二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄 完結、そして……
日時: 2011/07/29 00:16
名前: 白黒 (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22252

はじめまして、白黒です。
白黒にちなんでポケットモンスターブラック・ホワイトの小説を書こうと思いました。
内容はオリジナルの要素を含みながら、ゲームの通りに進行したいと思います。
何分まだ中学生で、文才もないですが、それでも読んでくれたらありがたいです。
コメントを貰えれば、幸いです。
無事完結致しました。そしてこの物語は、次回作の『混濁の使者』へと続いていきます。参照をクリックして頂ければ、そちらに飛びますので。

登場人物
>>28

プロローグ
>>2
カラクサタウン
>>4
サンヨウシティ
>>5 >>6 >>7 >>8 >>13
シッポウシティ
>>14 >>15 >>16 >>21 >>27
ヒウンシティ
>>29 >>32 >>33 >>42 >>44 >>45 >>47 >>50 >>51 >>54
ライモンシティ
>>55 >>59 >>61 >>62 >>63 >>64 >>65 >>69 >>70 >>71 >>72 >>73 >>74 >>76 >>79 >>80
ホドモエシティ
>>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>89 >>90 >>92 >>95 >>96 >>100 >>101 >>102 >>106 >>107 >>108 >>113 >>114 >>115
フキヨセシティ
>>119 >>122 >>123 >>125 >>126 >>127 >>128 >>129 >>130 >>131
セッカシティ
>>132 >>133 >>136 >>137 >>145 >>146 >>147 >>148 >>149 >>150 >>151 >>152 >>153 >>155 >>159 >>162 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167
バトルサブウェイ
>>196 >>199 >>200 >>205 >>207 >>208 >>209 >>210 >>211 >>213 >>217 >>218 
ソウリュウシティ
>>227 >>235 >>238 >>239 >>242 >>243 >>246 >>249 >>250 >>253 >>254 >>256 >>259 >>260 >>261 >>262 >>263 >>268 >>269 >>271 >>272 >>275 >>279 >>280 >>281 >>284 >>285 >>287 >>288 >>289 >>290 >>291
ポケモンリーグ
>>292 >>293 >>294 >>295 >>296 >>297 >>298 >>299 >>300 >>301 >>302 >>305 >>306 >>307 >>308 >>309 >>310 >>311 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>320 >>321 >>322 >>323 >>324 >>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>340 >>343 >>344 >>347 >>348 >>349
エピローグ
>>350
番外編
ミキの特訓 前後編 >>52 >>53
トライアルハウスバトル 前後編 >>81 >>82
旧ライモン遊園地の夜 前後編>>111 >>>112
四季の川 前後編>>143 >>144
Heaven of battle 前後編 >>168 >>169
過去のプラズマ 前後編 >>282 >>283
マルチバトルサブウェイ 前中後編 >>317 >>318 >>319
夢のドリームマッチ 対戦表
リオVSメイル >>181 >>184 >>187 >>188
アカリVSキリハ >>189 >>190 >>191
ムントVSレンジ >>192 >>193 >>194 >>195
100章記念 イリスQ&A
>>231 >>232 >>233 >>234

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Re: 132章 ポケモンリーグ ( No.292 )
日時: 2011/07/13 20:03
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

イリス、チェレン、ベル、ミキの4人はチャンピオンロードに足を踏み入れるも、そこには夥しい数のプラズマ団がいた。
チャンピオンロードは巨大な山の内部が洞窟になっており、山の外壁と内部を行き来する事でポケモンリーグに辿り着く事が出来る。今イリスたちが見えるのは外壁の一部分だけ。そこだけでも100名以上のプラズマ団がいる。
「これじゃあ僕ら、ポケモンリーグに着くまでに力尽きるぞ……」
イリスは絶望したような顔をする。それに伴い、他の3人の表情も沈んでいく。
その時だった。

「おいおい、英雄がそんな顔してたらダメだろ」

後方から声が聞こえ、慌てて振り返る。するとそこには、PDOのリーダー。ジルウェと、サブリーダーのシスタがいた。
「ここは私達に任せて、先に行ってください」
「行ってくださいって……でもこの山を抜けない事にはチャンピオンロードには……」
「だったら空を飛んで行けば良い。別に山を抜けなくちゃならない規則なんてないしね」
ジルウェのその言葉を聞き、4人は成程と言った風に手を叩いた。



ポケモンリーグ前。
「意外とあっけなく着いたね」
「そうだね。まあ、僕らからしたら都合は良いけど」
「ジルウェさんとシスタさん大丈夫かなぁ……」
「大丈夫ですよ。まがいなりにもPDOのトップ2ですから。心配要りません」
「それよりも早く行こうよ」
ベルが催促するので、4人はポケモンリーグのまさに一歩手前まで来て、足を止める。
「来たね、イリス」
そこにはNがいた。
「部外者がぞろぞろといるけど、まあ、この場合は都合が良いかな……」
「N、何で君はまだここにいるんだ?」
Nの呟きを無視して、イリスはNに問う。
「僕は君らにルールの説明に来たんだ」
「ルール?」
イリスは復唱する。
「そう、ルール。僕はさっき四天王4人と戦って勝った。そしてその時、ちょっとした暗示をかけさせてもらったんだ」
「暗示、だと?」
「うん、暗示。まあ、別に心身を操るとかそういうわけじゃないよ。むしろこの暗示は君らに都合の良いものだ。僕が四天王にかけた暗示は、記憶の操作だ」
「記憶の、操作……!?」
Nの言葉に、イリスは目を見開く。
「ああ、記憶の操作とは言っても、そんなに大したものじゃない。ただ、彼らにはポケモンリーグの規則などを忘れてもらった」
Nはそう言うと、用は済んだと言わんばかりに踵を返す。
「待て、N!」
イリスはNに手を伸ばすが、届かない。
「それじゃあ、待ってるよ、イリス」
そしてNは、ポケモンリーグの内部へと去っていった。



ポケモンリーグ内部。
「イリス、ここは4手に別れよう」
リーグ内部に入るなり、チェレンはそんな事を言い出した。
「何言ってんのさチェレン。ポケモンリーグは1人でしか挑戦できない。そういう規則なんだ。それくらい分かるだろ」
イリスの言葉に、チェレンは首を振る。
「もしNの言葉が本当なら、僕らはリーグの規則を破っても良いはずだ。なにせ、相手に規則に関する記憶がないんだからね。今現在こうして僕らがここにいるのが何よりの証拠だ」
言われてイリスは気付く。確かに、普通なら最初の門のところで3人は弾かれてしまうはずだ。
「それに、君ばっかり頑張って、僕らに出番がないってのは、いささか不公平だろう?」
チェレンは微笑みながら言う。ベルもミキも、やる気のようだ。
「……分かった。それじゃあ、皆気をつけて。絶対に勝ってね」
そして4人は、それぞれ別れ、四天王と戦う事になる。



ポケモンリーグ内部には4つの塔が存在し、それぞれの塔に1人ずつ四天王が待ち構えている。
イリスが向かったのは南西の塔。その内部は、古く寂れた洋館のようで、たくさんの書物があった。しかしどれも相当古いもので、ボロボロになっていたり、黄ばんでいたり、埃を被っていたりして、字が読めない。中には昔の文字が使われている本まであった。
イリスは、そんな幽霊屋敷のような塔の、今にも崩れ落ちそうな階段を上る。そして
「初めまして、チャレンジャーさん。アタシは四天王のシキミです。リーグに挑戦しに来るトレーナーとポケモンの心の触れ合いを書くのが好きで、四天王をしています」
四天王、シキミがいた。
「……はは。こんな形で会ってなければ、最高の思い出になったでしょうね、シキミさん」
イリスは力なく笑う。嬉しいようだが、実際の所は複雑な気分、といった感じだ。
「えーっと、あなたのお名前は?」
「僕はイリス、あなたの大ファンです。もっとも、今はそんなことを気にしている状況じゃないんですがね」
イリスはあくまで、冷静に話を進める。
「『その少年は暗き稲妻のような声を響かせ、ただ1つの正義に向かい、己以外の全てを拒む』」
「?」
「今のはアタシが書いた小説の一部なんです。まあ、先ほど挑戦しに来た少年の事を書いたんですけどね」
その少年とはNの事だろう。それを理解したイリスは、頭か心か、何かのスイッチがONになる。
「……シキミさん、早くバトルを始めましょう」
イリスは静かに、それでいて激しく心を振るわせ、ボールを手に取る。
「今から僕が、その少年よりも凄い物語を紡ぎますから!」



ううむ……どうにも今回は上手く書けないですね……。まあ、愚痴ってもしょうがないので、次回予告を。次回はお察しの通り、イリスVSシキミです、お楽しみに。

Re: 133章 イリスVSシキミ ( No.293 )
日時: 2011/07/13 20:47
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「お願いします、デスカーン!」
「出て来い、チラチーノ!」
四天王戦第一戦、イリス対、シキミ。
シキミはイリスも使う棺桶のような姿のゴーストポケモン、デスカーン。イリスは白い体毛を持つノーマルタイプのチラチーノだ。
「相手はゴーストタイプだから、ハイパーボイスと気合玉は使えないな……まあでも、向こうもゴースト技が使えないから、一概に不利とは言えないか」
イリスはブツブツと呟き終えると、チラチーノに指示を出す。
「チラチーノ、10万ボルト!」
チラチーノは高圧電流をその身に纏い、デスカーンに向けて放つ。デスカーンはその電流を避ける事が出来ず、直撃を喰らう。しかしそこは流石防御型と言うべきか、あまり効いていないように見える。
「シキミさんのポケモンはたぶん全部♀だよな……チラチーノ、アイアンテール!」
チラチーノは尻尾を鋼のように硬くし、デスカーンに特攻する。デスカーンの特性はミイラ、ミイラは触れた相手ポケモンの特性をミイラに変えてしまう特性なので、無闇に直接攻撃仕掛けられない。だがチラチーノの特性はメロメロボディ。この特性は異性にしか通用せず、シキミのポケモンは恐らく全て♀。なので特にデメリットなく直接攻撃が出来る。
「デスカーン、避けてください!」
意外にもデスカーンはチラチーノのアイアンテールを避けた。アイアンテールはもともとそんなに命中率は高くないので、デスカーンも避ける事が出来た。
「デスカーン、パワーシェア!」
そしてデスカーンは光を纏う。チラチーノも光に包まれ、数珠のように光がデスカーンとチラチーノを繋いでいる。
「な、なんだ……?」
イリスが困惑している中、光は収まる。
「なんだかよく分かんないけど、とにかく攻めるのみだ。チラチーノ、10万ボルト!」
チラチーノは高圧電流をデスカーンに発射する。デスカーンはその電流を避けれず、まともに喰らう。しかし
「え……全然効いてない……?」
デスカーンはピンピンしていた。確かに大ダメージを与えられるわけではないが、それでも最初の時よりも遥かに威力が落ちていた。
「パワーシェアは、お互いのポケモンの攻撃、特攻を足して半分ずつ分け合う技です。アタシのデスカーンの攻撃、特攻はほぼ最低値。あなたのチラチーノも飛びぬけて攻撃力が高いわけではないでしょうが、それでもアタシのデスカーンよりは高いはずです。それならパワーシェアを使えば攻撃力は一気に減衰します」
つまり、チラチーノとデスカーンはパワーシェアをして、それぞれ攻撃力が増減したわけだ。チラチーノは減少、デスカーンは増加という風に。
「くっ……だが、それならボールに戻せば済む話。チラチーノ、戻——」
「デスカーン、黒い眼差し!」
イリスがボールを出し、チラチーノを戻そうとした時、デスカーンは黒く邪悪な眼差しでチラチーノを見つめる。
「!? ボールに戻らない……!」
「黒い眼差しは相手を交代出来なくさせる技です。では次行きますよ。デスカーン、呪い!」
今度は突如出現した釘がデスカーンの体に突き刺さる。そしてそのすぐ後、チラチーノの体にも同じように釘が突き刺さり、両方の釘は消えた。
「今度は何だ……!?」
イリスは立て続けに不測の事態が起こり、軽くパニックに陥っている。
「呪いは名の通り相手を呪う技です。呪われた相手はボールに戻さない限り、体力が削られ続けます。まあ、『人を呪わば穴二つ』代償として自分の体力も半分削らなければなりませんけどね」
そう言うとシキミは左手に持つペン(左利きのようだ)で、右手に持つルーズリーフに何かを書く。たぶん自分の書く小説にでも使うのだろう。
「随分と余裕ですね……チラチーノ、アイアンテール!」
チラチーノは尻尾を硬化させて跳び上がり、回転をかけながら尻尾をデスカーンに振り下ろす。
「デスカーン、サイコキネシスです!」
しかしそのアイアンテールは、デスカーンのサイコキネシスで中断させられる。
さらにデスカーンはそのまま念動力でチラチーノをさらに高いところまで移動させ、地面に叩きつける。
「なんて威力だ……」
叩きつけられたチラチーノはかなりのダメージを負っている。パワーシェアされているので、それはチラチーノの特攻がそれほどに高いという事なのだろう。
「! チラチーノ!」
さらにチラチーノは苦しそうに膝を着く。何かしらのダメージを受けているようだ。
「呪いか……!」
イリスは悔しそうに歯を食いしばる。この状況は、もう詰みかけている。完全にシキミのペースに持って行かれた。
「パワーシェアで攻撃力を奪い、黒い眼差しで退路を断ち、呪いで体力を削り、サイコキネシスで攻撃を止める。これこそがアタシ、四天王シキミのバトルスタイルです!」
「これが、四天王の実力……」
まだバトルは始まったばかりだが、イリスの幸先は悪い。しかし
「いくら相手が強くても、僕は負けるわけにはいかない。僕は必ず勝って、Nと戦わなきゃいけないんだ。だから、絶対に勝つ。たとえ勝つ見込みがなくても、勝利できる可能性がマイナスであろうと、僕は勝つ!」
イリスは絶望の中でも、希望を捨ててはいなかった。



イリスVSシキミ、初戦の初っ端からイリスが大ピンチです。そして僕も大ピンチです。あとがきで書くことがありません。まあ、そんな事はしょっちゅうですけどね。とかなんとかやっている間に、それなりに埋まったので、分かりきっている次回予告を。次回はイリスVSシキミ、パート2です。お楽しみに。

Re: 134章 堅き呪い ( No.294 )
日時: 2011/07/13 21:55
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「チラチーノ、10万ボルト!」
「デスカーン、サイコキネシス!」
チラチーノの放つ10万ボルトを、デスカーンはサイコキネシスで相殺する。
「アイアンテール!」
ちらちーのは跳躍し、尻尾を鋼鉄の如く硬化させ、回転しながらその尻尾をデスカーンに振り下ろす。
「もう一度サイコキネシス!」
デスカーンはアイアンテールがヒットする直前に念動力でチラチーノの動きを止め、そのまま地面に叩きつける。
「ぐぅ……」
チラチーノはかなりダメージを受け、疲労している。満身創痍、疲労困憊だ。呪いでじわじわとダメージを与えられているので、速攻で決めようとするも、サイコキネシスで止められる。これの繰り返しだ。
「10万ボルト!」
しかしチラチーノはめけずに高圧電流をデスカーンに放つ。
「サイコキネシス!」
だがやはり、その電流も念動力で掻き消される。
「アイアンテールだ!」
チラチーノは地面を蹴って瞬間移動の如くデスカーンに接近し、鋼鉄のように硬くなった尻尾を打ち込む。
「やっと1発入ったか……」
しかしパワーシェアで攻撃力を下げられている上、デスカーンの防御力は高い。なので大したダメージは与えられない。
「チラチーノ、そのまま10万ボルトだ!」
チラチーノはデスカーンに接近したまま、遠距離攻撃である10万ボルトを放つ。チラチーノは攻撃の出が早いため、素早さの低いデスカーンはそれを避ける事が出来なかった。
「続けてアイアンテール!」
さらに仰け反ったデスカーンに、鋼鉄の尻尾を叩き込む。
「デスカーン、一旦下がって。そしてサイコキネシスです!」
デスカーンはチラチーノから少し距離を取り、念動力を念波に変えて撃ち出す。
「10万ボルト!」
チラチーノは多方向から襲い掛かるサイコキネシスを、10万ボルトで相殺する。互いに攻撃力は同じなので、突破されるような事はない。
「もう1度10万ボルトだ!」
チラチーノは高圧の電流をその身に纏い、それを多方向から放つ。
「サイコキネシスで相殺です!」
デスカーンも同じようにサイコキネシスを放ち、電流を相殺する。
「突っ込めチラチーノ、アイアンテール!」
チラチーノは全速力でデスカーンに急接近。その勢いを殺さず、回転しながら鋼鉄の尻尾を振るう。
「サイコキネシス!」
デスカーンは念動力を放とうとするも、チラチーノの攻撃の方が速く、黄金の体に鋼鉄の尻尾が叩きつけられる。
「……もう、限界か」
チラチーノは最後の一撃を炸裂させ、地面に倒れる。呪いとサイコキネシスのダメージが蓄積し、戦闘不能になったのだ。
「戻ってくれ、チラチーノ」
イリスはチラチーノをボールに戻す。
「さて、チラチーノのお陰でデスカーンの体力は結構削った。次はお前だ、デンチュラ!」
イリスの2番手は、虫・電気タイプのデンチュラだ。
「デンチュラ、エレキボール!」
デンチュラは電撃を凝縮した球を作り出し、それをデスカーンに向けて一直線に発射する。
「デスカーン、サイコキネシスで止めてください!」
デスカーンはサイコキネシスでエレキボールを止める。
「よし。デンチュラ、ワイルドボルト!」
デンチュラは激しい電撃をその身に纏い、猛烈な勢いで、物凄いスピードでデスカーンに突撃する。
だがその前に、デスカーンの目の前で止まっているエレキボールにぶつかる。そしてそのエレキボールの電気を吸収し、威力が増した状態でデスカーンに突撃する。
「そのままシザークロスだ!」
デスカーンの体に張り付くような体勢のデンチュラは、爪を交差させながら振り下ろし、デスカーンを切り裂く。
「うぅ。デスカーン、パワーシェ——」
「遅いですよ。シグナルビーム!」
デンチュラはデスカーンの体が光り始めたところで、至近距離からさまざまな色の光線を束ねた光線を、デスカーンに発射する。
「デスカーン!」
デスカーンは吹っ飛ばされるような事はなかったが、盛大に光線を喰らい、その場に倒れこむ。
「戻ってください、デスカーン」
シキミは左手に持つボールにデスカーンを戻す。ペンも一緒に持っているが、離さないのだろうか。
「それじゃ、次はこのポケモンです。出て来てください、ブルンゲル!」
シキミの2番手は、浮遊ポケモンのブルンゲル。しかしミキやムント使うブルンゲルとは異なり、体はピンク色で、女王のような顔つきをしている。♀なのだろうか。
「電気タイプのデンチュラに、水タイプのブルンゲルとは。何か作戦でも?」
「それは言えませんね。真相をすぐに教えてしまっては、読者もつまらないですから。ブルンゲル、波乗りです!」
ブルンゲルはどこからか大波を発生させ、デンチュラを飲み込もうとする。
「デンチュラ、ワイルドボルトで突っ切れ!」
デンチュラは激しい電撃を纏い、大波に突っ込む。波の勢いは大したものだったが、デンチュラを止める事は出来ず、突っ切られてしまう。
「エレキボールだ!」
そして電撃の球を発射する。球はまっすぐブルンゲルに向かい、直撃する。大ダメージというわけではないが、効果抜群なのでそれなりに効いてはいるようだ。
「ふふ。これは、面白い物語になりそうですね……」
しかし、シキミは全く動じず、不敵に微笑むのだった。



イリスVSシキミ、パート2です。今思えば、シキミのデスカーンってサイコキネシスばっかり使ってますね。まあ、覚えている技の性質上、そうせざるおえないのですが。ではでは、次回はイリスVSシキミ、パート3です。お楽しみに。

Re: 135章 電気蜘蛛 ( No.295 )
日時: 2011/07/14 00:36
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「ブルンゲル、鬼火です!」
ブルンゲルは青白い不気味な火の玉を体の周囲に発生させ、デンチュラに向けて放つ。
「デンチュラ、かわせ!」
デンチュラは揺れながら向かって来る火の玉を、俊敏な動きでかわしていく。
「っ!? 追って来る……!」
しかし火の玉はデンチュラを追う。デンチュラは必死でかわし続ける。
「この火の玉は半分がブルンゲルの意思、もう半分はランダムに動きますよ」
それは厄介である。ブルンゲルの意思だけで動くなら、ブルンゲルが予測できないような動きでかわせばいい。ランダムで動くなら火の玉から距離を取りつつかわせばいい。しかし意思でとランダムの2種類で向かってくるのは、非常に厄介である。まずランダムで動く火の玉をかわしても、ブルンゲルはそれを予想し、先回りで火の玉を動かす。逆にブルンゲルの思考を読み、火の玉をかわしても、不規則な軌道の火の玉が襲ってきて、かわすのは難しい。
「デンチュラ!」
そうこうしているうちに、火の玉は全方位からデンチュラを襲い、青白い不気味な炎で包み込む。
「くっ……でも大丈夫だ。火傷状態になっても、速攻で決めれば問題ない。デンチュラ、エレキボール!」
デンチュラは電撃を凝縮した球を作り、ブルンゲルに向けて一直線に発射する。雷球はブルンゲルにヒットしたが、致命傷にはならない。
「ブルンゲル、自己再生」
それどころか、ブルンゲルの体が光り、受けた傷を癒し、体力を回復する。
「なら、回復が間に合わないくらいの怒涛の攻撃を喰らわせてやる。デンチュラ、ワイルドボルト!」
デンチュラは激しい電撃をその身に纏い、物凄い勢いでブルンゲルに突撃する。
「ブルンゲル、怪しい光!」
がしかし、ブルンゲルはデンチュラの攻撃が当たる前に、体を不気味で怪しく光らせる。
「ぐっ、混乱か……」
デンチュラは戦闘不能ではないが、目を回していて、五感が狂わされている。
「ブルンゲル、上昇してください」
ブルンゲルは混乱しているデンチュラに追撃せず、塔の天井付近まで上昇する。
「逃げるのかよ……。!」
その時、イリスは気付いた、シキミの作戦に。
「またかよ……!」
シキミの作戦は、言えばデスカーンと同じである。デスカーンは徹底的にこちらの動きを封じ込め、じわじわと体力を削る作戦、言うなれば持久戦である。
そしてブルンゲルの作戦も、同じ持久戦である。ただしこちらは相手の行動を制限するのではなく、自分の保身を考えるものだ。デスカーンは自分の体力も削って相手を倒すが、ブルンゲルは自分の体力を回復しながら敵を倒す。
「つまり、怪しい光で攻撃をかわし、鬼火で体力を削り、自己再生で回復し、波乗りで押し返す。それがアタシのブルンゲルのバトルスタイルです!」
シキミは、デスカーンの時のような事を言う。
「また持久戦か。これは嫌気が差して来るな……でも、それでもやらなきゃな。デンチュラ、シグナルビーム!」
混乱状態での攻撃の失敗は、ポケモンの懐き具合に依存する。デンチュラとイリスの懐き度は最高なので、デンチュラは攻撃ミスをする事なくシグナルビームを発射する。
「ブルンゲル、回避です」
ブルンゲルは直線的なシグナルビームをひらりとかわす。
「やっぱ高い所にいたんじゃ、避けられるか……デンチュラ、もう一度シグナルビーム!」
デンチュラは様々な色彩の光線を束ね、ブルンゲルに向けて発射する。
「避けてください」
だがまたもシグナルビームは避けられる。
「デンチュラ、動くなよ」
何故かイリスは技の命令をせず、デンチュラに動かない事を命じる。ブルンゲルも空中に浮いたまま、何も仕掛けてこない。
2体のポケモンが静止して、約3分。ついにデンチュラが動いた。
「エレキボールだ!」
デンチュラは電撃の球をブルンゲルに向けて発射する。
「ブルンゲル、波乗り!」
ブルンゲルは今度は避けず、大波を発生させてエレキボールごとデンチュラを押し流そうとする。
「ワイルドボルト!」
デンチュラは襲い掛かる大波を避けず(避けれず)、むしろ激しい電撃を纏って突撃する。デンチュラはその大波を突っ切り、そのままの勢いでブルンゲルも突撃する。
「怪しい光!」
ブルンゲルはそんなデンチュラに対し、体を怪しく光らせて混乱状態にしようとする。
「デンチュラ、気にするな!突っ込め!」
デンチュラはそんな光を気にせず、というかものともせず、ブルンゲルに思い切りぶつかる。
「ブルンゲル、自己再生!」
だがブルンゲルはすぐに自己再生を始め、受けた傷を癒す。
「でも、あのワイルドボルトは厄介ですね。呪われボディが運悪く発動しませんでしたから、また来るでしょう。ブルンゲル、もっと上昇してください」
ブルンゲルはさらに上昇し、もう天井に体が当たるほど上昇する。その高さはデンチュラの跳躍力を持ってしても届かないだろう。
「さあ、どうしますか? この高さなら、ワイルドボルトはおろか、エレキボールもシグナルビームも届きませんよ!」
シキミはハイテンションでそう言うが、イリスは落ち着いている。そしてしばらく黙っていたが、口を開いた。
「シキミさん、掃除は好きですか?」
しかし内容は、バトルには全く関係ないことだった。シキミもわけが分からず、困惑している。
「もしシキミさんが掃除好きで綺麗好きなら、デンチュラはやられるでしょう。でも違うなら、僕の勝ちです」
「な、何を言って……」
シキミが辛うじて口を開いた瞬間、デンチュラは猛烈な電気を身に纏う。
「ま、やってみれば分かるでしょう。デンチュラ、やってくれ」
イリスがそういって次の瞬間

ブルンゲルは激しい電撃を浴びた。

「ブルンゲル!」
ブルンゲルは地面に落ち、目を回している。戦闘不能になったようだ。
「一体何が……?」
シキミが困惑する中、イリスは説明をする。
「デンチュラは電気蜘蛛ポケモン。それを活かして、天井に張り付いている蜘蛛の巣に電流を流しました。この塔やけに蜘蛛の巣が張ってあるでしょう? そういう仕様なんでしょうけど、それが仇になりましたね。掃除をしない人は、いつか痛い目見るんですよ。まあ正直、上手くいく可能性は低かったですし、こんない威力があるとは思いませんでしたけど」
イリスはいつもの調子で説明し終えると、真剣な顔つきに変わる。
「それじゃ、次の章も楽しませてくださいよ、シキミさん」



イリスVSシキミ、パート3。今回は本編長めなので、あとがきは短く。次回はイリスVSシキミ、パート4です。お楽しみに。

Re: 136章 フライングゴーレム ( No.296 )
日時: 2011/07/14 14:27
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「それじゃあ次はこのポケモンです、ゴルーグ!」
シキミの繰り出したポケモンは、ゴーレムポケモンのゴルーグ。巨大な体格に太い腕と、ロボットのようなポケモンだ。さらに胸には亀裂のようなものがあり、それを止め具で止めているように見える。
「随分と厳ついのが出て来たな……こいつも耐久型か? ……まあいいや。デンチュラ、エレキボール!」
デンチュラは電撃を凝縮した球を発射する。球はゴルーグに直撃したが、全然効いていない。
「ゴルーグは地面タイプも持っています。なので電気技は通用しません。ゴルーグ、気合パンチ!」
ゴルーグは手に気合を溜める動作をし、その巨体からは想像もつかないスピードでデンチュラに直進する。
というか、音速で飛行している。
「デンチュラ!」
気がつけばデンチュラは大きく吹き飛ばされ、戦闘不能になっていた。
「ゴルーグの特性は鉄の拳。拳を使う技なら、技の威力が上昇します」
それもあるだろうが、それでも明らかにゴルーグの攻撃力は高い。攻撃力というより、破壊力と言った方が良いくらいだ。
「くっ、戻れデンチュラ」
イリスはデンチュラをボールに戻す。
「攻撃が高いなら、こいつだな。出て来い、ズルズキン!」
イリスが繰り出すのはズルズキン。赤いトサカが特徴の悪・格闘タイプのポケモンだ。
「ズルズキン、諸刃の頭突き!」
ズルズキンは頭を突き出し、物凄い勢いでゴルーグに突っ込む。
「ゴルーグ、シャドーパンチ!」
ゴルーグは突撃してくるズルズキンに対し、拳に影を纏わせ、それをロケットパンチのように撃ち出す。
「ズルズキン、シャドーパンチごと吹き飛ばせ!」
ズルズキンは襲い掛かる影の拳を猛烈な頭突きで消し飛ばし、ゴルーグに破壊力抜群の頭突きを喰らわせる。
「やりますね……ゴルーグ、気合パンチ!」
ゴルーグは拳に気合を込め、それをズルズキンに振り下ろす。
「かわして噛み砕く!」
ズルズキンはその拳を体を捻ってかわし、ゴルーグの岩石のような足にかぶりつく。
「攻撃も高ければ、防御も高いか……ズルズキン、炎のパンチ!」
ズルズキンはゴルーグの体をヨよじ登り、顔面に炎の拳を叩き込む。
「ゴルーグ、空を飛ぶ!」
ゴルーグは接近して攻撃を繰り出すズルズキンを体に乗せたまま、浮かび上がる。
「え……えぇ!?」
どう考えても土人形みたいなゴルーグが飛べるとは思わないが、ゴルーグは飛んでいる。そして上昇している。しかも結構速い。
「ズルズキン、落ちるなよ!この高さから落ちたら、下手すれば重傷だぞ!」
ズルズキンは言われるまでもないという風にゴルーグにしがみつく。
「残念ながら、ズルズキンには落ちてもらいます。ゴルーグ、地震!」
ゴルーグはかなりの高さまで上昇した後、その場で停止。そして落下する。ゴルーグは見た目の巨体に比例し、体重も重い。それが高所から落下すれば、その運動エネルギーは計り知れない物となる。ともかく、ゴルーグは落下した。
ドゴォン!
爆音を響かせ、塔を破壊するんじゃないかと思うような勢いで、ゴルーグは落下した。ゴルーグ自体はなんともないようだが、ゴルーグに乗っていたズルズキンは落下の衝撃で吹っ飛ばされる。
「ズルズキン、大丈夫か」
ズルズキンはすぐさま起き上がり、体勢を立て直す。見るとゴルーグとの距離がかなり遠くなっている。
「ズルズキン、諸刃の頭突き!」
ズルズキンは頭を突き出し、猛烈な勢いで突進する。
「ゴルーグ、空を飛ぶ!」
対するゴルーグは突っ込んで来るズルズキンを飛び上がって回避し、また落下する。
「ズルズキン!」
巨体に潰されるように攻撃を受けたズルズキンは、かなりのダメージを受けている。それもそうだ、ゴルーグの桁外れの攻撃力にズルズキンの弱点を突く空を飛ぶ。この2つの要素が合わさった攻撃を喰らって、今だ戦闘不能にならない事が奇跡みたいなものだ。
「ズルズキン、もう一度諸刃の頭突き!」
ズルズキンはまた諸刃の頭突きを繰り出し、ゴルーグに向かって猛進する。
「地震です!」
今度はゴルーグは空を飛ぶではなく、地面を大きく揺らし、その衝撃でズルズキンの動きを止めた。
「シャドーパンチ!」
そしてゴルーグは影の拳をロケットパンチのように撃ち出す。
「ズルズキン、避けろ!」
ズルズキンはその影の拳を横に跳んでかわそうとするが、拳はズルズキンを追尾して襲ってきた。
「シャドーパンチは必中技。消さない限り一生追ってきますよ」
シキミの言う通り、ズルズキンはシャドーパンチを避けきれずに喰らってしまう。
しかも効果いまひとつにも関わらず、かなりのダメージを受けている。ゴルーグの攻撃力が表れているのだろう。
「攻撃が高くて、防御も高くて、おまけに速い。これは厄介なポケモンだな……!」
イリスはこの時チェレンとのバトルを思い出していた。チェレンのジャローダも走攻守の3拍子が揃っていて、かなり苦戦した。
「策はあるにはあるけど、正直上手くいきそうにないしな……」
イリスは考え込む。考え込むが、特に良い案は思いつかない。
「やっぱりここは出たとこ勝負。突っ込んで近づいて、ゴーレム魔人をフルボッコにしてやるか!ズルズキン、諸刃の頭突き!」
イリスは策もなしにがむしゃらに攻撃させるが、その眼はどこか勝利を確信しているようだった。



イリスVSシキミ、パート4です。たぶん僕の予想ではパート6までいくと思います。ところでゴルーグって空を飛ぶが使えるんですね。僕も最近知ったのですが、ダイケンキが直立して2足歩行する事の次くらいにびっくりです。では次回はイリスVSシキミパート5、お楽しみに。


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