神の使徒と希望のヒカリ 作者/乃亜 ◆uz.dYBj786

――――タッ、タッ。

――――とっ、とっ。

猫と鼠の追いかけっこ。

勝敗は―――――



+3夜+【猫と鼠の追いかけっこ】




ダダダダッ!!

トトトトッ!!

二人の走る音が夕方で賑う廊下に響く。

初めの足音が神田。

次の足音がクロア。


・・・・・まぁ前回の話を見れば大体分かるだろ?


クロアの口には天ぷらの尻尾の部分が見えていた。

教団の廊下は人が多く、障害物競走の様だ。

シュッ、シュッとクロアは人混を軽やかに避けて走る。

神田はその後を追う。

クロアは目の前に気配を感じた。

(・・・・ま、いいかッ。今はユウちゃんから逃げるのが先だよねぇvv)

あまり気にせず、そのまま廊下の四つ角へ来た。

その時だった。

一人の隊員が歩いてくるのが見える。

「危なッ!」

「う、うわああああああッ!!!!」



――――ドンッ!



クロアは隊員の背中を跳び箱がわりにして勢いよく飛んだ。

「・・・・!」

「ゴメンねッ!」

そのままクロアは走っていった。


その後を神田が追いかける―――


―――クロアが鼠

―――神田が猫

さぁ、この追いかけっこに小さい鼠ちゃんは勝てるのでしょうか?





――――――″伏羲(フッキ)〟

それが彼の名前。

伏羲はゆっくりと廊下を歩いていた。

アレンからお菓子を食べながら。


「伏羲ィ――――ッ!たぁ~すぅ~けぇ~てぇ~!!!」

クッ、クロア!?

後ろのは神田かァ・・・・

伏羲はお菓子を盛ってあったお皿を来るクロアと神田を狙うと


―――――シュッ


がーンッ!

神田の顔面に皿が当たった。