すいぶ!-南梨高等学校吹奏楽部-

作者/ 夕詠 ◆NowzvQPzTI



【harmony.52*荒ぶる鹿島!】



「ちょっと、あっくん!」

楽器運びの最後、チャイムを運んでいる時、鹿島先輩が秋さんを睨んだ。

「何ですか?鹿島さん」

秋さんは鹿島先輩に顔を向けた。
その瞬間、

「わっ!?」

秋さんが階段から足を踏み外しチャイムが揺れた。
それを見て鹿島先輩は、

「それだよ、それ!あっくん、ドジすぎて危ないよ!」

と冷や汗。
確かにさっきから足踏み外し続けていますもんね。
さすがに危ないかも……。

「っていうか!佳枝さっき、あっくんに誰かと代わった方がいいんじゃない?って言ったよね、佳枝!?」

秋さんは「ええ、まぁ……」と、苦笑いしながら鹿島先輩から目を逸らす。

「その時、あっくんなんて言ったか覚えてる!?」

熱の入った言い方の鹿島先輩。
その時に秋さんが言った言葉、か。
あ!確か……。

『今日は天気がいいですね☆』

「全っ然!関係ねぇよ!!もう次元が違うよ!!」

回想シーンを終えて鹿島先輩はツッコむ。
あ、今日はこういう流れなんですね。把握しました。

「あとさ、あっくん!そのあと佳枝がもう一度、他の人にーって言った時!何て言ったか覚えてる!?」

その時は確か……。

『あ、こんなところにブロッコリーが落ちてますね。まったく誰でしょう。こんなところにブロッコリーを捨てるなんて』

「いや、落ちてねぇよ!あっくんの目にはどんな世界が映ってるんだよ!もう、あっくんワールド意味分かんねぇよ!っていうか、ホントに落ちてるよ!このブロッコリー美咲のじゃん!」

「いや、違うから!!」

いつもは暴走しがちな川端下先輩も今回ばかりはツッコミです。
っていうか廊下の床にブロッコリー落ちてる学校って何!?

「で、まぁそれは置いといて!もう二階ぐらいまで下りてきたところであっくん、何て言った!?」

まだまだ言い足りないと言わんばかりに、まくしたてる鹿島先輩。
もう完璧にキャラ崩壊してます。
で、確かその時は……。

『あ、そういえば僕、腕骨折してたっけ☆』

「もうここまで来たら最後まで運べよ!往生際悪いな!っていうか、いきなり丁寧語崩すなよ!萌えるじゃん、バカー!!」

(///>Д<)この顔文字みたいな顔で言う鹿島先輩。
いや、可愛いんですけど!でも、あの……。

この話、どうやって終わらせればいいんでしょうか?