神の使徒と希望のヒカリ 作者/乃亜 ◆uz.dYBj786

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+33夜+【教団】




「・・・・ッは・・」

伏羲がガタリと立った。

目の前には余裕の表情のアリスが居る。

「無駄っつってるじゃん・・・」

そう呟くとクックッと笑う。

「・・・あっそ・・・」

伏羲はそう呟くとまた両手は炎に包まれた。

「零距離太陽!」

アリスの目の前に伏羲が出した零距離太陽の炎が迫る。


「・・・へぇ。」

アリスはゆっくりと目を閉じた。

「・・・・コピー・・」

そう呟くと、アリスは零距離太陽を避けた。

「零距離太陽!」

アリスの半面は伏羲の顔になり、そして零距離太陽を神剣達に当てる。

「熱・・・・ッ・・」

神剣の左腕には火傷ができ、血が流れていた。

「だから無理って言ったろぉ―?」

アリスはニヤニヤと笑うと、リナリーの方に体を向けた。

「今度は君をコピーしよぉっと♪」

そう呟いた。

――――ダッ!

アリスは宙に飛ぶとそのまま見えなくなった。

「・・・・・」

リナリーは何故か目を瞑った。

「リナリー!?」

神剣と伏羲はリナリーの不可解な行動に驚き、叫んだ。

「何やってるんだ!?敵にコロされても良いのか!?」

神剣が剣を構えながら言う。

「・・・」

リナリーはニコッと笑うと口元に人差し指を向けた。


「・・静かにしてろって事か・・?」

伏羲が立ち止まる。



―――――ダッ



ドンッ・・!

いきなり派手な煙が渦巻いた。

リナリーは黙って何かを城の壁に叩き付けたらしい。

リナリーはニコッとまた伏羲と神剣に笑いかけた。

リナリーは宙から降りてきた。


神剣は城の壁を見た。


「・・・!」



――――壁に叩きつけられていたのはアリスだった。

血を出している。

「・・・どうやってあんな素早いの叩き付けたんだ?」

伏羲が聞いた。

「・・・ちょっとひらめいたのよ。」

      「「・・は?」」

リナリーはダークブーツの様子を確かめると言った。

「・・今までアリスを見ていたけど・・かならず動く時にほんの少しだけど体が鈍いの。・・・多分コピーする時の準備とかだろうけど・・・」


「なるほどッ。そ―ゆ―事かぁ・・」

伏羲がぽんと手を打った。


アリスは倒れていた。

・・・・本当はまだ―・・


         *


「薔薇ノ茨!」

シュルシュルと更紗の足に茨が巻きつく。

巻きついた茨は離れない。

どんどん人食い薔薇に近づいていく。

薔薇はキシャァァァァ!!と奇声を上げる。

「氷華!」

詠娑が氷の粒を出した。

そのおかげで更紗の足を捕まえていた薔薇が枯れた。

「ありがと!詠娑!」

「いや・・私が役にたてるのなんてこのくらいだし・・・それに・・・」

ブツブツと呟いている後ろにはまたまた薔薇が居る。


「ンギャァァァア!!詠娑ぁぁ!!後ろぉぉぉ!!後ろ見てェェェ!」


「へ・・・?」


「夢ノ嵐・・・」

ヴヴヴヴ・・

いきなり薔薇の頭が揺れだし、破裂する。

「あ、ありがとうございますソダードさん・・・」

「・・・・」

ソダードは身軽の茨を登っていく。

そしてルルアの前に立った。

「・・・・チッ・・」

ルルアは舌打ちした。

そして腕を薔薇に変化させ、そのままソダードの目の前まで茨を・・


「混沌ノ道・・・・」

ルルアの目が虚ろになった。

「・・・何・・?この幻術は・・」

ゆらゆらと体が揺れた。

そのままルルアは倒れた・・・



「リナリー!更紗!ソダード!詠娑!神剣!伏羲!」

誰かの声がした。

6人が城の上を見ると、城の上にはクロア・ラビ・神田・コナルが居る。


「・・・コナル!!」

コナルは俯いて顔を合わせようとしない。

「早く来い!ホラ!」

クロアが怒鳴っている。

神剣がゆっくりと登り始めた。

「・・・・遅いって・・」

伏羲が呆れた様に言った。


――――ガシッ

伏羲が皆の腕を掴んだ。

「行くぞ―――――!!」


「「「「「んぎゃぁぁぁぁ!!!」」」」」


何と、伏羲は城の壁を垂直に走っているのだ。


「ふ、伏羲・・アンタ何して・・」

更紗が震えながら聞く。

「え―?城の上走ってんの―。」

「そうじゃなくてぇぇぇぇぇぇ!!」





          *


「・・・・集まった?」

クロアが聞く。

5人は恐怖で顔が真っ青だ。

「んじゃ行くよー・・」

クロアがゆっくりと両手を地面に当てた。

「・・白対術・・第4の術・・・転送・・」

ゆっくりと呟くと、皆は真っ白い霧で包まれる。

「何コレ!?」

「んぎゃぁぁ!!」

「コッチ・・!皆!」

更紗が何か叫んでいる。


「・・・・は?」


更紗達の前にあったのは教団だった。


結局戻ってきた訳である。


――――任務、成功・・・

神田はホッとした。

コナルは―・・


まだ俯いていた・・・



第1章/end



 ― ― ― ― ―エピローグ― ― ― ― ―


――――・・アレから、コナルはノアの魂を手術で取ってもらい、またエクソシストになった。


だが、まだ影響で体が弱い。


―――神田がこの前の任務終了後からずっと付いている。


―――コナルは

―――まだ俯いている____。