二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄 完結、そして……
日時: 2011/07/29 00:16
名前: 白黒 (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22252

はじめまして、白黒です。
白黒にちなんでポケットモンスターブラック・ホワイトの小説を書こうと思いました。
内容はオリジナルの要素を含みながら、ゲームの通りに進行したいと思います。
何分まだ中学生で、文才もないですが、それでも読んでくれたらありがたいです。
コメントを貰えれば、幸いです。
無事完結致しました。そしてこの物語は、次回作の『混濁の使者』へと続いていきます。参照をクリックして頂ければ、そちらに飛びますので。

登場人物
>>28

プロローグ
>>2
カラクサタウン
>>4
サンヨウシティ
>>5 >>6 >>7 >>8 >>13
シッポウシティ
>>14 >>15 >>16 >>21 >>27
ヒウンシティ
>>29 >>32 >>33 >>42 >>44 >>45 >>47 >>50 >>51 >>54
ライモンシティ
>>55 >>59 >>61 >>62 >>63 >>64 >>65 >>69 >>70 >>71 >>72 >>73 >>74 >>76 >>79 >>80
ホドモエシティ
>>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>89 >>90 >>92 >>95 >>96 >>100 >>101 >>102 >>106 >>107 >>108 >>113 >>114 >>115
フキヨセシティ
>>119 >>122 >>123 >>125 >>126 >>127 >>128 >>129 >>130 >>131
セッカシティ
>>132 >>133 >>136 >>137 >>145 >>146 >>147 >>148 >>149 >>150 >>151 >>152 >>153 >>155 >>159 >>162 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167
バトルサブウェイ
>>196 >>199 >>200 >>205 >>207 >>208 >>209 >>210 >>211 >>213 >>217 >>218 
ソウリュウシティ
>>227 >>235 >>238 >>239 >>242 >>243 >>246 >>249 >>250 >>253 >>254 >>256 >>259 >>260 >>261 >>262 >>263 >>268 >>269 >>271 >>272 >>275 >>279 >>280 >>281 >>284 >>285 >>287 >>288 >>289 >>290 >>291
ポケモンリーグ
>>292 >>293 >>294 >>295 >>296 >>297 >>298 >>299 >>300 >>301 >>302 >>305 >>306 >>307 >>308 >>309 >>310 >>311 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>320 >>321 >>322 >>323 >>324 >>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>340 >>343 >>344 >>347 >>348 >>349
エピローグ
>>350
番外編
ミキの特訓 前後編 >>52 >>53
トライアルハウスバトル 前後編 >>81 >>82
旧ライモン遊園地の夜 前後編>>111 >>>112
四季の川 前後編>>143 >>144
Heaven of battle 前後編 >>168 >>169
過去のプラズマ 前後編 >>282 >>283
マルチバトルサブウェイ 前中後編 >>317 >>318 >>319
夢のドリームマッチ 対戦表
リオVSメイル >>181 >>184 >>187 >>188
アカリVSキリハ >>189 >>190 >>191
ムントVSレンジ >>192 >>193 >>194 >>195
100章記念 イリスQ&A
>>231 >>232 >>233 >>234

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Re: 149章 眠り姫 ( No.312 )
日時: 2011/07/20 17:27
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「バルジーナ、ブレイブバード!」
バルジーナは燃え盛る炎のようなエネルギーを身に纏い、シンボラーに突撃。
「シンボラー、リフレクター」
対するシンボラーは透明な壁を創り出し、ブレイブバードのダメージを軽減する。
「冷凍ビーム」
そして至近距離から凍てつく光線を発射し、バルジーナを地面に落とす。
「バルジーナ!」
急所に当たったらしく、落下したバルジーナは戦闘不能になっていた。
「戻って、バルジーナ」
ミキはバルジーナをボールに戻し、次なるポケモンを繰り出す。
「次はこのポケモン。出て来て、ブルンゲル!」
ミキの2番手は、水色の体にやたらでかい頭を持つポケモン、ブルンゲルだ。
「ブルンゲル、滝登り!」
ブルンゲルは水を纏い、上空にいるシンボラー目掛けて急上昇する。
「シンボラー、原始の力」
それに対してシンボラーは古代の力を含む岩石を出現させて防御を試みるが、難なく突破されてしまう。
「怪しい風!」
滝登りをヒットさせたブルンゲルは、妖気を含む怪しい風を発生させてシンボラーを攻撃。
「とどめの潮吹き!」
そして最後に潮水を盛大に吹き上げ、シンボラーにとどめを刺す。
「戻りなさい、シンボラー」
カトレアはシンボラーをボールに戻す。
「お出でなさい、ムシャーナ」
そしてカトレアが繰り出したポケモンは、夢現ポケモンのムシャーナだ。
「ムシャーナか、手強そうだな……でも、エスパータイプだからゴーストタイプのブルンゲルの方が有利。ブルンゲル、怪しい風!」
ブルンゲルは妖気を含んだ風を突風のように放つ。
「ムシャーナ、光の壁」
ムシャーナはその風に対し、透明な壁を創り出して威力を半減させる。
「光の壁はリフレクターの特殊攻撃版。だからあなたのブルンゲルが繰り出す特殊技の威力は、半減される」
「だったらこの技です。ブルンゲル、滝登り!」
ブルンゲルは水を纏い、とりあえずは正面にいるムシャーナに突撃する。まず相手にぶつかってから、そのまま上空へ押し上げるのだ。
「ムシャーナ、チャージビーム」
素早さの低いムシャーナはブルンゲルの滝登りを避けようとはせず、むしろ迎撃するつもりなのか、光線状の電撃を発射する。
しかしブルンゲルの特防は高く、この程度ではやられたりしない。なのでブルンゲルはムシャーナに滝登りを喰らわせる。
「エナジーボール!」
ブルンゲルは銃空に打ち上げられたムシャーナに緑色の球体を2つ発射する。
「チャージビーム」
ムシャーナはその球体を避けようとはせず、受ける。そしてその後、光線状の電撃を発射するが、大ダメージにはならない。
「潮吹き!」
「光の壁」
ブルンゲルの噴き出す潮水を、ムシャーナは光の壁で防御。
「チャージビーム」
そして三度チャージビームを発射。しかし効果は薄い。
「ブルンゲル、エナジーボール!」
ブルンゲルは緑色の球体を2つ、ムシャーナ目掛けて発射する。
「避けなさい、ムシャーナ」
ムシャーナは今度は攻撃を避けた。ムシャーナは元々浮いているポケモンなので、そのまま上に上昇して緑色の球をかわしたのだ。
「逃がしませんよ。ブルンゲル、滝登り!」
ブルンゲルは逃がすまいといった気迫で、水を纏い上空にいるムシャーナに突撃しようとする、が

「ムシャーナ、催眠術」

ムシャーナは何か怪しげなリング状の思念を放ち、ブルンゲルに当てる。するとブルンゲルはたちまち落下し、その眼は閉じている。
「催眠術……!」
催眠術とは、言うまでもないとは思うが相手を眠らせる技だ。バトル中において眠り状態になるという事は、非常にマズイ。
「ムシャーナ、チャージビーム」
ムシャーナは眠っているブルンゲルに電撃の光線を発射する。このように眠り状態だと、敵の攻撃をしこたま喰らう事になる。
さらに一部のポケモンは眠り状態の時にこそ効果を発揮する技も覚えていて——
「ムシャーナ、夢喰い」
ムシャーナは眠っているブルンゲルの体から煙を出し、それを食べ始める。どうやらこのムシャーナも夢喰いを覚えていたようだ。
夢喰いというのは、その名の通り夢を食べる技。相手の夢を食べてダメージを与え、相手の夢を食べて体力を回復する技。強力な技ではあるが、相手が眠り状態でないと発動しないのが唯一のネックだ。
「ブルンゲル、起きて!」
ミキはブルンゲルに叫ぶが、反応はない。
「無駄よ。このムシャーナの催眠術は普通の催眠術より強力。そうそう起きる事はないわ。ムシャーナ、もう1度夢喰い」
ムシャーナはさらにブルンゲルの夢を食べる。ブルンゲルの顔は、どことなく辛そうで苦しそうだ。
「ブルンゲル!」
ミキは何度も呼びかけるも、ブルンゲルは一向に目を覚まさない。
「ムシャーナ、さらに夢喰い」
ムシャーナはどんどんブルンゲルの夢を食べ、ダメージを与えていく。
夢喰いは威力が高い技だが、ムシャーナはチャージビームの追加効果でさらに強化しているため、ブルンゲルはかなりのダメージを受けている事だろう。
「ブルンゲル、目を覚まして!」
ミキの悲痛な叫びがこだまする。



ミキVSカトレア、パート2です。ちなみに本作品でのリフレクター及び光の壁は、単発の技です、持続しません。1度使って防御したら消え、次使う時にまた創り出す仕様となっております。では次回ですが、次回はミキVSカトレア、パート3です。お楽しみに。

Re: 150章 力の封印 ( No.313 )
日時: 2011/07/20 22:06
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「ムシャーナ、夢喰い」
ムシャーナはまたも眠るブルンゲルの夢を喰おうとするが
「あら……起きてしまったわね」
ブルンゲルはムシャーナが夢喰いを発動する直前で目を覚まし、夢喰いから逃れる事が出来た。
「良かった、ブルンゲル……。よし、それじゃあ反撃行くよ。潮吹き!」
ブルンゲルは潮水を盛大に噴射し、ムシャーナを攻撃するが
「ムシャーナ、光の壁」
ムシャーナは特殊技のダメージをカットする壁で潮吹きの威力を軽減する。
「潮吹きは自分の体力がなくなるほど威力が落ちる技。夢喰いを食らい続けたそのブルンゲルじゃ、大した威力にはならないわ」
カトレアの言う通り、ブルンゲルはかなりダメージを負っていて、あと2、3発まともに入れば戦闘不能になってしまうような状態だ。
そして光の壁でダメージをカットしたとはいえ、潮吹きを受けたムシャーナはほとんどダメージを受けていない。それほどにブルンゲルは疲弊しているのだ。
「だったら……ブルンゲル、エナジーボール!」
ブルンゲルは緑色の球体を2つ創り出し、ムシャーナに向けて発射する。
「光の壁」
しかしムシャーナは光の壁でそれを防御。
「滝登り!」
ブルンゲルは全身に水を纏い、ムシャーナに向かって突撃する。
「ムシャーナ、ブルンゲルが射程範囲内に入ったところで催眠術」
そう指示され、ムシャーナは向かい来るブルンゲルをじっと見据える。催眠術の射程範囲内に入ればすぐに催眠術を放てるように。
そして、ブルンゲルは催眠術の射程範囲に突入する。
「今よ、ムシャーナ」
ムシャーナは催眠効果のある思念を飛ばし、ブルンゲルを眠らせる。
はずだった
「! ムシャーナ!」
気付けばムシャーナは上空に吹き飛ばされていた。
「催眠術は命中率の低い技。故に確実に相手に当てなければ効果がない。ブルンゲルは滝登りで身に纏う水の量を多くして、ムシャーナがブルンゲルが催眠術の射程範囲内に入ってきたと思い込ませたんです」
つまり、ブルンゲルは通常の滝登りよりも多く水を身に纏い突撃した。そのためムシャーナはブルンゲルが射程範囲内に入ったと思ったが、その時はまだ水の部分しか入っておらず、催眠術は失敗に終わって攻撃を喰らった、という事だ。
「ふうん……少し楽しくなってきたわね。でも、まだアタクシのムシャーナは戦闘不能にはなっていない」
ムシャーナは吹き飛ばされたものの、すぐに体勢を立て直してゆっくりと降りてくる。
「ブルンゲル、怪しい風!」
「ムシャーナ、チャージビーム」
ブルンゲルは妖気を含んだ怪しい風を飛ばすが、ムシャーナのチャージビームはそれを突っ切ってブルンゲルにヒットする。
しかし怪しい風も相殺されたり打ち消されたりしたわけではないので、そのまま飛んで行き、ムシャーナに直撃する。
「戻って、ブルンゲル」
「戻りなさい、ムシャーナ」
双方の攻撃が互いにクリティカルヒットしたようで、どちらのポケモンも戦闘不能となった。
「それじゃあ次は……このポケモン。頼むよ、ドリュウズ!」
「出て来なさい、ランクルス」
ミキの繰り出したポケモンは、モグラのような姿の地底ポケモン、ドリュウズ。
カトレアの繰り出したポケモンは、胎児のような姿の増幅ポケモン、ランクルス。
「ドリュウズ、気合玉!」
ドリュウズは気合を込めた球体を作り、それをランクルス目掛けて放つ。
「ランクルス、ピヨピヨパンチで打ち消しなさい」
対するランクルスは拳を握り、向かい来る気合玉を殴りつけて消し去った。ランクルスは特攻がべらぼうに高く、握力も岩を砕くほどだ。
「こちらも気合玉」
そしてランクルスはドリュウズと同じように気合玉を放つ。
「メタルクローで掻き消して!」
対するドリュウズは鋼鉄の如き硬度の爪で放たれた気合玉を切り裂き、消滅させる。ドリュウズの爪は地底を掘り進むため、かなり硬いのだ。
「ドリュウズ、気合玉からドリルライナー!」
ドリュウズはまず気合玉を放ち、次に頭の角と両手の爪を合わせるそしてそのドリルのような形状で高速回転し、ランクルスに向かって突っ込む。
「サイコキネシスで止めなさい」
ランクルスはまず飛んで来る気合玉を念動力で止め、その次に回転しながら向かって来るドリュウズを止めようとするが
「!」
気合玉に念動力を当てた途端、爆発した。それによってランクルスは怯み、そのままドリルライナーも喰らってしまう。
「成程。わざと不安定な気合玉を放つ事で、外部からの力を受けて爆発するようにしたのね」
カトレアは気合玉が爆発した原因をすぐに理解する。恐るべき頭の回転の速さだ。
「ドリュウズ、もう一度気合だ——」
「ランクルス、封印」
ドリュウズは再び気合玉を放とうとするが、ランクルスから発せられる力で止められてしまう。
「え……ドリュウズ、気合玉!」
ドリュウズは気合玉を放とうとするが、まずもってエネルギーを集める事すら出来ていない。
「封印は相手の覚えている技で、自分と同じ技がある場合、その技を使えなくする。つまり封印する技」
カトレアは静かに、そう言う。
「さて、ここからが楽しい時間の始まり。アタクシを楽しませて頂戴……」



今回はミキVSカトレア、パート3でした。そして今回で150章です。まあ特に何かやるわけではありませんが。ですが、200章いったら何かしようと思います。明日から僕は夏休みに突入するのですが、何分受験生の身ですので、更新は午前中か夜となりますが、ご了承ください。では、次回のミキVSカトレア、パート4もお楽しみに。

Re: 151章 知力の女 ( No.314 )
日時: 2011/07/21 18:12
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「ドリュウズ、岩雪崩!」
ドリュウズはどこからか多量の岩を出現させ、それらを雪崩のようにランクルスに落とす。
「ランクルス、サイコキネシス」
しかしランクルスは念動力で降り注ぐ岩を止める。
「そのまま攻撃」
そして岩を粉々に砕くと、念動力を念波に変換してドリュウズに向かって撃ち出す。
ドリュウズは反復横跳びの要領でそれを避けようとするが、残念ながら全てヒットしてしまう。しかしドリュウズは鋼タイプなので、大きなダメージにはならない。
「ドリュウズ、ドリルライナー!」
ドリュウズは頭の角と両手の爪を合わせ、ドリルのような形状となる。そしてその状態で高速回転し、ランクルス目掛けて突っ込む。
「ランクルス、サイコキネシス」
ランクルスは念動力で回転突撃してくるドリュウズを止めようとするが、回転するドリュウズのエネルギーは莫大で、サイコキネシスを弾いてしまう。
「くぅ……ランクルス、ピヨピヨパンチ」
ランクルスはドリルライナーの直撃を受けたが耐え切り、力を込めた拳を放つ。
「ドリュウズ、メタルクロー!」
ドリュウズはドリルの形態からモグラの形態(?)に変化すると、いきなりピヨピヨパンチを喰らう。しかしノーマルタイプの技は鋼タイプには効果いまひとつなのであまり効かず、カウンター気味のメタルクローでランクルスを引き裂く。
「ランクルス、サイコキネシス」
ランクルスは念動力でドリュウズの動きを封じ、宙に浮かせる。そして思い切り勢いをつけ、地面に叩きつける。
「ドリュウズ、怯んじゃダメ。岩雪崩」
ドリュウズはサイコキネシスでランクルスと距離ができてしまったため、とりあえずは雪崩のように岩を降り注ぐ。
「サイコキネシスで砕きなさい」
ランクルスはそんな岩石を念動力で止め、木っ端微塵に粉砕する。
「気合玉よ」
そして気合を込めた球体を作り出し、それをドリュウズ目掛けて放つ。
「! ドリュウズ!」
ドリュウズはその一撃を受けた。気合玉は鋼タイプの弱点を突く格闘タイプの技なので、ドリュウズのダメージは大きい。
「ドリュウズ、ドリルライナー!」
「ランクルス、気合玉」
ドリュウズはドリルの形態になり、高速回転しながらランクルスに突っ込む。
ランクルスは直進するドリュウズに気合を込めた球をぶつけ、ダメージを与えるとともにその動きを止める。
「サイコキネシス」
そして念動力で浮かせ、地面に叩きつける。しかし今度はランクルス側に引き寄せる。
「ピヨピヨパンチ」
ランクルスは体勢の崩れたドリュウズを殴り飛ばす。しかも腹の部分を狙ったので、ダメージはそれなりにあるだろう。
「そろそろおわりかしら……? ランクルス、気合玉」
ランクルスは気合を込めた球体を作り、ドリュウズにむけて放つ。
「ドリュウズ、爪で防御!」
ドリュウズは咄嗟に鋼鉄のように硬い爪を交差させ、気合玉を防御する。しかしそんなものは気休め程度にしかならないだろう。ドリュウズは気合玉の直撃を受け、それによって生じた砂煙に包まれる。
「……?」
砂煙が晴れると、そこにはドリュウズが点…いなかった。
「一体どこへ……?」
ドリュウズの生態を知るトレーナーなら、まずは穴を掘るで地面に潜ったと考えるだろう。しかしミキのドリュウズは穴を掘るを覚えていない、だとすれば
「! ドリルライナー……ランクルス、下——」
カトレアが気付いたときにはもう遅かった。ドリュウズはドリルの形態で高速回転しながら地面から飛び出し、ランクルスに突撃する。
「ドリュウズ、メタルクロー!」
ドリュウズはドリルライナーを当てるとすぐにドリル形態を解除し、鋼鉄の爪でランクルスを引き裂く。
「とどめのドリルライナー!」
そしてドリュウズは最後に跳躍し、真上からドリルライナーを繰り出し、ランクルスに直撃する。
「ランクルス!」
ランクルスを見れば、目を回していた。戦闘不能だ。
「戻りなさい、ランクルス」
カトレアはランクルスをボールに戻す。これでカトレアの残りポケモンはあと1体だけだ。
「……それでは、アタクシの切り札ポケモンを見せましょうか。さあ出て来なさい、ゴチルゼル!」
カトレアの最後のポケモンは、天体ポケモンのゴチルゼル。黒いドレスを着込んだ人間の女性的なポケモンだ。
「ゴチルゼル、サイケ光線」
ゴチルゼルは掌を前に突き出し、そこから念波を光線として発射する。
「ドリュウズ、メタルクローで弾き返して!」
ドリュウズは鋼鉄の爪を振るい、サイケ光線を弾こうとするが
「え……ドリュウズ!」
弾かれた、もとい吹っ飛ばされたのはドリュウズだった。
「目覚めるパワー」
ゴチルゼルは今度は空色の小球を作り、それをドリュウズに発射する。
「ドリュウズ、もう一度メタルクロー!」
ドリュウズは再度弾こうとするが、やられるのはドリュウズだった。
「お次は悪の波動」
ゴチルゼルはさらに悪意に満ちた波動を無数に放ち、ドリュウズを攻撃。今までの攻撃は全てこうかいまひとつだが、ドリュウズにはかなり効いているようだ。
「これで終わり……。ゴチルゼル、破壊光線」
ゴチルゼルは膨大なエネルギーを収束し、それを極太の光線として、発射する。
ドリュウズはその光線の直撃を喰らい、吹っ飛ばされる。
「ドリュウ……ズ……」
ミキは吹き飛ばされるドリュウズを捉えられず、他の何かを見ているように、固まっていた。



意外とこのバトルも早く終わりそうな予感がしてきました。今回のラストはミキに異変が起こりました、次回は何が起こったか明らかになります。……まあ、一応こういう場で言わないと、伝わりそうになかったので。では、次回もお楽しみに。

Re: 152章 過去の幻獣 ( No.315 )
日時: 2011/07/21 20:34
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「…………」
ミキは吹っ飛ばされ、戦闘不能になったドリュウズをボールにも戻さず、ただ立ち尽くしている。
「……どうやら、ゴチルゼルのエネルギーに当てられて、何かを視ているようね」
ゴチルゼルが天体ポケモンと呼ばれる由縁は、強力なサイコパワーの影響で空間がねじれ、何万光年も遠くの星空が映るからである。また占星術のように星の配置や動きから未来を見通したり、トレーナーの寿命を見たりもする。
そしてことカトレアのゴチルゼルは特殊というか強力で、離れた場所や未来だけでなく、過去、平行世界(俗に言うパラレルワールド)、別世界なども移してしまう。カトレアが推理するに、それはサイコパワーの質が違うらしいが、そんな事は関係ない。
「問題は、この子が何を見ているか。遠い場所なら良し。未来もまあまだ良い方。……でも、平行世界や別世界だと、恐ろしいものを視る恐れがある……」
カトレアは別にミキが嫌いなわけではないので、ここで妙なものを見て気が狂ったり発狂したりしては困る。
しかしそれらは杞憂だった。なにせミキが視ているものは、自分の過去なのだから。



1つの街が——いや、町というべきか、そのくらいの小さな町が、炎上していた。町の名前はセッカシティ、イッシュ唯一の湿原地帯で、龍螺旋の塔という古代建造物があり——ミキの故郷である。
そのセッカシティが、炎に包まれていた。
「ザキ。ミキを連れて今すぐ湿原の方へ逃げろ。あそこは湿気が多く、火も回らない。だから行け」
「父さんと母さんはどうするの?」
これは5年前のセッカシティ。この時、プラズマ団の大規模な強襲があり、セッカシティは混乱の渦に巻き込まれた。
「父さんも母さんもPDOの一員だ。だからプラズマ団から町の住民を守り、戦う義務がある」
「あなたたち2人はまだ子供。危険だから、早く避難して」
当時PDOセッカ支部統括だったザキのとミキの父、そして統括補佐だった母。ザキのミキはこの2人を尊敬し、敬愛していた。
「…………」
ザキはミキの手を握り、立ち尽くしている。
「早く行くんだ」
父が催促し、ザキは決心したように顔を上げる。
「……分かった」
そう言うとザキは、ボールからポケモンを出す。赤紫色の巨大なムカデのようなポケモン、ペンドラーだ。
ザキはペンドラーに乗り、ミキも乗せようとするが
「おとーさんとおかーさんは?」
「2人は戦わなくちゃいけないんだ。だから行くぞ、ミキ」
ザキはミキの腕を引っ張るが、ミキは動こうとしない。
「ミキ」
その時、ミキの母は慈愛に満ちた顔でミキに語りかける。
「お母さんたちは必ず帰ってくるから、それまで待って頂戴。大丈夫、あなたにはポケモンがいるから」
そう言ってボールを1つ、ミキに握らせる。
「それじゃあミキ、お母さんたちは行ってくるわ」
そう言ってミキの母親は、父親とともにプラズマ団と戦いに出た。
そして、母親だけ戻ってくる事はなかった。



「…………」
ミキは今だ固まったままだ。というか、うつ伏せに倒れている。
「もう10分以上こうしているわね……大丈夫かしら……?」
カトレアは暇そうに——心配そうに欠伸をする。



「お母さん?」
イリスとミキが出会った日の夜。2人はポケモンセンターの宿舎にある2段ベッドで会話をしていた。
「はい、お母さんです。私は、5年前にお母さんを失いました」
「それって……」
イリスは気まずそうな顔で口を開くが、ミキの表情は明るかった。
「死んじゃったというわけではないと……思います。でも、5年前にプラズマ団がセッカシティを襲ってから、私はお母さんと会っていません」
イリスは何気なく何故ミキがPDOに加入したいのかを聞いてみたが、重そうな話になってしまった。
「えっと……つまり、ミキちゃんは母親を見つけるためにPDOに入りたいって事?」
「はい。PDOならプラズマ団に関する情報が入ってきますから、探しやすいかな、と」
「成程ね……」
イリスは得心いった顔で頷く。
「でも、ちょっと不安ではあります」
ミキの表情が、途端に暗くなる。
「私は、まだ弱いですから。不安で……」
ミキの顔が沈んでいく。
「だったら強くなればいいよ」
「え?」
イリスは何という事もない、という風に言った。
「弱いなら強くなれば良い。僕だって強いとは言えない。だから強くなろうとするんだ。強くなりたいんだ。だから——」
イリスは一拍おき、口を開く。

「一緒に強くなろうよ。仲間と一緒なら、より一層僕も強くなれる」



「……思い……出した……」
ミキが昏睡してから15分。ついにミキは目を覚まし、立ち上がった。
「私も、一緒に強くなる。そして、お母さんを、見つけるんだ……!」
ミキは決意のこもった顔で、そう言った。
「……どうやら、ゴチルゼルの力が良い方に働いたようね。アタクシからすれば、悪い方なのかもしれないけれど」
カトレアがそう言う傍、ミキはドリュウズをボールに戻し、次のポケモンを繰り出す。
「出て来て、メブキジカ!」
母が最後に託したポケモン、シキジカ。そのポケモンは、仲間とともに成長し、進化を遂げた姿を現す。



今回はバトルなしの回でしたね……ミキの過去はいつか書こうと思っていて今回になりましたが、ぐだぐだの上に長ったらしくなってしまいました……。まあ、気を取り直して。次回はミキVSカトレア、決着です。お楽しみに。

Re: 153章 幼き力 ( No.316 )
日時: 2011/07/22 00:17
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「メブキジカ、破壊光線!」
メブキジカは出て来て早々、極太の光線を発射する。
まさか初っ端からそんな大技を使ってくるなどとは想像もせず、ゴチルゼルは破壊光線の直撃を受ける。
「うぅ。でも、破壊光線には攻撃後の反動がある。ゴチルゼル、目覚めるパワー」
ゴチルゼルは空色の小球を無数に発射し、メブキジカを攻撃する。反動で動けないメブキジカは直撃を受け、かなりのダメージを受けた。
「アタクシのゴチルゼルの目覚めるパワーは飛行タイプ。草タイプを持つメブキジカには効果抜群。ゴチルゼル、お次はサイケ光線」
ゴチルゼルは掌を突き出し、そこから念波を光線として発射する。
「メブキジカ、ジャンプで避けて!」
メブキジカは襲い来るサイケ光線を跳躍して回避し、そのままゴチルゼルの目の前に着地。
「二度蹴り!」
そしてゴチルゼルを二回蹴り飛ばす。効果いまひとつだが、結構効いている。
「さらにウッドホーン!」
次にメブキジカは角を突き出し、ゴチルゼルを突き上げる。
「ゴチルゼル、悪の波動」
ゴチルゼルはメブキジカとの距離ができた事で、悪意に満ちた黒い波動を放つ。波動はメブキジカに直撃し、そこそこのダメージを与えた。それによりやや焦ったような表情のカトレアは、少し落ち着く。
「まだまだ……メブキジカ、シャドーボール!」
「ゴチルゼル、サイケ光線で相殺よ」
後ずさったメブキジカは素早く黒い影の球を発射するが、ゴチルゼルはその球体に光線状の念波をぶつけ、相殺する。
「目覚めるパワー」
そしてゴチルゼルは空色の小球を発射する。
「ウッドホーンで突っ切って!」
メブキジカは桜の枝ののような角を突き出し、突進する。途中で空色の小球が幾度となく襲うが、そんな事は気にせずににただひたすら走り、ゴチルゼルに突撃する。
「そのまま突き上げて!」
メブキジカは正面から突いた角を一旦引き、怯んでいるゴチルゼルを再度突き上げる。
「ゴチルゼル、悪の波動」
ゴチルゼルは突き上げられた後、すぐに空中で体勢を立て直して悪意に満ちた黒い波動を連続で発射する。
「くぅ……メブキジカ、シャドーボール!」
メブキジカは反撃の悪の波動を喰らいつつも影の球を発射し、ゴチルゼルを攻撃。
「これは空中で戦った方が良さそうね……ゴチルゼル、そのままサイケ光線」
ゴチルゼルは空中から念波の光線を発射する。
「メブキジカ、かわしてシャドーボール!」
メブキジカは素早い動きでサイケ光線をかわし、シャドーボールを放つ。
「跳び上がってウッドホーン!」
シャドーボールを牽制球に、メブキジカは大きく跳躍して角の一撃を放つが
「目覚めるパワー」
ゴチルゼルは飛行・目覚めるパワーを放ち、メブキジカを迎撃する。
「もう一度目覚めるパワー」
「メブキジカ、出来るだけかわして!」
ゴチルゼルは再度空色の小球を放ち、メブキジカはそれらをバックステップでかわしていく。しかし動きを先読みされ、回避行動を起こした瞬間、いくつもの小球がメブキジカを襲う。
「サイケ光線」
そしてさらにサイケ光線も見舞う。これだけ撃ち込まれれば、ウッドホーンで体力を回復したとはいえ、瀕死ギリギリだろう。
「まだ……まだだよメブキジカ……」
しかしミキもメブキジカも全く諦めておらず、まだまだやる気だった。
「……何でそこまで必死なのかしら?」
カトレアはミキに問う。その表情は真剣だった。
「何でって……それはこのバトルが世界の危機にも繋がるからで——」
「違うわ。どこをどうしたらこのバトルが世界に繋がるのかは知らないけど、アタクシが聞きたいのはそんな外部による理由じゃない。あなた自身の事よ」
カトレアの言葉にしばし黙り込むミキだが、やがて顔を上げて口を開く。
「私は強くなりたいんです。何故強くなりたいかと言われればいろいろありますが、とにかく強くなりたいんです。強くなって——私自身の夢を叶えたいんです!」
「!」
ミキの言葉に、カトレアは驚きの感情を剥き出しにしたような表情をする。
「メブキジカ、ウッドホーン!」
メブキジカは跳躍し、ゴチルゼルに向かって角を突き出す。
「ゴチルゼル、悪の波動!」
ゴチルゼルは向かい来るメブキジカに連続で黒い波動を放つが
「三度目の正直です。メブキジカ、シャドーボール!」
メブキジカは連続でシャドーボールを撃ち出し、悪の波動を全て相殺する。そしてメブキジカのウッドホーンはゴチルゼルにヒットし、そのままどちらとも地面に落下する。
「くっ、ゴチルゼル、破壊光こ——」
「メブキジカ、破壊光線!」
カトレアより早くミキが指示を出し、メブキジカは至近距離から破壊光線を発射する。



「一族に伝わる心得、嗜みを持ってしても勝てない……そんなエクセレントでエレガントなトレーナーと戦うためにここに来た。でも、あなたと戦っていると、そんなことどうでもよくなってしまうわ」
バトル終結後、カトレアは清々しい表情でそう言ってきた。
「アタクシは昔、強い力を持っていた。でも未熟な心故に力が暴走し、周りの人を傷つけ、戦いを禁じられた。そしてアタクシは強くなる事に臆病になってしまった。今でも力があるから、これ以上の力はいらないと」
カトレアは独り言のように、話し続ける。
「でも本当は違った。本当はもっと強くなって、戦いたかった。当時から焦がれていたのは、今のような心躍る時」
そこで初めて、カトレアは笑顔を見せた。
「あなたのその自分のため、仲間のため、ポケモンのために戦い、諦めない姿勢。そして何にも怯えずに力を手にする気持ち。アタクシは好きよ。だから、是非とも夢を叶えて頂戴」



ミキVSカトレア、ついに終わりました。このバトルはやや変則的でしたがまあ気にしません。そしてこれで四天王とのバトルが終わり、ついにプラズマ団との最終決戦に移行します。……ですがその前に、消化し切っていない番外をやろうと思います。知る人ぞ知るバトルサブウェイでのバトルです。忘れている人も多そうですが。では、本編もあとがきも長い今回で、次回は番外。お楽しみに。


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