二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄 完結、そして……
日時: 2011/07/29 00:16
名前: 白黒 (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=22252

はじめまして、白黒です。
白黒にちなんでポケットモンスターブラック・ホワイトの小説を書こうと思いました。
内容はオリジナルの要素を含みながら、ゲームの通りに進行したいと思います。
何分まだ中学生で、文才もないですが、それでも読んでくれたらありがたいです。
コメントを貰えれば、幸いです。
無事完結致しました。そしてこの物語は、次回作の『混濁の使者』へと続いていきます。参照をクリックして頂ければ、そちらに飛びますので。

登場人物
>>28

プロローグ
>>2
カラクサタウン
>>4
サンヨウシティ
>>5 >>6 >>7 >>8 >>13
シッポウシティ
>>14 >>15 >>16 >>21 >>27
ヒウンシティ
>>29 >>32 >>33 >>42 >>44 >>45 >>47 >>50 >>51 >>54
ライモンシティ
>>55 >>59 >>61 >>62 >>63 >>64 >>65 >>69 >>70 >>71 >>72 >>73 >>74 >>76 >>79 >>80
ホドモエシティ
>>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>89 >>90 >>92 >>95 >>96 >>100 >>101 >>102 >>106 >>107 >>108 >>113 >>114 >>115
フキヨセシティ
>>119 >>122 >>123 >>125 >>126 >>127 >>128 >>129 >>130 >>131
セッカシティ
>>132 >>133 >>136 >>137 >>145 >>146 >>147 >>148 >>149 >>150 >>151 >>152 >>153 >>155 >>159 >>162 >>163 >>164 >>165 >>166 >>167
バトルサブウェイ
>>196 >>199 >>200 >>205 >>207 >>208 >>209 >>210 >>211 >>213 >>217 >>218 
ソウリュウシティ
>>227 >>235 >>238 >>239 >>242 >>243 >>246 >>249 >>250 >>253 >>254 >>256 >>259 >>260 >>261 >>262 >>263 >>268 >>269 >>271 >>272 >>275 >>279 >>280 >>281 >>284 >>285 >>287 >>288 >>289 >>290 >>291
ポケモンリーグ
>>292 >>293 >>294 >>295 >>296 >>297 >>298 >>299 >>300 >>301 >>302 >>305 >>306 >>307 >>308 >>309 >>310 >>311 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>320 >>321 >>322 >>323 >>324 >>325 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>331 >>332 >>333 >>334 >>335 >>336 >>340 >>343 >>344 >>347 >>348 >>349
エピローグ
>>350
番外編
ミキの特訓 前後編 >>52 >>53
トライアルハウスバトル 前後編 >>81 >>82
旧ライモン遊園地の夜 前後編>>111 >>>112
四季の川 前後編>>143 >>144
Heaven of battle 前後編 >>168 >>169
過去のプラズマ 前後編 >>282 >>283
マルチバトルサブウェイ 前中後編 >>317 >>318 >>319
夢のドリームマッチ 対戦表
リオVSメイル >>181 >>184 >>187 >>188
アカリVSキリハ >>189 >>190 >>191
ムントVSレンジ >>192 >>193 >>194 >>195
100章記念 イリスQ&A
>>231 >>232 >>233 >>234

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Re: 166章 前哨戦Ⅱ ( No.332 )
日時: 2011/07/25 20:03
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「ありがとう、バイバニラ。戻ってくれ」
Nは戦闘不能となったバイバニラをボールに戻す。
「次はこのポケモンで行くとしよう。出て来てくれ、アバゴーラ!」
Nの3番手は青い体に黒い甲羅を背負ったカメ型のポケモン、アバゴーラだ。
「アバゴーラ……? そのポケモンは水・岩タイプ。格闘タイプを持つズルズキンには不利だが……」
イリスはNのポケモンのチョイスにいぶかしむ。
「タイプ相性だけじゃポケモンバトルは決まらないらしいよ。アバゴーラ、アクアジェット!」
アバゴーラは水を纏い、高速でズルズキンに突っ込む。
しかし防御の高いズルズキンだ、その程度の攻撃は手傷にしかならない。
「ズルズキン、跳び膝蹴り!」
ズルズキンは突撃してきたアバゴーラに強烈な膝蹴りを喰らわせ、吹っ飛ばす。硬化抜群の技なので防御が高いとは言っても相当効くはずだが
「余裕って感じの顔だな……」
アバゴーラは何事もなかったかのような顔で着地する。その表情には今だ余裕が見える。
「僕のアバゴーラの特性はハードロック。効果抜群の技の威力は軽減されるのさ」
詰まるところはそれだった。ズルズキンの攻撃はアバゴーラの特性、ハードロックによって威力が軽減されていたのだ。
「さて、次からは本気で行くよ。アバゴーラ、殻を破る!」
突如アバゴーラの体が光り、赤い割れ目のようなものができる。その割れ目は次第に広がっていき、やがて砕け散る。
「殻を破る葉防御系能力を下げる代わりに攻撃系の能力と素早さを上げる技だ。アバゴーラ、アクアジェット!」
アバゴーラは再度水を纏ってズルズキンに突っ込むが、そのスピードはさっきの倍以上だ。
「さらに地震!」
そしてアバゴーラはズルズキンが仰け反っている隙にヒレを地面に叩きつけ、地面に衝撃を伝える。
「ぐぅ、ズルズキン、噛み砕く!」
「かわせ、アバゴーラ」
ズルズキンは反撃にとアバゴーラにかぶりつこうとするが、殻が破れて身軽なアバゴーラは、その攻撃を容易く避ける。
「アバゴーラ、岩雪崩!」
次にアバゴーラは虚空から無数の岩を出現させ、ズルズキンに降り注ぐ。
「ズルズキン、諸刃の頭突き!」
ズルズキンはその無数の岩に対し、自身をも傷つける勢いの頭突きを繰り出して片っ端から砕こうとするが、流石に無理だった。
「終わりだ。アバゴーラ、アクアジェット!」
アバゴーラは水を纏い、高速でズルズキンに激突する。ダメージの蓄積していたズルズキンはその攻撃を受けて、遂に戦闘不能となってしまう。
「戻ってくれ、ズルズキン」
イリスはズルズキンをボールに戻す。
「アバゴーラが相手なら……こいつだ。出て来い、デンチュラ!」
イリスの3番手は電気蜘蛛ポケモンのデンチュラ。虫・電気タイプのポケモンだ。
「デンチュラ、エレキボール!」
デンチュラは電撃を凝縮した球を発射。球は高速でアバゴーラに飛んで行く。
「アバゴーラ、アクアジェット!」
アバゴーラはその球をアクアジェットで回避する。そしてそのままデンチュラに突っ込んでいくが
「もう一度エレキボール!」
アバゴーラとデンチュラが衝突する寸前にデンチュラはエレキボールを発射し、アバゴーラに直撃させる。
「シグナルビーム!」
さらにデンチュラはいろいろな色彩の光線を束ねて発射。
「くっ、だがシグナルビームは効果いまひとつ、大したダメージじゃない。アバゴーラ、岩雪崩!」
アバゴーラは虚空から岩を発生させ、それをデンチュラに降り注ぐ。
「デンチュラ、避けきれないのは切り裂け。シザークロス!」
デンチュラは軽快な動きで降り注ぐ岩をかわしていき、かわし切れない場合は爪を交差させて切り裂き、最終的には一撃も喰らわなかった。
「さあ行くよ、デンチュラ。ワイルドボルト!」
デンチュラは激しい電撃を身に纏い、物凄い勢いでアバゴーラに突進する。
「アバゴーラ、地震で喰い止めろ!」
アバゴーラはヒレを地面に叩きつけて地面を伝う衝撃を放つが、デンチュラはそれをジャンプで回避する。
「シザークロス!」
そしてアバゴーラはシザークロスとワイルドボルトのダブルアタックを喰らい、かなりのダメージを受ける。殻を破るで防御を下げたのが裏目に出たのだ。多少素早さをあげてもアバゴーラではデンチュラには追いつかない。
「デンチュラ、シグナルビーム!」
「こうなれば徹底的に素早さ強化だ。殻を破る!」
デンチュラの放つ色彩を束ねたカラフルな光線を、アバゴーラは殻を破って素早さを上げて回避する。
「アクアジェット!」
そして水を纏い、デンチュラに突撃。しかし
「かわしてエレキボール!」
素早さではまだデンチュラに敵わず、アバゴーラのアクアジェットは簡単に避けられ、デンチュラの放つ電撃の球を喰らってしまう。
「これでとどめだ。ワイルドボルト!」
デンチュラは激しく弾ける電撃をその身に纏い、アバゴーラに猛突進。エレキボールの直撃を受けて仰け反っているアバゴーラはデンチュラの恰好の的で、アバゴーラはワイルドボルトも直撃を喰らい、戦闘不能となる。
「……戻ってくれ、アバゴーラ」
Nはアバゴーラをボールに戻す。
「まさか堅いアバゴーラがこんなに簡単にやられるとは、恐れ入ったよ」
「恐れ入ったのはこっちの方だ。それに、アバゴーラを倒すのはそんなに簡単でももなかった」
「そうかい……それじゃあ、行くよ。僕の次のトモダチ」
Nはボールを構え、次なるポケモンを繰り出す。



今回はイリスVSN、パート3です。いやーそれにしてもこのバトル、案外早く終わりそうですね。まあ、その後に重大イベントが控えているわけですから、そんなに長くするわけにもいかんですしね。それはそうと、アニメでの岩雪崩ってミステリアスな技なんですよ。異次元っぽいところからいくつもの岩を落としてるんですよ。気になる方は、アニメ、ポケットモンスターベストウィッシュの40話をご覧ください。では、あとがきが珍しく長くなったところで、今回分のあとがき終了です。次回もお楽しみに。

Re: 167章 前哨戦Ⅲ ( No.333 )
日時: 2011/07/25 23:23
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「次はこのポケモン。出て来てくれ、アーケオス!」
Nの繰り出すポケモンは、始祖鳥のような姿の岩・飛行タイプのポケモン、アーケオスだ。
「岩と飛行なら、虫と電気のデンチュラとは良いも悪いもあるな……デンチュラ、エレキボール!」
デンチュラは電撃を凝縮した球を発射する。
「アーケオス、かわしてドラゴンクローだ」
アーケオスは球をジャンプしてかわすと、滑空するようにデンチュラに接近し、龍の力を込めた鋭い爪で切り裂く。
「ぐっ……デンチュラ、シグナルビーム!」
デンチュラは背を向けたアーケオスに、さまざまな色彩の光線を束ねて発射する。
「アクロバットだ」
しかしその光線もアーケオスに回避される。アーケオスは体を捻って光線をかわすと、瞬く間にデンチュラに接近して強烈な一撃を繰り出す。
「シザークロス!」
「飛び上がってかわすんだ」
デンチュラは反撃にと爪を十字に振るうが、アーケオスは大きく飛び上がってそれを回避。
「ストーンエッジ!」
そして上空から鋭く尖った岩を連射し、デンチュラを攻撃。効果抜群に攻撃を受け、デンチュラは戦闘不能となってしまう。
「戻ってくれ、デンチュラ」
イリスはデンチュラをボールに戻す。
「次はお前だ。頼んだぞ、チラチーノ!」
イリスの次のポケモンは、白い毛並みが美しいポケモン、チラチーノだ。
「チラチーノ、10万ボルト!」
チラチーノは高圧電流をその身に纏い、アーケオスに向けて放つ。
「かわせアーケオス。ロックカット」
アーケオスはその電流をすぐにはかわさず、体を光らせて空気抵抗を減らす。そしてから飛び上がって回避するが、そのスピードは段違いに上がっている。
「君のチラチーノに対抗するには、こうする他ないからね。アーケオス、アクロバット!」
アーケオスは瞬く間に姿を消し、高速でチラチーノの背後に回りこんで強烈な一撃を繰り出す。
「くっ……チラチーノ、アイアンテール!」
チラチーノは体を回転させて横薙ぎのアイアンテールを繰り出すが、アーケオスには避けられる。
「ドラゴンクロー!」
アーケオスは再びチラチーノに急接近し、龍の爪でチラチーノを切り裂く。
「逃がすか。チラチーノ、ハイパーボイス!」
チラチーノはドラゴンクローを決めた後に後に下がろうとするアーケオスに激しい音による衝撃波を放つ。
「アーケオス、怯むな!アクロバット!」
アーケオスはハイパーボイスを喰らうも効果はいまひとつなのですぐに攻撃に移り、チラチーノに高速の一撃を叩き込む。
「あんまりもたないな……チラチーノ、アイアンテール!」
チラチーノは尻尾を振るってアーケオスを攻撃するも、掠りはする直撃する事はなく回避される。
「ドラゴンクローだ!」
「ハイパーボイス!」
アーケオスが爪に龍の力を込めて向かってくる中、チラチーノは音による衝撃波を発して迎撃を試みる。
「ハイパーボイスなら当たるか……チラチーノ、10万ボルト!」
チラチーノはハイパーボイスを終えると高圧電流を放つが、アーケオスは容易く回避する。
「ロックブラスト!」
チラチーノはゴツゴツしたいくつもの岩をアーケオスに連続で発射する。
「返り討ちだ。アーケオス、ストーンエッジ!」
アーケオスも鋭く尖った岩を連続で発射し、ロックブラストとぶつける。しかしロックブラストよりもストーンエッジの方が威力が高く、鋭い岩はそのままチラチーノに突き刺さった。
「アーケオス、ドラゴンクロー!」
そしてアーケオスはその隙に龍の爪を構えて特攻するが
「チラチーノ、ハイパーボイス!」
チラチーノは超高音の衝撃波を放ち、アーケオスにダメージを与える。
「いくら効果いまひとつでも、防御系能力の低いアーケオスなら結構効くよね。次はこれだよ。チラチーノ、ロックブラスト!」
チラチーノはアーケオスが怯んでいる隙に、岩の塊を連続で発射する。
「アーケオス、アクロバット!」
しかしアーケオスはなんとか持ち直し、曲芸のような動きで向かい来る岩を掻い潜ってチラチーノに強烈な一撃を叩き込む。
「チラチーノ!」
チラチーノはその一撃で遂に戦闘不能になってしまう。イリスは散れチーノをボールに戻し、次なるポケモンが入ったボールを取り出す。
「次はこのポケモンで行くよ。出て来い、ウォーグル!」
イリスが次に繰り出すのは勇猛果敢な鳥ポケモン、ウォーグルだ。
「ウォーグル、ビルドアップからブレイククロー!」
ウォーグルは自身の筋肉を増強して能力を高め、その直後に爪を構えて特攻する。
「繋げ技ってやつか……。アーケオス、ロックカットからドラゴンクロー!」
Nのアーケオスもウォーグルのように自身の素早さを高め、その後すぐに龍の爪を構えて特攻。
ウォーグルの爪とアーケオスの爪が互いに鍔迫り合うが、最終的にはパワーのあるウォーグルが押し勝った。
「くっ、力では負けるけど、ならばスピードなら動かな。アーケオス、アクロバット!」
アーケオスは素早い動きで動き回り、ウォーグルの隙を窺う。そして隙を見つけると、俊敏な動きで襲い掛かるが
「ビルドアップ!」
ウォーグルは筋肉を増強してアクロバットのダメージを軽減する。
「捕まえろ!」
そしてウォーグルはメイルのアーケオスの時のように翼でアーケオスを捕らえる。
「ブレイブバード!」
そしてそのまま地面へと急降下。濛々と砂煙が舞う中、再度飛び立ったのは
「ウォーグルの勝ちだ」
見ればアーケオスは地に伏していて、戦闘不能だった。
「ここまでやるとは、流石だね。でも、まだバトルは終わってないよ」
「当然。バトルは最後までわからない。これはトレーナーの鉄則だ」
イリスVSN。この前哨戦も、もうすぐ終わりを告げる。



はい、今回はイリスVSN、パート4です。後から見てみれば、チラチーノはただのやられ役になっているという悲惨な結果に……これは、言わない方が良い情報ですね、すみません。では、気を取り直して次回のイリスVSN、パート5もお楽しみに。

Re: 168章 前哨戦 Ⅳ ( No.334 )
日時: 2011/07/26 00:09
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「僕の次のトモダチは……君だ。ギギギアル!」
Nの次なるポケモンは、四つの歯車からなるポケモンで、目のある小さな歯車と普通の歯車、その歯車を支えている大きな歯車。そして赤いエネルギーコアが付いた歯車。その周囲を棘の付いた輪が囲んでいる。
「次は鋼タイプのギギギアルか……ウォーグル、まずはビルドアップ」
ウォーグルはさらに、筋肉を増強して能力を上げる。これで三段階上昇したので、並大抵のポケモンならまず一撃で倒せるだろう。
まあ、並大抵のポケモンなら、の話だが。
「ウォーグル、ブレイククロー!」
ウォーグルは爪に力を込めてギギギアルに特攻、その巨大な爪で切り裂くが、効果いまひとつなので一撃KOとなるほどのダメージは与えられないが、それでも結構効いただろう。
「ギギギアル、ギアチェンジだ」
ギギギアルはすぐに反撃には出ずに、歯車を高速回転しつつ入れ替え、攻撃と素早さを上げる。
「ギアソーサー!」
そして歯車の間から二つの小型歯車を射出し、ウォーグルを切り裂く。
「なかなかのスピードだけど、こちとらビルドアップで防御も上げてるんだ。その程度でやられたりはしない。ウォーグル、エアスラッシュだ!」
ウォーグルは空中を旋回し、風の刃を連続で飛ばしてギギギアルを切り裂く。
「電磁砲だ!」
だがギギギアルもやられっぱなしではなく、電磁力を凝縮した球体を作り出し、ウォーグルに向けて発射。
「ウォーグル、かわしてエアスラッシュ!」
しかしウォーグルはそれを容易く回避し、エアスラッシュを放つ。それもそうだろう、電磁砲は命中率がとても低い。当たる確率は2分の1、2回に1回程度だ。
「連続で電磁砲!」
ギギギアルはそれでもめけずに電磁砲を連射するが、ウォーグルは空中を旋回しながらそれをかわし続ける。
「ウォーグル、ブレイククロー!」
そしてウォーグルはギギギアルの元まで降下し、その鋼のボディを鋭い爪で切り裂く。
「ブレイククローには相手の防御を下げる追加効果もある。あんまり連続で喰らってると、取り返しがつかなくなるよ」
「忠告ありがとう。でも、それはいらない世話だな。ギギギアル、ギアチェンジ」
ギギギアルは再度歯車を高速回転させ、交換する。どこから新しい歯車が出てきていて、古い歯車がどこへ行くのかは謎だ。
「ギアソーサー!」
そして最初の時よりも格段に速い歯車を射出。ウォーグルを切り裂くが、決定打にはならない。
「ウォーグル、ビルドアップだ」
ウォーグルはビルドアップして筋肉増強し、能力を高める。ギアチェンジするたびにギギギアルの攻撃が上がっていくので、それに合わせてウォーグルの防御も上げておいた方が良いという判断だ。
「ブレイククロー!」
そしてウォーグルはギギギアルに接近し、巨大な爪で切り裂く。
「ギギギアル、電磁砲だ!」
ギギギアルは近づいてきたウォーグルに電磁砲を発射するが、ウォーグルは飛び上がってそれを避ける。
「そのギギギアルには決定打となる技がない。いや、正確には電磁砲とギアチェンジで攻撃を高めてギアソーサーで切り裂くつもりなんだろうけど、僕のウォーグルは既にビルドアップで防御を高めている。だから決定打が電磁砲だけ。でも電磁砲はウォーグルには当たらない。決定力に乏しいポケモンはじわじわと相手の体力を削る戦いをするけど、君のギギギアルはそれもできない。だからこの勝負、僕がもらったよ」
イリスは勝気にそう言うが、Nはそれに対し軽く笑うだけだった。
「……何がおかしい」
「いや、君の推理力は大したものだけどさ。それでも見当違いというか、もうちょっと広く見る必要があるよ」
イリスがNの言葉に疑問符を浮かべていると、ギギギアルは歯車を2つ射出する。ギアソーサーだ。
「ウォーグル、かわしてブレイククローだ!」
ウォーグルはその歯車をかわし、ギギギアルに接近してその鋭く巨大な爪で切り裂く。
しかし

「ギギギアル、締め付ける!」

ギギギアルは巧みに輪を使ってウォーグルを拘束してしまった。
「な!? これは……!?」
「締め付けるだよ。やれ、ギギギアル」
言うとギギギアルの歯車は高速で回転し始める。しかし棘の輪の囲いの中にはウォーグルもいて、ウォーグルはその歯車の回転に巻き込まれる。
「ウォーグル!」
ガガガガガと身を削るような嫌な音が響く。
「これが僕のギギギアルの切り札さ。相手が近づいてきたところを捕らえ、拘束し、歯車で削る。これを喰らい続ければいずれウォーグルも戦闘不能になる」
確かにウォーグルは歯車の回転攻撃を受けて体力がどんどん削られていくのが分かる。このままではいずれやられるだろう。
しかし、イリスにも奥の手はあった。

「ウォーグル、ブレイブバード!」

歯車の回転に巻き込まれているウォーグルは全身の力を振り絞って急上昇し、燃え盛る炎のようなエネルギーを纏って地面へと急降下する。
そしてウォーグルはギギギアルとセットで地面へ激突。その衝撃で拘束は解けたが、ブレイブバードの反動で戦闘不能となってしまった。
だが戦闘不能になったのはギギギアルも同じである。
「……まさかあの局面でこんなことをするとは……流石イリスだ」
Nは心の奥底からイリスを称えるように言う。
「これで残りの手持ちはお互い一体。これは君が仕組んだ事かな?」
イリスはNに問う。
「いやいや、偶然だよ。……それじゃあ始めようか。これで前哨戦も終局。遂に終わりを迎える……!」
イリスVSN。史上最大の前哨戦の幕は、もうすぐ降ろされる。



自分で書いて気付きましたが、ギギギアルの締め付けるってエグいですよね。棘の輪で閉じ込めて歯車の回転に巻き込んで攻撃とか、人間だったら大惨事ですよ。まあ、そこはポケモンクオリティという事で、割り切るとしましょう。では、次回で前哨戦終結になるか。もうすぐあのポケモンも登場!次回もお楽しみに。

Re: 169章 前哨戦 Ⅴ ( No.335 )
日時: 2011/07/26 19:14
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「これで最後……頼んだよ、ダイケンキ!」
イリスの繰り出すポケモンは言わずと知れた貫禄ポケモン、ダイケンキだ。
そしてNが繰り出すポケモンは
「僕の最後のトモダチ……出て来てくれ、ゾロアーク!」
ほっそりそした四肢、鋭く伸びた爪、漆黒の身体、そして頭からは赤黒い鬣が伸びており、末端部がリングのようなもので束ねられていて、攻撃的で邪悪な雰囲気を漂わせている。
ゾロアーク、化け狐ポケモンと分類される、悪タイプのポケモンだ。
「やっぱりゾロアークか……ダイケンキ、吹雪!」
「ゾロアーク、火炎放射!」
ダイケンキは手始めに猛烈な吹雪を放つが、それはゾロアークが放射する灼熱の火炎により相殺されてしまう。
「ゾロアーク、シャドークローだ!」
ゾロアークは影の爪を作り出し、ダイケンキに急接近してその体を切り裂く。
「シェルブレード!」
しかしダイケンキもその程度ではやられず、前足に仕込まれているアシガタナを使ってゾロアークに斬り返す。
「下がれゾロアーク。シャドーボール!」
ゾロアークは一旦ダイケンキから距離を取り、黒い影の球を放つ。
「切り裂いてメガホーンだ!」
ダイケンキはその球を角で切り裂き、その直後に強烈な角の一突きを繰り出す。
「ゾロアーク、かわしてシャドーボール!」
しかしゾロアークはそのメガホーンを体を横にずらして回避し、掌に作り出したやや小ぶりな影の球を、ダイケンキに押し付けるように喰らわせる。
「まだだ!ダイケンキ、シェルブレード!」
ダイケンキもすぐさま体を振り、水のエネルギーを纏わせた角でゾロアークを切り裂く。
「ゾロアーク、下がってシャドーボール!」
「ダイケンキ、吹雪!」
ゾロアークは再度ダイケンキから距離を取って影の球を放つが、ダイケンキの吹雪により吹き飛ばされてしまう。
「メガホーン!」
そしてダイケンキは強烈な角の一突きを繰り出す。
「ゾロアーク、シャドークロー!」
ゾロアークはその角を爪を巧みに使って絡め取り、空いたもう片方の爪でダイケンキを切り裂く。
「ダイケンキ、もう一度メガホーン!」
ダイケンキは角が開放されるとすぐさま身を退いて、その直後に強烈な角の一撃を繰り出す。
今度のメガホーンはゾロアークの腹に直撃し、タイプ相性もあって大きなダメージを与えて吹っ飛ばす。
「……君のゾロアーク、見た目によらず防御が高いんだね」
「それを言うなら君のダイケンキこそ、一つ一つ動作が素早いじゃないか」
互いに敵を称賛し合う。
「ダイケンキ、吹雪!」
「ゾロアーク、火炎放射!」
だがそんなひと時もすぐに終わり、ダイケンキの放つ吹雪をゾロアークの放射する火炎が相殺する。
「ダイケンキ、シェルブレード!」
「ゾロアーク、シャドークロー!」
ダイケンキはアシガタナに水のエネルギーを纏わせ、ゾロアークに斬り掛かる。ゾロアークは影の爪を作り出し、ダイケンキに飛び掛かる。
「……本当、残念だ」
水の剣と影の爪が互いに切り結ぶ中、イリスはそう呟く。
「君とこうしてバトルしてると、凄く楽しい。もし僕らが英雄とか、そんな事と無関係だったならば、僕と君は最高の友達になれだろうにね」
「確か、電気石の洞穴でもそんな事を言っていたね。何度も言うけど、僕のトモダチはポケモンだけだ。君の力や信念は称賛に値するものだが、それでも君と僕は敵同士だ」
「……そうか」
イリスはその呟きを境に、バトルに戻る。
丁度ダイケンキとゾロアークの攻撃がそれぞれにヒットし、互いに距離ができたところだ。
「ゾロアークの体力もそろそろ限界のはずだ。決めるよ、ダイケンキ」
「ダイケンキの力ももうすぐ尽きるだろうね。終わらすよ、ゾロアーク」
イリスとNは最後の一撃に全てを賭け、それぞれのパートナーポケモンに指示を出す。

「ダイケンキ、ハイドロカノン!」
「ゾロアーク、ナイトバースト!」

ダイケンキは水を圧縮して巨大な弾丸を作り出し、自身を銃身に見立ててそれを発射する。
ゾロアークは闇のエネルギーを両手に込め、それを一気に振り下ろして暗黒の衝撃波を飛ばす。
互いの攻撃はぶつかり合い、猛烈な爆風を巻き起こす。どちらの威力も相当なもので、互いにせめぎ合っている。
「ダイケンキ!」
「ゾロアーク!」
イリスとNが叫ぶ。
水の弾丸と闇の衝撃の威力は拮抗していたが、次第にハイドロカノンがナイトバーストを徐々に押し始める。
「ダイケンキ!」
イリスの最後の叫びで水の弾丸は闇の衝撃を突き破り、そのままゾロアークをも貫く。
「ゾロアーク!」
ゾロアークは数秒の硬直後、その場に倒れ伏す。そしてそれを見下ろすは、貫禄ありしポケモン、ダイケンキ。
「僕の……勝ちだよ」
イリス対N。史上最大の前哨戦は、真実の英雄イリスの勝利で、幕を降ろす。



ついに終わりました、イリスvsN。ちなみに一応言っておくと、ハイドロカノンがゾロアークを貫いた、という表現は比喩ですので、間違えないようにお願いします。それにしてもやっとここまで来ました、長かったような短かったような……いや、まだ終わりではありません。これはあくまでも前哨戦。次は本戦(意味違う?)です。そして遂に次回は伝説のあのポケモンも出て来ます。では、次回もお楽しみに!

Re: 170章 復活と戦い ( No.336 )
日時: 2011/07/26 20:23
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「!? ライトストーンが……!?」
Nとの前哨戦を終えたイリスがダイケンキをボールに戻すと、バッグの中に入れてあるライトストーンに異変が起きる。
「光ってる……」
イリスの言う通り、ストーンは神々しく光っていた。
「来た……遂に来たぞ。君のライトストーン——レシラムが、僕のゼクロムと反応してるんだ……!」
ライトストーンの持ち主であるイリスよりもNの方が興奮していた。それほど、Nはこの時を待ち侘びていたという事だろう。
「そのストーンからレシラムを復活させるには、ゼクロムを呼び出すのが手っ取り早いか……おいで、ゼクロム!」
Nがそう叫んだ瞬間、Nがバトル前に座っていた玉座の後の壁が吹き飛び、玉座もろとも破壊する。
しかしそんな事は気にならないほどの圧倒的存在が、そこにはいた。
漆黒の体を持つ、イッシュの伝説のドラゴンポケモン、ゼクロム。その荒々しく激しい姿は、見るものを圧倒する威圧感がある。
『ババリバリッシュ!』
「っ……!」
イリスは前に一度だけゼクロムを見た事があるが、その時よりも力強く見える。
ゼクロムはNの真後ろに降り立つと、タービン状の尾を高速回転させて弾ける電撃を発生させ、その偉大な力をイリスに見せつける。
「ストーンが……!」
イリスがその光景に目を奪われていると、不意にライトストーンが宙に浮かび上がり、周囲から白いエネルギーを吸収する。するとストーンは神々しき不思議なエネルギーに包まれ、その形を変形させていく。
そしてライトストーンという球体は瞬く間に白いドラゴンへと姿を変貌させる。
「レシラム……」
イリスは純白の龍に魅了されていた。静かで美しいその姿は神々しく、遥か遠くのもののように思える。
しかし、イリスにとってそれは遠いものではなく、近しいものだ。
レシラムはイリスの真後ろに降り立つと、ジェットエンジンのような尾を稼動させて燃え盛る火炎吹き上げ、その荘厳な力を見せつける。
『モエルーワ!』
『…………』
イリスもNも、レシラムの圧倒的な姿に見入っていた。
「……これで全ての条件は揃った」
先に回復したのはNだった。Nはゼクロムを従え、イリスと相対する。
「イリス。これで最後だ……この勝負でどちらの重いが強いかがはっきりする。ここで、白黒つけようじゃないか」
Nは真剣な眼差しでイリスに言う。そうしたら、イリスも応えない訳にはいかない。
「ああ。今までの決着を、つけようか」



「ゼクロム、クロスサンダー!」
先に動いたのはゼクロムだった。ゼクロムは球状に自身を覆う電撃を発生させ、高速でレシラムに激突する。
「ぐぅ……!」
その威力は桁違いで、爆風だけで地面が抉れていく。イリスも必死で踏ん張って吹っ飛ばされないようにする。
「ならこっちはこれだ。レシラム、クロスフレイム!」
レシラムは球状の火炎を創り出し、ゼクロムに向けてそれを放つ。
「ゼクロム、思念の頭突きだ!」
ゼクロムは頭部に思念を集めてクロスフレイムに向かって行くが、クロスフレイムの膨大な火炎を相殺する事などできず、多少威力を軽減しただけでゼクロムは炎に包まれる。
「デュアルクロスか……もうレシラムの力を使いこなすとは、流石だね」
「別に意図してやったわけじゃないけど……なんとなく、感じるんだよ」
Nの言葉に、イリスは控えめに返す。
ちなみにデュアルクロスとは、レシラムとゼクロムの専用技、クロスフレイムとクロスサンダーで発生するコンボの事である。この二つの技はある特定の力、クロスフレイムは電撃、クロスサンダーは火炎を吸収して強化されるのだ。そしてその特定の力というのが、クロスフレイムとクロスサンダーだ。
「つまり、クロスフレイムはクロスサンダーの後、クロスサンダーはクロスフレイムの後に使用すると威力が上がるのさ」
Nは自らが不利になるような情報を言う。それほど自信があるのだろうか。
「さあ行くよ、ゼクロム。ドラゴンクロー!」
ゼクロムは黒き爪に龍の力を込め、レシラムに向かって突っ込んで行く。
「レシラム、神通力!」
しかしレシラムはゼクロムの動きを神秘的な力で停止させる。サイコキネシスのような念動力とは全く違う、不思議な力で。
「龍の波動!」
そして龍の力を波動として放つ。動きの止まっているゼクロムはそれを避ける事ができず、直撃する。
「くぅ。ゼクロム、思念の頭突き!」
ゼクロムは頭部に思念を集め、頭を突き出してレシラムに突撃してくる。
「レシラム、神通力で止めろ!」
レシラムは再度神通力でそれを止めようとするが、失敗して自然の頭突きを喰らう。
「ゼクロムの思念の頭突きを舐めては困るよ。ゼクロムの思念は、神通力くらい軽く打ち破れる」
Nは自慢げに言う。
「ゼクロム、雷撃だ!」
ゼクロムは膨大で莫大な弾ける電撃を体から発し、レシラムに突撃する。
「レシラム、青い炎!」
そしてレシラムは青く美しく燃え盛る炎を発生させ、ゼクロムに放つ。
電撃と火炎がぶつかり合い、爆風を巻き起こす。それだけで何本もの柱が折れるが、レシラムとゼクロムの力は互角で、拮抗している。
「……レシラムとゼクロムは元々は同じ存在、同じ命。だからこの二体のポケモンだけで決着がつくことはない」
「故に勝負の行方を左右するのはトレーナーの強さ。僕らで言えば信念の強さ。それが全てだ」
Nの唐突な言葉を、イリスは繋げる。
真実の英雄と理想の英雄。この二人の英雄の戦いは、まだ始まったばかりである。



今回はついにレシラムが登場しました!そしてレシラムvsゼクロムのバトルです!もう、キーが乗ってしまって、どんどん指が動きますよ!……ちょっとクールダウン……。はい、落ち着きました。ちなみに今回出て来たワードの中でデュアルクロスというものがありましたが、あれは本当にそう言うっぽいです。では、次回もレシラムvsゼクロム……いや、イリスvsN。いやいや、真実の英雄イリスvs理想の英雄N、ですかね。まあ、珍しく長いあとがきとなりまして、次回もお楽しみに!


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