二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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DM エクストリーム
日時: 2015/10/03 05:53
名前: 彩都 (ID: ???)  

初めまして、そうでない人も初めまして、彩都(サイト)と申します。
DMはデュエルマスターズの略です。
オリジナルカードも出るかもしれません。
複雑・ファジー小説にて、『セカイ戦記』を執筆中ですので、こちらも宜しくお願いします。

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Re: DM エクストリーム ( No.174 )
日時: 2017/03/14 21:50
名前: 彩都 (ID: ???)  

「……」
一勝は無言のままストップウォッチを確認する、時間はもう三分になっていた、あれから二分が消耗した、と言う事だ、一勝は三人の事を見て、『マナ』が相当溜まっているんだな、と判断出来た。
「へぇ……昔の私達よりもあるんじゃない?」
結花がそう言って椅子の背凭れに凭れながら揺れる、一勝は結花に静かに言った。
「……それもあるかもな、それにコイツ等の場合、自分達が溜めた時よりももっと溜める時間が長いから、それもあるんじゃないか?」
一勝がそう言うと、結花は『成程』と言って、納得する、さぁ、一体誰が先に『マナ』が切れるのか……?一勝がそう思っていると、目の前のクリーチャーが突然消えた、突然消えたのは『凶戦士ブレイズ・クロー』だ、確かそのクリーチャーを召喚していたのは連勝だったな、と一勝は判断する。
「ハァハァ……つ、疲れたぁ……」
レンはそう言ってその場で倒れる様に座る、そして頭を垂れて息を整えようとする。
「連勝、アウトー、さぁ、残りは光君と水姫君だな?さぁ、一体どっちが俺のご褒美が貰えるんだろうなぁ?」
一勝がそう言うと、二人は一気に唸り声を上げる、全く、唸り声を上げても意味が無いのに……一勝がそう思いながらストップウォッチを見続ける──

「ハァハァ……」
「ハァハァ……」
二人は息切れを起こしていた、レンはスポーツドリンクを飲みながら額の汗を結花に拭ってもらって、レンは二人の事を見ていた。
今、レンは結花に膝枕されており、何時襲われるか、と内心ビクビク震えていた、だが一勝が結花の事を睨んで見つめており、結花も手が出せずにいた。
そして水姫が膝をついて、深い深呼吸をする、そして目の前に居た『アクア・ティーチャー』はゆっくりと眼前から消える──そしてこの勝負、何とか光が勝利した。
「よ、良かったぁ、何とか勝てたぁ……!」
「よしっ!……おめでとう光君、今の所まだご褒美は上げられそうに無いけれど、三人の内一番『マナ』が溜まっていた様だ、再度言おう、おめでとう」
「あ、有難う御座い──」
一勝の言葉に光は返答しようとしたが、光はその場で膝から崩れ、失神してしまう、光が召喚していたクリーチャーも光が倒れた時と同時に消えてしまった。
「おっと……何だ、気力で『マナ』を使用していたのか……とりあえず、コイツ等には『マナ』の特訓が必要そうだなぁ」
一勝がそう言って、右手のストップウォッチを確認する、ストップウォッチは止まっており、時間は『六分二十六秒』だった。
「おいおい……光君、何気に連勝の約二倍の時間、あるじゃないか、後水姫君もだが……連勝は体の中に『マナ』が溜まり難い体質なのか?いや、そんな筈は無いと思うが……まさかサボっていたのかぁ……?」
一勝がそう言いながらレンを睨む、当の本人であるレンは目を閉じながら自分の手で顔を仰いでいた。
一勝はその場で溜息を吐いて、静かに考える、レンには後でキツい特訓を科さなければ……一勝はそう考えて、結花の隣──というよりレンの隣──に光を置いて、涼ませる事にした、涼ませている間、一勝は光、レンを結花が襲わない様に睨み続けていた──

「それにしてもお前等って案外『マナ』が溜まっていたんだなぁ、驚きだぜ」
一勝がそう言って、右手のコップの水を飲む、水はとても冷たく、美味しかった。
「そうですねぇ……一応、前に来た事があるんですよ、この『クリーチャー・ワールド』に──その時は『赤竜神』、『黄竜神』、『水竜神』の三枚のカードを手に入れる為、でしたっけ──そして一日寝泊りしたからその時に結構溜まっていたのでは無いでしょうか?」
一勝の問いに、何とか起きている水姫が答える、光、レンは静かに寝転がって休憩している、レンは兎も角、光君は起きないだろうか?と一勝は心の奥底で思っていた。
「なーるほどなぁ、一日も寝ていたら、そりゃ相当溜まるわなぁ」
「アハハ、そうですね……」
「あぁ、そういえば、水姫君、君は結花と二人っきりになった時、何かされなかったか?胸を揉まれたり、触られたり、お尻撫でられたりとか?セクハラとかされたかい?」
一勝との会話中、突然一勝が小声で喋り出したので、何なのか?と思い、静かに聞くと、結花関連の話で、水姫は少し気分が重くなった。
「あぁ……ありますよ、色々と……最初は『脱げ』、とか『白ビキニを着て?』とか、『胸揉ませろ』、とか、『海に入っても、『マナ』は溜まらない』とか、おちょくられました……!まぁ、一発殴りましたけどね、今でももう一発、いや、数発殴りたい!」
「……お、おう、そうか」
一勝は水姫の話を聞いて、少し呆れる、やっぱり扱いにくいけど、青空、アリスとかが良かったかなぁ?と一勝はそう考えながら水姫に言う。
「よしわぁった、水姫君の話を聞いた後、後で結花に問い合わせてみるわ、実際そうなら少し叱っておくから、明日から安心して過ごせると思うぜ?」
一勝は冷や汗を掻きながら水姫に言うと、水姫は『有難う御座います!』と頭を下げる、本当に結花の事で苦労しているんだな、と一勝は感じる、連勝、光君ならまだしも同性である水姫君にも手を出すとは……こりゃあ、夜になった後、相当叱ってあげないとな、と一勝はそう考えながら、溜息を吐く、空は少しだけ薄暗く、夕方を思い出させる様な雰囲気を醸し出す──

Re: DM エクストリーム ( No.175 )
日時: 2017/03/17 20:56
名前: 彩都 (ID: ???)  

「はぁ、全くだ……」
一勝はそう呟いて、夜空を見上げる、それにしても結花の奴、誰彼構わずに襲いやがって……一勝はそう思いながら遠くにいる結花を見つめる、呑気にファッション誌なんか見やがって……何気に苦労しているのが俺だって気付かないのか?一勝はそう考えて、水を飲む。
夕飯は昼に作ったカレーを食べた、数時間経ってもとても美味しく頂けた、そんな夕飯だった。
一勝はレン達を見る、レンは光とデュエル、水姫は結花の持ってきたファッション誌を見ている、それにしても自由だなぁ、コイツら──もしもアシュラが現れたらどうする気なのだろう?と思う、すると自分の隣にお爺さんが座ってきた、そして自分に話しかける。
「なぁ、お前さんは?本当に強いのか?だって連勝との決勝戦のデュエマの時、惨敗していたし──」
「ん?あぁ、あれ?結構弱気で行ったからなぁ、ある程度は力を下げてやらねぇと、楽しくないだろう?俺の場合は戦略が色々と詰まったデッキだからマナさえあれば大体の戦略を操る事が出来る」
「な、成程……」
一勝の言葉にお爺さんはゆっくりと理解する、すると逆にお爺さんに話しかける一勝。
「なぁ、アンタ……『どうやってこの『世界』の行き方を知った』んだ?おまけにこの『世界』に行ける謎のカードも……?」
一勝がそう言うと一勝はポケットからお爺さんが使った様な、絵柄が良く似たカードを取り出した。
「何でアンタも俺と同じ様なカード効果のカードを持っている?俺はそれだけが不思議さ、もしかして俺達と一緒に昔この『世界』に来た事があるのか?『俺よりも前に』?」
「…………」
お爺さんは一勝の言葉に無言のまま返答する、そしてゆっくりと閉じた口を開ける──
「いや、お前さんとは一緒に来た事も無いし、確かにお前さんよりも『前』に来た、たったそんだけじゃが?というより、『何時、カードを手に入れてもいい』じゃろう?こんな年寄りがこの『世界』に来て、こんなカードを手に入れた、若さも老けた年寄りでもこんなカード、手に入れても良いじゃろう?それとも何か?年寄りにはこんなカード勿体無い、とか言うのか?」
「……いや、そう言う訳じゃないけれど……何でそんな年寄りの爺が『この『世界』に行く為のカードを持っているのかが不思議なだけなんだ』よ、では質問を変えよう、『どうやってそのカードを手に入れた』?」
お爺さんの言葉に少し納得しない一勝はお爺さんにもう一度質問内容を変えて質問をする、お爺さんは何ら簡単そうに回答する。
「ん?そんなの簡単じゃよ、儂は『小さい頃にこのカードを貰った』だけじゃよ、そう、自分の叔父から、な……」
お爺さんの言葉に一勝はしんみりとした空気を感じ、謝る。
「そ、そうなのか……それは厭な記憶を思い出させちまったな、すまん」
「いや、いいんじゃよ、今では昔より色々な出来事や楽しい事がある、そっちの方に記憶を埋めたいんじゃ、別に気にするな」
「お、おう、そうか……」
お爺さんの言葉に一勝は少し安心した、そしてもう寝る事を考え、四人を呼ぶ。

「それにしても洞窟で寝るなんて初めてだぜ」
「それを言うなら、俺だって初めてだ、だって普通は別荘や室内で寝るもんだろう?なのに屋外で寝るだなんて……テントも無いんだから仕方無いんだけどさぁ?」
「流石に修学旅行や林間とかでテントで寝ませんか?」
レンの言葉に光が反応する、光の言葉に水姫は不思議そうに言う、だが光は水姫の言葉に『いいや、違う』と返答する。
「俺の場合はホテルだ、だから室内で寝るんだよ……あー一回でも良いからテントで寝てみたいぜぇ……!」
光が暗い洞窟の中、欠伸をした後に叫ぶ、すると一勝が光に言う。
「だったらテントセット買って、どっかの山で寝たら良いじゃねぇか?今じゃあ勝手にテントが出来上がる奴もあるし」
急に現れた一勝の声に三人は驚きながら、その内の一人である光が一勝に言い返す。
「それが出来たら苦労しないんだけど……『一人で外に寝るのは許さない!』とか、『屋外は汚い、だから室内で寝なさい!』って言われるんだよ……だから中々外で寝る事が許されないんです……」
その事を聞いて、一勝ははぁ、と溜息を吐く。
「お前の家、大変だなぁ……」
「そうなんですよ……水姫もそうだよなぁ?」
光は急に水姫に振る、水姫は水姫で急に振られて驚いている、そして何とか落ち着いて喋る。
「えぇ!?……私の場合はあまり無いですねぇ、基本的に『自分で行動して、自分で知識を入れなさい』、とか、『他人に頼らずに知識を頭に入れなさい』、とか言われてますねぇ、流石に光君よりかは厳しくは無いですね……」
「えっ?マジかよ……厳しいのは俺だけかぁ……」
水姫の話を聞いて、光は落胆する、その話を聞いてレンは、『二人共大変な家庭なんだなぁ』と心の中で呟いた──

そしてレン、光、水姫は布団を洞窟の中で敷いて、寝る事にした、入ってきた洞窟の入口には、一勝、結花が、レン、光、水姫の足の方にお爺さんが寝る事になった。
これで何時クリーチャーに襲われても、前後どちらかが反応する事が出来、レン達三人を逃がす事が出来る、と一勝が考えた結果だった。
そしてレン、光、水姫、お爺さんが静かに眠りだし、寝息を立てる頃、一勝は結花の布団に入って、結花を見つめる──結花は一勝が自分の布団に入ってきた事に少しドキドキしながら一勝の出を待つ──一勝にナニをされるかは結花には分からない──

Re: DM エクストリーム ( No.176 )
日時: 2017/03/21 22:21
名前: 彩都 (ID: ???)  

「なっ、何なの一勝君?まさか私を襲う気ね!?こんな真夜中だからって、四人が起きるわぎゃ!?」
結花がそう言うと、喋っている途中で結花の頭を殴る一勝、一勝は溜息を吐きながら結花に言う。
「お前さぁ……誰彼構わず、セクハラし過ぎ、そして俺がお前の布団に入ったのは小声で会話する為──何でお前とそう言う事をしなくちゃならんのだ?正直言って、俺が厭だ」
一勝の言葉を聞いて、結花も反論する。
「私も厭だわ!」
「いや、それはこっちの台詞……まぁ、良いか、とりあえず、連勝、光君、水姫君にもう手を出すなよ?三人共お前と一緒になるのを怖がっている、更にセクハラされた、と水姫君から一報が、これはどういう事かな?連勝、光君ならまだしも、同性である水姫君に手を出すなんて……ショタコンのお前じゃ、考えられねぇんだが?」
「えっとその、それは少しばかりの悪戯心でしてぇ……たったそれだけです、だって一人しか女性はいないじゃん?──若い女の子ね?──だからぁ、そのぉ、襲いましたぁ、ってね?ぷげぇ!」
結花の言葉に納得した一勝は結花の顔面を殴った、そして結花に一言、付け加える。
「うーん、やっぱりお前を呼ぶのは間違いだった様だ、次から青空、もしくはアリスを呼ぶ事にしよう」
「いや待って、ゴメンって!マジでゴメンって!水姫ちゃんの事はマジで謝るからさぁ?ねぇっ?許してよぉ?あっ、連勝君と光君は本能で襲ってるから無理だけどってぐげぇ!」
結花の言葉に一勝は結花の首狙ってチョップする、すると結花は『ぐえぇ!』と言いながらチョップされた部分を押し続ける。
「お前に理性は無いのかよ……」
一勝がそう言うと綺麗な笑顔で結花は一勝に返答する。
「うん!若いショタなら尚更ぁ!」
「…………」
「あっ、本当に申し訳有りませんでした、明日から頑張ってセクハラ耐えます、絶えます頑張ります」
「そんな事言って、どうせ数時間で我慢出来なくなるんだろう?」
一勝がそう言うと結花は綺麗な笑顔で返答する。
「うぅん!」
「…………」
「ハッ!しまった、また誘導尋問をぉ!」
「いや、して無いです」
一勝はそう言って、本当にコイツどうしようか?と考える、だけどアイツだって仕事返上で此処に来ているんだよなぁ、早く仕事戻ってあげないと社員さん大変だよなぁ?そう思いながら一勝は結花の事を見つめる。
「うぅー!何でぇ!何でよぉ!恨むなら本能を恨めば良いのにぃ!私はその本能に忠実なだけ!だから私は悪くないのぉ!」
「いや、十分悪いから、もうお前の事は諦めるよ、今後一切の関わりを絶つ事にする、俺にも、連勝、光君、水姫君にもそれは幸いだろう?」
一勝が結花にそう言うと急に結花は両手を合わせながら祈る様に言う。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい、許して?ねぇ、お母さんも一勝さんも許して?もうしないから?ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい私良い子になるから……一勝さんもお母さんも許して?ねぇ、どうして私の事を許してくれないのお母さん?私もっと良い子になるから……もっと良い子になるからぁ!お願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますもっと良い子になるからもっと良い子になるからもっと良い子になるからもっと良い子になるからもっと良い子になるから許して許して許して許して許してねぇお母さんも一勝さんも許してくれるよね?ねぇ?ねぇ?」
「……あー、こりゃコイツの恐怖を呼び出しちまったかぁ……仕方無い、今は落ち着かせる為にこの洞窟から離れようか……」
一勝は震えながら両手を合わせ、泣いている結花を抱き締めて洞窟の外へと連れて行く、そして一勝は結花の頭を撫でながら心の底で謝る。
(流石に攻撃し過ぎたかな?攻撃し過ぎた所為で過去の記憶を思い出しちまった、という事か?)
一勝はそう思いながら結花を静かに慰める──

「ゴメンね、一勝君、私、少し気が動転してた、と、とりあえず、連勝君、光君、水姫ちゃんを襲うのは元の世界に戻ってからにするよ」
「ん?ちゃんと人の話聞いてた?完全に俺の話聞いてないよね?」
一勝は結花の言葉に少し戸惑いながら言う、だが結花は笑いながら一勝に言う。
「なぁんちゃって!流石に嘘だよぉ、だって元の世界に戻ったら仕事ばっかだしねぇ、襲うのは今でも遅くないよね!」
「よし、分かった、つまり俺がお前から三人を避けさせたら良いんだな?」
一勝がそう言うと結花はもっと焦る。
「ちょちょちょ!これも嘘だよぉ!」
「ハハハッ知ってるさ、とりあえず、三人は襲うなよぉ?もしも次襲ったら……三人ともう絡ませないからなぁ!」
一勝はそう言って、洞窟の中に入り、布団の中に入る、そして結花は少し恐怖していた、『三人ともう絡ませないからなぁ』、その言葉を放つ一勝の目は笑っていない事を……そして一勝君の前に恥ずかしい醜態を見せたなぁ、お母さんと一勝君が重なるなんて……まぁ、一勝君も私のお母さんに似た部分はあるしね、そりゃ少しは恐怖する訳だよ……だけど私はもうお母さんの脅威から逃れたんだ、少しでも前に進まないと!結花はそう思いながら、ガッツポーズをし、一勝の隣の布団の中へと戻る──二日目は一体どうなるか、五人には分からない──

Re: DM エクストリーム ( No.177 )
日時: 2017/03/24 21:34
名前: 彩都 (ID: GudiotDM)  

ブルルルルル、ポケットの中で携帯のバイブが起きる、その振動と共に目が覚める一勝、一勝は少し溜息を吐いて、頭を掻く。
結花に色々と言って、何時間が経っただろうか?軽く三時間しか経っていないかもしれないな、そう思いながら一勝は体を起こし、携帯を見る、時間は朝の七時だった。
「朝早いなぁ」
一勝はそう呟いて、布団から出て、布団を一人で片付ける、他の四人はすやすやと寝ている、そんな中、お爺さんの姿が見当たらない、一勝はデッキを取り出し、一枚のカードを抜く、そのカードは『コッコ・ルピア』だった、一勝は『コッコ・ルピア』を召喚し、お爺さんを探す様、命じる、するとものの数十秒で『コッコ・ルピア』が戻って来る、何だ、案外近くに居るのか、と考えて、『コッコ・ルピア』をカードに戻す。
一勝は『コッコ・ルピア』をカードに戻した後、お爺さんを探す為に洞窟を出る。
一勝は洞窟の反対側へと行き、お爺さんを探す、すると案外簡単に見付かった。
「おい爺さん、アンタ早いな、流石年寄りだ」
一勝が皮肉混じりに言うと、お爺さんは静かに答える。
「ふむ、何か『異変』を感じてな……浅い眠りしか出来なかったよ、それに引き換え、若いお前でも『異変』を感じれないとは……若いのに」
お爺さんも皮肉を込めて言い返す、一勝は少しイラッとしたが、確かに『異変』の存在には気付いていた。
「そりゃ『異変』には気付いていた、だけど表に出さなかっただけだ、あいつらが寝ている今この時に『異変』を解決しようか、と考えていた所だったんだよ」
一勝は言い訳交じりの返答をする、するとお爺さんは静かに一勝に言う。
「さて、お前には『誰』が来ているか、分かっているのか?」
「…………」
お爺さんの言葉に一勝は返答しなかった、そしてその後、渋々その『誰』かの名前を口に出す。
「……アシュラ、だ、アシュラがこの『クリーチャー・ワールド』に現れた、だからアイツ等三人が気付かない内に倒そうとしていたが……お爺さん、アンタには見透かされていた様だなぁ」
一勝がそう言うと、お爺さんは口の端を歪ませて、答える。
「さて、どうだかな?儂は『誰』が来ているか、と言ったが、『アシュラが来た』とは言っていないからなぁ?」
「けっ、まさかのカマかけかよ」
お爺さんの言葉に一勝は厭な顔をして、お爺さんの隣に座る、そして一勝はお爺さんに言う。
「あぁ、そういえば……俺はアンタのデュエルセンスを見た事が無かったなぁ、一回ご鑑賞したいぜ」
「見るだけ無駄じゃよ、儂はデュエマのルールは知っていても、あまりプレイは出来ない、もう年じゃからな……」
お爺さんの言葉を聞いて、一勝は少し悔しがる、もう少し若ければお爺さんのデュエルセンスが分かったのに、そう思いながら溜息を吐く。
そして一勝はその場を立ち上がって、お爺さんに言う。
「さぁ、その『異変』の主である、アシュラを倒しに行きますかぁ」
一勝がそう言うとお爺さんも立ち上がって言う。
「そうじゃなぁ、急いで倒しにいかんとなぁ」
お爺さんの言葉に一勝は驚いた、この人、あまりプレイ出来ないって言っていた気が……?
「別に『全然出来ない』とは言っていない、ほんの少しプレイ出来るだけじゃ、マナを溜めて、マナをタップしてクリーチャーを召喚、呪文を発動、基本のルール、それ位じゃ」
お爺さんの言葉を聞いて、『大体出来るじゃねぇか』と心の中でツッコむ一勝、一勝とお爺さんはその場から離れてアシュラを探す事にした──流石にあれだけ口を酸っぱくして言ったんだ、結花は連勝達に手出しはしないだろうな、そう思いながら一勝は自分が寝ている場所の近くに向かって、デッキを整える為に向かう。

「お爺さんや、アンタはデッキを持っているのか?」
一勝がそう言うとお爺さんは『一応三つは持っている』と返答する、何だ三つも持っているのなら、案外持っているんだな、と思い、一勝は店舗大会の時、レンと戦った多色デッキを用意して、腰のデッキケースの中に入れる。
これで何時でもバッチリだ、一勝はそう思いながら深呼吸して、目の前を睨む。
何時でも掛かって来い、アシュラ!一勝はそう思いながらお爺さんに言う。
「さぁ、行こうぜ?」
「あぁ、そうじゃな」
一勝の言葉にお爺さんが返答する、さぁ、行くか!と、思った時だ、目の前に二つの影が見える、遠近法で米粒の様に小さく見えるが、その二つの影が段々と近付いてくると、一勝とお爺さんはその二つの影に驚いた。
その影はアシュラだった、だがもう一人は誰なんだ?一勝がそう思っていると、ゆっくりと思い出してきた、何だったかなぁ?仮面の修道女だったっけ?でもこんな美しい顔をしていたのか?と思う。
すると一勝とお爺さんが目に入ったアシュラは手を振って、一勝とお爺さんに目を向かせる。
「おぉーい!一勝じゃないかー!奇遇だなぁー!」
アシュラはそう言って、一勝の方に向かって走って近付く、アシュラの隣に居た龍華──仮面の修道女だ──も走ってアシュラを追いかける、だが、あまりにも一勝とアシュラの間は遠かったので、龍華は膝に手を置いて、息を切らしてしまう。
「はぁはぁ……アシュラ様ぁ、いきなり走らないで下さいよぉ……って、アンタ等どうして此処に!?」
一勝達を指で指しながら声を荒げる龍華に対し、アシュラは龍華に諭す様に言う。
「まぁまぁ、コイツ等だって好きで来たんだろうし、放って置いてやろうぜ?」
アシュラはそう言って龍華を落ち着かせようとする、その姿を見て、一勝は思う、どうしてコイツらがこの『世界』に来ているんだ!?一体アシュラは何が目的で……!一勝はそう思いながらアシュラを警戒する──レン達が何時起きるのはまだ分からない──

Re: DM エクストリーム ( No.178 )
日時: 2017/03/28 21:15
名前: 彩都 (ID: fQORg6cj)  

「てめぇ……一体何が目的なんだ!?何なんだぁ?此処で俺達を潰そうってかぁ?それは無理な話だぜ?俺も連勝も強いぞ?今、お前達とデュエルすれば勝つのは俺達だってのが明白だぜ?」
一勝はアシュラにそう言って、威嚇する、だがアシュラはそんな威嚇をあっさりと回避する。
「まぁ、待てよ?気が変わったんだよ、もう地球を壊さなくても良いんじゃないかって?最近食べたコンビニ弁当、とやらが美味しくてなぁ、地球を壊してしまえばそんな食べ物さえ食べれなくなる、そう考えると壊すのは勿体無い、と思ってな?おいおい、落ち着けよ?私はもう地球を壊す事を諦めて、コンビニ弁当を食べて地球、いや、日本を過ごすよ」
「……信用出来ない言葉だが、コンビニ弁当の話は本当そうに聞こえるな、一時的に信用してやる、で、逆に聞くが、どうして此処に来たんだ?その理由は聞いていない」
アシュラの言葉に少し納得しながら一勝は返答する、するとアシュラは『ハッハッハッ!』と笑いながら一勝達に言う。
「ん?そんなの簡単だ、お前らの特訓に付き合いに来た、元世界の破壊者とデュエルをしたり、特訓が出来るんだぞ?こんなお得な話は無いだろう?」
「……えっ?俺達の特訓の手伝いをする為に来たの?」
一勝が呆れながらアシュラの話を聞く、するとアシュラは仁王立ちで腕を組んで強く頷く。
「あぁ、そうだ」
「……警戒した俺はバカなのか、もしくはアシュラの野郎がバカなのか……これは図れそうに無いな……」
一勝はそう呟いて肩を降ろす、すると結花達が起きてきた、最初に洞窟から出てきたのは結花だった。
「ふぁぁ、お早う、あまり寝れな……何でお前がいるぅ!?」
欠伸をしながら、一勝達を見、頭を掻く結花だが、もう一度一勝達を見て、驚いて、声を荒げる結花。
「何だ、お前もいたのか?」
「お前もいたのか?じゃないわよ!何でアンタが私達の愛の巣に!?」
「愛の巣じゃねぇ!特訓だわ!」
結花の言葉に一勝はツッコミを入れて、頭を押さえる、カオスにカオスを混ぜるなよ……混沌の混沌って何なんだよ、ただの闇鍋じゃねぇか!一勝は心の中でそう叫びながら結花に説明する。
「えーと、大まかに言えば、俺達の特訓を手伝いに来たんだとよ、アシュラの野郎は」
「は、はぁ?何それ?逆に私達の特訓内容がモロバレじゃない!」
「うーん、言いたいのは其処じゃないんだよなぁ……」
一勝の説明に結花が驚く、だが結花の発言に対して、気付いて欲しい所は其処じゃない、と溜息を吐きながら説明する一勝。
「その前の問題だバカ、アシュラが俺達に特訓をつけても、アシュラには何のメリットも無いんだよ、だから俺にはそれが不思議なんだって言いたいんだけど……お前には理解出来ないか」
一勝がそう言うと、結花は顔を赤らめながら反論する。
「そんなん私だって理解出来るわぁ!簡単に言えば、アシュラが私達と特訓しても、アシュラには何のメリットも無い、って事でしょう!?」
「そのまんま俺の発言を奪うなよ? 自分で考えて発言しろよ」
一勝がそう言うと、結花は半ギレで反論する。
「うるへー!何だか最近一勝君、私の扱い酷くない!?」
「えっ?そんな事は無いさ、ただの勘違いだろう?」
「勘違いにしては昨日殴られたりしたのですが?」
「うん?それは叱る為に殴っただけの軽い挨拶レベルの奴さ」
「案外痛かったのですが!?まさか一勝君、この事を見越して私と連勝君、光君、水姫ちゃんとのランデブーを阻止する為に敵であるアシュラと私を引き換えに!?」
「おう、そう言う事は案外簡単に察する事が出来るようだなぁ、少し嬉しい」
一勝の言葉に驚愕する結花、まさか私はもういらない子……?そう思いながら結花は一人洞窟の中に戻る。
「どうせ私はセクハラ大魔神ですよーっだ!もういい、やさぐれてやる、グレてグレて、グレーテルになってやる!今日はお休み!」
そう言って、洞窟の中で布団を敷き直す結花、流石に言い過ぎたかな?と思いながら一勝は結花に言う。
「あぁーもう、言い過ぎたってー」
「煩い!許すもんか!」
「……お前とあやつは昔私を倒そうとしたメンバーなのに何で仲間割れしているのだ……」
一勝と結花、二人の会話を聞いていて、頭を片手で支えるアシュラ、完全に呆れている様だ。
「アハハ……人間様にはフリ、という芸がありましてね、これもその一種です、単純に言えば漫才みたいなモンだよ」
「そ、そうか、つまり完全に仲違いした、という訳では無いのだな?」
まるで自分が来たのが悪い、と言いたげな雰囲気を出すアシュラに対し、一勝はあっけからんと言う。
「別にそれはないな、何度もこういうぶつかりはしているからな、アイツだって、数時間後にはケロッとしているさ」
「ふ、ふむ、そうなのか……」
アシュラはそう言って、額の汗を拭う、全く、不思議な者だな、『人間』と言うのは……アシュラはそう思いながら深呼吸をする。
そして一勝とお爺さんは机と椅子とコンロを用意し、昨日作ったカレーを温める、アシュラは何をしているんだ、この二人は……と不思議そうな目で二人を見つめていた──レン、光、水姫が何時起きるかはアシュラ、龍華、一勝、お爺さんには分からない──


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