二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄 完結、そして……
- 日時: 2011/07/29 00:16
- 名前: 白黒 (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22252
はじめまして、白黒です。
白黒にちなんでポケットモンスターブラック・ホワイトの小説を書こうと思いました。
内容はオリジナルの要素を含みながら、ゲームの通りに進行したいと思います。
何分まだ中学生で、文才もないですが、それでも読んでくれたらありがたいです。
コメントを貰えれば、幸いです。
無事完結致しました。そしてこの物語は、次回作の『混濁の使者』へと続いていきます。参照をクリックして頂ければ、そちらに飛びますので。
登場人物
>>28
プロローグ
>>2
カラクサタウン
>>4
サンヨウシティ
>>5 >>6 >>7 >>8 >>13
シッポウシティ
>>14 >>15 >>16 >>21 >>27
ヒウンシティ
>>29 >>32 >>33 >>42 >>44 >>45 >>47 >>50 >>51 >>54
ライモンシティ
>>55 >>59 >>61 >>62 >>63 >>64 >>65 >>69 >>70 >>71 >>72 >>73 >>74 >>76 >>79 >>80
ホドモエシティ
>>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>89 >>90 >>92 >>95 >>96 >>100 >>101 >>102 >>106 >>107 >>108 >>113 >>114 >>115
フキヨセシティ
>>119 >>122 >>123 >>125 >>126 >>127 >>128 >>129 >>130 >>131
セッカシティ
>>132 >>133 >>136 >>137 >>145 >>146 >>147 >>148 >>149 >>150 >>151 >>152 >>153 >>155 >>159 >>162 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167
バトルサブウェイ
>>196 >>199 >>200 >>205 >>207 >>208 >>209 >>210 >>211 >>213 >>217 >>218
ソウリュウシティ
>>227 >>235 >>238 >>239 >>242 >>243 >>246 >>249 >>250 >>253 >>254 >>256 >>259 >>260 >>261 >>262 >>263 >>268 >>269 >>271 >>272 >>275 >>279 >>280 >>281 >>284 >>285 >>287 >>288 >>289 >>290 >>291
ポケモンリーグ
>>292 >>293 >>294 >>295 >>296 >>297 >>298 >>299 >>300 >>301 >>302 >>305 >>306 >>307 >>308 >>309 >>310 >>311 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>320 >>321 >>322 >>323 >>324 >>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>340 >>343 >>344 >>347 >>348 >>349
エピローグ
>>350
番外編
ミキの特訓 前後編 >>52 >>53
トライアルハウスバトル 前後編 >>81 >>82
旧ライモン遊園地の夜 前後編>>111 >>>112
四季の川 前後編>>143 >>144
Heaven of battle 前後編 >>168 >>169
過去のプラズマ 前後編 >>282 >>283
マルチバトルサブウェイ 前中後編 >>317 >>318 >>319
夢のドリームマッチ 対戦表
リオVSメイル >>181 >>184 >>187 >>188
アカリVSキリハ >>189 >>190 >>191
ムントVSレンジ >>192 >>193 >>194 >>195
100章記念 イリスQ&A
>>231 >>232 >>233 >>234
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- Re: 32章 アルビノ少年 ( No.72 )
- 日時: 2011/04/19 23:38
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http:/ARUGRIZMU
廃遊園地でイリスたちがバトルを繰り広げている一方、ライモンジムにはプラズマ団が押し寄せていた。
「シビビール、電磁砲!」
「ワルビル、砂地獄!」
「ダブラン、サイコウェーブ!」
「チャオブー、炎の誓!」
チャオブーは地面から燃え盛る炎を噴き出させるが、相手の攻撃は冗談でなく強かった。
「バニリッチ、冷凍ビーム!」
「ガマガル、濁流!」
「ホイーガ、ヘドロ爆弾!」
それもそのはず、バイオはプラズマ団の下っ端の中でも、優れた団員をジムに送り込んでいるのだから。
「ガントル、パワージェム!」
「クルマユ、エナジーボール!」
「ランプラー、煉獄!」
「あぅ……あたしじゃこのポケモンたちは止められないよ……」
ベルが現状に参っていると、後方からポケモンが現れた。
「ツンベアー、氷柱落とし。ランクルス、サイコキネシス。ギギギアル破壊光線」
ポケモンだけでなくテラも現れ、彼のと思われるポケモンたちは、攻めてきたプラズマ団を一掃した。
「はあ……ここがやられたんじゃ、元も子もないしね。援護するよ」
「あ、ありがとう……」
あ、この人良い人だ。と、ベルは思った。
「流石ねテラ君。君なら、ポケモンリーグの四天王にも匹敵すると思うわ」
テラだけでなく、今回の戦いであまり役に立っていないであろうカミツレも現れた。
「やめてください、カミツレさん。ポケモンリーグなんて行けませんよ。病気もありますし」
「あ、あの。テラ君ってどんな病気なの?」
ベルがテラにそう訊ねた。肌が異常に白かったりなんだりと、どこか病気っぽいのは分かっていたのだ。
「……アルビノっていう、メラニンが先天的に欠乏する遺伝子疾患のことだ」
「メラニン?」
「色素のことよ。テラ君は、生まれつきのアルビノで、そのせいもあって引きこもりがちなのよ」
「へえ〜大変なんだね」
「そんなことより、来るぞ」
迫ってくるプラズマ団を蹴散らすと、さらにプラズマ団が出て来た。
「ヤブクロン、ダストシュート!」
「ズルッグ、気合パンチ!」
「シママ、放電!」
さっきよりもポケモンは弱めだが、如何せん数が多い。
「ツンベアー、あられ」
ツンベアーは指示されると、あられを降らせた。
「きゃっ冷たっ」
「ポケモンを戻した方が良い。あられは氷タイプ以外のポケモンにダメージを与える天候だ。ツンベアー、吹雪」
ツンベアーは猛烈な吹雪をプラズマ団のポケモンに吹きつけ、団員ごとポケモンを吹っ飛ばした。
「……はあ、まだ来るのか」
プラズマ団は、倒せど倒せどどんどん湧いてくる。
「ダルマッカ、火炎放射!」
「コマタナ、メタルクロー!」
「イシズマイ、岩雪崩れ!」
プラズマ団のポケモンの攻撃が、テラのポケモンにヒットする。
「ははは、全発命中!」
「特に、あのツンベアーってポケモンには大ダメージだ!」
「このまま一気に攻めるぞ!」
プラズマ団が調子付いてきたら
「ツンベアー、じたばた」
ツンベアーがじたばたしながらプラズマ団のポケモンを一掃した。
『なに!?』
やっぱりプラズマ団は結構仲が良い。
「くっそ、じたばたがなんだ!出て来いママンボウ!」
「じたばたは体力が減っているほど威力が増す、そんなこともしらないのか。ギギギアル、金属音」
テラがプラズマ団に説明してやると、新たに出て来たポケモンに対し、ギギギアルの金属音で動きを止める。
「ランクルス、痛み分け。ギギギアル、チャージビーム」
ランクルスは体力の多いママンボウに痛み分けし、ギギギアルは痛み分けで体力を失ったママンボウにチャージビームで止めを刺す。
「出て来いフリージオ!ソーラービーム!」
今度はフリージオを繰り出し、太陽光の光線を(夜なのに)発射する。
「フリージオは特防の高いポケモン。ランクルス、ワンダールーム。ギギギアル、放電」
ワンダールームはしばらくの間、ポケモンの防御と特防を入れ替える技。フリージオは特防は高いが防御が低い。よって次に放たれるギギギアルの放電に沈んだ。
「ランクルス、自己再生」
ランクルスはさっきのソーラービームを食らっていたので、自己再生で回復させる。
「ふう……まだ来るか」
「ところでテラ君。電脳戦は?」
カミツレが、忘れていませんか?、見たいな感じでテラに訊ねる。
「ああ、それならさっき終わりました」
「ぐぬぬぬぬ。この小生ともあろう者が、完全にこの復旧したコンピューターを掌握されるなんて!」
バイオは発狂したように、近くのコンピューターを蹴りまくる。
「こうなったら、小生が直接ジムに乗り込んで……」
「それは無理だ」
突然——というか自動開閉式ドアなので突然なのは必然だが——扉が開かれ、イリスとミキ、そしてチェレンが現れた。
「な、貴様達、部下やイエロが相手をしてたのでは……!?」
「部下というか下っ端は全然あいてにならなかった。それでも数が多かったもんだから、途中でイリスと会ってなければやられてたかもしれないけどね。イエロって人は、今頃アカリさんが相手をしてる」
「そんなことより、お前がバイオか?」
「……ふっふっふ、いかいも小生がプラズマ団7幹部の1人にしてプラズマ団最高最強のメカニック、ドクター・バイオだ!」
プラズマ団7幹部のバイオは、そう高らかに名乗った。
今回は香兎さんのご投稿してくださったオリキャラ、テラがバトルで大活躍です。次回はプラズマ団7幹部でプラズマ団最高最強(自称)のメカニック、ドクター・バイオとのバトルになりますので、お楽しみに。
- Re: 33章 ダストダスの猛毒ガス ( No.73 )
- 日時: 2011/04/20 00:35
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http:/ARUGRIZMU
ウィーン
と、機械音がして、部屋を取り囲むように機会の箱の様な物が出て来た。
「な、何だ、これ……?」
「見てれば分かるさ」
バイオが手に持つスイッチを押すと、機会の箱は一斉に開き、中からポケモンが出て来た。
「ふはははは!ここのメインコンピューターとは別に、非常事態のための仕掛けを用意しておいたのだ!小生は7幹部の中でも頭脳労働専門でバトルはあまり得意ではないが、この数のポケモンで戦えば、多勢に無勢、貴様らに勝機は無い!」
『…………』
3人はただただ何も言わずに突っ立っている。理由は別に、驚いたとか、絶望したとかではなく
『せこっ!』
だった。
「な、何がせこいだ!そこはこう、弱点を補っているとか、作戦を立てているとか、用意周到とか言って欲しいものだ」
「だって、いくら自分が弱いからって」
「ポケモン集めてそのポケモンの数で押し攻めるなんて」
「せこいだけですよ」
「ぐぬぬぬぬ、言いたい放題言いよって。しかもずるいとか卑怯とかじゃくなくて、せこいなんて……」
「まあ、とにかくこの大量のポケモンは僕がなんとかするから、イリスはあのバイオって奴を倒してくれ」
「分かった。そっちは任せたよ、チェレン」
「師匠、私も周りのポケモンをやります」
てな感じで、バイオの言葉は聞く耳持たれていない。
「出て来い、レパルダス!」
「出て来て、シキジカ!」
チェレンとミキが、それぞれポケモンを出し、臨戦態勢に入る。
「そじゃあ、僕らも始めるとしますか。出て来い、ズルッグ!」
「ふん。良い気になれるのは今のうちだぞ。ゴビット!」
バイオが最初に繰り出すのはゴーレムポケモンのゴビット。
「ゴビット、シャドーパンチ!」
ゴビットが拳に影のオーラを溜め、そのまま拳を振り抜く。すると、影のオーラが拳形になり、ズルッグ目掛けて飛んでいく。
「かわせズルッグ、炎のパンチ」
しかし飛来するシャドーパンチは大したスピードではなく、あっさりとかわされる。しかも、拳を振り抜いた隙を突かれ、炎のパンチを食らわされる。
7幹部の中でバトルが1番弱いというのは本当のようだ。
「……あんた、本当に弱いな」
「うるさいわ!ゴビット、爆裂パンチ!」
今度は拳を大きく振りかぶり、放つ。しかし
「爆裂パンチはモーションが長くて隙だらけだ。故に普通に撃ったらまず避けられる。ズルッグ、炎のパンチ」
ゴビットが拳を振り抜く前にズルッグの炎のパンチが決まり、ゴビットは戦闘不能になった。
「戻れゴビット!……ぬぬぬ、小生のゴビットがこんなにもあっさりと……!」
「あんた、バトル向いてないよ。たぶんバッジ1個の僕でも勝てたよ」
「黙れ黙れ!小生のポケモンはまだ残っている!……それに、まだ仕掛けも残っているしな」
「仕掛け?」
イリスが首を傾げ、質問する前にバイオはボールからポケモンを出す。
「行けい、ダストダス!」
現れたのは、ゴミ捨て場ポケモンのダストダス。ヤブクロンの進化系だ。
「うわっ……すごい臭い……」
「ファッファッファ、これぞ小生の切り札にして最終兵器。このダストダスの異臭により、貴様は冷静なバトルができんだろう?」
ちなみにバイオはどこからかガスマスクを取り出し、装着していた。笑い方が変わったのもそのためだと思われる。
「……こんな仕掛け誰も思いつかないよ。いろんな意味でやり手だな」
異臭だけではなく顔を歪ませるイリス。
「ああ、気をつけたほうがいいぞ。小生のダストダスは通常の固体より大きい。故に体に含まれる毒の濃度も量も多い。あと30分でもこの部屋にいれば、毒ガスの毒が体に回って死ぬぞ」
「な!?」
衝撃の一言に、仰天するイリス。不謹慎だが、実に豊かな表情である。
「ミキちゃん、チェレン!今すぐこの部屋から出ろ!悪臭に含まれる毒で死ぬぞ!」
イリスは叫ぶ。
「言われなくてもやってるよ!でも、扉に細工されてて、開かないんだ!しかも君の弟子は気を失ってるし!」
チェレンは扉を蹴りつけながら叫ぶ。その側には、苦しそうな表情で苦しそうに息をするミキの姿があった。
「全ての毒に言える事だが、毒は体が小さいほど良く効き、体が幼いほど速く回る」
ニヤニヤと笑いながら(ガスマスクで分からないが)バイオがそう言う。
「それと、小生のダストダスはその扉と連動している。貴様が小生のダストダスを倒せれば、その扉も開く。倒せなければ、ここで毒死する」
「……くっそ、やるしかないって事か」
「イリス、頼んだよ。僕らのポケモンは部屋を取り囲んでたポケモンを倒すのにかなり力を使ってしまって、もう戦えない。君だけが頼りだ」
「分かってるよ。言われなくても、この狂った頭のメカニックは僕が倒す。そうしないと、皆助からない」
そう言って、イリスはバイオと相対し、構える。
「小童が。小生はバトルの腕はそんなでもないが、知識はある。格と経験と知識の違いを教えてやろう」
「あんたに教えてもらう事なんてねえよ。その代わり、僕があんたに教えてやる」
イリスは今までにない、鋭く厳しい目付きで、バイオを睨み付ける。そして
「僕の仲間に手を出したら、どうなるかをな!」
イリスは、叫んだ。
毒が体に回るまで、あと30分。
今回はかなりピンチです。毒です、命に危機です。僕がバイオに誹謗中傷、嫌味を垂れたばっかりに……いや、正確には僕ではなくイリスたちですが。まあ、書いたのは僕なんですけどね。次回は時間制限付きでバイオとバトルです。バイオの切り札、ダストダスとの戦いにご期待ください。
- Re: 34章 タイムリミット ( No.74 )
- 日時: 2011/04/20 19:18
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http:/ARUGRIZMU
今回のバトルにおけるイリスの作戦は、自信過剰の特性で攻撃が上がっているズルッグにとにかく攻撃させ、早期決着を着けるつもりだった。
「ズルッグ、炎のパンチ!」
「ダストダス、守る」
「ズルッグ、頭突きだ!」
「ダストダス、影分身」
「飛び膝蹴り!」
「ロックカットの後避けろ」
この通り、イリスにとって時間制限のあるバトルなので、バイオは専守防衛。とにかく守りに入っている。
「くそ、本当に卑怯だな!」
「何を言うか、これが経験の差という奴だよ。それに、卑怯だの何だのとキレイごと並べた所で、小生の様な手段を選らばない者を倒せないのなら、無意味だ」
「正論なだけ腹立つな……!ズルッグ、炎のパンチ!」
「影分身」
またもやズルッグの攻撃はダストダスに届かない。
「飛び膝蹴り!」
「守る」
「頭突きだ!」
「ロックカットでかわせ」
ダストダスは守るで攻撃を防ぎ、影分身で攻撃を外れさせ、ロックカットのスピードで避けている。この3つを使い分けている訳だから、ダストダスに攻撃を当てるのは相当困難だろう。
「飛び膝蹴り!」
「守る……どうした? 動きが単調になってきたぞ? それになんだか顔色も悪いが?」
わざとらしく、バイオはイリスを嘲る。
「知るか!ズルッグ、頭突きだ!」
強がってはいるが、実際イリスのコンディションは最悪とはいかずともかなり悪い状態である。毒が体に回りつつあるだけでなく、怒りやら憎しみやらの感情も入り混じり、冷静にバトルが出来ていないのだ。
「やれやれ、小生が心配してやってるというのにその思いを無碍にするとは。しょうがないからもう決めてやろう。ダストダス、ダストシュート!」
ダストダスは、手(と思われる部位)に如何にも汚らしいゴミや毒の塊を作り出し、球体にしてズルッグ目掛け撃ち出した。
「ズルッグ!」
ダストシュートの直撃を食らったズルッグは、一発で戦闘不能となった。
「ダストダスの毒臭の影響を受けるのは何も人間だけではない。そのズルッグにしても、連続攻撃で疲弊しているだろう? そんな弱りきったポケモンなら、ダストシュートの1発で戦闘不能にはできる」
「くっ……出て来い、デスマス!」
「ふうむ。デスマスはゴーストタイプのポケモン。大方小生のダストダスの毒臭を受けにくいという浅はかな考えで出したのだろうが、小生のダストダスの毒の濃度は半端ではないぞ?」
「知った事か!デスマス、シャドーボール!」
「ダストダス、守る」
「鬼火だ!」
「影分身」
「怪しい風!」
「ロックカットで避けろ」
イリスは完全に頭に血が上っていて、いつも通りのバトルが出来ていない。その上、ダストダスが出てからもう15分経過しているて、時間がない。しかし、時間がなくなればなくなるほど、イリスは焦り、冷静さを欠いてしまう。正に悪循環である。
「デスマス、サイコキネシス!」
「守る。そしてダストシュートだ!」
バイオは長期戦に持ち込むかと思いきや、かなり早い段階からダストシュートを撃ってきた。
「お前らにはさんざん言われたい放題言われたからな。お前らが毒死する前に、お前のポケモンを嬲ってやろう。ダストダス、ダストシュート!」
どうやら結構根に持っていたらしく、デスマスは計2発のダストシュートを食らった。
「デスマス!」
デスマスが地面に落下する。
「まだだ!まだいける、デスマス!」
イリスがデスマスに叱咤激励するが、デスマスは起きない。
「デスマス……!」
「し……しょう……」
「!?」
イリスが驚き振り返ると、ミキが上体を起こし、必死にこちらに語りかけてくる。ミキは体に毒が回り、あと10分ももたない状態なのにだ。
「師匠は、そんな人じゃ、なかった……はずです。……私の知ってる師匠は、もっと冷静で……どんな時でも、どんな危機でも、乗り越えられる、そんな……人です。……だから……」
そこで、ミキはバタリと倒れこむ。どうやら相当無理をしたようだ。
「……イリス、この子の言う通りだ。僕らに構わずとは言わないけど、もっと君らしく戦え。それに、弟子の期待くらいには、応えてやれ」
チェレンも苦しそうではあるが、そう語りかける。
「……そう、だよね。言われてみれば、ちょっと逆上してたかな。僕はこんなにパニックになる様なキャラじゃなかったな。それに、弟子にも格好悪いとこ見せちゃったし、少し、落ち着いてに戦うか」
弟子と親友に言われ、いつもの調子が出てきたイリス。それに応える様に、デスマスも起き上がる。
「はっ、くだらん。言っておくが貴様らタイムリミットはもう5分を切った。いくら足掻こうと、もう終いだぞ」
対するバイオは、不機嫌にそう吐き捨てる。
「まだ5分近く残ってるんだろ? どうせ何もせずとも死ぬのに、何もしないなんて僕らしくない。残念だけど、本調子を取り戻した僕が相手じゃ、あんたに勝ち目はない」
「……ふん。弱い犬ほどよく吠えるとは言ったものだ。ダストダス、もう終わりにするぞ。ダストシュート!」
ダストダスは全身の力を使い、特大のダストシュートを作り出す。
「もう終わりにするってとこだけは賛同しよう。でも、弱い犬も、よく吠えるのもお前だよ。デスマス、頼んだよ」
イリスはデスマスに全てを託すように、1歩下がる。そして指示を出す。
「デスマス、自己暗示」
今回もバイオにやられまくりですが、2人の仲間のお陰でイリスは調子を取り戻せました。なお、本編中に出てきた毒臭というのは造語です。辞書引いてもきっと乗ってません。意味は文字通り毒を含んだ臭いのことです。次回はついにバイオとの決着です。お楽しみに。
- Re: ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄 オリキャラ募集 ( No.75 )
- 日時: 2011/04/20 20:57
- 名前: ミジュマル (ID: RQnYSNUe)
コメ、ありがとうございました!面白いですね!また見にきまーす♪
- Re: 35章 自己暗示 ( No.76 )
- 日時: 2011/04/20 21:13
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http:/ARUGRIZMU
「自己暗示、だと……?」
バイオは訝しげにデスマスを見据える。
「そう、自己暗示」
イリスは、そう答える。
「自己暗示は相手の能力変化を写し取る技。つまり、回避率と素早さが異常なまでに上げられたあんたのダストダスの能力変化をコピーさせてもらったのさ」
「な……ということは……」
「僕のデスマスは回避率と素早さが異常なまでに上がったということ。互角は条件、だ」
「ぐぬぬ。だが、小生のダストダスの回避率と素早さもかなり上昇している。別に不利になった訳でも有利になった訳でもない!」
バイオは、狂ったように叫ぶ。そんなこと、誰でも分かっているというのに。
「……デスマス、シャドーボール!」
デスマスは超高速でシャドーボールを撃ち出す。
「ダストダス、避けろ!」
ダストダスも超高速でシャドーボールを避ける。
「この勝負、当てた者勝ちにだな。デスマス、サイコキネシス!」
「ダストダス、逃げ回るのだ!」
まともに戦って勝ち目が無いと見たのか、バイオはただただ逃げ回る戦法をとった。
「逃がすか。デスマス、連続でシャドーボール!」
デスマスは次々とシャドーボールを撃ち出すが、ダストダスには当たらない。
「くそ、防御、回避と違って、ただ逃げ回られるのは厄介だな。デスマス、追うんだ!」
デスマスは攻撃をやめ、逃げ回るダストダスを追いかける。
「もっと速く、ダストダス!」
「……はあ、本当に狂ってマッドサイエンティストになるのか」
もはや精神状態が最初と逆転している。
「今だデスマス!回り込め!」
イリスはダストダスが疲れ、動きが鈍くなり始めたのを見計らって、デスマスに回り込ませた。
「しまっ……!」
「鬼火だ!」
デスマスは至近距離からの鬼火をダストダスに食らわせる。
「続けてシャドーボール!」
デスマスは鬼火をくらってうろたえているダストダスにシャドーボールをぶつけ、戦闘不能にさせた。
ウィーン
それと同時に、自動ドアも開く。
「チェレン、早く脱出しよう!ミキちゃんが危ない!」
「分かってる!」
イリスは倒れているミキを抱き抱え、部屋から出る。
「アカリさん!」
階段を上っているうちに、イリスたちはアカリと合流した。
イリスはアカリにミキが危険な状態だと伝えると
「出て来て、シキカ。アロマセラピー」
アカリはシキカ(メブキジカ)を出し、アロマセラピーをする。
「これで、ミキちゃんは助かるんですか?」
「……残念ながら、気休め程度です。早くポケモンセンターに行きましょう!」
そう言って、3人は階段を駆け上がった。
ポケモンセンターは、ポケモンの回復、トレーナーの宿舎になるだけでなく、人間の治療、つまりは普通の病院をも兼ねている。
イリスたちは大急ぎでミキをポケモンセンターに運び、治療を受けさせた。容態は医者の話によると
「ダストダスの毒は常に流れ出るものではなく、自発的に出すものだ。だから毒が体に溜まりやすく、ダストダス毒は猛毒だ。だが、効きは遅い。血清もあるから、絶対に助かる」
そう聞いて、3人、特にイリスは安堵する。
「良かったですね、助かって」
「はい。アカリさんのシキカの、アロマセラピーのお陰です」
と、こんな具合に喜んでいた。
一方旧遊園地跡。
地下7階には、バイオとイエロが居た。
「しっかし、あんたも随分と危険な真似するよな。毒ガス充満させて毒殺するって、犯罪者にでもなるつもりか?」
「……小生たちは、プラズマ団に就いてからもう既に犯罪者だよ」
「ああ、そっか。にしてもあの小娘、あたしがあんたの切り札について口を滑らしたら、すっげえスピードで階段に向かっていくもんだからよ。刀とか向けるし、超怖えよ。お陰で決着は着かず仕舞い。無効試合って奴になっちまったよ」
イエロは、は嘆息する。そして顔を上げ、バイオをあざ笑う様に言う。
「でも、あんたは負けたようだな。ご自慢の仕掛けをフル稼働させ、切り札を使っても」
「黙れ小娘。今回は不覚を取ったが、次はこうはいかぬ。次こそあの小童を叩きのめしてやるのだ」
「なんか如何にも雑魚っぽい台詞だな、それ」
「貴様はもう少し老人を敬え」
「身も心も汚れた爺さんを敬うことなんてできねーな。で、どうするよ?」
「何がだ」
「こっちの戦力はもう零に等しいぜ。ここを占領する計画は、まだ続けるのか?」
「ふん。もうこれ以上の戦いは無駄だ。ライモンシティを占領するのはやめ、城に戻るぞ」
「はいよ。でもよ、何であんたはライモンシティなんて占領しようとしたんだ?」
「理由が必要か?」
「無いなら無いでいいけど、気にはなる」
「……ライモンシティを東に抜けた所に、16番道路という場所があるのは知っているな?」
「ああ」
「その16番道路には迷いの森という森がある。その森は複雑な構造ではないのに、何故か迷いやすいのだ。何故だか分かるか?」
「全然分からん」
「ふん、少しは考えろ。……何故迷いやすいかかというと、ポケモンが幻影を見せ、人間達を惑わしているからだ」
「ふうん。で、なんていうポケモンがやっているわけ?」
「N様のポケモンの親、とだけ言っておこう」
「……なるほどねえ。あんたがここを占領しようとしたのはそのためか」
「そうだ。それじゃあ行くぞ」
「おーう」
そういい残し、プラズマ団はライモンシティからは手退き、出て行った。
ついにイリスはバイオを倒しました。最後のバイオとイエロの会話は話半分に聞いて(見て)もらって構いません。次回はホドモエ跳ね橋で何かします。では、また。
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