神の使徒と希望のヒカリ 作者/乃亜 ◆uz.dYBj786

―――――強くなりたい

こんな思いが芽生えたのはいつからだろうか。

初め、この人間の群れに入った時は

そんな思いはしなかった。

だけど、今なら何故か思える。



――――強くなりたい―――――



+10夜+【Let’sGО―GО―GОッ!】




バンッ!


鈍い音がして血が飛び散った。

「クッ・・・・クロアさ「まだまだだぞ―。」

詠娑がクロアの手当てをしようとすうと、神剣が刀を取り出し、またクロアに飛び掛る。

クロアは避けるだけで精一杯。


「チッ・・・・」

クロアは顔を顰めた(シカメタ)まま避けている。

神剣の刀が掠った(カスッタ)部分がキュンキュンと音をたてて刀の一部になっていく。

何故こんな事をしているかと言うと・・・

詠娑は溜息をつくと、回想を始めた――――






*詠娑の回想。*

「俺達はお前を鍛えるとか何とかで此処に着たんだよ。」


「・・・・・は?」


「ですから、クロアさんを鍛えるために・・・」

「・・・・ハッ。」

クロアは薄ら笑いを浮かべると言った。

「アンタ等に言われなくても俺は出来るよv」

ニヤリと不敵に笑うと、クロアは叫んだ。

「第二の術!飛刃!」

クロアが叫ぶと、クロアの周りには沢山の槍が浮き出た。

そのまま神剣にその刃が飛立つ―――

神剣はそれを笑いながら――――





パシッ




「・・・・・・は?とっ・・・た?」

クロアはぽかんとした顔で神剣を見た。

神剣はその刃をクロアに凄い力で反対に投げた。

ザクリと音をたててクロアの団服の・・・・もう少しでクロア本体と言うところに突立てた。


神剣はそれを見ると、溜息をついた。

そしてゆっくりと呟くように言った。

「・・・弱ッv」

「!」

「遅いし、ノロマだし、動きが鈍いし。」

「それってもう全部遅いって言ってるよな?」

「俺″達〟と練習すれば、今の倍の強さになれるよ?」

「達?アンタしかいないじゃん?」



「あ、あ――の―――ど、退いてください・・・ッ痛いです・・・・」

「ひゃぁぁぁっ!」


クロアが下を見ると詠娑が蹲っていた(ウズクマッテイタ).

「ごめんなさいぃぃぃ!!」

「あ、いやいいです・・・・」

「・・・・で、本題に戻るけど。やるの?やらないの?」

またその選択か・・・

クロアは呆れて溜息をついた。

「やらないよ・・・」

神剣は目を見開いて、クロアを軽く睨んだ。

怒った・・・

詠娑は恐る恐るその姿を見ていた。


「おい・・・・調子こ.いてんじゃねぇぞ・・」

クロアはぎょっとして神剣を見た。

神剣は黒いオーラを出して言った。

「強くなりてぇんだろーが・・・その為に俺はわざわざ元帥に付いて行くのを諦めて教団に戻って着たんだぞコラ・・・」


今の神剣を見れば、六歳から八歳ぐらいの子供は泣くだろう。

「鬼がいるよォ――――!!」みたいな・・・

クロアは半泣き状態。

「ふぁ、ふぁい・・すみませんでした・・」

ぶるぶると震えて無理矢理強制オーケー・・・って事・・


*詠娑回想終了v*


「・・・って事なんですよねぇ・・・」

「詠娑、誰に話してんだ?」

「さぁ?」

・・・・・・嗚呼・・影薄いんだな私・・・

詠娑は改めて感じた。(ぇ