二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄 完結、そして……
日時: 2011/07/29 00:16
名前: 白黒 (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22252

はじめまして、白黒です。
白黒にちなんでポケットモンスターブラック・ホワイトの小説を書こうと思いました。
内容はオリジナルの要素を含みながら、ゲームの通りに進行したいと思います。
何分まだ中学生で、文才もないですが、それでも読んでくれたらありがたいです。
コメントを貰えれば、幸いです。
無事完結致しました。そしてこの物語は、次回作の『混濁の使者』へと続いていきます。参照をクリックして頂ければ、そちらに飛びますので。

登場人物
>>28

プロローグ
>>2
カラクサタウン
>>4
サンヨウシティ
>>5 >>6 >>7 >>8 >>13
シッポウシティ
>>14 >>15 >>16 >>21 >>27
ヒウンシティ
>>29 >>32 >>33 >>42 >>44 >>45 >>47 >>50 >>51 >>54
ライモンシティ
>>55 >>59 >>61 >>62 >>63 >>64 >>65 >>69 >>70 >>71 >>72 >>73 >>74 >>76 >>79 >>80
ホドモエシティ
>>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>89 >>90 >>92 >>95 >>96 >>100 >>101 >>102 >>106 >>107 >>108 >>113 >>114 >>115
フキヨセシティ
>>119 >>122 >>123 >>125 >>126 >>127 >>128 >>129 >>130 >>131
セッカシティ
>>132 >>133 >>136 >>137 >>145 >>146 >>147 >>148 >>149 >>150 >>151 >>152 >>153 >>155 >>159 >>162 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167
バトルサブウェイ
>>196 >>199 >>200 >>205 >>207 >>208 >>209 >>210 >>211 >>213 >>217 >>218 
ソウリュウシティ
>>227 >>235 >>238 >>239 >>242 >>243 >>246 >>249 >>250 >>253 >>254 >>256 >>259 >>260 >>261 >>262 >>263 >>268 >>269 >>271 >>272 >>275 >>279 >>280 >>281 >>284 >>285 >>287 >>288 >>289 >>290 >>291
ポケモンリーグ
>>292 >>293 >>294 >>295 >>296 >>297 >>298 >>299 >>300 >>301 >>302 >>305 >>306 >>307 >>308 >>309 >>310 >>311 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>320 >>321 >>322 >>323 >>324 >>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>340 >>343 >>344 >>347 >>348 >>349
エピローグ
>>350
番外編
ミキの特訓 前後編 >>52 >>53
トライアルハウスバトル 前後編 >>81 >>82
旧ライモン遊園地の夜 前後編>>111 >>>112
四季の川 前後編>>143 >>144
Heaven of battle 前後編 >>168 >>169
過去のプラズマ 前後編 >>282 >>283
マルチバトルサブウェイ 前中後編 >>317 >>318 >>319
夢のドリームマッチ 対戦表
リオVSメイル >>181 >>184 >>187 >>188
アカリVSキリハ >>189 >>190 >>191
ムントVSレンジ >>192 >>193 >>194 >>195
100章記念 イリスQ&A
>>231 >>232 >>233 >>234

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Re: 20章 孵化 ( No.51 )
日時: 2011/04/11 22:35
名前: 白黒 (ID: /LylQYeE)
参照: http:/BUENOSUAIRESU

「ハハコモリ、葉っぱカッター!」
「シキジカ!」
ハハコモリの葉っぱカッターが、シキジカ目掛けて飛んでいき、シキジカに、直撃した。が
「!? 効いてない……!?」
「え、何で……?」
シキジカに直撃した葉っぱカッターは、そのままシキジカに吸収されるように消えていった。その光景に、アーティだけでなくミキも驚いている。
「シキジカの特性、草食だよ」
そう、観覧席の方から声がした。イリスの声だ。
「特性草食は、草タイプの攻撃を受けても、それを無効にできる」
「なるほどね。そういうことか」
アーティが納得しようにそう言う。
「え? 師匠、私のシキジカの特性知ってたんですか?」
「うん、知ってた」
知ってたらしい。
「さて、葉っぱカッターが効かないと分かれば、別の技を使うまでさ。ハハコモリ、虫の抵抗」
「シキジカ、避けて!」
シキジカは素早い動きで撃ち出してくる無数の虫を避ける。
「ハハコモリ、切り裂くだ!」
「シキジカ、二度蹴り!」
ハハコモリの切り裂くとシキジカの二度蹴りが、それぞれ2回ずつぶつかり合い、シキジカが吹っ飛ばされた。
「シキジカ!」
「止めだハハコモリ。破壊光線!」
ハハコモリが触角の間に力を溜め、撃ち出そうとするが
「シキジカ、草笛!」
シキジカがよく通る音色を響かせ、ハハコモリは眠り状態となった。
「なに!? ハハコモリ!」
「シキジカ、突進!」
シキジカは眠っているハハコモリ目掛けて全力疾走で突撃する。
「特性草食には、もう1つ効果がある」
イリスが、付け足すようにそう言う。
「吸収した技を力に変え、攻撃力を高めることが出来る!」
シキジカはいつもの1、5倍くらいの速度と威力で、ハハコモリに突撃した。
「ハハコモリ!」
ハハコモリは戦闘不能となり、ミキはジム戦に勝利した。

「ミキちゃん、ジム戦勝利、おめでとう」
ジム戦勝利後、ミキとイリスはPDO入隊手続きのため、PDOヒウン支部で手続きを済ませ、ポケモンセンターの宿舎で休んでいた。
「そんな、師匠のおかげです」
そうは言うが、ミキはかなり嬉しそうな顔をしている。
「それよりも師匠。それ、ポケモンのタマゴですよね?」
「うん、そうだよ。ジョーイさんが、もうすぐ生まれるって言ってた」
「そうですか。よかったですね。どんなポケモンがうまれるんでしょう?」
「さあ? 生まれてみないと分からないさ」

翌日。
「タマゴが動いてる!」
「本当ですか!?」
翌日といっても、現在夜中の3時。熟睡していてもおかしくないのだが、イリスはタマゴの動きを敏感に察知し、ミキはイリスの声に敏感に反応した。
「ほら!」
「うわぁ、本当ですね……」
タマゴは、一定のリズムでカタカタと動いている。
「もうすぐ生まれるんだ」
「どんなポケモンが生まれるのでしょう……?」
タマゴの動きはだんだんと早まり、やがてパキッとタマゴが割れていく。
「生まれるよ」
「はい」
パキ、パキパキパキ。と、タマゴが割れていき、生まれる瞬間に光り輝く。
「どんなポケモンが」
「生まれるのでしょう」
光が収まり、そこにいたポケモンは
「……ズルッグだ……」
「……ズルッグですね……」
「とりあえずは、こいつをボールに入れないと」
イリスがズルッグをボールに入れようとすると、ズルッグが頭突きをかましてきた。
「痛!」
「師匠、大丈夫ですか!?」
こんな感じの騒動があり、無事ズルッグは捕まえられました。

ヒウンシティは大都市なので、ポケモンバトルなども活発に行われている。
たとえば、そう。ストリートファイト的な感じで、ストリートバトルといい、路上でポケモンバトルをすることも出来る。
で、イリスはズルッグを鍛えるべく、ストリートバトルを行っていた。
「ズルッグ、頭突きだ!」
「クルマユ、守る!」
相手のポケモンはクルミルの進化系、クルマユだ。
「クルマユ、葉っぱカッター!」
「避けろズルッグ、飛び膝蹴り!」
ズルッグの飛び膝がクルマユに直撃した。
「クルマユ、糸を吐く!」
クルマユはズルッグに向けて糸を吐き、身動きを取れなくした。
「葉っぱカッター!」
ズルッグは葉っぱカッターをまともに食らい、結構なダメージを負った。
「ズルッグ、炎のパンチだ!」
ズルッグのタマゴ技の1つ、炎のパンチをクルマユはもろに食らい、かなりのダメージを受けた。
「クルマユ、じたばた!」
じたばたは自分の体力が少ないほど威力があがる技。かなりの威力のじたばたをうけ、ズルッグは今度こそピンチになったが
「ズルッグ、カウンター!」
ズルッグのタマゴ技の1つ、カウンターがクルマユに決まった。カウンターは、自分の受けた物理技のダメージを倍ににして相手に返す技。残り体力の少ないクルマユのじたばたの倍のダメージをクルマユは受けたのだ。耐え切れるわけがなく、クルマユは戦闘不能になった。
「クルマユ!」
「ふう、辛勝ってところだな。ズルッグ、よくやってくれた。戻って休んでくれ」
そう言ってイリスはズルッグをボールに戻した。
「師匠!」
ミキが駆け寄ってきた。
「そのズルッグ、生まれたばかりとは思えないほど強いですね!」
「うん、そうなんだけど、まだ技に頼ってる所があるかな。これからじっくりと育てていこうと思う」
「ですか。それじゃあ、ポケモンセンターで1泊したら、出発しましょう」
「うん、そうだね」
イリスは新たなポケモン、ズルッグを手に入れ、次のジムがあるライモンシティを目指すのだった。

「ところでミキちゃん。もうバッジ手に入れたんだから、僕について来る必要なくない?」
「あ、えっと、それは……別にいいじゃないですか!」
「まあ、別にいいけどさ……ん? ミキちゃん顔赤いよ? 風邪でも引いた?」
「な、何でもありませんっ。早く行きましょう」
「え、ちょ、どうしたの? 何か僕悪いことした?」
「何でもありません!」
「あ、待って。歩くの速いよ。待ってよ!」



今回はミキがついにバッジをゲットしました。そして、ついにあの時のタマゴが孵化しました。でも、僕としては最後の方が見所ですが。次回は……特に決まってません(キッパリ)。では、また。

Re: 番外編 ミキの特訓 前編 ( No.52 )
日時: 2011/04/12 00:57
名前: 白黒 (ID: /LylQYeE)
参照: http:/BUENOSUAIRESU

ミキがヒウンジムに挑戦する前日。ミキはイリスと共に特訓をしていた、のだが
「これより、ミキ対リオ、3対3のポケモンバトルを始めます」
こんなことになってしまった。
「なお、今回は特別ルールとして、ミキは3体、リオは1対、ポケモンが戦闘不能になった時点でバトル終了です」
何故こうなったかを説明するために回想シーンに入ると、文字数がやばいことになるため、いろいろはしょって要所要所を抜き出し説明すると、こうだ。

イリスとミキが特訓している最中、リオが書類の整理といったデスクワークを投げ出し、暇つぶしのためにイリスとミキの特訓を見に来た。そこでキリハがやって来て、リオに仕事をするように命じるが、リオは一向に首を縦に振らない。キリハが「遊んでいる暇があるなら仕事をしろ」と言ったら、リオが「今までミキちゃんの特訓に付き合ってあげたのよ。新人隊員の育成も仕事の1つよ」と嘘を言い出したので「それじゃあミキちゃんがどこまで強くなったか見せてみろ」と言ったので「いいわ、私とミキちゃんでバトルして、ミキちゃんの成長っぷりを見せてあげるわ!」と言った。ちなみにここでイリスが「ヒウン支部統括のAランク隊員であるリオさんがミキちゃんとバトルしても意味無いんじゃないですか? 結果は目に見えてますし、リオさんが教えたと言うなら他の人がバトルすべきでしょう」と言ったら「手加減はするしハンデも与えるわ。それに、師を越えないと弟子は一人前になれないの!」と言った。そこですかさず「手加減にハンデ有りじゃ勝っても師を越えたとは言えないでしょう」とつっこんだ。

なんか抜粋部分がおかしい気もしなくもないが、概ねこんな感じだ。本当は台詞の合間にもっといろいろ論争があったが、省かせてもらった。
そんなこんなでミキ対リオのスペシャルマッチが始まる。
「出て来て、オノノクス!」
リオの先発はオノノクスだ。
「ならこっちは、モグリュー!」
ミキの先発はモグリュー。
2人がポケモンを出したところで、バトル開始。
「オノノクス、龍の舞」
オノノクスが力強いオーラのようなものを纏った。
「リオ、龍の舞使うって、絶対本気だろ……」
ぼやくキリハだった。
「ダブルチョップ!」
オノノクスは両手に力を込め、その2つの手を時間差で振り下ろす。
「モグリュー、守る!」
しかしモグリューは自分の周りにバリアのようなものを張り、攻撃を防御する。
「続けてメタルクロー!」
攻撃を防御した流れに乗り、メタルクローを放つが、全然効いていない。レベル差があり過ぎるのだ。
「オノノクス、瓦割り!」
「モグリュー守る!」
「どうもミキちゃんは、守るで攻撃を防御しながら攻撃する戦法みたいですね」
「確かにレベル差がありすぎるミキちゃんにはそれが最善の手だろうけど、リオには通じないだろうね、その戦法」
それはどういうことですか?とイリスが聞こうとすると、リオは次の行動に移った。
「オノノクス、挑発!」
オノノクスがモグリューを挑発する。
「なるほど、そういうことですか」
「そういうことだよ。挑発は相手に攻撃しかさせない技。これで守るは封じられた」
「オノノクス、ダブルチョップ!」
オノノクスのダブルチョップがモグリューに炸裂する。龍の舞で攻撃を上げているうえに莫大なレベル差があるオノノクスのダブルチョップを耐え切れず、モグリューは戦闘不能になった。
「モグリュー、戻って。出て来て、コジョフー!」
「戻って、オノノクス。次はこのポケモンよ。ナットレイ!」
ミキはコジョフーを出し、リオはオノノクスを交代させ、ナットレイを繰り出す。
「何で、オノノクスを交代したのでしょう? しかも繰り出すのがゴーストタイプのシャンデラではなく鋼タイプを持つナットレイを」
「さあ? 僕にもリオの考えてることは分からない。でも、1つだけ言える」
「何ですか?」
「リオ、ポケモンバトルに熱中して手加減とか絶対してない」
「……確かに」



今回は番外編をかいてみました、しかも前後編。バトルシーンを書きだすと文字数がえらい事になるんですよ、許してください。霧火さんの投稿してくださったリオですが、一回出て終わりというのは寂しいと思いまして(まあ、最後の方に出す予定はありますが)番外で書かせて頂きました。他の投稿してくださった皆さんのオリキャラもいずれ出します。いやいっそのこと番外はオリキャラの見せ場にしようかな……とまあ長いあとがきになってしまいました。次回も番外、後編です。お楽しみに。

Re: 番外編 ミキの特訓 後編 ( No.53 )
日時: 2011/04/12 18:31
名前: 白黒 (ID: /LylQYeE)
参照: http:/BUENOSUAIRESU

「コジョフー、飛び蹴り!」
「ナットレイ、呪い!」
ミキ対リオのスペシャルマッチは、リオのオノノクスがミキのモグリューを下し、コジョフー対ナットレイの戦いに持ち込んだ。
「コジョフー、スピードスター!」
「ナットレイ、パワーウィップ!」
コジョフーのスピードスターをナットレイがパワーウィップで叩き落す。
「ナットレイ、アイアンヘッド!」
「避けてコジョフー!」
「ナットレイ、電磁波!」
「かわして飛び蹴り!」
といった感じで、コジョフーはナットレイの技を避けながら攻撃している。
「ミキちゃんは、コジョフーのスピードを生かし、ナットレイの弱点—タイプ的ではなく、能力的な弱点—を突いて攻める戦法みたいだね。如何せんあのナットレイはマイペースで動きが鈍いからね」
「それが最善の手でしょうしね。でも、あのナットレイ、かなりの防御力ですよ。いくらナットレイが防御に秀でているとはいえ、あれだけ弱点を突いた攻撃を食らっても、全然効いていないみたいですし。それどころかコジョフーの方が……!」
「気がついたみたいだね。そう、ナットレイは防御力が高く、防戦になりがちだ。でも、それでいい。あのナットレイの特性は鉄の棘。さらにゴツゴツメットを道具として持っている。両方とも直接攻撃を受けると相手にダメージを与える効果がある。相手が物理技をメインで使うのならば、あのナットレイはほぼ無敵だ」
「コジョフー、ドレインパンチ!」
コジョフーのドレインパンチがナットレイにヒットする。
「ミキちゃんのコジョフーが、ドレインパンチを使い始めましたね」
「たぶん、リオの意図に気づいたんだろうね。ドレインパンチは攻撃と同時に体力を回復する技」
「ナットレイの鉄の棘とゴツゴツメットによる相乗効果のダメージを回復するつもりでしょう」
「でも、そううまくはいかないものだよ」
「戻って、ナットレイ」
「ナットレイ、戻しちゃいましたよ?」
「イリス君。コジョフーの覚えている技はなんだい?」
「え? えっと、飛び蹴り、ドレインパンチ、スピードスター、当て身投げです」
「なら、コジョフーの負けは確定したよ」
「まあ、確かに勝てるとは思いませんが、確定って……」
「根性論じゃなくて、物理的に不可能なんだよ。次にリオの出すポケモンを予想してみて」
「……ああ、なるほど」
「そういうこと」
リオはナットレイをボールに戻し、新たにシャンデラを繰り出した。
「シャンデラの特性は影踏み。あのコジョフーは逃げられず、攻撃も当たらないから負け確定だよ」
「シャンデラ、鬼火!」
シャンデラはイリスのデスマスのよりも大きく速い鬼火をコジョフーに放った。
「コジョフー!」
「祟り目!」
祟り目は相手が状態異常の時威力が倍になる技だ。コジョフーはそれにより戦闘不能となって、ボールに戻された。
「……出て来て、シキジカ!」
ミキは最後にシキジカを繰り出した。
「ミキちゃんは3体しかポケモンを持っていないよね」
「はい。だから、あのシキジカを出すのも、やられると思って出していると思います」
「シキジカの覚えてる技は?」
「二度蹴り、突進。エナジーボール、草笛です」
「これも、勝負あったね」
「はい」
「シャンデラ、目覚めるパワー!」
シャンデラは水色の球体を無数に自分の周囲に浮かべ、シキジカ目掛けて発射した。
「シキジカ、エナジーボール!」
シキジカは苦し紛れにエナジーボールを撃つが、目覚めるパワーで相殺されてしまった。
目覚めるパワーはシキジカには直接ヒットせず、足元にヒットし、足元を凍りつかせた。
「シャンデラ、大文字!」
止めにシャンデラは動けないシキジカに大文字を放った。
「シキジカ!」
炎が収まると、シキジカは倒れ、戦闘不能になっていた。
「シキジカ戦闘不能、シャンデラの勝ち。よって勝者は、リオ」
キリハは嬉しそうな表情のリオに何とも言えない冷たい感じの眼差しを向けてそう判定を下した。

PDOヒウン支部、救護室。
そのベンチにキリハとイリスは並んで座っていた。
「キリハさん、僕は今回のバトル、意味があったようには思えないのですが」
イリスがそう言うと
「イリス君は、ポケモンバトルとは育み学ぶもの、という言葉を知っているかい?」
「? いえ、知りません」
「この言葉はね、ポケモンバトルとは、勝ってポケモンを育て、負けてバトルを学べ、という意味なんだ」
「はあ……」
「勝てばポケモンは育つ、負ければ育たない。しかし、負けて育つのはトレーナーなんだよ」
「トレーナー、ですか?」
「うん。勝てばトレーナーは次も勝てると楽観するけど、負ければ次も負けるのでは?と悲観してしまう。そして、大事なのはその後。楽観しても、ポケモンの力に自惚れ、溺れないようにすること。悲観しても、勝ちたいと思い、勝とうと努力すること。僕はさっきのバトルが、ミキちゃんにとって、次へ繋がる糧になると思っているよ。リオもきっと、そう思ってバトルをしたんだと思うよ」
「キリハさん……」
「ちなみにこれは、君にも言える事だ」
「……良いお話、ありがとうございました。リオさんにも、お礼を言っておいてください」
「了解したよ」
「お願いします」
イリスは、少しミキを放っておこうと思った。
明日、ミキがジム戦に勝利することを信じて。



初の番外、前後編終了しました。感傷的てきというか、感動的というか、哲学的なことはちょっと苦手でして、最後のほうとか変かもしれませんが、ご了承ください。僕はバトルが好きでポケモンやっているような奴なんで、色恋沙汰もシリアスも苦手なんです。それでは話を変えまして、次回は……すみません、まだ決まってません。なるべく早く決めますので、次回を期待せず待ってくれてたら嬉しいです。

Re: 21章 黒星 ( No.54 )
日時: 2011/04/13 23:58
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http:/BUENOSUAIRESU

4番道路。
そこは、砂嵐の吹きつける砂漠だった。
「砂嵐が酷いな、これ。ミキちゃん、大丈夫かい?」
「はい。大丈夫です、師匠」
運が悪い事に、今日の砂嵐は特に酷く、この辺りに住みついているだろうポケモンすら出て来ない。
「やれやれ、こんなことなら引き返しておけば良かった」
「そんなこと言っても後の祭りですよう。同意はしますけど」
同意はするらしかった。
「どこかに民家とかないかな。あれば砂嵐が弱くなるまで休ませて欲しいよ」
「ここまでの道中に1軒ありましたけど、たぶんこのまま進んだほうが早いです」
「なら、そうするとしよう」
それから、2人は黙々と砂嵐の吹き荒れる砂漠を進んでいった。

「参ったな……もう方向感覚も狂ってきた……」
「ですね……」
重ねて運が悪い事に、砂嵐は強くなる一方で、もう一寸先も見えない状態だ。
「ふう、こうなったら仕方ない。出て来い、ワシボン」
イリスはボールからワシボンを出した。
「ワシボンを出してどうするんですか?」
もっともだった。
「僕のワシボンの特性は鋭い目。用途は違う気がするけど、ワシボンならこの砂嵐の中でも十全に周りが見渡せると思うよ」
「なるほど」
そう言ってミキはメモを取ろうとしたが、砂嵐でどこかに飛んでいってしまった。
「さあ、行くよ」
飛んでいったメモを追おうとしているミキの首根っこを掴んでイリスは先に進んでいく。

イリスとミキは、ワシボンの特性、鋭い目によって砂嵐の中でもスイスイと進むことができた。
「師匠の発想も凄いですが、ワシボンの鋭い目はもっと凄いですね!」
「いや、ワシボンが居てこその発想なんだけど……」
イリスは軽く傷ついた。
と、その時。ワシボンが鳴き声を上げた。
「ワシボン、どうしたの?」
するとワシボンは、翼を前方に向ける。イリスは目を凝らして前方を注視すると、人影が見えた。
「お前がイリスか?」
その人影はいつの間にか近くに寄って来て、開口一番にそう言った。
「そうですけど、あなたは……!?」
イリスは近づいてきた人物をよく見ると、左腕が無いことに気がつき、目を剥く。
「私はメイルだ。……出て来い、アーケオス」
メイルは、手短にそう名乗ると、ポケモンを繰り出してきた。
「アクロバットだ」
イリスは再び目を剥く。いや、目を疑った。アクロバットならサンヨウジムのデントのヤナッキーが使用していたから知っている。目で追うのがやっとなくらい高速で動いて攻撃する技だ。しかし
「!? ワシボン!」
メイルのアーケオスは、その場から動かず、否、視認できないほどのスピードでワシボンを倒し、もとの位置に寸分違わず戻ったのだ。
「何だ今の……? 全く見えなかった……」
イリスは呆然と立ち尽くし、ミキは本能的な恐怖心で固まっている。
「こんなものか……」
まるで死んでいるような、そんな目でイリスを見据え、そう吐き捨てる。
「! まだだ、出て来いデスマス!」
イリスは怒りに任せてポケモンを繰り出す。
「アーケオス、アクロバット」
だがやはり、デスマスはアーケオスのアクロバットで瞬殺された。
「ズルッグ!」
冷静な判断力も失っているのか、アーケオスと相性の悪いズルッグを繰り出す。
「アクロバット」
ズルッグはワシボン、デスマスの様に高速、もしくは光速のアクロバットで倒される。
「ゲーチスが油断なら無いと言うからどんな奴かと思いきや、とんだ雑魚だったな」
「ゲーチス!? お前、プラズマ団か!」
「いや、私はプラズマ団ではない。時々ゲーチスに頼まれて動くだけだ」
「プラズマ団の加担者ってことか……フタチマル!」
イリスは最後の望みにフタチマルを繰り出す。逆転してくれると、勝利へ導いてくれると信じて。
「アーケオス、アクロバット」
「フタチマル、シェルブレード!」
アーケオスは一瞬消え、フタチマルは居合い抜きのようにホタチで薙ぐ。
バタリ
倒れたのは
「フタチマル!」
フタチマルだった。
「戻れ、アーケオス。……ゲーチスが危険視し、Nが興味を持ったトレーナー。この程度だったか」
メイルはアーケオスをボールに戻すしそう言うと、長い銀髪をなびかせながら砂嵐の中に消えていった。
「フタチマル……みんな……」
バタリ
先ほどのフタチマルの様に、イリスは倒れた。
「師匠ー!」
硬直から解放されたミキが、倒れたイリスに駆け寄る。

このメイルという少女との一戦で、イリスのこれまでの戦歴に初めて、黒星が刻まれたのだった。



まず最初に。不思議のプレートさん、1番最初にオリキャラを投稿してくださったのに、出すのが遅れてすいません。これからはなるべく出していくつもりです(もちろん他の方々のオリキャラも出させて頂きます)。さて、お詫び申し上げたところで、軽く本編の説明です(今回は本編が短いからあとがきがたくさん書けます)。今回はイリスが負けるお話です。初めて負けます、ボロ負けです。……イリスに誹謗中傷をするのはやめて、次回予告です。次回はジム戦ですが、イリスがスランプに陥ります。お楽しみに。

Re: 22章 失望 ( No.55 )
日時: 2011/04/14 00:49
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http:/BUENOSUAIRESU

イリスは目が覚めたら、ベッドに寝ていた。
「ここは……?」
「ライモンシティのポケモンセンターの宿舎だよ」
独白のつもりで言ったのに、律儀に誰かが返答してくれた。
チェレンだった。
「チェレン……君は、もうとっくにライモンジムでバッジをゲットして、ホドモエシティに向かっているのだと思っていたよ」
「気がついた後だとは思えないくらい冷静に自分の考えを述べるね、君は」
「ところで、何でチェレンがここに?」
「実は、僕も君を倒したトレーナーと戦ったんだが、惨敗したよ……」
「そう……」
「そして、ジム戦もあることだし、ポケモンを鍛えるために4番道路にいたら、倒れていた君と君の弟子だという女の子を発見して、ここまで運んだ」
「そうか、ありがとう。……ミキちゃん、僕の弟子は?」
「まだ寝てるよ。君が倒れて、ショックだったんだろうね。それと、結構長い間君の側にいたから、疲れたんだろう」
「そう、か……」
「君はこれからどうするんだい?」
「ジムに挑戦するよ。それしかない」
「そうか。なら今回は先を譲るよ」
「僕とジムリーダーのバトルを見て相手の戦術を知るっていう魂胆だろ?」
「まあね」
どこ吹く風でチェレンはそう答えた。

ライモンシティジムは遊園地の敷地内、それも1つのアトラクションとしても機能してるらしい。
屋内ジェットコースター。
そう言うべきものが、ジム中にはあった。
「ようこそライモンシティジムへ。私はジムリーダーのカミツレ。よろしく」
ジムリーダー、カミツレはそう名乗った。実は、イリスとチェレンはその名前を知っていた。カミツレはジムリーダーよりも本業であるモデルとしての方が有名で、旅に出る前はベルがよく話していた。
「それで、チャレンジャーは誰?」
「僕です」
イリスが手を上げる。
「そう。じゃ、こっち来て」
そう言って、カミツレはジムの奥に入っていく。
ジムの奥にもジェットコースターがあったが、さっきのアトラクションとしてのものとは違うようだ。
「このライモンシティでのルールを説明するわ。まずトレーナーはこのジェットコースターに乗る」
そう言って、近くの小型ジェットコースターに手を置く。
「このジムではこのジェットコースターに乗ってバトルしてもらうわ。このコースターはバトルフィールドの周りを回り続ける。バトルフィールドは、数本のレールが不規則に湾曲した造りになっていて、足を踏み外したりしたら、下のネットに落ちる。ここに落ちたら強制的にポケモン交代。最後の1匹だったなら判定負けよ」
変わったルールだと思った。
ポケモンジムは、ジムによってルールが微妙に違うことがある。サンヨウシティやシッポウシティは、バトルの前の事だったが、これはバトルそのものに干渉している。
「それから、使用ポケモンは3体よ。それじゃあ早速始めましょう。エモンガ」
そう言ってカミツレはコースターに乗り込み、ポケモンを出した。
「……出て来い、デスマス!」
イリスもコースターに乗り込み、デスマスを繰り出す。
「エモンガ、燕返し」
エモンガは高速でデスマスに突っ込む。
「……!デスマス、しっぺ返しだ!」
デスマスは手に力を込めるが、エモンガのスピードはかなり速く、あっと言う間にデスマスを攻撃する。
「く……デスマス、鬼火!」
「エモンガ、放電よ」
デスマスが青白い炎の玉を出すが、エモンガが回りに電撃を放ち、デスマスは倒れた。
「あぅ……デスマスやられちゃった……」
「…………」
観覧席で心配そうに観戦するミキと、黙って観戦するチェレンだった。
「出て来い、ワシボン!」
イリスの2番手はワシボンだった。
「ワシボン、ブレイククロー!」
「エモンガ、ボルトチェンジ」
ワシボンがエモンガに接近すると、エモンガは電撃を撃ち出してきた。
「ワシボン!」
急所に当たったらしくワシボンは一撃で戦闘不能となった。
「戻れワシボン。出て来てくれ、フタチマル!」
「戻って、エモンガ。出て来て、ゼブライガ」
カミツレもポケモンを交代させた。
「? ジムではポケモンの交代はチャレンジャーだけだったような……」
「ボルトチェンジは攻撃と同時にポケモンを入れ替える技なの。行くわよゼブライガ、ボルトチェンジ」
また電撃を撃ってきた。
「ホタチで防御だ、シェルブレード!」
フタチマルはボルトチェンジをホタチで受け、シェルブレードを叩き込もうとするが
「出て来て、エモンガ」
ゼブライガは交代され、最初に出てきたのとは違う別のエモンガが出てきた。
「このエモンガは♀なの。エモンガ、メロメロ」
エモンガはハート形をしたものを複数流すようにフタチマルに発射する。
「フタチマル!」
メロメロを受け、フタチマルはメロメロ状態になってしまった。
「…………」
一方観覧席では、チェレンが何か思うことがあるのか、考えるように黙った。
「これで終わりよ。エモンガ、アクロバット」
「!」
エモンガは高速で飛び回り、フタチマルの背後に攻撃すると、バランスを崩したフタチマルはネットへ落ちていった。
イリスはこれで、2連敗を喫した。

「イリス」
「……チェレンか」
ジム戦後、ポケモンセンターのベンチに腰掛けていたイリスの正面に、チェレンが来た。
「さっきのあのバトルのことなんだが」
「僕の完敗だ。全力をだしたけど、僕の実力不足で——」
「君には失望した」
チェレンは、イリスの言葉を遮ってそう言った。
「え? チェレン、今、なんて……?」
「聞こえなかったのかい? じゃあもう一度言う」
一拍おいて、チェレンは口を開く。
「君には失望した」
チェレンは冷たく、そう言い放った。



今回もイリスは負けました。ボロ負けです。惨敗です……イリスの傷口に塩を塗るのはやめましょう。次回はチェレンのジム戦。そしてイリスはスランプから抜け出せるのか?お楽しみに。


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