二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄 完結、そして……
- 日時: 2011/07/29 00:16
- 名前: 白黒 (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22252
はじめまして、白黒です。
白黒にちなんでポケットモンスターブラック・ホワイトの小説を書こうと思いました。
内容はオリジナルの要素を含みながら、ゲームの通りに進行したいと思います。
何分まだ中学生で、文才もないですが、それでも読んでくれたらありがたいです。
コメントを貰えれば、幸いです。
無事完結致しました。そしてこの物語は、次回作の『混濁の使者』へと続いていきます。参照をクリックして頂ければ、そちらに飛びますので。
登場人物
>>28
プロローグ
>>2
カラクサタウン
>>4
サンヨウシティ
>>5 >>6 >>7 >>8 >>13
シッポウシティ
>>14 >>15 >>16 >>21 >>27
ヒウンシティ
>>29 >>32 >>33 >>42 >>44 >>45 >>47 >>50 >>51 >>54
ライモンシティ
>>55 >>59 >>61 >>62 >>63 >>64 >>65 >>69 >>70 >>71 >>72 >>73 >>74 >>76 >>79 >>80
ホドモエシティ
>>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>89 >>90 >>92 >>95 >>96 >>100 >>101 >>102 >>106 >>107 >>108 >>113 >>114 >>115
フキヨセシティ
>>119 >>122 >>123 >>125 >>126 >>127 >>128 >>129 >>130 >>131
セッカシティ
>>132 >>133 >>136 >>137 >>145 >>146 >>147 >>148 >>149 >>150 >>151 >>152 >>153 >>155 >>159 >>162 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167
バトルサブウェイ
>>196 >>199 >>200 >>205 >>207 >>208 >>209 >>210 >>211 >>213 >>217 >>218
ソウリュウシティ
>>227 >>235 >>238 >>239 >>242 >>243 >>246 >>249 >>250 >>253 >>254 >>256 >>259 >>260 >>261 >>262 >>263 >>268 >>269 >>271 >>272 >>275 >>279 >>280 >>281 >>284 >>285 >>287 >>288 >>289 >>290 >>291
ポケモンリーグ
>>292 >>293 >>294 >>295 >>296 >>297 >>298 >>299 >>300 >>301 >>302 >>305 >>306 >>307 >>308 >>309 >>310 >>311 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>320 >>321 >>322 >>323 >>324 >>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>340 >>343 >>344 >>347 >>348 >>349
エピローグ
>>350
番外編
ミキの特訓 前後編 >>52 >>53
トライアルハウスバトル 前後編 >>81 >>82
旧ライモン遊園地の夜 前後編>>111 >>>112
四季の川 前後編>>143 >>144
Heaven of battle 前後編 >>168 >>169
過去のプラズマ 前後編 >>282 >>283
マルチバトルサブウェイ 前中後編 >>317 >>318 >>319
夢のドリームマッチ 対戦表
リオVSメイル >>181 >>184 >>187 >>188
アカリVSキリハ >>189 >>190 >>191
ムントVSレンジ >>192 >>193 >>194 >>195
100章記念 イリスQ&A
>>231 >>232 >>233 >>234
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- Re: 75章 2つの戦い ( No.149 )
- 日時: 2011/05/28 00:41
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
「待っておったぞ」
紫色の髪に、白衣のように改造された制服を着た男。プラズマ団幹部の1人、バイオはニヤリと笑いながら言う。
「まさかこんなところに、セコ……プラズマ団幹部がいるなんて」
「おい貴様、今セコ〜で続く言葉を言いかけなかったか?」
バイオはやや不機嫌そうに言う。
「気のせいだ。それよりも、お前はここで通せんぼをするのか?」
「勿論だ」
バイオはそう言って、ポケモンを出す。
「バスラオか……」
バイオが繰り出したのは乱暴ポケモンのバスラオ。それも赤筋だ。
「さて、どうしたものか……」
現在イリスの手持ちは4体。セッカジム戦後回復をせずに直行したため、2体が戦闘不能。1体が満身創痍と、戦力が半減している。
「師匠、ここは私に任せてください」
とイリスが迷っていると、ミキが一歩前に出て言った。
「ミキちゃん……でも……」
「私なら大丈夫です」
ミキは力強く言う。イリスもそれが効いたのか、ゆっくりと目を閉じて、開ける。
「じゃあ、任せたよ」
イリスはそう言い残し、ダッと駆け出す。
「行かせんぞ。バスラオ、アクアジェット!」
バスラオは水を纏い、高速でイリスに突撃していく。しかし
「! バスラオ!」
バスラオは何かに攻撃され、吹っ飛ばされた。
「邪魔は、させませんよ」
ミキの目の前には、石宿ポケモンのイシズマイがいた。
イリスは螺旋階段を駆け上がり、次の部屋へと続く扉を開く。
「チェレン、ハチクさん……」
そこには、大勢のプラズマ団と戦うチェレンとハチクの姿があった。
「イリスか。ここはわたしたちが食い止める。君は上へ行くのだ」
「ハチクさん、ですが……」
「僕たちは大丈夫だ。だから君は最上階に行くんだ!」
チェレンが叫ぶ。
「チェレン……」
「それとも君は、僕らがこの程度でやられるとでも思っているのかい? だったら、甘く見られたものだよ」
チェレンはやや卑屈っぽく言う。そしてイリスは、決心する。
「それじゃあ、ここは頼んだ!」
そう言ってイリスは、また駆け出す。
「さて、ハチクさん。この状況はどうですか?」
「正直言って厳しいな。如何せん数が多すぎる。これではいずれこちらのポケモンの体力が尽きてしまう」
ハチクはあくまで冷静に言う。
「ですよね。でもまあ、イリスを行かせるためには、多少芝居を打つ必要がありますがね」
チェレンとハチクは会話もそこそこに、バトルへ戻る。
イリスはとにかく階段を駆け上がる。この塔はおおよそ7階建てらしく、今は5階にいる。なにやらこの階は円形の足場になっていて、進み辛い。それを突破すると、6階へと駆け上がる。すると
『バリバリバリッシュ!』
というような鳴き声が聞こえてきた。
「! 今のは……?」
イリスは背筋にヒヤリとするものを感じ、歩調を速める。しかし事はそううまく運ばないもので、イリスの行く手には何者かが立ち塞がる。
「また会ったな。英雄イリスよ」
藍色の髪に、プラズマ団の制服を改造した出で立ち。プラズマ団幹部の1人、インディだ。
「……僕が英雄というのは、もう決定事項なのかな?」
「悪いがここは通さんぞ。それがゲーチス様からの命令。まだ復活し切っていない伝説のポケモンの復活を、邪魔させるわけにはいかんのでな」
話が噛み合っていない、というより通じていない。どうやらこの男、ボケが通用しないようだ。ある意味強敵である。
「まあつまり、あんたを倒さないと、僕は先に勧めないということだよね」
「その通りだ。出でよ、ケンホロウ」
インディはケンホロウを繰り出す。しかし、フキヨセで見たフウロのケンホロウとは違い、なんだか派手である。
「ケンホロウは雄と雌で外見や能力が変わる比較的稀有なポケモンだ」
インディは親切にも説明してくれる。
「そう。だったらこいつだ。出て来い、ワシボン!」
イリスはワシボンを繰り出す。別にこれは、飛行タイプには飛行タイプという単純極まりない思考でのチョイスではない。相手が攻撃と素早さの高いケンホロウなら、バチュルでは不利だと考えての人選(?)である。
「いくぞワシボン。エアスラッシュ!」
ワシボンは開始早々、エアスラッシュでケンホロウを牽制する。
「避けろ、ケンホロウ」
しかしケンホロウはそのエアスラッシュをいとも簡単に回避する。
「エアカッター」
そしてヒュンヒュンという風を切る音と共に、空気の刃を無数に放つ。
「避けろ、ワシボン!」
ワシボンはその刃を次々とかわしていく。
「ビルドアップ!」
そしてビルドアップし、攻撃と防御を高める。
「ワシボン、エアスラッシュ!」
ワシボンは再度、空気の刃を放つ。
「ケンホロウ、電光石火」
今度のエアスラッシュは、ただかわされるだけでなく、電光石火という攻撃付きの回避だった。ワシボンはそれを受けたが、もともとの威力の低さと、ビルドアップがあってあまりダメージはなかった。
「燕返しだ!」
そしてワシボンは、やられ際に燕返しを放ち、ケンホロウを切り裂く。しかしその決まりは浅く、大したダメージにはならなかっただろう。
「……出来るな」
「そっちこそ」
イリスとインディの戦いは、続くのであった。
えー長めの次回予告をいきなししようと思います。次回はミキの使う謎のイシズマイや、イリスとインディのバトルを繰り広げようと思います。……大して長くないですね。とにかく、次回もお楽しみに。
- Re: 76章 譲渡 ( No.150 )
- 日時: 2011/05/28 23:54
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
「イシズマイ、ロックブラスト!」
「バスラオ、アクアジェット!」
龍螺旋の塔2階にて、ミキとバイオのバトルが繰り広げられていた。
「イシズマイ、切り裂く攻撃!」
「避けろバスラオ、アクアテール!」
バスラオはイシズマイの切り裂くを回避し、水を纏った尻尾を叩きつける。
「イシズマイ、カウンター!」
「なに!?」
イシズマイはハサミに力を集中させ、バスラオ目掛けて振り上げる。
「バスラオ!」
バスラオはその一撃で吹っ飛ばされた。戦闘不能ではないだろうが、かなりのダメージを受けたに違いない。
「凄い……初めてのバトルなのに……」
しかしそれにはミキも驚いていた。
「兄さん……」
そして、昨夜のことを思い出していた。
時は遡り、イリスがセッカジムに挑戦する前日の夜中——前日といっても、ほぼ当日である——に、ミキは兄であるザキの部屋を訪れていた。
「兄さん。用って何?」
「……ミキ、短刀直入に言うぞ。お前、あいつのこと好いてるだろ?」
「へ!? あ、あいつって、誰のこと?」
「とぼけるな。イリスのことだ。で、どうなんだ?」
「……うん」
「そうか」
「……なにも、言わないの?」
「何でだ?」
「だって兄さん、シスコンだし」
「妹にシスコンと言われるとは……かなり傷つくものだな……」
「それで、何も言わないの?」
「言わない。言う必要が、もうない」
「?」
「俺は、シスコンシスコン呼ばれてるけど、別にお前を独占しようなんて、3割くらいしか考えていない」
「3割は考えているんだね」
「実際はシスコンというより、過保護なだけなんだよ、俺は。確かに家族の中でも、世界中の人間の中でも、1番好きなのはお前だ。でも、お前のことを決めるのは俺じゃない。ミキ、お前だ」
「……兄さん」
「今日のバトルで、お前をあいつの側に置いておいても大丈夫だと判断した。だから付いて行くなりなんなりすればいい。俺はもう、頼まれないと止めないぞ」
「頼めば止めるんだね」
「それに、人の恋路を邪魔するやつはゼブライガに蹴られて地獄に行くらしいしな」
「ゼブライガってシマウマだよね……まあ、一応馬だからいいのかな……?」
「ぞれじゃあミキ。またしばらくの間お別れだな。無理だけはするなよ」
「うん。兄さんもね。それじゃあ、おやす——」
「待て、ミキ」
「なに? まだ何かあるの?」
「お前、まだ手持ち3体だろ? それじゃこの先厳しいだろうから、俺のポケモンをやる。ほれ」
「って、投げないでよ……3つ?」
「それで6体だ。ちなみにそいつらはバトルの経験もない奴らだが、磨けば光る原石だ。昔のお前みたいにな。それをどう磨くかは、トレーナー次第だ」
「兄さん……ありがとう」
「なに、これくらい。それじゃ、今度こそおやすみだな」
「うん。おやすみ……お兄ちゃん」
ミキは歳相応に悪戯っぽく言うと、バタンと部屋のドアを閉めた。そしてザキはというと、5分ほど硬直して、その後ニヤけていた。
「ケンホロウ、鋼の翼」
「ワシボン、燕返し!」
龍螺旋の塔6階にて、イリスとインディのバトルが繰り広げられていた。
「ワシボン、エアスラッシュ!」
「ケンホロウ、エアカッター」
お互いが放つ空気の刃がぶつかり合い、相殺しあう。だがエアカッターの方が攻撃回数が多いので、押し負けたのはワシボンである。
「ワシボン!」
「決めるぞケンホロウ。ギガインパクト」
ケンホロウは全身全霊でワシボンに突撃する。爆発のような音がした後、ワシボンは吹っ飛ばされ、壁にめり込んでいた。どう見ても戦闘不能である。
「戻れ、ワシボン。……頼んだぞ、バチュル!」
イリスが飛行タイプに有利なバチュルを出す。
「バチュル、雷だ!」
バチュルはケンホロウに猛烈な雷を落とす。バチュルの特性、複眼に加え、ケンホロウはギガインパクトの反動で動けなくなっていたので、簡単に当たった。
「戻れ、ケンホロウ」
今のは流石のケンホロウも戦闘不能になった。インディは次のボールを取り出す。
「出でよ、バイバニラ」
インディは、バニリッチの進化系バイバニラを出す。
「Nのバニプッチにハチクさんのバニリッチ。そして次はバイバニラか。最近は氷タイプがブームなのか?」
「バイバニラ、氷柱針」
インディはイリスの軽口を無視してバイバニラに攻撃させる。
「人の言うことくらい反応しろよ。バチュル、回避だ」
バチュルは持ち前の素早さを活かし、次々と氷柱針をかわしていく。
「バチュル、切り裂く攻撃!」
「バイバニラ、鉄壁」
バチュルは氷柱針が止んだ瞬間に、バイバニラに飛び掛って切り裂こうとするが、鉄壁で体を鋼鉄のように堅くされ、防御されてしまう。
「なら、エレキネット!」
「氷の息吹」
次に放つエレキネットも、氷の息吹で打ち消される。
「行くぞバイバニラ。ラスターカノン」
バイバニラは全身の光を一点に集め、それを球状に収束させ、バチュルに向けて放った。
「バチュル!」
バチュルはその攻撃を受け、吹っ飛ばされる。
「……これは、かなりの強敵だな……」
イリスの顔から、笑みが消えた。
はいでは今回はミキとイリスのバトル。そしてミキが持っていた謎(?)のイシズマイの真相です。あのイシズマイはザキがミキに渡したものなんです。ザキが渡したのは3体。つまりあと2体いるんです。残り2体も近々出そうと思うので、次回もお楽しみに。
- Re: 77章 龍螺旋の戦 ( No.151 )
- 日時: 2011/05/29 13:32
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
「バスラオ、冷凍ビーム!」
「イシズマイ、虫の抵抗!」
バスラオの放つ冷凍ビームに、イシズマイは虫の抵抗をぶつけ、威力を弱める。
「ロックブラスト!」
そして最後にロックブラストで冷凍ビームを打ち消し、そのままバスラオにもヒットさせる。
「ぐぅ、戻れバスラオ」
今のロックブラストで戦闘不能になったので、バイオはバスラオをボールに戻す。
「出て来い、ゴビット!」
そしてゴビットを繰り出す。
「……それにしても、強くなったんだね。前に戦った時は凄く弱かったのに」
「ふん、小生らを甘く見るな。我々プラズマ団も、日々成長しているのだ」
バイオは胸を張って言う。
「……そうですか。イシズマイ、ロックブラスト!」
「ゴビット、シャドーパンチ!」
ゴビットはイシズマイが発射する無数の岩を、影で作った拳で砕く。そしてそれをイシズマイに食らわせる。
「イシズマイ!」
「決めるぞゴビット。爆裂パンチ!」
ゴビットは一気にイシズマイとの距離を縮め、その拳を爆裂させるように叩きつける。それを食らったイシズマイは、ドッカーンといった感じの爆音を轟かせ、戦闘不能となる。
「戻って、イシズマイ。……出て来て、プルリル!」
ミキが次に繰り出したのは、青い体躯にひだひだが付いているようなポケモン。プルリルだ。
「プルリル、水の波動!」
「ゴビット、ナイトヘッド」
プルリルは水の波動を放つが、ゴビットのナイトヘッドに相殺されてしまう。
「ゴビット、マグニチュード!」
そしてゴビットは、塔を揺らすような地響きを起こし、プルリルを攻撃する。
「ふむ。今のはマグニチュード5といったところか。この技は運次第だからな。仕方ないか」
とバイオは呟く。
「それではもう一発いくとするか。ゴビット、マグニチュード!」
バイオはゴビットに指示を出す。しかしゴビットは動かない。というより、動けないのだ。
「どうしたゴビット。マグニチュードだ」
バイオは指示を出すが、やはりゴビットはマグニチュードを使わない。というより使えないのだ。何故なら
「私のプルリルの特性は呪われボディ。相手から受けた技を3割の確率で封じる特性だよ」
つまりゴビットは、プルリルの特性呪われボディの効果で、技を封じられているのだ。
「さあ行くよプルリル。怪しい光!」
プルリルは名の通り、ゴビットに怪しげな閃光を放って混乱状態にする。
「そして次は、祟り目!」
祟り目とは、状態異状のポケモンに使用すると威力が2倍になる技。そしてゴビットはゴーストタイプ。祟り目によって弱点を突かれ、効果やタイプ相性も合わさって、威力は5倍以上に膨れ上がっている。
「ゴビット、戻れ」
勿論そんな威力の祟り目をゴビットが耐え切れるはずもなく、戦闘不能となった。
「バチュル、切り裂くだ!」
「バイバニラ、鉄壁」
バチュルの切り裂くは、またもバイバニラの鉄壁によって防がれる。
「物理攻撃はやっぱりきかないよなぁ……エレキネット!」
「氷の息吹」
趣向を変えてエレキネットを放つも、氷の息吹にかき消される。
「エレキボール!」
「ラスターカノン」
バチュルの放つ雷球と、バイバニラの放つ光球がぶつかり合い、打ち消し合う。
「……このままじゃ、埒があかないな……バチュル、雷!」
バチュルは特性複眼で攻撃の狙いを定め、雷を落とす。
「ぬぅ、バイバニラ!」
バイバニラは雷の直撃を受けた。戦闘不能ではないだろうが、相当なダメージを負っただろう。
「バイバニラ、氷柱針」
だがバイバニラも負けじと氷柱針を発射し、バチュルに突き刺す。
「ぐぅ、耐えろバチュル。エレキボール!」
「ラスターカノン!」
またしても雷球と光球が相殺し合う。
「切り裂くだ!」
そしてバチュルは、相殺し合う際に生じた砂煙に紛れてバイバニラに接近し、その爪で切り裂く。
「鉄壁」
だがバイバニラはそう仕込まれているかのような条件反射で鉄壁を使い、防御する。
「エレキネット!」
しかしバチュルはその鉄壁を見越してか、切り裂くを途中で中止し、エレキネットを放つ。
「小癪な……!」
至近距離で放たれたエレキネットなら、氷の息吹でかき消すことも出来ず、バイバニラには電気を帯びた網が絡まっている。
「下がれ、バチュル」
普通はここでさらに畳み掛けるところだが、バチュルはバイバニラから距離を取る。
「くっ、逃がさんぞ。バイバニラ、氷の息吹」
勿論後退するバチュルを見逃すほどバイバニラ——というかインディ——はお人好しではないので、氷の息吹で攻撃をしてくる。しかしこの行為は、イリスの作戦通りで、インディはその作戦にまんまと嵌められたわけである。
「バチュル、エレキボールだ!」
バチュルは渾身の力を振り絞ってのエレキボールを放つ。放たれた雷球は氷の息吹を突き破り、バイバニラに衝突する。
「バイバニラ!」
バイバニラは地面に落ち、目を回している。戦闘不能だ。
「戻れ、バイバニラ」
インディはバイバニラをボールに戻す。
「さあ、これでそっちのポケモンは残り1体。こっちはバチュルも含めて2体いるから、少しばかり僕らが有利かな?」
イリスは相手の戦意を削ぐために、軽口を叩く。しかしインディにそんなものが効くはずもなく、スルーされる方向になった。
「貴様は不運だ。俺はこのポケモンは普段は手持ちに入れないのだが、今回は入れている。言っておくが、今から俺が使うポケモンは、ポケモン1体でという条件なら、プラズマ団幹部の中では最強だ」
インディはそう前置きしてから、ポケモンを出す。
「出でよ、クリムガン!」
えーお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、登場人物紹介の欄のミキの手持ちが変更されています。と、それだけ報告です。では次回予告。次回も今回と大差はないですね。ミキがバイオ爺をぶっ飛ばして、イリスがインディ兄と戦って、という感じです。では、次回もお楽しみに。
- Re: 78章 ダストダス・クリムガン ( No.152 )
- 日時: 2011/05/29 15:07
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
「行けい、ダストダス!」
バイオは最後の手持ちにして切り札、ダストダスを繰り出す。
「……毒ガスは、無いんだね……」
「当たり前だ。あんなものそう何度も使えるものではない。それに、小生の好感度も下がるしな」
「誰に対する好感度かは知らないけど、今でもそれなりに人気は出てるっぽいよ。雑魚キャラとして」
「それは……なんか嫌だな……」
話もそこそこに、2人はバトルを再開する。
「プルリル、搾り取る!」
搾り取るは、相手の体力が多いほど威力を増す技。今のダストダスは体力が満タンなので、搾り取るの威力もいれなりに上がっているはずだ。しかし
「ダストダス、10万ボルト!」
ダストダスは体から電撃を放出し、プルリルを攻撃する。
「プルリル!」
戦闘不能にこそならなかったものの、プルリルはかなりのダメージを負ったことだろう。
「ダストダスの10万ボルトを耐えたか。しかし、次は確実に仕留めるぞ。ダストダス、ダストシュート!」
ダストダスは汚らしい物体を集め、それを圧縮して撃ち出す。それはプルリルに見事(?)激突し、プルリルを戦闘不能にした。
「戻って、プルリル」
「ふん。思ったよりも情けないな。たかが2発の攻撃で倒れるとは」
バイオは挑発気味に言う。大人気ない。
「……頼んだよ、バルチャイ!」
ミキはいつしかリオが使っていたバルジーナの進化前、バルチャイを繰り出す。
「バルチャイ、鋼の翼!」
バルチャイは翼を鋼の如き硬度にまで硬くし、ダストダスに打ち据える。
「ぬぅ、ダストダス、はたく!」
ダストダスは左腕(?)でバルチャイをはたき落とす。はたくは低級技だが、ダストダスのはかなりの威力がある。
「続けて突進!」
そしてさらに、ダストダスはその巨体にしては意外なほどのスピードでバルチャイに突進する。
「バルチャイ、しっぺ返し!」
しかしバルチャイはその突進を耐え切り、しっぺ返しで反撃する。
「ダストダス、10万ボルト!」
「バルチャイ、かわしてエアスラッシュ!」
バルチャイはダストダスの放つ電撃を避け、翼で空を切って空気の刃を飛ばす。
「怯むなダストダス。ダストシュート!」
ダストダスは汚らしい球体を作り、バルチャイ目掛けて発射する。
「バルチャイ、鋼の翼!」
しかしバルチャイはダストシュートを鋼の翼で消し去り、そのままダストダスに攻撃する。
「毒タイプの攻撃には、鋼タイプで帰すことが出来る。バルチャイ、ついばむ!」
バルチャイは鋼の翼を受け、仰け反っているダストダスを嘴でついばむ。
「ダストダス、10万ボルト!」
しかしダストダスも負けておらず、10万ボルトでバルチャイを引き剥がす。
「ダストシュート!」
ダストダスはこれで決めるつもりなのか、全力でダストシュートを放つ。
「それならバルチャイ、エアスラッシュ!」
バルチャイは普段の2倍くらいの大きさになっているダストシュートに対し、いつも通りの威力でエアスラッシュを放つ。
客観的に見れば無謀だが、この時に限ってはその選択は正解だと言える。何故なら、無駄な力が入れば切れなくなるからだ。ダストシュートを。
「なに!? ダストシュートを切り裂いただと!?」
ダストダスの放つダストシュートは、バルチャイの放ったエアスラッシュにより切り裂かれてしまった。ちなみにこの作戦は、サンヨウジムでイリスが使った技術を聞いて、それを応用したものである。
ダストシュートを切り裂いたエアスラッシュは、そのままダストダスも切り裂き、戦闘不能にする。
「ふぅ……」
ミキは一仕事終えたように、溜息をつく。
クリムガン、洞穴ポケモン。刃物のように鋭い爪と、岩よりも硬い皮膚を併せ持つドラゴンタイプのポケモン。
「クリムガン、ドラゴンクロー」
「かわせバチュル!」
バチュルはクリムガンのドラゴンクローを辛うじてかわす。
「バチュル、雷だ!」
特性複眼を持つバチュルの雷は、そうそう外れることはない。しかしインディのクリムガンは、それを当然のように回避する。
「ふん。大したことないな」
インディは挑発するように、というかまるっきり挑発する。
「んだと……バチュル、エレキネット!」
挑発に載せられたイリスは、攻撃腰になる。
「ドラゴンクロー」
しかしバチュルの放ったエレキネットは、クリムガンのドラゴンクローで引き裂かれてしまう。
「だったら、エレキボール!」
バチュルはエレキネットよりも強度の高いエレキボールを放つが
「クリムガン、龍の怒りだ」
クリムガンは口からエネルギーを龍の形にしたようなものを発射し、エレキボールを飲み込んでバチュルも飲み込む。
「バチュル!」
龍の怒りに飲み込まれたバチュルはなんとか持ちこたえたが、もうふらふらで、ほぼ瀕死状態である。
「ほう、耐えたか。しかし次でそのバチュルは終わりだ。クリムガン、気合玉」
クリムガンは気合を練った球を作り出し、それをバチュルに向けて撃ち込む。そしてバチュルは気合玉の直撃を受け、戦闘不能となる。
「戻れ、バチュル」
イリスはバチュルをボールに戻し、次のポケモンが入ったボールを出す。
「さあ、後はお前だけが頼りだ。頼むぞ、フタチマル!」
さあ、ついにミキはバイオを倒しました。そしてイリスですが、少し押され気味です。でもしかし、逆転してくれると信じています!……いや、書くのは僕なので、展開も僕が決められるんですけどね?というわけで、次回あたりがイリス対インディのバトル、決着です。お楽しみに。
- Re: 79章 単体戦最強の龍 ( No.153 )
- 日時: 2011/05/29 22:33
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
「クリムガン、気合玉だ」
クリムガンは気合を込めた玉を発射する。
「ホタチで弾き返せ!」
しかしフタチマルは持ち前のホタチで気合玉を弾く。
「水の誓いだ!」
そして水柱を作り、クリムガンの移動を制限する。
「シェルブレード!」
最後にフタチマルはクリムガンに接近し、シェルブレードを放つ。
「クリムガン、ポイズンテール」
しかしクリムガンの反射神経はかなりのもので、フタチマルが接近してすぐ、体を捻り、その尻尾をフタチマルの体躯に叩きつける。それも、猛毒付きで。
「フタチマル、大丈夫か?」
大きく後退したフタチマルは、力強く頷く。幸い今のポイズンテールは決まりが浅く、毒状態にもならなかった。
「よし。フタチマル、ハイドロポンプ!」
フタチマルは大きく息を吸い込み、超高圧の水流を放つ。
「クリムガン、龍の怒り」
対するクリムガンは、口からエネルギーを凝縮して作り出した龍を放つ。水流と龍がぶつかり合い、互いにせめぎ合う。結果、ハイドロポンプが龍の怒りに飲み込まれ、フタチマルも攻撃を受ける。
「フタチマル、水の誓いだ!」
水の誓いはフタチマルが使える技の中で唯一視界が遮られていても使える技。狙って使うか、アトランダムに水柱を作り出すかを選ぶことが出来るのだ。
「ふん。その程度じゃ、俺のクリムガンを倒すことは出来んぞ」
水柱はクリムガンに当たったが、如何せんタイプ相性が悪いため、大した威力にはならなかった。
「クリムガン、ドラゴンクロー」
クリムガンは意外と素早い動きでフタチマルに接近し、龍の力を込めた爪で切り裂く。
「フタチマル、シェルブレード!」
しかしフタチマルも負けず劣らずのシェルブレードで迎え撃つ。クリムガンの爪とフタチマルのホタチがまさに鍔迫り合いになり、火花を散らしている。
「クリムガン、ポイズンテール」
突如クリムガンは後に後退し、その場で体を回転させる。体の動きに連動して、クリムガンの尻尾も動くが、その尻尾はただ動くのではなく、毒を帯びていて、しかもフタチマルを狙っている。
「! 避けろ、フタチマル!」
フタチマルは後に下がり、間一髪のところでそのポイズンテールをかわしたが、尻尾の先がホタチを掠め、そのまま弾いてしまった。ホタチはカラカラという音をたてながら床を滑っていく。かなり遠くに弾かれたので、このバトルでの回収は無理だろう。
「さて、イリスよ。貴様のフタチマルはホタチを片方失った。フタチマルにとってホタチを失くすというのは、その力を半減させることに等しい。それでも、やるか?」
インディは挑発的、否、威圧的に言う。
「…………」
対するイリスは黙りこくってしまう。
「……まあ、どちらでも良い。俺がお前の消すことには変わりないからな。クリムガン、ドラゴンクロー」
インディがそう言うと、クリムガンは爪に龍の力を込め、フタチマルを切り裂きに掛かる。
「……別に、ホタチは1つでもやっていける。フタチマル、シェルブレード!」
フタチマルはホタチ1つでシェルブレードを放つ。
「無駄な足掻きだ」
クリムガンのドラゴンクローはホタチに防がれてしまったが、それは片手だけ。クリムガンはもう片方の手の爪でフタチマルを切り裂く。
「クリムガン、龍の怒り」
そして続けざまに龍の怒りを放ち、フタチマルを壁際まで押しやる。
「まだだ。フタチマル、シェルブレード!」
フタチマルはホタチを構え、クリムガンに突っ込んでいくが
「無駄だと言っているだろう。クリムガン、ポイズンテール」
クリムガンのポイズンテールにより、フタチマルのホタチはまたも遠くに弾かれてしまう。
「さあ、これでそのフタチマルのホタチはなくなった。もうこちらの技を防ぐ術はない。クリムガン、気合玉」
防御されないと分かるや否や、クリムガンは気合玉をフタチマルに放つ。
「ぐぅ……フタチマル……」
「まだだ、龍の怒り」
クリムガンはさらにエネルギーを圧縮して作った龍で、フタチマルを飲み込む。
「止めだ、ドラゴンクロー」
クリムガンの猛攻は続き、龍の力が流れ込んだ爪で、フタチマルを切り裂く。しかし
「フタチマル、冷凍ビーム」
フタチマルは接近してきたクリムガンに、凍るような光線を発射する。光線の直撃を食らったクリムガンは、体が凍り付いていき、やがて氷に覆われる。
「なに!? 冷凍ビームを覚えていたのか!」
「まあね。といっても、まだまだ不安定で、ある程度距離が離れてたら、きっとかわされてた。だからクリムガンが無防備に突っ込んでくる時を待ってたんだ」
イリスはそう説明する。ちなみにクリムガンは戦闘不能だ。ドラゴンタイプの数少ない弱点、氷タイプの技の直撃を受けたのだから。
「……良かろう。俺の負けだ。煮るなり焼くなり落とすなり、好きにしろ」
「いやいや、別にそいうのじゃないだろ、今までのは。というかあんたちょっと古風じゃないか? 口調とか態度とか——」
『バリバリバリッシュ!』
イリスの言葉の途中、閃光とともにそんな鳴き声が聞こえてきた。それもかなり近い。恐らくこの上だ。
「N様、ゼクロムの復活が終わったのか……イリスよ。俺はもうここにいる意味がなくなった。この先に進みたいのなら、好きにするがいい」
「最初からそのつもりだよ」
そう言ってイリスは階段に向けて駆け出す。
「この先に行くなら気をつけよ。下手したら、命が危うい」
インディはイリスとのすれ違い様、誰にも聞こえないくらい小さく、呟いた。
イリス対インディ、ついに終了です。勿論勝ったのはイリスでしたね。まあ、負けたらイベントが発生しないから当然なんですが。さて次回は、ついにゼクロムの登場です。お楽しみに。
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