で体を動かした方が痩せやすいぞ、汗を体で感じれるからな、とまぁ、お前は女だ、流石に上半身裸は恥ずかしかろう」
「まぁそうですね、ですが体を動かす事で痩せる、というのはよく聞きますね、試してみようかしら?」
龍華がそう言うと、アシュラが反応する。
「そうか、だったら朝五時に起きて、五時間体を動かそうぞ?」
「あっ、やっぱり辞めておきます」
アシュラの言葉に対し、龍華は体を動かす事を辞める。
「まぁ、私は特殊だからな……五時間は異常かもしれんな」
「その前に普通の人間は五時間も体を動かしません、動かすのは運動好きな方です、私は運動するのはあまり好きじゃないので」
「そ、そうか……それでは後一時間、体を動かしておこう、お前は呑気に朝ご飯でも摂っておけ」
「はぁ、アシュラ様は何を食べますか?」
アシュラの言葉に心の中で頷いて、龍華はアシュラの朝ご飯を聞く、アシュラは笑いながら朝ご飯を言う。
「朝ご飯か……朝ご飯は自分で摂る、そうだな、山で熊と戦って熊肉と行こうか、もしくは牛の肉にするか──」
「流石に今の時代では熊肉は食べれませんし、牛肉も購入しないとダメですって!」
「ん?たった数年で熊肉もダメになったのか?何とも窮屈な時代だ、私達の時代は弱肉強食、食うか食われるかの時代なのだ、なのに今の人類は弱い、『金』という物を作ってから、全てにおいて金が必要だ、もっと昔に戻って物を取って食べてをしないと……」
アシュラが腕を組んでうんうんと頷きながら喋る、そんなアシュラに対し、龍華は言う。
「そんな事をしたら日本とか、国唯一の物が売買されないじゃないですか、日本で言えば和紙とか、肉とか……」
「うぅっ、確かにそれはそうだな……ふむ、人間界は難しいな……」
頭を悩ましながら龍華は思う、本当、野生児みたいだ、と──
龍華は呑気にコンビニで弁当を買って、アシュラが居る廃工場に戻ってくる、するとアシュラは自分のデッキを確認して、大きく溜息を吐く。
「どうしたんですかアシュラ様?」
「あぁ、お前か……いや、少しこの工場を出て、周りを確認したんだが……自分のデッキのカードと周りの『DELE MASTERS』のカードの種類が違うんだが……」
「えっ?まさか上半身裸で!?」
アシュラが外に出た、よりも上半身裸で裸に出た、と言う所に龍華は驚く。
「バカ!流石に上は隠した、マントの様にな──そして自分のデッキを確認したんだ、今のカードより、自分のデッキのカードの色が薄く、マナの部分も違う、コストの表記も少し違った……やはり、時代と言うのは変化するんだな……」
アシュラはそう言って、少し溜息を吐いた、だが龍華がアシュラに言う。
「だけど、大きくカードは変わってませんよ?アシュラ様の時代のカードはあまりカードの効果も変わっていませんし、あまり変化がありません、変化といえば、カードのイラスト程度でしょう、まぁ、封印されていた間に色々なカードの効果が出たりしましたが……」
龍華がそう言うと、アシュラが不思議がる。
「何だ、新たなカードの効果も出ていたのか……今の時代は封印される前より楽しい時代になったようだなぁ!楽しみだ!私の戦略が今の新効果のカード達に潰される!何とも楽しい事だ!それを上手い事使用して、掻い潜る!何とも楽しい事だろうか!?これではまだまだ自分の戦略は捨てたもんじゃない!楽しみだ、新効果も、新カードも!」
「そうですか……会えると良いですね、新効果のカードを持つ人達とデュエル出来る事を……」
龍華はそう言って、仮面の奥でニッコリと笑う、そして目の前の机に弁当を置いた──さぁ、食べよう、そう思いながら電子レンジで温めた弁当を手に取り、食べ始める──
- Re: DM エクストリーム ( No.151 )
- 日時: 2016/12/23 21:41
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「弁当か……相変わらず人間は不思議な事を考えるな、食料が無いのなら、その場で手に入れたら良いのだ、そして食べる、それの何が間違っていると言うのだろうか?簡単だ、人間の肉を食べれば良いのだ──」
「す、ストップ!アシュラ様!そんな事をしたら逮捕されてしまいます!」
机に置かれた弁当を見て、アシュラが呟く、だが、そんな呟きを龍華は見逃さなかった。
「流石にカニバリズムは厭ですよ!人間の肉を食うなんて……吐き気がしますよ!」
「私は吐き気等しないがな」
「アシュラ様はね!でも同族なんですよ私は……とりあえず、焼肉弁当をご用意しました、アシュラ様」
龍華は怒鳴った後、溜息を吐いて、アシュラに言う、するとアシュラが言う。
「ふむ、焼肉か……美味しいよな、肉って──食べたら忘れられない味だ、牛肉を生で食べたりすると血の味も少しして美味しいのだ、鶏肉もたまにそんな味がする、豚肉は柔らかい、脂身が多くて驚く、何で豚は人間より脂肪が少ないのに脂身が多いのか、龍華、貴様はそんな事を考えた事は無いか?私は考える──トマトとやらのDNA情報だったかな?それでさえ人間のDNAより多い事を不思議に思った事は無いだろうか──不思議だよなぁ、肉を食う、昔は生だったのに今では調理という概念が存在するのだから──」
「は、はぁ、確かにそうですね、ですが、トマトの話は初めて知りましたね」
アシュラの言葉に対し、龍華が言うと、アシュラは驚いた表情で龍華に指を指しながら怒鳴る。
「流石にそれは無いだろう?貴様は人間なんだ、大体の事は知っているだろう?なのに何でそんな事も知らないんだ、まさか人間には『バカ』という人種と『アホ』という人種が居る、と見聞きした事がある、まさかそんな人種じゃあるまいな?」
「……よくそんな事を知っていますね、私はあまりそう言う情報を手に入れていないので知らないんです、別にそんな豆知識レベルの事を知っていても意味が無いですし……」
龍華がアシュラの言葉に反論すると、アシュラは溜息を吐いて、呟く。
「何だと……?この世にはこんな人間がいるのか……驚きだ」
「そんな事はどうでもいいので、早く朝ご飯を食べましょうよ?作戦会議をするんでしょう?」
龍華がそう言うと、アシュラは『確かにそうだな』と言って、首を鳴らして、焼肉弁当を温めてもらい、焼肉弁当を食べ始める──
何とか夜の七時に自宅に帰った光は大きく溜息を吐きながら自分の部屋で考える。
「俺は……アシュラを倒す事が出来るのだろうか?だって仮面野郎でさえ、あまり歯が立っていないのに……水姫だってそうだ、アイツだって完封勝利した訳じゃない、負けた事もあるんだ、だからアシュラに勝てる可能性を持つのは……『アシュラを倒した五人の少年少女』達である一勝さん、青空さん、結花さんの三人と残りのメンバーぐらいしか思い付かない──かと言って、一勝さんやその他の人達が勝てる、とは限らないし、今は日本外に居るかもしれないし……一勝さんと戦った時よりもアシュラは強くなっていたらどうしよう?それならもう誰も勝利する事が出来ない……だけど、最後の望みとしては俺、レンの二人のみだろう、だけどレンだって勝てる可能性は少ないし、レンよりも俺の方が勝つ可能性はもっと低いし──どうしたらいいんだよ!?この世界はアシュラに倒されるしかないのかよ!?違うだろ!誰かが……誰かが倒す……?誰かが?他に可能性はあるかもしれない、俺よりも強くて、レンよりも強くて、水姫よりも強い存在、今の一勝さんより強い可能性のある人物──それは、現世界大会優勝者しか居ない……だけど協力してくれるか?普通協力してくれないよなぁ……」
光は一人で呟きながら溜息を吐く、結局勝てる人は無いかもしれない、と自己完結して、寝る事にした、明日レンとお爺さんに出会う約束をしているので、そこで情報交換をしよう、そう思いながらベッドの中に入る──
「明日、光と水姫に会うんだよな、色々な情報が手に入るかも知れねぇ、少しはデッキの改造をしたい所だが、今しても意味がねぇよなぁ、だってもう寝る時間だしなぁ……」
レンはそう言いながらベッドに寝転がりながら呟く。
「アシュラ……伯父さんに代わって、俺がぶっ倒す、そしてアシュラ、お前をもう一度封印してやる、今度は強固な封印でな……!!」
レンはそう言って、意気込んでから目を閉じる、そして寝息を立てて睡魔に襲われる──
「さぁ、終わりましたね、光君の家に送り届けて、後は私だけですか……」
水姫はそう呟いて、大きく溜息を吐いた、それにしても今日一日青空さんとの絡みはキツかったですわ……流石に厨二病になるのだけは止めておきましょう……相手も自分も大変ですからね……そう思いながら水姫は自分の『WATER』のデッキを見る、それにしてもまだまだですね、このデッキを上手く扱えるには何日、何時間掛かるでしょう?もっと早く扱える様にならないと……!そう思いながら『WATER』のデッキを持っていない手で拳を作る──
そして水姫は後部座席で仮眠を取る──さぁ、アシュラを討伐する為の作戦を考えましょう──
- Re: DM エクストリーム ( No.152 )
- 日時: 2016/12/27 20:55
- 名前: 彩都 (ID: ???)
翌日……アシュラが龍華と弁当の話をしている頃、レンは『ドムドム』に来ていた、そしてレンは一箇所に集まる人口密度が大きい場所に向かう、レンはその一箇所の人口密度が大きい場所に向かって頭を下げる。
「ごめん、遅れた」
「何で遅れるんだよ!?しかも一時間も!?五分、十分ならまだ分かるが、六十分も遅刻って!」
「流石に小学生だからと言って、許されるものじゃありませんよ……?」
「全く……遅いにも程があるじゃろう?」
その場所に存在する三人がレンに向かって待たされた三人の怒りの声を出す、すると後ろから一勝が現れる。
「まぁまぁ、いいじゃないですか、まだ時間は有り余っているんですから……」
一勝がそう言うと、三人は黙る、元世界最強の存在に言われると恐縮してしまう、そして一勝が言う。
「まず、話を聞かせて欲しい、アシュラの話だ、さぁ、話してくれ、光君、水姫君、お爺さん?」
そう言って三人──光、水姫、お爺さんの三人だ──は静かに言い出した。
「あのお爺さんが全部勝手にしただけだ、自分はそれに従った迄だ」
光がそう言うと、水姫は光の事を指差して言う。
「私も光君と同じ意見です……全てお爺さんに従ったんです」
「そうなんですか?」
一勝がそう言うと、お爺さんは静かに頷いた、そして一勝はお爺さんの喉元の近くを掴む。
「アンタ、自分でやった事を分かっているのか!?アシュラの封印を解くなんて!」
一勝がそう言うと、光、水姫が反論する。
「違うんです!一勝さん、少し早とちりをしていますよ……」
「そうですよ、お爺さんは皆を救う為に私達をアシュラの祠に向かわせたんです!」
二人がそう言うと、お爺さんが笑いながら言う。
「そうじゃよ、二人の言う通りじゃ……儂は裏ルートでアシュラの祠の封印を解く話を聞いた、だから儂は三人に祠の破壊を命じた、だが三人より相手の方が行動が早くてなぁ……先に封印が解かれた、という話じゃ……だから儂はアシュラの祠を壊して、封印を解けなくさせる為に動いた迄、これで分かったじゃろう?」
お爺さんがそう言うと、一勝は掴んだ手を離す、そして椅子に座って三人に言う。
「で、どうする気なんだ?封印はもう解けた、と言っている、じきにアシュラも動き出すかもしれない、だから誰が戦って、勝つんだ?」
「そ、それは……」
「私達ではどうにもならないかもしれません……」
光、水姫がそう言うと、一人だけ、『出来る』と言った、その声の方に顔を向ける、するとその声の主はレンだった。
「はぁ?何言ってんだよ?お前じゃあアシュラにも勝てないし、一勝さんにも勝てないだろ?」
「連勝君、流石に君じゃあ無謀中の無謀ですよ!アシュラは過去にどれだけの被害を出した事か……当時の世界大会出場者数十人が束になっても勝てなかったと言うのに……一勝さん達五人でやっと勝てた相手なんですよ!?今の連勝君じゃ無茶です!」
「二人の言う通りじゃ、連勝、諦めるんだ……この戦いは一勝に預けるしかない、だからお前では勝てない……」
「三人の言う通りだ、俺が全て片付けるから、連勝は光君と水姫君とデュエルしておけ、俺がアシュラと戦──」
「煩い、四人共……俺が弱い?で?何なのさ?『絶対勝てない相手では無い』じゃねぇか、逆に考えたら、伯父さんにだって勝てる敵なんだよ、此処の『ドムドム』の大会で俺はフードの男にどうなった?勝った、勝ったんだよ、そしてそのフードの存在は伯父さんだった、つまり俺は伯父さんに勝てるレベルになったって事、伯父さんがアシュラに勝てたんなら、俺だって勝てる筈、いや、絶対勝てるんだ、今此処でアシュラに勝てる存在は、伯父さんと……」
四人の言葉に対し、レンは言い返す、そして最後の言葉を力強く言う。
「俺しか居ない!伯父さんはほぼほぼデュエルを辞めている状態、今正に戦えるのは俺しか居ないんだよ!だからアシュラは俺が戦う、そして俺が勝つ!アシュラに!この世界を救ってやる!これで良いだろ!?」
レンがそう言うと、一勝は呟く。
「お前……そう思っていたのか、だけど連勝、それは間違ってるぜ、デュエルを辞めている状態、だけど俺はまだ世界レベルのデュエリストだぜ?まだまだアシュラには通用するぜ!」
一勝がそう言うと、光が言った。
「俺だって、最初のデュエルの時、お前に勝ったぞ!?光のデッキでな!だから俺だってアシュラが倒せる筈だ!」
光がそう言うと、水姫が言う。
「私だって、日本大会常連者です!ただのデュエリストの光君にも勝った、と言う事ですから、実力的には連勝君にも勝った、と言う事!私だって連勝君に勝ってます、なのでアシュラが倒せる筈です!」
「……どうじゃ?一勝、これが『Nの痣』に認められし三人じゃよ……」
お爺さんが一勝にそう言うと、一勝は頭を掻きながら言い返す。
「……はぁ、全く……こりゃ一本どころか、二本、三本取られたかもな……まぁ、いっか、コイツらでも『アシュラを倒す』、という目標が出来たんだ、目標が出来るって事は良い事だ、さぁ、アシュラを倒す為に俺も手伝おう」
一勝はそう言って、欠伸をしながら三人の輪に入る、お爺さんの目に入るのは、『アシュラを倒す』という同じ目標を持った四人、だが四人はアシュラを倒せるか、四人にも、お爺さんにもまだ分からない──
- Re: DM エクストリーム ( No.153 )
- 日時: 2016/12/30 21:43
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「その前に話し合いをしようじゃないか、水姫、光、アシュラの祠を見に行って何か変化は無かったか?」
お爺さんがそう言うと、光は少し黙った後、言葉を紡ぐ。
「実は……お爺さんが紹介した結花さんに襲われそうになったんです」
「アイツ、またか……何でアイツはショタコンになったんだ……ロリコンならまだしも……男のロリコン、女のショタコンは男のショタコン、女のロリコンよりタチが悪い、だから光君は結花には気を付けろよ……ブラックブルーの青空も襲われたし」
光の言葉に対し、一勝が反応する、一勝の言葉に光は驚く。
「えぇっ!?あの厨二病の青空さんが!?」
「うん、昔っからショタコンなんだよ、結花は……俺も襲われたし、もう一人の知り合いも襲われた……だけど姫実だけは結構懐いていたなぁ、やっぱり一番年上だったからかなぁ?俺と姫実が一番の年上だったけど」
「そ、そうなんですか……昔から大変な間柄なんですね……」
光が冷や汗を掻きながら一勝に言う、すると一勝は黒いオーラを出しながらブツブツと呟く。
「そりゃそうじゃん、だって2、3年前に会って、酒飲んで楽しんだ後、行った場所がホテルだぜ?そして襲われたんだ、俺はショタじゃないって言っても目だけが本気で襲う目だったし……あの時姫実も参加していたら自分はどうなっていたか分からなかったよ……」
「……大変だなぁ、世界大会優勝者って……」
光はそう呟いて、大きく溜息を吐いた──
「あぁ、話が逸れたね、大まかに言えば謎の仮面の修道女に祠の破壊を邪魔されたな」
光が気を取り直して四人に言うと、水姫が反応した。
「あっ、それ、私もです……私の場合は青空さん、つまりブラックブルーさんと一緒に行動しましたが、仮面の修道女さんが邪魔をして……と言うより青空さんは強いですねぇ、驚きましたよ」
水姫の言葉に対し、一勝が言う。
「まぁな、一番攻撃性のあるデッキだしな、青空のは……で、どんな厨二病の症状が出た?例えば召喚口上が『古より伝わりし、禁断の龍のマナ削減の不死鳥よ、今此処に目覚めよ!『コッコ・ルピア』!』とかさぁ?」
一勝がそう言うと、うーん、と悩みながら水姫は言う。
「確かぁ……『黒き龍王、我が目の前に現れよ!『黒龍王ダーク・ジオス』!』と言っていましたねぇ……というより、毎回毎回召喚する時は謎の召喚口上を……今時のデュエリストでも言いませんよ……」
「ま、まぁな……アイツにとって召喚口上のあるデュエルが普通のデュエルと思っているからな……日本大会出場した時でも召喚口上言っていたしなぁ……」
一勝が水姫の話を聞いて懐かしむ、すると水姫は一勝に言う。
「えっ?日本大会で?日本大会は全国放送なんですよ!?そんな恥ずかしい事、私なら出来ません!」
水姫が顔を赤くして一勝に言うと、一勝は笑いながら手を叩いた。
「だろうなぁ、俺でも耐えられん」
一勝がそう言うとお爺さんは怒鳴る。
「そんな事はどうでもいい!その前にアシュラの祠の話をせい!仮面の修道女が出てきてどうなった!?」
お爺さんの言葉に光は渋々四人に言う。
「えーと、大まかに言えば、仮面の修道女と祠を壊すか壊さないかのデュエルして、勝ったけど、もう封印は解けた後、だったり、デュエルで負けたり……」
光がそう言うと水姫も頷く。
「私も光君と一緒です……あの謎の仮面の修道女、中々強いですよ、日本大会常連者の私でも負けるのですから、日本大会優勝者レベルですよ……」
水姫がそう言うとレンが驚く。
「マジかよ……でも光が勝てるって事は日本大会出場レベルに達しているって事じゃねぇのか?」
レンがそう言うと、片手で頭を抱えながら水姫は言う。
「それを言うなら、連勝君は世界大会出場レベルでしょう?一勝さんにも勝った事があるんですから……そして何より私にも勝った事があるんですから、流石に日本大会常連者レベルは優に超えてるでしょう」
水姫がそう言うとレンは驚いた。
「えぇ!?そうなのか!?自分では気付かなかったけど、そこ迄の強さが身に染みていたんだな……」
「そりゃそうでしょう、ずっと一勝さんの近くに居るんですから……」
「まぁ、連勝が強いのは俺の折紙付きだ」
水姫とレンの会話に一勝が割って入る、そして一勝は言う。
「んで、一つたりともアシュラの祠は壊せなかったのか?」
「…………」
「…………」
一勝の言葉に対し、光、水姫は黙って何も言わない──だが、光が突然言い出した。
「だっ、だけど、最後の場所、兵庫で大きな揺れがあったんだよ、なぁ水姫!?」
光が水姫に同意を求める、水姫も静かに頷く。
「はい、私の場合は京都ですがね──アシュラの祠の破壊か否かのデュエルをする時に地面が揺れて、仮面の修道女が笑って、『アシュラ様の封印が解けた!』と言っておりました……もしもアシュラの封印が解けているなら急いで世界の破壊を防がないと……」
水姫がそう言うと、光が頷く。
「俺も水姫と同じ事を言われた……アシュラの封印が解けているだなんて信じたくないけれど……!」
光がそう言うと一勝は言う。
「成程な……とりあえずアシュラの封印が解けている、と言う事はもうじき動きがあるぞ、気を引き締めて行動しよう!必ず一人でデュエルしようなんて考えるなよ、分かったか、皆?」
「はい!」
「分かりました、一勝さん!」
光と水姫が一勝に言う、そんな二人に対し、少し遠くで聞いていたお爺さんとレンは呟く。
「成程な……もうじきアシュラと戦うのか……」
「俺も気を引き締めないとな……!」
お爺さんとレンはそう言って、気を引き締めた──アシュラが何時動き出すか、それは五人には分からない──
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