二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄 完結、そして……
- 日時: 2011/07/29 00:16
- 名前: 白黒 (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22252
はじめまして、白黒です。
白黒にちなんでポケットモンスターブラック・ホワイトの小説を書こうと思いました。
内容はオリジナルの要素を含みながら、ゲームの通りに進行したいと思います。
何分まだ中学生で、文才もないですが、それでも読んでくれたらありがたいです。
コメントを貰えれば、幸いです。
無事完結致しました。そしてこの物語は、次回作の『混濁の使者』へと続いていきます。参照をクリックして頂ければ、そちらに飛びますので。
登場人物
>>28
プロローグ
>>2
カラクサタウン
>>4
サンヨウシティ
>>5 >>6 >>7 >>8 >>13
シッポウシティ
>>14 >>15 >>16 >>21 >>27
ヒウンシティ
>>29 >>32 >>33 >>42 >>44 >>45 >>47 >>50 >>51 >>54
ライモンシティ
>>55 >>59 >>61 >>62 >>63 >>64 >>65 >>69 >>70 >>71 >>72 >>73 >>74 >>76 >>79 >>80
ホドモエシティ
>>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>89 >>90 >>92 >>95 >>96 >>100 >>101 >>102 >>106 >>107 >>108 >>113 >>114 >>115
フキヨセシティ
>>119 >>122 >>123 >>125 >>126 >>127 >>128 >>129 >>130 >>131
セッカシティ
>>132 >>133 >>136 >>137 >>145 >>146 >>147 >>148 >>149 >>150 >>151 >>152 >>153 >>155 >>159 >>162 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167
バトルサブウェイ
>>196 >>199 >>200 >>205 >>207 >>208 >>209 >>210 >>211 >>213 >>217 >>218
ソウリュウシティ
>>227 >>235 >>238 >>239 >>242 >>243 >>246 >>249 >>250 >>253 >>254 >>256 >>259 >>260 >>261 >>262 >>263 >>268 >>269 >>271 >>272 >>275 >>279 >>280 >>281 >>284 >>285 >>287 >>288 >>289 >>290 >>291
ポケモンリーグ
>>292 >>293 >>294 >>295 >>296 >>297 >>298 >>299 >>300 >>301 >>302 >>305 >>306 >>307 >>308 >>309 >>310 >>311 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>320 >>321 >>322 >>323 >>324 >>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>340 >>343 >>344 >>347 >>348 >>349
エピローグ
>>350
番外編
ミキの特訓 前後編 >>52 >>53
トライアルハウスバトル 前後編 >>81 >>82
旧ライモン遊園地の夜 前後編>>111 >>>112
四季の川 前後編>>143 >>144
Heaven of battle 前後編 >>168 >>169
過去のプラズマ 前後編 >>282 >>283
マルチバトルサブウェイ 前中後編 >>317 >>318 >>319
夢のドリームマッチ 対戦表
リオVSメイル >>181 >>184 >>187 >>188
アカリVSキリハ >>189 >>190 >>191
ムントVSレンジ >>192 >>193 >>194 >>195
100章記念 イリスQ&A
>>231 >>232 >>233 >>234
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- Re: 24章 変則ルール ( No.61 )
- 日時: 2011/04/16 01:05
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http:/BUENOSUAIRESU
ライモンシティジムの変則的なルールにはれっきとした理由がある。
ポケモンジムというのは、トレーナーの強さを測る場で場であり、トレーナーを成長させる場でもある。
普通、ぐるぐると回るコースターなんかに乗ってたら、誰だって酔うだろう。
酔いだけでなく、目まぐるしく視界が変化していくバトルなんて困難であり、慣れるのにも時間が掛かる。
しかし、ライモンジムの変則ルールは、そういったトレーナー自身の精神力や、自分にとって不利な状況、如何なる逆境でも諦めない心を測り、成長させるためにある。
……余談だが、ライモンジムに挑戦した挑戦者の大半は回り続けるコースターで酔い、変則的なルールに対応できなくなる。そのためコースターで酔ったりする挑戦者は十中八九敗北するため、カミツレはイッシュ地方のジムではトップの勝率を誇る。そして次あるジム、ホドモエジムのヤーコンは成長したトレーナーがすぐにやって来るので、勝率が低かったりする。
「お友達とは、仲直りできたみたいね」
「分かりますか?」
「見れば分かるわよ。目も表情も、バトルも一昨日とは違うもの」
「それはそれは、鋭い眼力ですね」
「これでもモデルだから。見せるだけじゃなくて、見る目もあるのよ」
そんな訳でイリスは、一昨日カミツレに負けたリベンジバトルを執り行っているのであった。
「エモンガ、燕返し」
「ズルッグ、飛び膝蹴り!」
「! 右に旋回して」
エモンガは燕返しを中止し、ズルッグの飛び膝蹴りをかわした。飛び膝蹴りを避けられたズルッグは、レールとレールの間をすり抜け、下のネットに落ちた。
「ネットに落ちたら強制交代。飛び膝蹴りは避けられたら自分がダメージを受けますけど、ネットに落ちて交代させればそのデメリットも回避できる」
「……今までいろんなトレーナーがこの変則ルールを打ち破ったけど、そんな方法で、逆にこのルールを利用するトレーナーは流石にいなかったわ」
「それは良いですね。ここ最近1番尽くしです。……出て来い、デスマス!」
「ふうん。もしかしたら君は、このイッシュの歴史に名を刻むかもしれないわね。エモンガ、ボルトチェンジ」
「冗談言うものじゃないですよ。デスマス、ナイトヘッド!」
「冗談ではないわ、直感ではあるけど。出て来て、エモンガ」
「直感ですか。それもそれで、信憑性に欠けるというか。デスマス、ズルッグと交代だ」
とか、そんな話をしながらバトルを繰り広げている2人は傍から見てかなり異常だった。
「師匠、凄い……」
「確かにこれは……コースターで回りつつ、視界が変化しながら、カミツレさんと会話する余裕もあり、高度なバトルを繰り広げている訳だからね。イリスは何か特別な特訓でもしたのかい?」
「いえ、昨日はポケモンのコンディションをチェックして、どのポケモンを使うかを決めて、カミツレさん対策に策戦を考えて(結局良い案は思いつかなかったですが)そのまま寝てしまいました」
「ということは、気の持ちようというか、もっと根本的な何かが変わったんだろうね」
「……そうですね」
ミキは昨日のイリスとチェレンの会話を聞いているので知っているが、チェレンはその事をあまり言いたがらないようだと知り、黙ることにした。
「私がこんな変則ルールでバトルに臨むのかは知ってる?」
「……回るコースターと挑戦者に不利な状況を作り出し、トレーナーの精神力なんかを測ったり鍛えたりするためでしょう?」
「それもそうだけど、実際のところは違うわ。私は、ポケモンは人に見せるものだと思うの。人に見せ、人を魅せる。ポケモンは強くて頼りになるけど、それと同時に格好良くも可愛くもあるわ。バトルになればそれが色濃く出る。そしてどうせなら、バトル自体にも工夫を加えて、ポケモンバトルを見てる人にも十二分に楽しんで欲しい。そういう思いを込めてこの変則ルールを作ったのよ」
「……カミツレさんって、ヒウンジムのアーティさんと仲良いですか」
「あら? よく分かったわね。どうして?」
「いえ……」
アーティも同じようなことを言っていたからである。
「さて、話し込んでないで、バトルの方も進めなきゃね」
「カミツレさんのボルトチェンジでポケモンが目まぐるしく交代させられるので、中々ダメージが溜まらないんですよ」
「ダメージは溜めたくないわ。溜めて良いのはポケモンへの愛情よ」
「流石ジムリーダー、良い事言いますね」
と言ってイリスは、ネットに落ちたズルッグとデスマスを交代させる。
「デスマス、怪しい風!」
「エモンガ、放電」
デスマスの怪しい風とエモンガの放電がぶつかり合う。
ライモンシティジムカミツレの変則ルールでのバトル。イリスのこの戦いは、もうすぐ決着である。
今回は普通にジム戦ですが、僕はバトルシーンを書き出すと文字数がえらい事になるので、会話とバトルをまとめてみました。横着したのではありません。知恵を絞ったのです。本当です。……まあ、それそれでこれくらいにして、次回はライモンジム決着です。お楽しみに。
- Re: 25章 シェルブレード(居合い抜き版) ( No.62 )
- 日時: 2011/04/17 13:22
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http:/BUENOSUAIRESU
「デスマス、鬼火!」
「エモンガ、ボルトチェンジ」
「ズルッグに交代だ、デスマス!」
「交代よ、出て来てエモンガ」
「ズルッグ、炎のパンチ!」
「エモンガ、エレキボール」
前回に引き続き、イリスはカミツレとのリベンジバトルをしている。
「エモンガ、アクロバット」
「ズルッグ、カウンター!」
エモンガのアクロバットを受けたズルッグは、効果抜群のその攻撃を耐え切り、カウンターで返した。効果抜群で倍、カウンターの効果で倍、合わせてアクロバットの4倍のダメージがエモンガに返り、エモンガは戦闘不能となる。
「戻って、エモンガ……これでいよいよ、2体になっちゃったわね」
「3対2ですけど、僕のズルッグはかなりのダメージを受けてますから、状況ほとんど五分五分ですけどね」
「それもそうね。出て来てエモンガ、燕返し」
出て来て早々、エモンガは燕返しをズルッグに見舞い、戦闘不能にした。
「戻れ、ズルッグ。出て来いデスマス」
「エモンガ、放電」
「デスマス、怪しい風!」
デスマスとエモンガの放った放電と怪しい風がせめぎ合う。その結果、互いの威力が相殺され、打ち消し合った。
「デスマス、ナイトヘッド!」
「エモンガ、スパーク」
エモンガはデスマスのナイトヘッド避け、電撃を纏いながら特攻する。
「デスマス、鬼火だ!」
デスマスはスパークが当たる直前に鬼火をエモンガに放ち、戦闘不能となった。
「これで、2対1ね」
「いえ、1対1ですよ」
「? それってどういう——」
意味、と言い切る前に、カミツレのエモンガが倒れた。
「これって、さっきの鬼火……?」
「はい、そうですよ」
「随分と効き目の早い鬼火ね、しかもこの威力、君だけじゃなくて、ポケモンも成長したみたいね」
「はい。というわけで、エースポケモン同士のバトルといきましょうか。フタチマル!」
「エースポケモン同士、ね。それも面白いかも。ゼブライガ」
「フタチマル、アクアジェット!」
「ゼブライガ、ニトロチャージ」
「フタチマル、水の波動!」
「ゼブライガ、充電」
と、壮絶なバトルを繰り広げている2人だが、ここは1本のレールの上。いくら縦横無尽(というと流石に大袈裟だが)に張り巡らされているとはいえ、足場は最悪である。そんな中で足を踏み外さずここまで高度なバトルができるのは、イッシュでもそう何人もいないだろう。
「フタチマル、水の波動!」
「ゼブライガ、ボルトチェンジ」
そんなバトルを見る者からしたら、それは驚きを通り越して、ただただ唖然とするだけである。
「師匠……」
「イリス……」
この2人の様に。
「カミツレさん、そろそろこのバトル終わりにしません?」
「そうね。そろそろお互いのポケモンも限界みたいだしね」
「それじゃ、これが最後の一撃って事にしましょうか」
「賛成よ。……ゼブライガ、ワイルドボルト!」
「フタチマル、シェルブレード!」
ゼブライガが全身に弾ける電撃を纏い、レールにそって特攻する。その姿はまるで、暴走したジェットコースターさながらだった。
対するフタチマルは、ホタチを居合い抜きの様に構え、シェルブレードで撃退しようとしている。それもそのはず、この2匹は1本のレールで相対しているため、ゼブライガがワイルドボルトで突っ込んで来ると、逃げ道が無いのだ。後方に走って逃げようにも、明らかにゼブライガの方が速い。したがって、フタチマルはゼブライガを迎え撃つようにしか攻撃できない。
そうこうしてるうちに、ゼブライガがフタチマルに迫ってきた。フタチマルはギリギリまでゼブライガを引き付け、少し体をずらす。そして衝突までもう少しという所で、ホタチを抜く。
2匹は交差する形になり、お互いに背を向け合って停止する。そして、グラリと揺れ、倒れた。
2匹とも。
倒れたと言っても、しかしここは1本のレールの上。倒れたら下のネットに落ちる。落ちたポケモンは、判定負けを食らうのだ。
そしてこの状況、2匹が同時にネットに落ちれば、引き分けということになるが
「フタチマル、水の誓だ!」
最後の最後でフタチマルが間欠泉の様に地面から水を噴射し、その勢いを利用してレールの上に降り立った。
「僕の、勝ちですね」
「……ええ」
カミツレはネットに落ちたゼブライガをボールに戻しながら、そう言った。
その後、イリスはライモンジムを勝利した証としてボルトバッジを受け取り、次の街、ホドモエシティに行こうとしたが
「あそこはまだ通れないと思うわ。通れるようにしてあげたいけど、私も仕事があるから、ちょっと待ってて頂戴。このライモンシティは娯楽の街とか呼ばれてるから、退屈はしないと思うわ」
と言った。
そう言われてチェレンは
「ポケモンを鍛えに行く。次のジムもきっと強敵になるからね」
と言って、4番道路に引き返していった。
「私たちはどうします、師匠?」
「そうだね、とりあえずは」
一拍置いて
「疲れた。寝よう」
そう言ってポケモンセンターに向かって行った。
今回はライモンジム決着でした。次回はNとのバトルです。あとがきが短いですが、次回をお楽しみに。
- Re: 26章 プラズマ団の王 ( No.63 )
- 日時: 2011/04/17 01:27
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http:/ARUGRIZMU
ライモンシティには2つの遊園地がある。1つはもう廃れ、潰れているが、もう1つはライモンシティの娯楽施設の中でもかなりの人気を誇っている。
「師匠、この黄色いの何でしょう?」
「説明によるとピカチュウってポケモンらしいよ」
チェレンはまだホドモエシティに行けないと知るや否や、特訓するために4番道路に向かった。
一方イリスとミキは
「向こうに観覧車がありますよ、師匠」
「それじゃあ後で……って、引っ張んないでよミキちゃん!」
遊んでいた。
「ほら、早く早く」
「観覧車はポケモンと違って逃げないよ」
「そういう問題ではありません」
えらくイリスと観覧車に乗りたがるミキだった。
「はあ、何で僕こんな所にいるんだろう……」
「師匠が上機嫌に『ミキちゃん、どうやって暇潰そうか?』って聞いてきたから、この遊園地に遊びに来たんじゃないですか」
「でも、僕こういう人の多い所苦手なんだよな……」
「そんな事言わずに、行きましょうよ!」
「だから引っ張んないでって……!」
「師匠、どうしました?」
「あ、いや。……ミキちゃん、のど渇かない?」
「まあ、少しは渇いてますけど」
「飲み物買ってくるからちょっと待ってて」
「あ、師匠!」
そう言ってイリスは駆け出して行った。
「自動販売機はここにありますよー!」
全く聞いていなかった。
いくら人の多い遊園地であろうと、人のいない場所の1つや2つは存在する。そういう人気の無い場所に、2人の人間がいた。
「待ってたよ、イリス」
1人はイリス。
「やっぱり君だったのか、N」
1人はN。
「僕をこんな所に来させて、何の用だい?」
「前置きは省かせてもらって、単刀直入に言う。君は、僕の掲げる未来を理解できるかい? そしてそれを見たいと思うかい?」
「理解は出来る。けれど見たくはない。君の掲げる未来っていうのは、プラズマ団の掲げる未来、ポケモンが解放された未来だろう?」
「ふうん。僕がプラズマ団だって、気付いたのか」
「たった1回バトルしただけだけど、君の理想はプラズマ団の言っている事と同じだ。それに、君とプラズマ団の連中はどこか雰囲気が似ていた。君も、プラズマ団の幹部か? それとも、この間のメイルってトレーナーみたいな、プラズマ団の協力者か?」
「どっちも違うけど、当たらずといえど遠からずだ。僕はプラズマ団の王様だよ」
「王……様……」
「あまり驚いてないね」
「まあ、結構高い地位だとは思ってた。でも、君がプラズマ団の王様とは……つまり、君が今のプラズマ団を仕切っているわけだね」
「それは違うな。僕は確かに王様だけど、仕切っているわけじゃない。『天皇は君臨すれど統治せず』という言葉を知っているかい? つまり僕はプラズマ団では最も高い地位に就いているが、実際のところはプラズマ団の活動に大きくは関与していない。まあ、僕がポケモンを解放する鍵にはなっている訳だけど」
「鍵……?」
「そう、鍵。まだ詳しく言うつもりは無いけど、僕は選ばれた人間だ」
「選ばれた人間? 偉ぶった人間の間違いじゃないか?」
「僕が選ばれているというのは、僕がポケモンと会話できるということからしても、分かると思う」
毒舌を無視された。
「いや、君がポケモンと会話できるなんて初めて知ったんだけど……」
「ん? 君と初めて会った時、君のポケモンが喋っていた、的な事を言ったと思うけど?」
「そんなの本気にする奴がいるかよ……」
「まあ、話が散らばってきたから少し整理しよう」
「散らばした奴が言うなよ……」
ガックリとうな垂れるイリスであった。
「まず1つ目、僕はポケモンと会話が出来る。そしてその力故に、伝説のポケモンに選ばれた」
「伝説のポケモン?」
「おっと、口が滑ったかな。……まあいいや。2つ目に、僕はプラズマ団の王、名前だけみたいなところがあるけどね。最後に3つ目、僕はポケモンを解放する。……イリス、君は言ったね」
「……何を」
「僕の掲げる理想の世界を、『理解は出来る。けれど見たくはない』と。その言葉が嘘か真か、確かめさせてもらう!」
そう言って、Nはボールを取り出し、ポケモンを出す。
「さあ、イリス。君の求める理想か、真実か。見せてもらうよ」
「……やっぱりこういう展開になるのか。というか、僕は求めるものを求めるために、旅をしてるんだよ」
そう言って、イリスもまた、ポケモンを出す。
「それじゃあ始めよう。僕の掲げるポケモンが解放された理想の世界か、君の掲げる現在のポケモンと人間が共存する偽りの真実の世界か。どっちが正しいかを!」
「僕は何も掲げてないよ。Nって自己主張がかなり激しいよね。人の言う事聞かないし……でも、まあ」
一旦区切って
「その真実の世界とやらは、偽りじゃあないな!」
こうしてイリス対Nの第2戦が始まった。
前にもこういうことがあった気がしますが、まずは謝ります。すみません。イリス対Nのバトルをやるみたいなこと言いましたが、書けませんでした。本当にすみません。次回こそは必ず書きますので、お楽しみに。
- Re: 27章 ポケモン解放 ( No.64 )
- 日時: 2011/04/17 09:56
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http:/ARUGRIZMU
「ギアル、チャージビーム!」
「デスマス、怪しい風!」
Nがいきなり意味深(意味不明)な発言をし、なんだかよく分からぬままバトルになってしまったイリスだが、バトル自体には結構乗り気だった。
「デスマス、サイコキネシス!」
「ギアル、守るだ!」
サイコキネシスが守るによって防がれる。
「ギアル、ギアソーサー!」
「デスマス、シャドーボール!」
ギアルが歯車を回転させながら2つ放って来るのに対し、デスマスのシャドーボールは1つ。全て相殺しきれず、デスマスは歯車をもろに受けた。
「デスマス!」
「休ませないよ。ギアル、ミラーショット!」
ギアルは体を光らせ、その光を一点に集めて発射した。その光はデスマスに直撃する。
「くっ、戻れデスマス!」
「さて、君の掲げる真実の世界はこんなものなのかい?」
「だから掲げてないって。ズルッグ、頼む!」
「次はズルッグか。ギアル、チャージビーム」
「避けろズルッグ、炎のパンチ!」
チャージビームは基本直線的に電撃を発射する技。故に避けるのは容易く、攻撃後に若干隙ができる。その隙に炎の拳を叩き込まれた。
「戻ってくれ、ギアル。君のポケモンは、何だか幸せそうだね。活き活きしてる。全てのトレーナーのポケモンが、そうだったら良いんだけどね」
「N……君は、ポケモンを解放することがポケモンのためだと思うから解放するのかい?」
「ああ、そうだよ。人とポケモンが互いに幸せなら、僕は何もしない。……さあ出て来てくれ、アーケン!」
Nが次に繰り出すのは、この前メイルの使っていたポケモンアーケオスの進化前、アーケン。
「一撃で決めさせてもらうよ。アーケン、アクロバット!」
アーケンが猛スピードでズルッグに特攻したかと思いきや、瞬時に背後に回り、攻撃を繰り出す。
「格闘タイプのズルッグなら、僕のアーケンのアクロバットにも耐えられな——」
「ズルッグ、カウンター」
次の瞬間、アーケンはズルッグにより吹き飛ばされた。
「!?」
「僕のアーケンのアクロバットにも、何だって?」
「……なんでもないよ。プロトーガ!」
Nが3番手に繰り出すポケモンは、古代亀ポケモンのプロトーガ。
「プロトーガ、アクアジェット!」
プロトーガは水を纏い、高速でズルッグに突っ込んでいった。
「ズルッグ!」
「これでズルッグは戦闘不能。君のポケモンはあと2体だ」
「戻れズルッグ。出て来いワシボン!」
イリスがプロトーガに対して繰り出したのは、ワシボンだった。
「岩タイプを持つプロトーガに対してワシボンで挑むなんてね。君はもう少し賢いと思ったんだが」
「見れば分かるよ。ワシボン、燕返し!」
「プロトーガ、岩雪崩れ!」
ワシボンは、プロトーガの放つ岩雪崩れを避け、燕返しを放った。
「続けてシャドークロー!」
燕返しで動きが鈍ったプロトーガに、ワシボンは影で作った爪で切り裂く。
「少し、ピンチかな。プロトーガ、水の波動!」
「ワシボン、エアスラッシュ!」
プロトーガの放つ水の波動は、ワシボンの放ったエアスラッシュによって真っ二つに切り裂かれた。
「プロトーガ、アクアジェット!」
「ワシボン、ビルドアップ!」
ビルドアップは攻撃と防御を同時に上げる技。プロトーガのアクアジェットによるダメージを抑え、攻撃力も高め、反撃する。
「燕返し!」
カウンターで放った燕返しが、プロトーガの急所に当たる。
「プロトーガ!」
プロトーガは戦闘不能になった。
「ふっ、君は強い。確かに強い。けど、僕にはまだ切り札がある」
「君の切り札より、僕としては何故君が僕とわざわざ話したがるのかが知りたい」
「……それじゃあ、教えようか。僕はまず、ポケモンリーグのチャンピオンを倒そうと思っている」
「な!? チャンピオンを!?」
「そう。そうすれば、僕はイッシュで最も強い証明になり、ポケモンを解放する糧となる」
「……そこまでしてポケモンを解放したがるのか」
「そういう君だって僕を必死になって止めようとしているだろう?」
「まあ、ね」
「さて、そろそろバトル再開だ。出て来い、ゾロアーク!」
Nの切り札は、ゾロアの進化系ゾロアークだった。
「ゾロアーク、辻斬り」
ゾロアークは一瞬でワシボンの背後に回りこみ、切り裂いた。
「! ワシボン、戻れ!……出て来い、フタチマル!」
「あのときのミジュマルが進化したんだね」
「そういう君のゾロアだって進化してるだろ」
「まあね……すまないが、一撃で決めるよ。ゾロアーク、ナイトバースト!」
「!?」
ゾロアークは両手に黒いオーラを溜め、両手を振り上げ、地面に振り下ろす。その瞬間
「師匠ー!どこですかー?」
ゾロアークの動きがピタッと止まる。
「ミキちゃん……」
「どうも邪魔が入ったようだね。この続きはまた今度にしよう」
そう言うとNは、ゾロアークをボールに戻す。
「最後に言わせてもらうよ。僕は、チャンピオンを超える。そしてもし、君がどうしても僕を止めたいなら、ポケモンリーグまで来い」
そう言ったあと、Nはイリスの横を通り過ぎる。
「ああ、そうだ。これも言っておこうかな。イリス、もしプラズマ団と関わりたくなければ、早急にこの街から出ることをお勧めするよ」
「……何でだ」
「もうすぐこの街にプラズマ団が来るからさ。じゃあね」
そう言い残すと、Nはイリスと、こっちに向かって来るミキとすれ違うように姿を消した。
「師匠、ここにいましたか。自動販売機はすぐそこにあったのに」
「ああ、ごめん。ちょっと迷っちゃって」
「まあ、それは良いですが。さっきの人はお知り合いですか?」
「うん。まあ、ね」
「?」
ミキは首を傾げる。その仕種が妙に可愛らしく、イリスは思わず顔が綻ぶ。
「それじゃあミキちゃん、観覧車乗ろうか」
「本当ですか!?」
「本当だよ。さ、行こ」
「あ、師匠待ってください!」
イリスはNの行ったことに不安を覚えたが、せめて今くらいは、そんな事は忘れて、弟子と一緒になって遊ぼうと思った。
せめて、今くらいは。
今回はNとのポケモンバトル、パート2です。Nの切り札、ゾロアークも出てきました。次回は16番道路、迷いの森辺りで何かしようと思っています。では、また。
- Re: 28章 辻斬り ( No.65 )
- 日時: 2011/04/17 15:41
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http:/ARUGRIZMU
ワンダーブリッジ。
イッシュ4大大橋の1つで、最も美しいのが特徴の橋。
断崖絶壁の崖に架かっている橋で、橋自体もさる事ながら、橋の下を見下ろした際に見える景色は絶景だという。
「すまんねえ。今、ワンダーブリッジは点検中なんだよ」
作業員らしきおじさんにそう言われ、イリスとミキはガックリとうな垂れる。
「そ、そんな……」
「あんまりです……」
イリスとミキは、最も美しいと触れ込みのワンダーブリッジを一目みたいと、ここ16番道路まで足を伸ばしてきたのだが、点検中らしくすごすご引き下がる事になった。
「はあ……見たかったなあ、ワンダーブリッジ」
「はい……」
結局ワンダーブリッジを見ることが叶わなかったイリスとミキは、ライモンシティに引き返す途中だった。
「師匠、帰ったら何しますか?」
「正直、今日はワンダーブリッジを見る予定しかなかったからね。どうしますか……」
帰ったら何するかを考えながら、イリスは向こう側から歩いて来る少女とすれ違う。その瞬間
「!」
しゃりん
金属の擦れ合うような、そんな音がした。
しかしそれは、ただの金属が擦れあったのではなく、刀と鞘が擦れ合った音、鞘走りの際に生じる音だった。
ただ、そんな音が鳴るということは、必然的に刀が抜かれたということで、その刀で何かを切ろうとしている訳である。この場合、何を切ろうとしているのかが重要である。今この場には、イリス、ミキ、少女の3人しかいない。刀を振るったのは少女。刀の軌道はイリスを切り、ミキにまで届く。
まあ、長々と語ってはいるが、要するにイリスとミキはいきなり刀で切りつけられた訳である。しかし
「あっぶねえ!死ぬかと思ったぞ!」
寸でのところで、ミキを抱えて回避した。
「ていうか何で刀!? この時代に刀振り回す人間がいるなんて夢にも思わなかったよ!」
しかしここでツッコミを入れる辺り、笑いのセンスがあるのかもしれない。
「あ、ああ。またやってしまいました……すいません。つい、癖で」
「癖で!? 僕ら癖で殺されそうになったの!? 何でそんな癖があるの!?」
錯乱状態なのか、イリスはツッコミを連発する。
「あ、あの、師匠。お、降ろしてください……」
ミキが顔を真っ赤にしてイリスにそう呼びかける。ミキは切られそうになったところで、イリスに抱えられ、無傷だったが、代わりにベクトルの違うダメージを受けたようだ。ちなみにミキはイリスに抱えられてるというより、抱き抱えられていて、イリスがミキを胸の前あたりで、横向きの形で下から支え、手はミキの膝関節の裏あたりと背中を支えるという形だった。
即ち、お姫様抱っこ。
「ん? あ、ああ、ごめん」
悪びれた感は無いがそう言って、ミキを降ろす。
しかしイリスはミキの心情を理解しておらず、いきなり抱き抱えられてびっくりしてるのだと思っていた。
「先ほどは失礼しました。私はアカリと申します。シンオウ地方のカンナギタウンという所から来ました」
「あーえっと、僕はイリス。しがないポケモントレーナーだよ。こっちはミキちゃん。僕の弟子だ」
互いに自己紹介を終えたイリス、ミキは、さっきの辻斬りについて訊ねてみた。
「実は、お恥ずかしいことながら、道端でたまに人を切ってしまう。いわゆる辻斬りの悪癖がありまして……」
「やっぱり癖なんだ、あれ」
「本当に申し訳ありません」
「いや、いいよ。別に何とも無いし……あ」
その時イリスは、自分の着ている上着の袖がざっくりと切れている事に気付いた。恐らくさっきの辻斬りでの刀傷だろう。
「あ、上着……切れてますね」
「別に大丈夫だよ。あとでポケモンセンターに戻った時にでも、縫うから」
「いえ、そういう訳にはいきません。ちょっとご拝借します」
そう言って流れるような動きでイリスの上着を手に取った。
「って、あれ? 僕今までその上着着てたような……?」
「師匠、そんな細かいこと気にしてたら何にもなりませんよ」
「細かいことかな……?」
そうこうしてるうちに、アカリはどこからか裁縫道具を取り出し、上着を縫い始めた。
「……上手いね」
「ええ、こういうのは、得意なんです……痛っ」
アカリは手元が狂ったのか、針を指に刺してしまった。
「大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
しかし、指からはドクドクと血が出ている。
この後も、アカリは何度か指に針を刺したのであった。
「泥棒ー!」
上着の裁縫が終わるや否やどこからかそんな叫び声が聞こえてきた。
「!?」
イリスが振り返ると、そこにはプラズマ団と思しき人物が数人いた。
「プラズマ団、またポケモン泥棒してるのか。追うよ、ミキちゃん!」
「はい、師匠!」
そう言うや否や、イリスとミキは走り出す。
「プラズマ団? どういう団体なのですか?」
一緒に付いて来たらしいアカリが、走りながら訊ねる。
「端的に言うと悪い奴ら!」
本当に端的だった。
今回は黒影さんのご投稿してくださったオリキャラ、アカリを出させてもらいました。なお、この話は次回も続くので、お楽しみに。
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