神の使徒と希望のヒカリ 作者/乃亜 ◆uz.dYBj786

気付いたら
真っ黒い世界に居た。
気付いたら
何も感じなくなっていた。
気付いたら
―――何も覚えてなかった。
+19夜+【黒】
・・・・
黒い・・
目の前が真っ黒だ・・
うっすらと目を開けると、隣に可愛い女の子が私を見ていた。
「貴方は―――」
その瞬間激痛が体中に走った。
「痛・・ッ!」
すると女の子はビックリしたように―――
「駄目だよぉ!魂を入れられた時の傷口が治ってないんだからぁ!」
そう言う女の子の目は優しかった。
「・・・・貴方の名は?」
「ロード・キャメロット。よろしく♪″家族〟」
″ 家 族 〟
その言葉が温かく心に響く。
「家族・・・?」
「そう♪僕達は人類最後の使徒、ノアの遺伝子を持つ超人なんだ―――」
そうロードは言うと、ゆっくりと私の髪を撫でた。
「私は貴方と同じ家族――――?」
「・・・・そうだよぉ。」
ロードはそのまま私をゆっくりと抱きしめた。
暖かかった。
「暖かい・・・」
「でしょ・・・コレが家族の暖かさなんだ・・・」
甘い香りがした。
ぐら・・
いきなり目の前が揺れた。
「アッ・・・」
そのまま私は眠りについた・・・・
*
「ん・・・」
目の前は明るかった。
目を開け、ベッドから揺れながら起きた。
私は今どんな姿だろう。
鏡が有った。
鏡を覗き込むと
亜麻色の髪に黒っぽい紫色の目。
服はボロボロ・・・
胸の方に何かがあった。
触ってみると・・・
「何・・・コレ?」
十字架のような物がある。私はソレを毟り取り(ムシリトリ)、ベッドの下に入れた。
「起きたのぉ?おはようⅴ朝ごはん食べよぉ♪」
「ロー・・ド・・おは・・・よ・・」
「そういえば洋服ボロボロでしょ?はい、服ⅴ」
雪の様に白い半袖のシャツに
ミニスカートの部分がふんわりとなった黒いドレス。
首には黒いリボンを巻いてある。
勿論、長い髪にも。
「誰なんだろう・・・・」
ボソリと呟いたのにロードが反応した。
「・・・・君の名前はねぇ・・」
ロードはニタリと笑った。
「ダーク・ルイ・・・・」

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