すいぶ!-南梨高等学校吹奏楽部-
作者/ 夕詠 ◆NowzvQPzTI

【番外編*Wish under the Milky Way-ナルシス子さんのお願い-】
というわけで七夕の夜の学校にいる主 人 公 ☆こと私、有泉凜は小説の中身として地味な網倉のもとを去り、ナルシストキャラで現在人気投票三位に食い込んでいる小尾先輩のもとへ。
ちなみに私は加賀美部長に押され二位ですけど何か文句ありますか。
そんなこんなで小尾先輩を発見。
その隣には青山先輩とひなた先輩も。
「あ、凜ちゃんだ!どうしたの?」
私に気づいたひなた先輩が言った。
私は軽く会釈をして、
「先輩方は短冊に何て書かれたのかな、と思いまして……」
私が言うと青山先輩が短冊を差し出した。
私はそれを受け取って見てみる。
短冊に書いてあったのは『県代表!』の文字。
「どう?模範解答でしょ?」
青山先輩は言う。
確かに模範解答ですね。
まぁ、三人中三人がボケキャラだったら困るわけで。
「ひなた先輩は?」
「え、私?別に面白味も何もないよ?」
そう言ってひなた先輩は恥ずかしそうな表情で短冊を渡す。
短冊を見ると、
「『小尾まじ鼻フックデストロイヤーの刑。』……ってなんてこと書いてるんですか、先輩!!しかもこれもうお願いじゃないですよね!?」
私のツッコミに先輩は頭を書きながら照れ笑い。
「いやそこ照れるところじゃないですし!!」
思わずツッコむ。
やばい、私最近ツッコミキャラとしてしか需要がなくなってる……!!
これって主人公としてどうなの!?
まぁ、出番のない空気くんよりはマシだからいいか。
「あ、凜ちゃん。私のも見るー?っていうか見て見てー」
そう半ば強引に短冊を押し付けてきたのは小尾先輩。
どうせ『もっと可愛くなれますように』とかじゃないのかなー?などと思いながら短冊を見た。
視線の先の文字は『皆がもっと可愛くなりますように』。
予想外の文章に私は驚く。
先輩もまわりの事、考えられる人だったんだ……。
「先輩、コレ……っ!」
「その願い事いいでしょ?最近私が可愛すぎるから張り合いないのよねー。だからもう少し皆に可愛くなってもらわないと、つまらないーみたいなー?」
感嘆も交えたいた私の声はやはりいつも通りだった小尾先輩の発言に掻き消された。
もうなんか……さすがです、先輩。

小説大会受賞作品
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