神の使徒と希望のヒカリ 作者/乃亜 ◆uz.dYBj786

自分が分からなくなった。

気付いたら何も覚えてなくて

隣には変わり果てた仲間の姿があった―――



+20夜+【発動】




ガンッ ガンッ!!

何度も剣に黒い物が当たる。

その度に神剣は顔を顰める。

クロアのいつもの目には光が無く

虚ろな目だった。

今度は手の中に玉を作り、神剣に飛ばした。

神剣が避けた。

避けた後をみると其処だけ丸く黒ずんでいる。

神剣は持っていた刀を振りかざすと叫んだ。

「イノセンス発動!」

刀が異様な光を帯びた。

「怪刀・神波刀!」

神剣がクロアに向かっていった。

そして思い切りクロアを斬った。


――――ビチャビチャッ・・・

嫌な音がし、地面にクロアの真っ赤な血が毀れた。

そのままクロアは倒れてしまった。

「・・・・まだ使い慣れてない・・・か。」

神剣はそう呟くとクロアを起こし、医療班へ向かった。

勿論、詠娑も連れて。



         *


―――――此処は

何処だろう

私は―――

誰なんだろう――

私は―――


ガバッ!!

クロアの目に映ったのは真っ白い部屋。

ズキズキと頭と腹が痛む。

顔を顰めて腹を見ると包帯が巻かれていて、血が滲んでいる。

とりあえず今、自分に起こった事を思い出そうとクロアは頭を抱えた。



「気がついたかい?」


突然、誰か優しそうな声が、クロアの耳に届いた。

クロアは声のする方へ顔を向けた。

「・・・コムイ・・・」

扉の前には優しい笑顔を浮かべたコムイが立っていた。



「よく発動出来たね。合格だ。任務に行っても良いよ。」


クロアはぼおっとまだ夢に居る様な感覚でその言葉を聞いた。

「・・・・は?今さっきどう言った?」

「任務に行っても良いと言ったんだよ。クロちゃん。」


クロアはベットの上から叫んだ。


「よっしゃぁッ!」