二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄 完結、そして……
日時: 2011/07/29 00:16
名前: 白黒 (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22252

はじめまして、白黒です。
白黒にちなんでポケットモンスターブラック・ホワイトの小説を書こうと思いました。
内容はオリジナルの要素を含みながら、ゲームの通りに進行したいと思います。
何分まだ中学生で、文才もないですが、それでも読んでくれたらありがたいです。
コメントを貰えれば、幸いです。
無事完結致しました。そしてこの物語は、次回作の『混濁の使者』へと続いていきます。参照をクリックして頂ければ、そちらに飛びますので。

登場人物
>>28

プロローグ
>>2
カラクサタウン
>>4
サンヨウシティ
>>5 >>6 >>7 >>8 >>13
シッポウシティ
>>14 >>15 >>16 >>21 >>27
ヒウンシティ
>>29 >>32 >>33 >>42 >>44 >>45 >>47 >>50 >>51 >>54
ライモンシティ
>>55 >>59 >>61 >>62 >>63 >>64 >>65 >>69 >>70 >>71 >>72 >>73 >>74 >>76 >>79 >>80
ホドモエシティ
>>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>89 >>90 >>92 >>95 >>96 >>100 >>101 >>102 >>106 >>107 >>108 >>113 >>114 >>115
フキヨセシティ
>>119 >>122 >>123 >>125 >>126 >>127 >>128 >>129 >>130 >>131
セッカシティ
>>132 >>133 >>136 >>137 >>145 >>146 >>147 >>148 >>149 >>150 >>151 >>152 >>153 >>155 >>159 >>162 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167
バトルサブウェイ
>>196 >>199 >>200 >>205 >>207 >>208 >>209 >>210 >>211 >>213 >>217 >>218 
ソウリュウシティ
>>227 >>235 >>238 >>239 >>242 >>243 >>246 >>249 >>250 >>253 >>254 >>256 >>259 >>260 >>261 >>262 >>263 >>268 >>269 >>271 >>272 >>275 >>279 >>280 >>281 >>284 >>285 >>287 >>288 >>289 >>290 >>291
ポケモンリーグ
>>292 >>293 >>294 >>295 >>296 >>297 >>298 >>299 >>300 >>301 >>302 >>305 >>306 >>307 >>308 >>309 >>310 >>311 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>320 >>321 >>322 >>323 >>324 >>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>340 >>343 >>344 >>347 >>348 >>349
エピローグ
>>350
番外編
ミキの特訓 前後編 >>52 >>53
トライアルハウスバトル 前後編 >>81 >>82
旧ライモン遊園地の夜 前後編>>111 >>>112
四季の川 前後編>>143 >>144
Heaven of battle 前後編 >>168 >>169
過去のプラズマ 前後編 >>282 >>283
マルチバトルサブウェイ 前中後編 >>317 >>318 >>319
夢のドリームマッチ 対戦表
リオVSメイル >>181 >>184 >>187 >>188
アカリVSキリハ >>189 >>190 >>191
ムントVSレンジ >>192 >>193 >>194 >>195
100章記念 イリスQ&A
>>231 >>232 >>233 >>234

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Re: アカリVSキリハ ( No.189 )
日時: 2011/06/12 00:16
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)

「ここがPDOヒウン支部ですか」
アカリは他の建造物とさほど変わりのない、大量のビル群のうちの1つを見上げる。
別段、大した用事があるわけでもないが、16番道路で出会った少年の所属する組織がここにあると聞いて、訪ねたのだ。
「ん、あれ? どちら様ですか?」
アカリがビルを見上げたまま静止していると、中から1人の青年が出て来る。
「あ、私はアカリと申します。知り合いがここの所属だと聞いて、訪ねたのです」
「僕はキリハ。ここの統括補佐をしているんだ」
2人は互いに名乗りを上げる。
「ふむ、知り合いか……滅茶苦茶心当たりがあるな……」
どうやらあるようだ。
「あの、よろしいでしょうか?」
思案するキリハに、アカリが呼びかける。
「何かな?」
「図々しい事は承知しています。それで、どうか私と手合わせしてくれないでしょうか?」
「手合わせ?」
キリハは首を傾げる。そして考える。
「んー、今リオは居ない。そして仕事もない。ただしヒウンバトル都市計画の試験運転がある……そしてなにより、僕はポケモンバトルが不得手……」
ぶつぶつと何かを言っているキリハ。たっぷり1分考えると、結論を出す。
「よし、分かった。そのバトル、受けよう」

バトル方式は4たい4のダブルバトルで、フィールドはヒウンシティ全体。これは、今ヒウンシティで計画している『ヒウンバトル都市計画』の試験運転のためだ。
「それじゃあ、バトルを始めようか。出て来い、ミルホッグ、ワルビル」
キリハはまず、ワルビルとミルホッグを繰り出す。
「出て来て、シキカ、フー」
対するアカリはシキカ(メブキジカ)とフー(コジョンド)を繰り出す。
「シキカ、宿木の種。フー、ヨガのポーズ」
シキカはミルホッグに種を飛ばし、フーは奇怪なポーズをとって攻撃力を上げる。どうやら、まずは下地作りから始めるようだ。
「ミルホッグ、火炎放射。ワルビル、砂地獄」
しかしミルホッグは火炎放射で飛んで来る種を燃やし、ワルビルはフーの足元に流砂を発生させて動きを封じる。
「ワルビル、シャドークローだ」
そしてワルビルは身動きの取れないフーに特攻し、影で作った爪で切り裂く。
「シキカ、援護です。砂掛け!」
シキカはフーを援護するためにワルビル目掛けて砂を掛けようとするが
「ミルホッグ」
砂が飛ぶ軌道にミルホッグが立ち塞がり、ワルビルに砂が掛かるのを防ぐ。しかもミルホッグの特性は鋭い目。砂掛けのような命中率を下げる技は効かないのだ。
「ミルホッグ、火炎放射」
さらにミルホッグはシキカに火炎放射を放つ。炎タイプの技なのでシキカには効果抜群なうえ、火傷状態にもなってしまう。
「シキカ、アロマセラピーです」
だがシキカはアロマセラピーを使い、自力で火傷を治す。
「シキカ、騙し討ち。フー、ドレインパンチ」
そしてシキカはトリッキーな動きでミルホッグを攻撃し、フーはワルビルに拳を叩き込んで吹っ飛ばす。
「ぐぅ。ミルホッグは気合玉。ワルビルはストーンエッジ」
それぞれ距離が離れたので、ミルホッグは気合玉、ワルビルはストーンエッジでそれぞれ攻撃する。
「シキカは接近しつつ回避。フーは見切り」
だがシキカは気合玉を普通に避け、フーは見切りでストーンエッジを回避する。
「シキカ、宿木の種」
そしてシキカは宿木の種を散弾のように飛ばし、ミルホッグとワルビルを襲う。
「ミルホッグは火炎放射で焼き払え。ワルビルはとにかく避けろ」
指示通りミルホッグは飛来する種を全て焼き払ったが、ワルビルは鈍足なため、宿木の種を避けきれず、体に植え付けられる。
「ワルビルの体力が吸われていく……なるべく早く決めたほうがいいかな。ワルビル、シャドークロー!」
ワルビルは宿木が体に纏わり付いたまま、フーに特攻する。
「フー、ドレインパンチ」
しかしフーは影の爪で切り裂こうとするワルビルを殴って迎撃する。さっきのように吹っ飛びこそしなかったが、それでもかなりのダメージだろう。
「ワルビル、噛み砕くだ」
だがワルビルもただでは負けず、フーの腕に噛み砕く勢いで牙を立てる。
「! フー、振り払って!」
言われるまでもなくフーは腕をブンブン振ってワルビルを振り払おうとするが、がっちりと噛み付かれていて、全然離れない。
「ワルビルの顎の力は鉄さえ噛み千切るほど。そう簡単には振り解けない。さて、ミルホッグ、気合玉」
ミルホッグは腕を噛まれて動きが制限されているフーに向かって、気合玉を放つ。普通なら華麗に避けただろうが、今はワルビルに腕をホールドされているので、動けない。つまり、避けられないのだ。
「フー!」
フーは気合玉の直撃を受け、戦闘不能になる。しかしその爆風に巻き込まれたワルビルもまた、戦闘不能になる。というかワルビルは気合玉が当たる直前に宿木の種による吸収ダメージで戦闘不能になっている。
「戻れ、ワルビル」
「戻って、フー」
キリハとアカリはそれぞれポケモンを戻す。そして、新たなボールを手に取る。
「出て来い、オーベム!」
「出て来て、アカシ!」
そして、ポケモンを繰り出した。

Re: アカリVSキリハ 2 ( No.190 )
日時: 2011/06/12 03:14
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)

「オーベム、サイコキネシス!」
「アカシ、瞑想です」
オーベムはアカシに念動力を放つが、アカシはそれを瞑想で防御する。
「だったら、思念の頭突き!」
「弾ける炎です!」
オーベムは頭に思念を集め、アカシに突っ込んでいくが、弾ける炎にやられてしまう。
「それなら、オーベムシャドーボール。ミルホッグ火炎放射」
今度はオーベムが黒球を放ち、ミルホッグが火炎を発射する。
「アカシ、祟り目。シキカ、宿木の種」
だがそれらはアカシの祟り目によって相殺され、さらにはシキカの宿木の種まで飛んで来る。
「ミルホッグ、火炎放射だ!」
しかしそれはミルホッグの火炎放射で燃やす。
「オーベム、チャージビーム。ミルホッグ、怒りの前歯」
そしてミルホッグはシキカに特攻し、オーベムはそれを援護するように電撃の光線を発射する。
「アカシ、祟り目でチャージビームを相殺です。シキカは回避です」
アカシは指示通りオーベムのチャージビームを相殺するが、シキカはミルホッグの攻撃を避けきれず、怒りのこもった歯で噛まれる。
「怒りの前歯は相手の体力を半分に削る技だ。それで、君のメブキジカはかなり疲弊しているはずだ」
キリハの言う通り、シキカはかなり消耗していて、動くのも辛そうである。
「……シキカ、宿木の種。アカシ、弾ける炎」
シキカはまたも散弾の如く種を飛ばし、それの少し後にアカシが弾ける炎を放つ。
「オーベム、サイコキネシス。ミルホッグは種が止まり次第叩き付けるだ」
ミルホッグは攻撃のために走り出す姿勢を取り、オーベムはとりあえずサイコキネシスで種を止めようとするが
「!? これは……!」
オーベムがサイコキネシスを放とうとする直前に、炎の塊がオーベムを襲う。
「弾ける炎……」
そう。オーベムを襲ったのは弾ける炎だ。アカシの放った弾ける炎のスピードは意外に速く、宿木の種を追い越してオーベムに直撃したのだ。
それだけではなく、オーベムが体勢を立て直そうとする間に、宿木の種が2匹を襲う。
「ミルホッグ、火炎放射!」
しかしミルホッグだけはなんとか火炎放射を3割程度の力で放ち、宿木を燃やす。
「くぅ、オーベム……」
だがオーベムは種をモロに食らってしまい、全身に宿木が纏わり付いている。
「アカシ、シャドーボールです」
さらにアカシが追い討ちのように黒球を発射する。
「オーベム、シャドーボール!」
しかしそれに対しオーベムも黒球を放ち、相殺する。
「ミルホッグ叩きつける。オーベム思念の頭突き」
そしてミルホッグとオーベム、2匹共前進して攻撃を繰り出す。
「アカシ、弾ける炎。シキカ、砂掛け」
2匹共シキカに向かっていたので、アカシは弾ける炎でミルホッグを止め、追加効果でオーベムにも火の粉を飛ばす。だがその程度で止めるオーベムではないので、シキカが砂掛けで軌道をずらす。
「オーベム、チャージビーム。ミルホッグ、気合玉」
しかしオーベムもミルホッグもそう簡単に諦めるわけがなく、それぞれ体勢を崩しながらも攻撃を繰り出す。
「! アカシ、シキカ避けて!」
結構いきなりだったため、2匹共避けきれずに当たってしまった。だがチャージビームだけは命中精度が悪く、掠める形になった。
「砂掛けでオーベムの命中率が下がってるな……だったら、サイコキネシス!」
実を言うとサイコキネシスはランダムに念波を散らすことができ、命中率関係なく攻撃することが出来る。
「アカシ、祟り目」
しかしアカシは呪いの目玉(といった感じ)を創り出し、そこから発せられるエネルギー波で念波を相殺する。
「オーベム、サイコキネシス。ミルホッグ、叩きつける」
「アカシ、祟り目。シキカ、騙し討ち」
オーベムのサイコキネシスはアカシの祟り目で相殺され、ミルホッグの叩きつけるは叩きつける前に騙し討ちを食らい不発に終わる。
「ちょっとピンチかな……」
キリハはぼやく。正直なこと言うと、キリハは結構頑張った方である。アカリとキリハの実力差はかなりある。キリハも一応毎日特訓しているとはいっても、基本は事務仕事をするだけである。地の利もあるが、やはり地力が違い過ぎてその差を埋めることは出来ないのだ。
「それでも、頑張んないとな……」
キリハは今回のバトルに臨むにあたって、実践訓練も兼ねている。バトル方面の仕事は統括に任せっきりなので、その辺もフォローできたらという願いだ。
「いや、今回僕はスポットを浴びるべきじゃないだろ」
ふるふると頭を振るキリハ。傍から見ると、独り言をブツブツ言って頭を振っている変人に見える。
「あの、そろそろ良いでしょうか……」
アカリにも気を遣わせている。
「うん、なんかごめん。バトル、続けようか」
キリハは目付きを変えて、バトルに戻る。
「オーベム、サイコキネシス!」
「アカシ、祟り目」
オーベムの放つ念波は、やはり相殺される。
「火炎放射!」
しかしそれを突っ切って、火炎放射が襲い掛かる。
「!?」
だがそれはアカシではなく、シキカにだった。火炎放射は途中で軌道を変え、シキカを襲う。
「とどめだ、思念の頭突き!」
「させません。弾ける炎!」
オーベムが今まで以上のスピードでシキカに突っ込んでいき、アカシの放つ炎の塊がそれを追う。

Re: アカリVSキリハ 3 ( No.191 )
日時: 2011/06/12 13:46
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)

結果から言って、オーベムの思念の頭突きはシキカにヒットし、戦闘不能にさせた。しかしアカシの弾ける炎もまたヒットしており、シキカが戦闘不能になった後オーベムも戦闘不能になった。
「変則的だけど、相打ちだね」
「そうですね」
これで互いのポケモンの数は2体。しかしキリハのミルホッグはバトル初っ端からいるため、疲労が溜まっているだろうから、キリハの方が若干不利とも言える。
「さあ出て来い、アーケオス!」
「出て来てください、イーグル!」
キリハは最古鳥ポケモンのアーケオスを、アカリは勇猛ポケモンのイーグル(ウォーグル)を繰り出す。
「アーケオス、翼で打つ。ミルホッグ、火炎放射」
アーケオスは翼を構えてイーグルに特攻、ミルホッグも後に続くように火炎放射を放つ。
「イーグル、燕返し。アカシ、祟り目」
しかしイーグルはアーケオスと切り結ぶように翼で打ち合い、アカシは祟り目で火炎放射を相殺する。
「やっぱりシャンデラが厄介だな……ミルホッグ、ウォーグルに気合玉!」
ミルホッグは気合を込めた玉をイーグルに放つ。
「アカシ、祟り目です」
だがやはりそれはアカシの祟り目で打ち消される。
「アーケオス、龍の息吹!」
しかしそにで、イーグルとの打ち合いから一旦離れたアーケオスが龍の息吹を放つ。息吹は祟り目のエネルギー波を突っ切り、アカシに直撃する。
「アカシ!」
アカシは龍の息吹の追加効果により麻痺状態になる。さらに体力もそろそろ限界だ。そう長くは保たないだろう。
「アーケオス、翼で打つ!」
そしてアーケオスはアカシにとどめを刺すべく、翼を構えて特攻する。
「させません。イーグル、燕返し!」
だがイーグルがそれを妨害しようと、高速でアーケオスに突っ込んでいく。
「ミルホッグ、火炎放射!」
しかしイーグルの攻撃は炎の壁により失敗に終わる。ミルホッグは放った火炎放射である。
「行け、アーケオス!」
そしてついに、アーケオスの翼はアカシを捉えた。
「アカシ、戻ってください」
アカリは戦闘不能になったアカシをボールに戻す。
「イーグル、燕返しです」
イーグルは炎の壁を突っ切って、ミルホッグを翼で切り裂く。
「切り裂く攻撃です!」
そして折り返しでミルホッグを鋭利な爪で切り裂き、戦闘不能にする。
「戻れ、ミルホッグ」
これで互いのポケモンは残り1体になる。
「イーグル、爪とぎです」
「アーケオス、翼で打つ」
イーグルは爪とぎで攻撃力を上げ、アーケオスは翼を構えてイーグルに特攻する。
「イーグル、シャドークローです」
そしてイーグルはアーケオスの翼で打つを紙一重でかわし、影で作った爪で切り裂く。
「アーケオス、距離を取って龍の息吹だ!」
「イーグル、アーケオスを追ってください!」
アーケオスは飛び立ってイーグルから距離を取り、龍の息吹を放とうとする。イーグルはアーケオスから離れないためにアーケオスを追う。
アーケオスには遠距離からの技があり、距離が離れればアーケオスの方が有利。しかし接近戦になれば力が強く、接近技をより多く覚えているイーグルの方が有利である。
「イーグル、シャドークロー」
「アーケオス、翼で打つ」
イーグルの影の爪と、アーケオスの翼がぶつかり合う。結果、アーケオスが押し負けたわけだが。
「一旦引いて龍の息吹!」
だがアーケオスは押し負けて後に下がった勢いを利用し、さらに距離を取って龍の息吹を放つ。
「うぅ、イーグル……」
イーグルは龍の息吹を受け、結構なダメージを負っている。どうやら特殊技には弱いようだ。
「よし。もう一度龍の息吹」
イーグルの弱点が分かるや否や、アーケオスはさらに龍の息吹を放つ。
「イーグル、燕返しです」
だがイーグルもそう簡単にはやられず、龍の息吹を突っ切ってアーケオスを翼で切り裂く。
「シャドークロー!」
さらに追い討ちのように影の爪で切り裂く。
「くっ、龍の息吹!」
しかしアーケオスは接近してきたイーグルに至近距離からの龍の息吹を食らわせ、引き剥がす。
「撃ち落とす!」
そして口から岩を弾丸のようにイーグルに発射し、食らわせる。
撃ち落とすは飛行タイプや特性浮遊を持つポケモンに食らわせると、地面に落としてその効果を無効にすることが出来る技。それによってイーグルも地面に落ち、身動きが取れなくなってしまった。
「アーケオス、これで決めるよ。ギガインパクト!」
アーケオスは全身に強大なエネルギーを纏い、地に落ちて身動きの取れないイーグルに突撃する。もしこの攻撃を受けたならば、イーグルはまず戦闘不能になるだろう。何かしらの技で迎撃しようにも、威力が違い過ぎる。だからどうしたってこの一撃で決まる。しかし
「イーグル、燕返しです!」
イーグルは地に足を着けたまま、突撃してくるアーケオスを迎え撃つように翼で斬りかかる。そして、驚くことに倒されたのはアーケオスだった。
「アーケオス!」
キリハはアーケオスに駆け寄る。
「アーケオスの特性は弱気。撃ち落とすを受ける直前でそれは発動しています。だから、燕返しで迎撃できたのです」
アカリがイーグルをボールに戻しつつ説明する。キリハはしばし黙った後、口を開く。
「負けたよ、強いね、君。PDOに欲しいくらいだ」
キリハのやや問題発言で、アカリVSキリハの戦いは幕を下ろす。アカリの勝利で。

Re: ムントVSレンジ ( No.192 )
日時: 2011/06/12 22:01
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)

セッカの湿原。
他の地域より降水量が高いため、地面が常にぬかるんでいる。起伏が激しく、そこに雨水が溜まっていて、いわば大きな水溜りといったところである。
「こんな所か」
そんなセッカの湿原に、1人の人間がいた。
ムントである。
ムントは強いポケモンを探すためにセッカの湿原を訪れており、あらかた目ぼしいポケモンはゲットした。あらかたといっても1匹だけだが。
「それじゃあ、もうここに用は——」
ない、と言ってムントは立ち去ろうとしたが、何者かの気配を察知し振り向く。
「お前、ムントか?」
振り向いた先にいたのは、橙色の髪に改造されたプラズマ団の制服を着た男。
「俺はレンジ。プラズマ団幹部の1人だ」
「プラズマ団……」
ムントは顔をしかめる。
「世間から追放された弱者の群れであるプラズマ団が、俺に何の用だ?」
「ハッ、酷い言われ様だな。だがまあ、確かに俺たちの思想は世間とは食い違っているな。だから追放されたとか言われても、否定はできねー」
レンジは乱暴ながらも、落ち着いた口調で話し続ける。
「けど俺たちは弱くなんかないぜ。お前だって知ってんだろ?」
「…………」
ムントは口を閉じる。以前、ムントはタワーオブヘブンという場所で、レンジと同じプラズマ団幹部と戦ったことがある。勝負自体は流れてしまったが、あのまま続行していても辛勝か、負ける恐れも少なからずあった。
「インディから聞いてるぜ、お前のこと。あの冷めた野郎が珍しく熱く語ってるもんだからよ、話を聞いた時からお前と戦ってみたいと思ってたんだ」
そう言ってレンジはモンスターボールを取り出す。
「俺と勝負しようぜ。プラズマ団としてじゃなく、1人のトレーナーとしてな!」
ムントはそれを聞いて、小さく溜息を漏らす。
「まあ、捕まえたポケモンが実践でどの程度使えるかを知っておくには、ちょうどいいか」
そう言ってムントもまた、ボールを取り出す。
「ハッ、湿原の調査だとかつまんねえ任務に転がってきた大物だ。ここはバトっておかねえと損だよなぁ! 出て来い、シュバルゴ!」
レンジは至極楽しそうにポケモンを繰り出す。
「出て来い、アギルダー」
対するムントは冷めた感じでポケモンを繰り出す。
「ハッ、シュバルゴ対アギルダーか。なかなか面白いバトルになりそうだな。シュバルゴ、アイアンヘッド!」
シュバルゴは頭を突き出してアギルダーに突撃する。
「避けろアギルダー」
アギルダーはヒラリとアイアンヘッドをかわす。
「撒菱」
そしてシュバルゴの足(?)元——を中心とした広範囲に何かを撒き散らす。
「撒菱か、ちょこざいなことしてくれるぜ。シュバルゴ、切り裂く!」
シュバルゴは意外なスピードでアギルダーに接近し、手と一体化した槍のようなものの先端で斬りかかる。
「かわせ」
しかしアギルダーの素早さの方が数段速く、簡単にかわされる。
「アギルダー、撒菱」
そしてまた撒菱を撒く。
「補助技で下地作りってか。気に入らねえ戦い方だな。ラスターカノン!」
今度は両槍の先端の間に光を集め、それ発射する。
「避けろ」
だがそれも簡単に回避される。
「撒菱だ」
さらにアギルダーは湿原に撒菱を撒く。これでこの湿原はトラップの巣窟のようになった。
「シュバルゴ、メガホーン!」
シュバルゴは槍に全体重を乗せ、それをアギルダーに突き刺す。
「アギルダー」
ムントがそう言うと、アギルダーはその高速で突き出される突きを回避しようとする。
しかし回避は不完全で、ギリギリのところで避けきれずに掠めてしまう。
「ハッ、ようやく当たったぜ。そんじゃ次は——」
レンジがようやく攻撃を当てて調子付いてきたところで、シュバルゴに異変が起きる。
「!? シュバルゴ!?」
シュバルゴはボールへと戻ってしまったのだ。
「これは一体……?」
「レッドカードだ」
ムントは静かに口を開く。
「レッドカード。攻撃を当てた敵を、強制的退場させる道具だ」
ムントがそこまで説明すると、レンジの腰にあるボールが独りでに開き、ポケモンが飛び出す。
「ローブシン……」
出て来たのは筋骨ポケモンのローブシンだ。見るからに厳つい体格をしている。
「ハッ、なかなか味な真似してくれるじゃねえか。これは、結構燃えてきたぜ」
良い意味でヒートアップするレンジ。正直暑苦しい、とムントは思った。
「ローブシン、なし崩し!」
ローブシンは決して速いとは言えない動きで、アギルダーに攻撃を仕掛ける。
「避けろアギルダー」
シュバルゴでも捉えることの出来ないアギルダーが、ローブシンに攻撃を受けるはずもなく、あっさりとかわされてしまう。
「アシッドボム」
さらにアギルダーは酸性の毒素が含まれた爆弾をローブシンに投擲する。
「また下地作りかよ。さっさと決めるが吉か……マッハパンチ!」
今度のローブシンの動きはかなり速く、あっと言う間にアギルダーに接近して、拳を構える。しかし
「アギルダー、虫のさざめき」
アギルダーはいつの間にかローブシンの背後にいて、強力な振動波で攻撃する。
「速い、速すぎる……いくらアギルダーといえど、ここまで速い固体など——」
「特性、軽業」
レンジの呟きを遮り、ムントが口を開く。
「俺のアギルダーの特性は軽業だ。道具を失った今、アギルダーの素早さは倍速だ」

Re: ムントVSレンジ 2 ( No.193 )
日時: 2011/06/12 23:43
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)

特性、軽業。
これは道具を持っていたポケモンが道具を失うと、そのポケモンの素早さが2倍になるという特性だ。素早さが2倍になるというのはかなりの脅威だが、この特性は『道具を持っていたポケモン』が『道具を失う』ことでしか発生しないので、なかなか使い辛い。だが最近はジュエルと呼ばれる使い捨ての攻撃力増強道具が発見されたり、敵の攻撃を受けると発動し、なくなる道具も開発されているので、結構需要が出て来た特性である。
「ただ、アギルダーの特性は潤いボディ、又は粘着。軽業なんて特性は元より存在しないはず。もしあるとすれば……」
レンジはブツブツと呟きながら考え込んでしまう。さっきまでの活き活きとした表情はどこかへ行ってしまったようだ。
「夢特性……それ以外考えられないな。ハッ、俺の調査も無駄じゃなかったってことか」
喜べば良いのか落胆すれば良いのか分からないようにレンジは苦笑する。
「ま、今はそんなゴチャゴチャしたこと考えるより、バトルを楽しむ方が優先順位は圧倒的に上だな」
気持ちを切り替えたレンジは、バトルに集中する。
「ローブシン、ストーンエッジ!」
ローブシンは鋭く尖った岩を無数に発射する。
「アギルダー、虫のさざめき」
だがアギルダーには通用せず、虫のさざめきによる空気の振動で全て砕け散った。
「だったら、マッハパンチ!」
ローブシンは高速でアギルダーに接近、そのまま拳を振り抜く。
「アシッドボム」
しかし拳を振り抜く前にアギルダーは、酸性の毒素を含んだ爆弾をローブシンの顔面に命中させ、軌道を逸らす。
「虫のさざめき」
さらに虫のさざめきのコンボ。アシッドボムの追加効果で特防が下がっているローブシンにはかなり効くだろう。
「アームハンマー!」
だがローブシンは思いのほかタフで、アギルダーのコンボ攻撃を耐えつつ体勢を立て直し、その拳をアギルダーに叩きつける。
「避けろ、アギルダー」
やや焦り気味にムントは指示を出す。アギルダーも攻撃後すぐのことだったため、完全に避けることは出来なかった。
「浅いか。まあいい。ローブシン、なし崩し」
ローブシンはコンクリート柱を振り回してアギルダーに攻撃を仕掛けるが、勿論かわされる。
「アギルダー、ギガドレイン」
さらにアギルダーはローブシンの攻撃後の隙を狙ってギガドレインを放つ。ギガドレインは攻撃と同時に回復も出来る技なので、それでさっきのアームハンマー(掠り)のダメージを回復する。
「虫のさざめき」
そして虫のさざめきによる振動を起こし、ローブシンを内側から攻撃する。
「ローブシン、ストーンエッジ!」
だがローブシンも負けておらず、振動が治まるとすぐさま尖った岩を放つ。
「かわせ、アギルダー」
しかしアギルダーはそれを、まるで忍者のような身のこなしでかわしていく。
「一発でいいからまともに入れば、勝てるんだけどなぁ……」
レンジがぼやく。だが実際その通りで、アギルダーは素早さに特化しているが防御面は絶望的なほど低い。対するローブシンは攻撃が高く、耐久力もあるが鈍い。
しかしこの場合はアギルダーの方が有利である。何故ならローブシンは相手の攻撃を耐える。アギルダーは敵の攻撃を避ける。耐えるのであればいつかは耐え切れなくなるが、避ける場合はそうではない。確かに避けるのにもスタミナが必要だが、どっちが先に切れるかと言えば耐久型が先にやられるだろう。
なのでこれは、ローブシンが一発でもアギルダーにまともな一撃を入れられればローブシンの勝利。そうならずにローブシンがアギルダーの攻撃に耐え切れなくなればアギルダーの勝利である。
この戦いは五分五分ではなく、アギルダー対ローブシンの勝率は7分3分といったところである。
「ローブシン、マッハパンチ!」
「アギルダー、アシッドボム」
ローブシンはアギルダーに急接近して拳を叩き込もうとするが、やはりアシッドボムで軌道をずらされる。
「アームハンマー!」
「虫のさざめき」
続けざまに放つアームハンマーも、虫のさざめきによって中断。
「アギルダー、アシッドボム」
「アームハンマー!」
今度はアギルダーの放ったアシッドボムを、ローブシンがアームハンマーで潰した。
しかしローブシンの顔はかなり疲弊しているように見える。それもそのはず、最初の撒菱攻撃から始まり、アギルダーの攻撃をしこたま食らっているのだから、いつ倒れてもおかしくない。
「虫のさざめき」
だがアギルダーはそんなローブシンを倒すべく攻撃をしているのだ。
「ローブシン、ストーンエッジ!」
ここでローブシンは奇抜な行動に出る。ローブシンのストーンエッジは虫のさざめきによる空気振動で砕けてしまう。しかし虫タイプのアギルダーには効果抜群なので連用は出来る。だがそれは虫のさざめきでブロックされる。なのであまり使わなかったが、ローブシンはここで虫のさざめきを発動した後にストーンエッジを放ったのだ。
勿論ストーンエッジは砕け散り、振動はローブシンを襲う。
「マッハパンチ!」
しかしローブシンは振動を突っ切り、アギルダーに亜音速の拳を叩き込む。
「アームハンマー!」
さらにアギルダーの脳天にも拳を叩き込み、アギルダーを沈める。
「……戻れ、アギルダー」
ムントはアギルダーを戻す。元々アギルダーは下地作りのための先発だ。なので役目は十分に果たしてくれたと言えよう。
「戻れ、ローブシン」
そしてレンジもまた、ローブシンを戻す。さきほど虫のさざめきによる振動を突っ切ったところでほぼ体力は限界を超えた。その後は意地で攻撃を通したが、流石にもう戦えないようだ。
「さあて、面白くなってきやがった!」
「…………」
熱く燃えるレンジとは対照的に、ムントは静かに敵を見据える。


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