二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄 完結、そして……
日時: 2011/07/29 00:16
名前: 白黒 (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22252

はじめまして、白黒です。
白黒にちなんでポケットモンスターブラック・ホワイトの小説を書こうと思いました。
内容はオリジナルの要素を含みながら、ゲームの通りに進行したいと思います。
何分まだ中学生で、文才もないですが、それでも読んでくれたらありがたいです。
コメントを貰えれば、幸いです。
無事完結致しました。そしてこの物語は、次回作の『混濁の使者』へと続いていきます。参照をクリックして頂ければ、そちらに飛びますので。

登場人物
>>28

プロローグ
>>2
カラクサタウン
>>4
サンヨウシティ
>>5 >>6 >>7 >>8 >>13
シッポウシティ
>>14 >>15 >>16 >>21 >>27
ヒウンシティ
>>29 >>32 >>33 >>42 >>44 >>45 >>47 >>50 >>51 >>54
ライモンシティ
>>55 >>59 >>61 >>62 >>63 >>64 >>65 >>69 >>70 >>71 >>72 >>73 >>74 >>76 >>79 >>80
ホドモエシティ
>>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>89 >>90 >>92 >>95 >>96 >>100 >>101 >>102 >>106 >>107 >>108 >>113 >>114 >>115
フキヨセシティ
>>119 >>122 >>123 >>125 >>126 >>127 >>128 >>129 >>130 >>131
セッカシティ
>>132 >>133 >>136 >>137 >>145 >>146 >>147 >>148 >>149 >>150 >>151 >>152 >>153 >>155 >>159 >>162 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167
バトルサブウェイ
>>196 >>199 >>200 >>205 >>207 >>208 >>209 >>210 >>211 >>213 >>217 >>218 
ソウリュウシティ
>>227 >>235 >>238 >>239 >>242 >>243 >>246 >>249 >>250 >>253 >>254 >>256 >>259 >>260 >>261 >>262 >>263 >>268 >>269 >>271 >>272 >>275 >>279 >>280 >>281 >>284 >>285 >>287 >>288 >>289 >>290 >>291
ポケモンリーグ
>>292 >>293 >>294 >>295 >>296 >>297 >>298 >>299 >>300 >>301 >>302 >>305 >>306 >>307 >>308 >>309 >>310 >>311 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>320 >>321 >>322 >>323 >>324 >>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>340 >>343 >>344 >>347 >>348 >>349
エピローグ
>>350
番外編
ミキの特訓 前後編 >>52 >>53
トライアルハウスバトル 前後編 >>81 >>82
旧ライモン遊園地の夜 前後編>>111 >>>112
四季の川 前後編>>143 >>144
Heaven of battle 前後編 >>168 >>169
過去のプラズマ 前後編 >>282 >>283
マルチバトルサブウェイ 前中後編 >>317 >>318 >>319
夢のドリームマッチ 対戦表
リオVSメイル >>181 >>184 >>187 >>188
アカリVSキリハ >>189 >>190 >>191
ムントVSレンジ >>192 >>193 >>194 >>195
100章記念 イリスQ&A
>>231 >>232 >>233 >>234

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Re: 161章 不向き ( No.327 )
日時: 2011/07/24 23:28
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

イリスは現在、プラズマ団の城の3階にいる。ここには大勢のプラズマ団がいるはずなのだが、誰も襲ってこない。それどころか
「このポケモン、俺にこんなに懐いて……なあ、俺はプラズマ団にむいてないのか?」
「言うな。俺だってそうだ。俺たちはポケモンを道具としてしか見てないが、無垢なこいつらを見ていると、なんだか……」
どうやらプラズマ団の中にも、ポケモンと人間は切り離すべきなのかに疑問を抱く者がいるようだ。
「待ってろN。僕が君に真実を見せてやる……!」
イリスは平和の女神の言葉を胸に、階段を駆け上る。



「ランクルス、雷だ!」
「フー、かわしてドレインパンチ!」
ランクルスは激しい落雷を落とすが、フー(コジョンド)はそれを俊敏な動きで回避。そして光り輝く拳を見舞う。
「拳だったらこっちも負けねえぜ。ランクルス、ピヨピヨパンチ!」
ランクルスもコジョンドの拳に合わせて強烈なパンチを喰らわせる。
「さらにエナジーボール!」
そして自然の力がこもった緑色の球を放つ。
「見切りです!」
しかしフーはその攻撃の軌道を見切り、回避する。
「だったらこれだ!サイコショック!」
ランクルスは念波を実体化させ、コジョンドに向けて飛ばす。
「もう一度見切り!」
コジョンドは再度見切りを使い、サイコショックをかわす。
「ドレインパンチ!」
そして強烈な拳を叩き込む。



「オノノクス、ドラゴンクロー!」
「クリムガン、ドラゴンクロー!」
ムントとインディのバトルは猛スピードで進行し、2人の手持ちはあっと言う間に1体だけになってしまった。しかしその1体でのバトルが長い。どちらもそれなりに攻撃を受けてはいるものの、全く倒れる気配がない。
「ポイズンテール!」
「瓦割りだ!」
クリムガンの毒素を含む尻尾がオノノクスを襲い、オノノクスの硬い手刀がクリムガンに叩き込まれる。
「クリムガン、逆鱗!」
「オノノクス、地震だ!」
クリムガンは激怒したような膨大なエネルギーをその身に纏い、オノノクスに突撃する。対するオノノクスは地面を大きく揺らし、その衝撃でクリムガンを攻撃。
なんにせよ、この2人のバトルは長引くだろう。



「シュバルゴ、アイアンヘッド!」
「ナットレイ、鈍い!」
シュバルゴは鋼鉄の頭でナットレイに突撃するが、ナットレイは自身の防御力を高めてそれを弾く。
「メガホーン!」
シュバルゴの槍がナットレイに突き刺さる。今のは結構効いただろう。
「ナットレイ、しっぺ返し!」
ナットレイは触手のような蔦をシュバルゴに叩きつけ、引き剥がす。効果はいまひとつだが、相当な威力だ。防御の高いシュバルゴでなければ即戦闘不能だろう。
「ジャイロボール!」
そしてナットレイは回転しながらシュバルゴに向かっていく。シュバルゴもそれを避ける事が出来ず、直撃を喰らう。
「ハッ、そんな簡単にやられてたまるか。メガホーン!」
シュバルゴは虫の知らせが発動した状態での渾身のメガホーンを放つ。
「ナットレイ、ジャイロボール!」
だがナットレイはそのメガホーンを耐え切り、反撃のしっぺ返しを食らわせてシュバルゴを戦闘不能とする。
「ハッ、やるじゃねえか。なら次はこいつだ。ローブシン!」
レンジの次のポケモンは筋骨ポケモンのローブシンだ。
「ローブシン、マッハパンチ!」
ローブシンはその筋肉質の体からは想像できないスピードでナットレイに接近し、拳を叩き込む。
「パワーウィップ!」
ナットレイも負けじと強烈な蔓の一撃を放つが、ローブシンの防御も高かった。
「アームハンマー!」
ローブシンは拳をハンマーのように振り下ろし、ナットレイを沈める。
「ありがとう。戻って、ナットレイ」
リオはナットレイをボールに戻す。
「……よし。力には力。出て来て、オノノクス!」



「ゴルーグ、地震だ!」
ゴルーグは地面を大きく揺らし、その衝撃でギギギアルにダメージを与える。
「ギギギアル!」
流石のギギギアルも効果抜群の地震は耐え切れず、戦闘不能となってしまう。
「戻れ、ギギギアル」
テラはギギギアルをボールに戻す。これでテラの残りの手持ちはあと1体。しかしテラの顔に動揺や焦りはない。
「行け、ランクルス」
テラの最後のポケモンはエスパータイプのランクルスだ。
「何が来るかと思えばランクルスか。それならば小生のゴルーグの方がタイプ的に有利。ゴルーグ、ヘビーボンバー!」
バイオはタイプがどうこう言っておきながら、鋼タイプ技のヘビーボンバーを指示する。
ゴルーグは猛烈な勢いでランクルスに突撃するが、ランクルスは余裕で耐えていた。
「ランクルス、ワンダールーム」
ランクルスは摩訶不思議な空間を作り出し、ゴルーグと自身をそこへ閉じ込める。
「なんだこれは?……まあいいか。ゴルーグ、ストーンエッジ!」
ゴルーグは尖った岩を無数に発射するが、ランクルスは避けようとも相殺しようともしない。
「シャドーパンチだ!」
さらにゴルーグは拳に影を纏わせ、それをロケットパンチの如くランクルスに発射する。勿論ランクルスはその攻撃を喰らい、今度はかなりのダメージを与える。
「……そろそろか。ランクルス、痛み分けだ」
突如、ランクルスとゴルーグが光に包まれる。するとランクルスの傷は癒え、逆にゴルーグの体には傷ができていく。
「とどめだ。サイコキネシス」
ランクルスは念動力を念波に変え、それをゴルーグに向けて飛ばす。ゴルーグはその一撃を受け、大きく吹き飛ばされる。
「ゴルーグ!」
見ればゴルーグは戦闘不能になっていた。



今回も前回と大差のない回でしたね。特に書く事もないので、この辺で今回のあとがき終了です。では、次回もお楽しみに。

Re: 162章 Nの部屋 ( No.328 )
日時: 2011/07/24 22:35
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

プラズマ団の城4階にて、イリスはまたも足を止める。
「待っていたぞ、英雄よ」
突如風のように——影のように現れたのは、ダークトリニィだった。
「!こんな時に……!」
イリスは苦い顔をする。今のイリスのポケモンはベストコンディション。その状態でNと戦う気なのだが、その行く手をダークトリニィが阻む。
「待て、英雄。我らはお前と戦いに来たのではない」
と、イリスは思い込んでしまっただけである。
「……じゃあなんだよ?」
イリスは内心ホッとしつつもそれをおくびにも出さずにダークトリニィに問う。
「そこにある部屋」
そう言ってダークトリニィの1人がすぐそこにある部屋を見る。
「その部屋は、N様の部屋だ」
「Nの部屋……?」
「そうだ。我らは入っても何も感じなかったが、お前なら何か感じるかもしれぬ」
そう言うとダークトリニィは瞬く間に消えた。
「Nの……部屋……」
イリスは、その部屋へと踏み出す。



「エモンガ、燕返し!」
「アカシ、シャドーボールです!」
エモンガの燕返しを、アカシ(シャンデラ)は黒い影の球を発射して迎撃する。
「エレキボールだ!」
「瞑想です!」
エモンガはさらに電撃を凝縮した球をを発射するが、アカシは瞑想し、特攻と特防を高めてダメージを軽減する。
「弾ける炎!」
そしてアカシは炎の塊を発射する。炎の塊はまっすぐエモンガに飛んでいき、直撃する。
「ちぃ、アイアンテールだ!」
エモンガはすぐに体勢を立て直し、尻尾を鋼のように硬化させてアカシに叩きつけるが、相性が悪いので大きなダメージにはならない。
「アカシ、祟り目です」
アカシはすぐさまエモンガから距離を取り、禍々しい目を出現させて黒い波動を放つ。
「エレキボールで突っ切れ!」
しかしエモンガはその波動を電撃の球で突っ切り、目を破壊。さらにもう一発発射し、アカシに命中させる。
「くっ、シャドーボール!」
「かわしてワイルドボルトだ!」
エモンガは空中を滑空して影の球をかわし、その身に激しい電撃を纏ってアカシに激突する。
「アカシ、シャドーボール!」
だがしかしアカシの耐久力もなかなかのもので、アカシはすぐさま影の球を放ち、至近距離からエモンガにぶつける。
「おうおう。結構楽しくなってきたじゃんよ。どんどん行くぜ、エレキボール!」
「アカシ、シャドーボールです!」
雷の球と、影の球がぶつかり合う。こちらの戦いも、長引きそうだ。



「ダストダス、10万ボルト!」
「ランクルス、サイコキネシス」
ダストダスの放つ高圧電流を、ランクルスは念動力で止め、打ち消す。
「突進!」
「もう一度サイコキネシスだ」
ダストダスは猛烈な勢いでランクルスに突進するが、またも念動力で止められ、地面に叩き落とされる。
「しっぺ返し!」
ダストダスは腕を大きく振るい、ランクルスを弾き飛ばす。今のは直撃したので、相当効いただろう。
「くっ、自己再生だ」
しかしランクルスは自分の体を再生し、体力を回復する。
「ダストダス、ダストシュート!」
「ランクルス、サイコキネシス」
ダストダスは汚らしいゴミと毒を混ぜ合わせた塊を作り、それをランクルスに向けて発射する。
ランクルスは最大の力を振り絞って念動力を放ち、ダストシュートを止める。
この勝負は、どちらに転ぶか。



「ローブシン、マッハパンチ!」
「オノノクス、ダブルチョップ!」
ローブシンは素早い拳をオノノクスに叩き込み、オノノクスはカウンター気味に2発の手刀をローブシンに叩き込む。
「なし崩し!」
「瓦割り!」
ローブシンはコンクリート柱を振るい、オノノクスを攻撃。オノノクスも手刀を振り下ろし、ローブシンに叩き込む。
「アームハンマーだ!」
ローブシンは強烈な拳をオノノクスに喰らわせるが、オノノクスは倒れない。
「ダブルチョップ!」
さらにオノノクスは2発の手刀を放つ。どうにも意地を張って攻防を繰り返しているようにも見えるが、気にしないでおこう。
「ハッ、随分と耐えるな。ローブシン、ストーンエッジ!」
「尻尾で薙ぎ払って!」
ローブシンは鋭く尖った岩を無数に発射するが、オノノクスの尻尾の一振りにより、それらは全て砕け散る。
「瓦割り!」
そしてオノノクスはローブシンの脳天に手刀を叩き込む。これはかなりの威力だ。
「そろそろ決めるよ、オノノクス。ギガインパクト!」
オノノクスは膨大なエネルギーを身に纏い、猛烈な勢いでローブシンに突撃する。
「ローブシン、アームハンマーで迎え撃て!」
ローブシンも拳を振るい、オノノクスを迎え撃つ。
巨体と拳が激突し、砂煙が舞う。そしてどちらも吹っ飛ばされるが
「……よく耐えてくれたね、オノノクス」
「戻れ、ローブシン」
倒れたのはレンジのローブシンだった。これでレンジの手持ちは残り1体。
「さあて、ここからが本番か。出て来い、ワルビアル!」
レンジが繰り出すは、赤黒い巨大なワニのようなポケモン、ワルビアル。
「ハッ。今頃英雄はどうしてるかね……俺の見立てでは、今頃はN様の部屋か……」
レンジはそう呟くと、バトルに戻っていった。



「ここは……?」
イリスはダークトリニィに促され、Nの部屋に入った。入ったが、しかし
「なんなんだ、この部屋は……?」
そこは、玩具が散乱する、ファンシーな部屋だった。



はい、なんだか1日で随分と更新している白黒です。たぶん1日の更新量最多だと思います。まあ、そんな話もそこそこに、今回はイリスがNの部屋へとお邪魔しております。そろそろNとの決着をつける時。しかしその前の振りも大事。というわけで、次回もお楽しみに。

Re: 163章 決意 ( No.329 )
日時: 2011/07/24 23:24
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

Nの部屋に足を踏み入れたイリスだが、そこは玩具の散乱するファンシーな部屋だった。
「バスケットボール、スケートボード、ダーツに電車。まるで子供部屋だな」
イリスは一応中を見て回る事にした。まあ、そんなに広い部屋ではないので、すぐに終わるのだが。
「なんだこれ? 引っかき傷?」
イリスはスケートボードの滑り台の側面に、奇妙な傷を見つけた。普通の人間が遊んでいては、決して付かないような傷を。
「この滑り台は結構丈夫そうだし、こんな傷は普通付かない。とすると……ポケモン?」
そう思ってもう一度見れば、その傷はポケモンによるものだと思えなくもない。
「他には……ん?」
イリスは床に転がっている、いかにも使い込まれた感じのバスケットボールを拾い上げる。
「何か書いてあるな。名前か?」
言ってイリスはその稚拙で子供の書いたような読み難い字を読み上げる。
「ハルモニア……? 誰だ?」
イリスには全く心当たりがない。
「N、君は一体、どんな人生を送っていたんだ……?」



「クリムガン、龍の怒り!」
「オノノクス、龍の舞いで回避だ!」
クリムガンは口から行かれる龍のエネルギーを放ち攻撃するが、オノノクスは自身の素早さを上げ、それをかわす。
「ドラゴンクロー!」
そしてオノノクスは龍の力を込めた爪の一撃を繰り出す。
「クリムガン、ポイズンテールで弾け!」
しかしクリムガンはそこで毒を帯びた尻尾を振るい、オノノクスの腕を弾く。
「ドラゴンクロー!」
そしてがら空きとなったオノノクスに、龍の爪の一撃を繰り出すが
「地震だ!」
オノノクスはすぐさま地面を揺らし、その衝撃でクリムガンの動きを止めつつダメージを与える。
「くっ……クリムガン、ポイズンテール!」
クリムガンは急いで体勢を立て直し、毒を帯びた尻尾を振るうが、オノノクスの龍の舞で強化された身のこなしで回避される。
「オノノクス、もう一度地震!」
「クリムガン、跳び上がってドラゴンクロー!」
オノノクスは再度地面を大きく揺らすが、クリムガンは大きく跳躍してオノノクスを上から攻める。
「オノノクス、引き剥がせ!ドラゴンクロー!」
オノノクスも爪に龍の力を込め、クリムガンを弾き飛ばす。
「クリムガン、龍の怒り!」
「オノノクス、瓦割りで断ち切れ!」
クリムガンは口から怒れる龍のエネルギーを放つが、オノノクスは手刀を勢いよく振り下ろし、龍の怒りを断つ。
「クリムガン、ドラゴンクローだ!」
クリムガンは爪に龍の力を込め、オノノクスに突撃する。
「オノノクス、ドラゴンクロー!」
そしてオノノクスも同じように爪に龍の力を込めて突撃。両者共にせめぎ合う形となる。
2体の龍は譲る事無く、互いの力を押し通す。



「ワルビアル、ドラゴンクロー!」
ワルビアルはワニだが龍の力がこもった爪で、オノノクスを切り裂く。オノノクスは反動で動けないので、その一撃をまともに喰らい、戦闘不能。
「オノノクス、ありがとう。戻って」
リオはオノノクスをボールに戻す。そして次のボールを手に取るが、すぐには出さない。
「こんな事なら、他のポケモンも持ってくれば良かったかな……?」
リオは呟いて、決心を決めたようにポケモンを繰り出す。
「最後はこのポケモン。出て来て、シャンデラ!」
リオが繰り出すはゴースト・炎タイプのポケモン、シャンデラ。
「ハッ、シャンデラかよ。確かに相当鍛えられているようだが、タイプ的には俺のワルビアルの方が格段に上。ゴーストは悪、炎は地面に弱いからな。最後がそのポケモンとは、運が悪かっ——」
とそこで、レンジは言葉を失う。それもそうだ、今のシャンデラの様子を見れば、誰だってそうなるだろう。
「流石にちょっとピンチだから、本気で行かせてもらうよ」
見ればシャンデラの不気味な青紫色の炎は、全く逆の雰囲気を漂わせるオレンジ色の炎に変化している。
「……ハッ、オレンジ色の炎か。俺にはぴったりだな。成程、確かにこの最終決戦でお前と戦う事になったのは運命かもな。こいつはかなり、面白くなってきた。ワルビアル、焼き尽くす!」
ワルビアルは口から燃え盛る炎を放つが
「シャンデラ、大文字!」
シャンデラは大の字の巨大な炎を放ち、ワルビアルの炎をも飲み込んでワルビアルを逆に焼き尽くす。
「なんて破壊力だ……ワルビアル、地震!」
「サイコキネシス!」
ワルビアルは地面を大きく揺らして衝撃波を放つが、シャンデラは念動力を放ち、その衝撃を止める。
「シャドーボール!」
そしてシャンデラは影の球を4つ、同時に発射する。
「ぐぅ……ワルビアル、噛み砕く!」
ワルビアルはその大きな体にしては素早い動きでシャンデラに接近し、巨大な口でかぶりつく。
「!シャンデラ、引き剥がして。目覚めるパワー!」
シャンデラは水色を小球を無数に発射し、至近距離からワルビアルに当てて引き剥がす。
「氷タイプの目覚めるパワーか……ワルビアル、噛み砕く!」
「シャンデラ、大文字!」
シャンデラは巨大な大の字の炎を放ち、ワルビアルは大口を開けてシャンデラへと向かっていく。



「……N、君が何を思って今まで生きてきたかは知らないけど、君は自分の意思で動いてはいない。君につきまとう幻影を、僕が消しに行くよ。待っててくれ、N」
イリスはNの部屋から出て、上の階を目指す。そこには、Nがいるのだ。



今回で振りの階は終了です。次回からはNとのバトルに移行します。そして今回はリオのシャンデラが本気になりました。物凄く強いです。では次回予告を……って、もう次回予告してるじゃん!まあ、微妙なボケはおいといて、次回もお楽しみに。

Re: 164章 決戦 ( No.330 )
日時: 2011/07/25 08:48
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

イリスはプラズマ団の城5階……即ち最上階へとやって来た。
「ここは特に部屋がないな……あ」
そう思っている矢先、イリスは1つだけ感じの違う部屋を見つけた。部屋というか、その扉、いや穴と言うべきか。
「ここにNが……。!?」
イリスは覚悟を決めてその部屋に足を踏み入れようとするが、何者かがその部屋から出て来て、イリスの侵入を拒む。
「ようこそ、ライトストーンを持つ者よ」
現れたのは
「ゲーチス!」
プラズマ団の実質的な支配者、ゲーチスだった。
「言いたいことはあるでしょうが、まずワタクシからこの城について言わせてもらいましょう。……このポケモンリーグを包み隠すように出現した城は、イッシュが変わる事を意味するシンボル。そしてその城の王は伝説のポケモンを従え、チャンピオンを超えたトレーナー。しかも世界を良くしたいという熱い思いを胸に秘めている。これを英雄と呼ばずして、何を誰を英雄と呼ぶのです?」
「どうだかな。お前の言う王とやらは誰なんだ、英雄とは誰なんだ? NならNと、はっきり言ってみろよ。それにお前が思っている熱い思いとやらは、どうせくだらないものだろう」
イリスは心の底からゲーチスを嫌悪し、罵るように言う。
「おやおや、これは酷い言われようですね。……まあよいでしょう。そのような戯言は、すぐに消えてなくなります。ここまで舞台装置が揃ったのですから、人々の人心は簡単に掌握できる。なのでいとも容易くワタクシの……いや、プラズマ団の望む世界にできるのです!」
ゲーチスは高らかに叫ぶが、イリスはそれを嫌悪と怒りがこめられた瞳で睨み付ける。
「僕はNの理想を否定はしない。けど、プラズマ団の……お前の望む世界とやらは、全力で否定する。この際だから、はっきり言ってくれないか。お前らプラズマ団の……お前の目的は何だ」
イリスがそう言うと、ゲーチスは待ってましたと言わんばかりにニヤリと笑い、そして口を開く。

「ワタクシたちだけがポケモンを使い、無力な人間を支配する。それこそがワタクシの望む世界なのです!」

「な!?」
イリスは流石に驚く。その隙に、ゲーチスはさらに言葉を続ける。
「長かったぞ。計画を悟られぬよう息を潜めていたり、わざと規模の小さな町や村を襲い、情勢を混乱させたり……そのような苦しみの日々も終わる!」
ゲーチスはそこでふと熱い熱弁を止め、いつも通りの冷静な態度に変わる。
「さあ、進むのです。そして自分にも英雄の素質があるか、確かめればよいのです」
そう言って、ゲーチスは道を空ける。
「……ゲーチス、お前の事だからまだなにかを企んでいるんだろうけど、何を企もうと、その腐った思想ごと、お前の企みは潰してやるよ」
イリスはゲーチスにそう呟いて、部屋へと入っていく。



部屋の内部、そこは水の上に建てられた足場のようだった。しかしとても頑丈そうでいて、どこか神秘的な雰囲気を漂わせている。
「僕が望むのは、ポケモンだけの世界……」
そして一番奥の玉座に、Nが座っている。Nはイリスに気付いているのかいないのか、ぶつぶつと呟いている。
「ポケモンは人から解き放たれ、自由の身となる。そして本来の力を取り戻す」
そしてNは玉座から降り、イリスの元へと歩み寄る。
「——さあ、僕には覚悟がある。トモダチのポケモンたちを傷つけても信念を貫く!」
Nは声にも眼にも、覚悟で満ちていた。
「……ここまで来たからには君にもあるんだろう?」
「当然」
Nの問い掛けに、イリスは即答する。覚悟くらいなら、とっくに決めている。
「そうか、それは良かった。なら僕のところに来て見せてほしい、君の覚悟を!」
Nの言葉に、イリスは歩みだす、Nの元へと歩み寄る。
「……さて、こうして僕と君が戦うというのに、まだレシラムは反応しないんだね」
「…………」
イリスも、それには返す言葉がなかった。
「まあまだいい。すぐに君との決着を着けては、面白くない」
「面白くない?」
イリスは怪訝そうな顔をするが、Nは構わず話を続ける。
「ああ。これは新たな指導者、新たな支配者、そして新たなる英雄を祝うセレモニーでもある。だから伝説のポケモンの前に、前哨戦を始めよう」
言って、Nはボールを取り出す。
「さあイリス、君もボールを取れ。君だって、相当な実力者だろう?」
Nは急かすように言う。
「……分かったよ。そんなに言うなら、その前哨戦とやらを始めよう」
かくして、イリスVSN。史上最大の前哨戦が、今始まる。



「さあ出て来てくれ、シンボラー」
「頼んだぞ、デスカーン!」
Nのポケモンはシンボラー、イリスのポケモンはデスカーンだ。
「こちらから行くよ。シンボラー、エアスラッシュ!」
シンボラーは風の刃を飛ばし、デスカーンを切り裂く。しかも単発ではなく連続で放ってくる。
「デスカーン、怪しい風!」
しかしデスカーンは最初の一発で見切ったのか、次からの攻撃は全て怪しい風で打ち消す。
「なら、サイコキネシス!」
「怪しい風だ!」
シンボラーは続けて念動力を放つが、これも怪しい風に防御される。
「だったらこれだ。冷凍ビーム!」
「シャドーボール!」
シンボラーの放つ凍てつく光線を、デスカーンは影の球で相殺。
「ゴットバード!」
シンボラーはその身に光を吸収し、猛烈な勢いでデスカーンに向かっていく。
「デスカーン、シャドーボール!」
しかしデスカーンは司法からシャドーボールをぶつけることでそれを止め、さらにシンボラーを戦闘不能にする。
「N。君の覚悟がどれ程のものかは知らないけど、僕の覚悟だって相当なものだ。それにいくら君に覚悟があろうと、僕は負けないよ!」
イリスの声が、部屋の内部にこだまする。



遂に来ました最終決戦。まずは前哨戦ということで、伝説のポケモンは置いときます。では、今回は本編がちょっと長めなので、あとがきはこの辺で。次回もお楽しみに!

Re: 165章 前哨戦 ( No.331 )
日時: 2011/07/25 12:10
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「やるね、イリス。まさかシンボラーをこんなにも容易く倒すとは。でも、僕のトモダチの力はこんなものじゃない。ここからが本番だ。さあ出て来てくれ、バイバニラ!」
Nの2番手はブリザードポケモンのバイバニラ。ソフトクリームのような外見で、氷のコーンカップに2つのクリーム部分が付いていて、2つともに顔がある。
「バイバニラ、氷の息吹!」
バイバニラは穴の開いた角から凍てつくような息吹を放つ。
「デスカーン、怪しい風で吹き飛ばせ!」
デスカーンは妖気を含む風を放ち、氷の息吹を吹き飛ばす。
「シャドーボールだ!」
そして黒い影で作った球を4発放つ。球はそれぞれカーブしながらバイバニラに向かって行き、全発命中した。しかし
「バイバニラ、ミラーコート!」
シャドーボールの直撃を受けたバイバニラの体が光り、次の瞬間その光が弾け、デスカーンを襲う。
「くっ、デスカーン……!」
です感は防御、特防ともに高いポケモンだが、それでもこの攻撃によるダメージはかなりのものだった。
「ミラーコートは受けた特殊技のダメージを2倍にして返す技だ。君のデスカーンは特攻も秀でてるみたいだけど、それが仇となったね。バイバニラ、ラスターカノン!」
次にバイバニラは銀色に光る球体を作り出し、それをデスカーンに向けて発射する。
「ぐっ、デスカーン、目覚めるパワー!」
デスカーンはラスターカノンを喰らうもすぐに体勢を立て直し、朽葉色の小球を連続で発射する。
「バイバニラ、ミラーコート」
しかしバイバニラはそれらの攻撃を受け、ダメージを跳ね返す。しかし今度の攻撃は威力がさほど高くもなく、デスカーンも大きなダメージは受けない。
「バイバニラ、氷の息吹!」
バイバニラは頭の角から氷雪の息吹を放つ。
「デスカーン、怪しい風だ!」
デスカーンはそれに対し、妖気を含む風を発生させ防御。
「シャドーボール!」
そして影の球を発射。しかしミラーコートがあるので、控えめに2発だけだ。
「随分と及び腰だね。バイバニラ、氷の息吹だ!」
バイバニラは再び氷の息吹を放ち、シャドーボールを掻き消す。そしてそのままデスカーンに息吹を浴びせ、ダメージを与える。
「ぐぅ……!」
「氷の息吹は急所に必中する技だ、デスカーンといえど相当なダメージになるだろう。さあとどめだ。バイバニラ、ラスターカノン!」
バイバニラは銀色の球体を作り、デスカーンに向けて発射する。鈍いデスカーンはそれを避ける事ができず、直撃を喰らって戦闘不能となってしまう。
「……戻れ、デスカーン」
イリスはデスカーンをボールに戻す。しかしこの状況は決して悪くはない。デスカーンがやられてもイリスの手持ちは残り5体、対するNの手持ちも5体だが、バイバニラはデスカーンの攻撃を受けて疲労している。
「次はお前だ。出て来い、ズルズキン!」
イリスの2番手は悪・格闘タイプのズルズキン。氷タイプのバイバニラとは相性が良い。
「ズルズキン、諸刃の頭突き!」
ズルズキンはいきなりの大技を使用。自身をも傷つけるような勢いでバイバニラに突進し、頭突きをかまそうとするが
「バイバニラ、溶ける」
バイバニラは自分の体を溶かし、諸刃の頭突きを回避する。
「ラスターカノン」
そしてズルズキンの背後に姿を現し、銀色に輝く球を撃ち込む。
「ズルズキン!」
ズルズキンは大きく吹っ飛ばされるが、防御系の能力は高いので倒れはしない。
「君の魂胆は丸見えだよ。ミラーコートを恐れて、特殊技を使うポケモンが出せないんだろう?」
「っ!」
その通りである。イリスはミラーコートを嫌ってズルズキンを出したのだが、Nのバイバニラには物理技も効かない。
「僕のバイバニラは特殊技で攻められれば跳ね返し、物理技で攻められれば回避する。ミラーコートと溶けるの使い分けが重要なのさ」
「ぐ……ズルズキン、炎のパンチ!」
「無駄だよ。バイバニラ、溶けるだ」
ズルズキンは拳に炎を灯してバイバニラに向かっていくが、バイバニラは体を溶かして姿を暗ませる。
「氷の息吹」
そして突如背後から現れ、凍てつく氷雪の息吹を吹きつける。息吹はズルズキンの急所に命中し、大きなダメージを与える。
「くっそ、噛み砕く!」
「溶ける。そしてラスターカノン」
バイバニラはズルズキンの噛み砕くを溶けるでかわし、背後に現れては銀色の球を撃ち込む。
「くっ……!」
イリスは言葉も出ず、一方的にやられるだけだった。
「ズルズキン、噛み砕く!」
「無駄だって言ってるだろう。バイバニラ、溶ける」
ズルズキンの噛み砕くをバイバニラは体を溶かして回避する。
「どうすれば……。……!」
イリスは閃いた。そしてそれをすぐ実行に移す。
バイバニラは溶けた後、すぐにズルズキンの背後に回り、姿を現す。
「氷の息吹!」
そして氷雪の息吹を吹きつけるが

「ズルズキン、地面に炎のパンチだ!」

ズルズキンは地面に炎のコブ時を叩きつける。Nは一瞬わけが分からず困惑したが、すぐにその疑問は氷解する。
「火柱……!?」
ズルズキンが地面に叩きつけた拳の炎は地面を伝い、火柱としてバイバニラの周りを囲う。バイバニラも突然の事態で混乱している。
「今だズルズキン、跳び膝蹴り!」
そしてズルズキンは焦っているバイバニラに強烈な跳び膝蹴りを喰らわせ、バイバニラを解凍——壊凍する。



イリスVSN、パート2です。今回は諸事情により、あとがき短めで。では、次回もお楽しみに。


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