すいぶ!-南梨高等学校吹奏楽部-

作者/ 夕詠 ◆NowzvQPzTI



【harmony.66*ろりの☆カイチョウさまっ♪】



「会長さんは外見小学生のくせに、根っからの年上でダンディーなおじ様キラーなの」

熟女キラーならぬ熟男キラーきたァァァァァァァ!!
でも、田所先輩の外見でおじ様のとなりに並んで歩いてると、色々まずいんじゃ……。
その、法に触れかねないというか。なんというか。
まぁ、好みは人それぞれですし、いいんですけどね。

「ちょっと、年取った人間のどこがいいんです!?会長さんみたいな可愛い人の方が断然いいですよ!!」

黙ってないんですよ、あのロリコンが。
だが、会長さんも黙っていなかった。

「逆に若い人間のどこがいいのよ!?ダンディーで精神的にも大人な男の方がいいに決まってるわ!」

「いえ、会長さんみたいに華奢で小柄な人が一番かわいいです!俺は好きです!」

「小柄じゃないし!……ほら、そういうところが嫌なのよ!人が気にしてること、何も考えず言っちゃうでしょ!?生きてきた年数も思考も何もかもが浅いのよ!」

会長さんは小柄と言われたのがそんなに嫌だったのか、まくしたてるように言う。
そして極めつけの一言が。

「それに、いきなり告白されて、誰がオーケーするのよ。どうやら、常識も浅いようね。もう少し考えたらどう?」

冷たく言い放って、その場を去っていく会長さん。そしてそれを残りの生徒会が追いかけていく。
その場に取り残された梅垣くんはかなりショックな様子。
ダッシュで仲間の元へ帰ってくる。
あれ?私これぶつかる位置にいる?

「うわっ!」

そう思ったので避けようとしたのだが、梅垣くんの予想以上のスピードを私は避けられず、肩と肩がぶつかった。

「すみません!」

それを見て梅垣くん以外の甲山府の二人が私の元へ駆け寄ってきた。

「いえ、別に気にしてないので……」

私は笑顔で言う。
これで円満解決!と思ったら、

「謝ってすんだら警察はいらないが」

そう言って甲山府の面々を見る網倉。
え、何余計なこと言ってんの!?

「ちょっと、網倉!」

「お前らがコイツにぶつかった反動でコイツがよろめいて、俺の足が踏まれたのだが。とりあえず俺にも謝ってもらおうか」

器小っさ!!網倉器小っさ!!
せっかく今までの話で読者人気上がったと思ったら……お前、それはないだろ!!
とりあえずフォローを入れなければ!!

「あ、あの!コイツの言ってることは気にしないでくださいね!コイツマジ空気1000%なんで!!くうきの☆プリンスさまっ♪なんで!!」

よし、我ながらいい出来!これで安心!……だといいんですけどね。