神の使徒と希望のヒカリ 作者/乃亜 ◆uz.dYBj786

「アイツ等が―・・・」
ゆっくりと少女は呟く。
その手には
神の結晶が握られている。
「エクソシスト――――」
+27夜+【切れない鎖】
「――・・・」
神田がピクリと体を震わせた。
「神田?」
伏羲が神田を方を向いた。
「シッ―――・・黙れ。」
ピキッ
「黙れ・・?」
神剣がその言葉に何故か少し切れている。
刀を取り出しそうな勢いの神剣を、詠娑がその手を押さえる。
「こ、こんな所でやめてください・・それよりか・・神田・・さ・・ん・・ど、どうしたんですか・・」
神剣が切れたので神田も切れ始めた。
「コラ!こういう状況で切れないの!神田!神剣さん!」
だがそれをリナリーが軽く叱った。
今度は更紗が気になっていたのだろう。
「・・・で、神田?どうしたの?」
神田はゆっくりと口を開いた。
「・・・誰かが見ている。」
――――ピクリ
後ろにいたクロアとラビ何かに感づいた。
「そこかッ!
そこさッ!」
ラビとクロアの声が重なった。
ラビは伸を
クロアは飛刃を
二人共違う方へ攻撃をした。
ガンッ
鈍い音がし、初めに小さな男の子がラビの方面にある窓から落ちてきた。
「・・ったぁ~・・何なのぉ~・・このかなづちぃ~?」
そのだらりとした話し方をするのはアリス。
すると今度はバタンと派手な音がした。
クロアの方面の窓からはルルアが落ちていた。
「・・ったぁ・・・何なのよ!全く・・洋服が汚れちゃったじゃないの・・・」
と言うと、メイクセットを取り出し化粧をしている。
「ノア・・!」
エクソシスト達はそう小さく呟いた。
「あら?エクソシストの皆さんじゃないの?」
「あれぇ?あの白いモヤシはぁ~?」
アリスはニヤニヤと笑った。
ルルアは余裕の表情で化粧をしている。
「・・・・・余裕だな。」
ソダードがノアを睨んだ。
「あら?貴方はこの前私の城を探っていた子じゃないのv」
探っていた?
「・・・ああ、そう言えば城の周りを捜索していな・・」
ソダードはそこまで言うと言葉を切った。
「・・・通してもらおう・・・」
鋭い眼光は、周りの者を震え上がらせた。
「・・・・いやっていったらどうするの?勇敢なお嬢さん?」
ルルアはにっこりと笑みを浮かべる。
「・・・・強制的に通らせて貰う・・・」
ダッ―――!!
エクソシストはイノセンスを発動させた――
《イノセンス・発動!》
「神田!ラビ!クロア!」
ソダードに呼ばれた3人が振り返る。
「お前等はコナルを救出しろ!」
「ここは私達がするから!」
更紗がそう言う。
「・・・分かった。」
神田は一人、そう返事すると
そのまま城の奥へ入っていった。
その後にクロアとラビと続く――――
*
「・・・誰か来ているわ・・・」
ルイがゆっくり目を閉じる。
体には少しの痛みが残っている。
冷たいコンクリートの部屋に置かれた
硬いベッドの上にゆっくりと座る―・・
「誰か
近づいてきてる―――・・?」

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