二次創作小説(紙ほか)

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デュエル・マスターズ 0・メモリー 堂々完結
日時: 2014/12/07 13:44
名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: oLjmDXls)

【読者の皆様へ】
初めまして、二次などで創作を行っている、タクと申します。この度はデュエル・マスターズ 0・メモリー、完全に完結しました! 今まで皆さん、応援ありがとうございました。続編、デュエル・マスターズ D・ステラも応援よろしくお願いします!

【番外編あらすじ】
教団の脅威は去ったはずだった。教団の神官、バラモンとデトロイトによって呼びこされた2人の無法の覇者、そして竜神王。しかし、それはやがて世界を脅かす要因に。そして、ヒナタがデュエマをやめる!? 衝撃の番外編、ついに本格始動!

用語集>>10

登場人物紹介>>02
デッキ紹介>>67
デッキ紹介2 >>190
参照1000突破企画:切札紹介 >>114

本編>>247

番外編:強襲の竜神王編

エクストラターン0:キー・メモリアル >>246
エクストラターン1:異変 >>253
エクストラターン2:竜神王 >>254
エクストラターン3:恐怖 >>257
エクストラターン4:狂気 >>258
エクストラターン5:行動開始 >>261
エクストラターン6:デコード >>262
エクストラターン7:ケリを付けろ >>265
エクストラターン8:敗者の条件 >>266
エクストラターン9:急襲、竜神王 >>267
エクストラターン10:決死の特攻 >>268
エクストラターン11:デッド・オア・デッド >>280
エクストラターン12:鬼 >>298
エクストラターン13:暴かれた根源 >>300
エクストラターン14:捨てられたデッキケース >>301
エクストラターン15:ベルフェモール >>304
エクストラターン16:向き合うこと >>305
エクストラターン17:大阪へ >>307
エクストラターン18:咆哮、激震、超克 >>310
エクストラターン19:星として、海に散る >>311
エクストラターン20:絶望への反逆 >>312
エクストラターン21:決戦の舞台へ >>313
エクストラターン22:立ち塞がる無法の皇 >>314
エクストラターン23:激震、インフィニティ・ドロン・ゴー! >>315
エクストラターン24:最後の戦い >>336
エクストラターン25:反逆の一戦 >>337
エクストラターン26:竜神王結合 >>338
エクストラターン27:破壊衝動 >>339
エクストラターン28:絶望と破壊の渦 >>340
エクストラターン29:終焉      >>341

参照3000突破記念!ヒナタへ56の質問
>>176 >>177

短編1:仁義なき戦い(パブリック・エネミー) >>163 >>164
短編2:恋の裏技 >>182 >>185 >>188
短編3:親父の背中 >>206
短編4:恐怖、学園七不思議!? >>281 >>283 >>285 >>289 >>290 >>294 >>295
短編5:探偵パラレル >>306


コラボ番外編

モノクロさん作、デュエル・マスターズMythology

”last smile”
あらすじ:デュエル・マスターズMythologyで活躍中のヒロインキャラ、御船汐。彼女の空白の一年間とは、まさしく鎧竜での一年間のことだった。では、何故彼女はそれを失うことになったのか? そして、記憶と共に彼女が失わなければならなかったものとは。オリキャラによって繋がる2作品の謎が今此処に明かされる。
そして、無法と神々が今、交錯する。
短編のつもりが中編クラスの長さになってしまったこの作品。最後まで必見!

第一話:別れと悲劇はデュエマの後で
>>316 >>317 >>321 >>322

第二話:月夜野シオは彼女なのか?
>>323 >>327 >>328

第三話:神話の使い手
>>329 >>330 >>331 >>332

第四話:そして神話へ
>>335 >>345 >>348 >>349

第五話:”先輩”
>>350

キャラクター裏話

パート1 暁ヒナタ >>293
パート2 黒鳥レン >>299


基本、概存のカードを使用していますが、これからの展開でオリジナルカードを使うかも知れません。ご了承下さい。

なお、クリーチャーの解説などは、以下サイト様から引用させていただいています。
DuelMasters Wiki(デュエルマスターズ ウィキ)様

キャラクター裏話 パート1  ( No.293 )
日時: 2014/03/26 20:13
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)

ここでは、メインキャラクターの裏設定など色々載せていきたいと思います。イメージCVなどとかも一緒に載せていこうかな、と。ちなみにこのコーナーは、同じジャンルの小説を書いている人のものに影響を受けたものですね。小説の中ではどうでもいい小ネタも入れていきます。
というわけで、今回は主人公の暁ヒナタ君から。

暁ヒナタ 

13歳で中学1年生。そして、この作品の主人公。クラスはE。5番目ですね。ちなみに、鎧龍は6クラスで学年ごとにAからFまであるという設定です。
性格のモデルとなったキャラは、SKET DANCEという漫画の主人公、藤崎佑介ですね。多少乱暴な口調はここから来ていますが、根が優しく仲間思いで、無茶も度々やらかすという点も一緒ですね。ただ、違うのは過去に幼馴染を助けられなかったという深い傷を負っているところです。過去に対するメンタルが弱いのもそのせいですね。
一方、勝負に対するメンタルは非常に強く、ギリギリの状況をむしろ楽しんでいます。分の悪い賭けは嫌いじゃないタイプですね。
また、前述したとおり仲間思いで、特に友人を傷つけるものには容赦しません。それに、カードに対する愛着も人一倍です。彼にとってカードは、単なる所有物ではなく共に戦う仲間ということです。
まとめると、仲間思いの上に向こう見ずで無茶もする、積極的な主人公タイプですね。そして素を隠さない率直な性格でもあります。
口調は、上記にある通り、やや乱暴です。ただ、目上に対する態度は弁えており、ちゃんと敬語を使います。ただ、目上の相手でも気に食わないと食って掛かるときがあります。
一人称は、俺。二人称は、お前、てめー、アンタ。

彼を作成するに当たって、まず自分は熱い性格の主人公を書くのが得意なのですが、それにしました。そして、まずは主人公の切札から決めようとしますが、アニメと被るのが嫌なので、迷いに迷った結果、再録されたばかりの《アマテラス》にしました。そして、アマテラス→太陽→日向と連想していき、最後に夜明けを意味する暁を苗字にすると、語呂もいいので決定、にしました。

そして、彼の使うデッキですが、しょっちゅう変わります。作中では一度、大きく方向転換していますしね。
最初に使っていたのは、水文明を使った《ヒラメキ・プログラム》デッキです。フィニッシャーに呪文の詠唱を封じる《偽りの王 ナンバーナイン》を入れました。
次に、不良少年戦では、怒りの勢いで幼馴染に過去に貰ったアウトレイジのデッキを使用しています。これは、アニメのデッキに近いですね。というのも、作者の中で方針が不安定だったために起こった事態なのですが。
そして、エル・ヴァイオレット戦ではドロマーカラーに変更し、《光器アマテラス・セラフィナ》をフィニッシャーにした構成……と序盤だけでも結構変わっています。
それ以降は、受身となったコントロール戦法を見直し、ビートダウンに変更しますが、最終的には水自然火のアウトレイジデッキにしていますね。
つまり、総じて言えばデッキの内容は、そこまでこだわっている訳ではありません。ただ、どのデッキにも共通するとすれば、大概ヒナタのデッキには何らかのコスト踏み倒し手段が搭載されているといった点でしょうか。

家族構成としては、マイペースな性格の母親と、しょっちゅう出張に行く貿易会社の重鎮の父親を両親に持っており、そして1つ下の弟がいますが、本編には未登場ですね。

また、2年前に幼馴染を交通事故で失っており、彼女の誘いを断って一緒に居てやれなかったことから事故に遭わせてしまったと後悔しています。それが彼のトラウマになっており、竜神王編ではガルグイユに弱みを握られてしまいました。最終回直前で、吹っ切ったようになっていますが、人間そう簡単に振り切れるものではありません。彼がトラウマとどう向き合っていくか、も番外編の見所です。

主要キャラとの人間関係としては、レンは互いに認め合うライバル、コトハはうるさいけど頼れる仲間、ですかね。エルは更に高みを目指すために超えるべき壁、そしてキイチも同様ですね。シオは後輩的な存在、そしてジェイコフは気に食わないけど一応認めたライバル、封李は兄貴分ですね。

イメージCVは吉野裕行さんですかね。モデルになったキャラそのまんまですが。声変わりした後の、低めの声を想像しています。


そして、相棒のドラポンに付いてもここで詳しくしておこうと思います。
性格は、短期でキレやすく、おおざっぱでしかもぶっきらぼうという、嫌われそうなものですが、根は優しく仲間思いという点でヒナタと共通しています。また、ヒナタとは違い、好みの異性を目の前にするとでれでれしてしまい、例えそれが敵でも手を出せなくなってしまうという致命的な弱点を抱えています。が、ドロン・ゴーすると一転してハードボイルドな性格になり、敵が異性でも容赦しません。
彼をヒナタの相棒にしたのは、やはりアニメ未登場だったのがありますね。ただ、もう少し早ければ《奪太陽 サンサン》になっていたと思います。今となってはこれで良いのですがね。
口調は、山口弁です。何故、これにしたのかというと、まあネットの方言辞典で調べていると、ああこれ良いなと思ったからですかね。何となく。
また、彼は別の次元を放浪するアウトレイジの1人ですが、何らかの要因によって今の世界に他のアウトレイジと共に迷い込み、そのまま眠りに付いていました。
現在、主要キャラとの人間関係としてはヒナタは最高の相棒、レンは頼れるけどうざい仲間。コトハも、頼れる仲間といったところでしょう。スミスとは、旧知の仲で一緒に暴れまわった悪友ですね。そしてオーロラは、最早恋人の域に達していますが。
さて、ドラポンのイメージCVは渡辺久美子さん、ドロン・ゴー後が中村悠一さんですね。

また、設定変更があれば更新します。

短編4:恐怖、学園七不思議!?(6) ( No.294 )
日時: 2014/03/24 11:19
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)

 レンとガーリックのデュエル。というわけで、《ボルシャック・大和・ドラゴン》の戦刃がレンのシールドを切り裂く。
 2枚。それが飛び散ってレンの頬を切り裂いた。一筋の赤いラインがつぅっと流れる。

「やるな。だが……貴様はやはり弱い。所詮、ザコだ」

 そう言うと、すぅっと手札を動かす。

「S・トリガー、《プライマル・スクリーム》で山札から4枚を墓地へ。さーて……来たぞ、《悪魔龍王デストロンリー》を手札へ」
「はっ、何を考えているのやら」
「なら教えてやる。そして、割目させる。僕のターン、《インフェルノ・サイン》でコスト7以下のクリーチャーを、復活(リボーン)させる!」

 直後足元が隆起し、どざあっという音と同時に獣のような姿をした死神が現れる。
 《死神の邪蹄ベル・ヘル・デ・ガウル》だ。
 今回、レンは連デモと呼ばれるデッキを使用している。《ガウル》の効果でデーモン・コマンドを連鎖させていくのだ。

「ターンエンド」

 何も、しない。というかできない。今のところは。しかし。容赦なく、ガーリックは総攻撃を仕掛ける。

「行け! 《神龍のイザナイ ガーリック》召喚、さらに《トット・ピピッチ》を召喚! これで、我はスピードアタッカーに! 《大和・ドラゴン》でW・ブレイク、《コッコ・ルピア》で最後のシールドをブレイク」

 シールドが全て吹っ飛んだ。
 もう、後は無い。
 しかし、まさしくレンが狙っていたのはこれだ。奴の性格は見て分かった。とにかく攻撃したがる。だが。デュエマにおいて、シールドブレイクとは己を勝利に近づけるか、あるいは----------------相手を逆転させるチャンスを与えるかの駆け引きなのだ。

「S・トリガー、《地獄門デス・ゲート》で《ガーリック》を破壊。そして、《死神獣ヤミノストライク》を召喚だ」

 現れたのは、死神の力を得た魔獣。 

「ついでに《ガウル》の効果で、山札をシャッフルし……トップデックが進化ではない悪魔ならば出せる。《魔刻の斬将オルゼキア》よ、来い」

魔刻の斬将オルゼキア SR 闇文明 (7)
クリーチャー:デーモン・コマンド 6000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のクリーチャーを1体破壊する。その後、相手は自身のクリーチャーを2体選び、破壊する。
W・ブレイカー

 現れたのは、剣を携えた悪魔。味方を斬り、敵をさらに破壊する凶悪な効果を持つ。

「無に帰せよ! 《ヤミノストライク》を破壊し、《コッコ・ルピア》と《ボルシャック・大和・ドラゴン》を破壊!」
「だ、だが打点が足りない上に、召喚酔いが……」
「そうだな。それでは、《ガウル》の効果を2度使うとしよう」

 再び、山札が捲られて現れたのは《暗黒導師ブラック・ルシファー》、そして再三山札がシャッフルされてトップデックから現れたのは《知識の破壊者 デストルツィオーネ》だった。

「《ブラック・ルシファー》の効果で、5枚を墓地に。墓地のデーモン・コマンドは、今落ちたものを含めて3枚。よって、パワープラス3000。さらに、《デストルツィオーネ》の効果で貴様の手札を全て破壊」
「なっ!?」

 折角手札に蓄えていたスピードアタッカー獣は、あえなく墓地へ。そして、場には凶悪な眼差しを浮かべた黒き悪魔の姿。

「このターンでは、決められない。しかし、貴様はどうだ。次ぎのターン、何も出来ないだろうな」
「く、ぐぐぐ……!!」

 自分のターンになり、手札を引くガーリック。しかし、皮肉にも手札に来たのは《真滅右神ジーザス・メリーチェーン》だった。仕方なく召喚した。が、何も出来ない。
 そのまま、項垂れてターンを終える。

「さて、祝いの時間だ貴様ら。新たな冥界の住人に、歓迎をしてやれ!《デストルツィオーネ》でT・ブレイク!」

 黒き魔獣に跨る悪魔が、槍を振りかざしてシールドを砕く。

「ぐっ! S・トリガー、《ナチュラル・トラップ》で《ブラック・ルシファー》をマナゾーンへ! 《地獄万力》で《ガウル》を破壊!」
「それでは《オルゼキア》でW・ブレイク」
「く、くそっ! S・トリガー、《フェアリー・ライフ》でマナを加速!」
「それだけか? ならば--------------」

 勝つ道は完全に見えた。これを閉ざす手は無い。

「《死神の邪剣デスライオス》でダイレクトアタック」

 闇の剣が、今度こそガーリックを切り裂いた。今度はしっかりと捉える。コレを喰らえば二度と、生きて帰れない。

「あ、がっ……!」

 真っ二つに裂けた断面から、瘴気が吹き出てくる。そしてガーリックは今度こそ------------消滅した。

「闇で一時的に魂を覆った仮初の体だったか。まあいい……残すはベートーベンのみか」

 ***

 一方、ヒナタはベートーベンとのデュエルを繰り広げていた。ベートーベンは、大量のマナ加速をしており、早めに自身を出そうとしているのだろうか。場には《黒神龍オドル・ニードル》が1体。シールドは3枚。
 逆にヒナタは、クリーチャーを並べていたのだった。場には《鬼切丸》に《ライラ・ラッタ》という”一見”速攻の編成だったが、マナゾーンにドラゴンが置かれている辺り違うだろう。マナの色は珍しく赤単色だった。シールドはまだ5枚ある。

「俺のターン、《ギャノバズガ・ドラゴン》召喚!」

ギャノバズガ・ドラゴン P 火文明 (5)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 4000+
自分の火のクリーチャーがバトルする時、そのバトルの終わりまで、そのクリーチャーのパワーは+3000される。

 現れたのは、背中に砲台を背負ったドラゴン。デュエマ初期を思わせるような地味なパンプアップ能力だが、強制バトルによる擬似火力の範囲を広げられる点は評価できる。
 その上、このデッキではそれ以上のメリットがあるのだ。

「《ライラ・ラッタ》でシールドブレイク!」
「S・トリガー、《スーパー炎獄スクラッパー》で《鬼切丸》を破壊」

 とにかく、ターンを終える。敵の狙いは、もう分かりきっている。《ベートーベン》を素早く出すことだろう。

「我がターン。呪文、《運 命》!!」

 ジャジャジャーン、という聞きなれた交響曲5番のメロディと共に呪文が詠唱される。ベートーベンの手札は3枚。ここで、嫌な予感が頭をよぎる。

「効果で、手札を--------引かない。さあ、我が手札を3枚選べ。もっとも、選ばせるつもりなど毛頭無いがな!」
「やっぱりそうか!! くそっ、仕方が無い!3枚全部選ぶぜ!」

 《運 命》の手札を引く効果は、あくまでも5枚まで。つまり、引かないという選択も出来る。このとき、自分の手札が3枚で、尚且つ全てドラゴンの場合--------------


「全て踏み倒せる!! 現れよ、《王龍ショパン》、《偽りの王 フォルテッシモ》、そして《「戦慄」の頂 ベートーベン》!!」

短編4:恐怖、学園七不思議!?(7) ( No.295 )
日時: 2014/03/24 12:19
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)

運 命 R 無色 (10)
呪文
アタック・チャンス−《「戦慄」の頂 ベートーベン》(自分の「戦慄」の頂 ベートーベンが攻撃する時、この呪文をコストを支払わずに唱えてもよい)
カードを5枚まで引く。その後、自分の手札を3枚、相手に見ないで選ばせ、それを相手に見せる。その中から好きな枚数のドラゴンをバトルゾーンに出す。 

「戦慄」の頂 ベートーベン≡V≡ 無色 (10)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン/ゼニス 13000
このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、ドラゴンまたは無色呪文を合計3枚、自分の墓地またはマナゾーンから手札に戻す。自分の山札の上から3枚をマナゾーンに置いてもよい。その後、このクリーチャーをタップしてもよい。
相手のクリーチャーが攻撃する場合、可能であればこのクリーチャーを攻撃する。
T・ブレイカー
バトルゾーンにある自分のドラゴンとコマンドはすべて「エターナル・Ω」を得る。(「エターナル・Ω」を得たクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、かわりに手札に戻す)

「うーん、やっぱり調整中のこのデッキ使ったのはまずかったな」
「調整中ゆうか、完全に市販のデッキじゃろうが!!」

 今回はデッキに入っていないドラポンが怒鳴る。幾らなんでも相手を舐めきっているだろう。これで、一気にスピードアタッカーとスレイヤーを得たクリーチャーが3体現れてしまった。

「いや、だってあれだよ。今月小遣い少ないから苦肉の策だったんだよ」
「絶対面倒臭かっただけじゃろうが!!」

「《ベートーベン》でT・ブレイク!!」

 シールドが3枚、巨大な槍に貫かれた。しかし--------------

「いや、一応S・トリガーは入れ替えてるんだよ、S・トリガー発動。《めった斬り・スクラッパー》で《フォルテッシモ》を破壊!」

 ヒナタ曰く、《ドリル・トラップ》2枚を《スーパー炎獄スクラッパー》に差し替えたとのことだった。
 だが、まずい。ベートーベンが居る限り、自分のクリーチャーは攻撃の際に標準をベートーベンに合わせなければならないのだ。
 
「ターンエンド……」
「とにかく、こいつでッ……来た!! 《爆竜バトラッシュ・ナックル》召喚! 効果で《ショパン》と強制バトル! 《ギャノバズガ》の効果で、攻撃力は激増してるから一方的に破壊!」

 《爆竜バトラッシュ・ナックル》は、登場時に相手1体とバトルが出来る珍しい効果を持つ。さらに、バトル時にパワーを上げる《ギャノバズガ・ドラゴン》との相性は最高。さらに、ドラゴンがバトルに勝てば------------------

「燃え上がれ魂!! 勝ち上がれ、究極のサバイバル。 絶対的勝利を齎せ!! 駆け抜けろドラゴン・サーガ!! 《爆竜勝利バトライオウ》よ、出て来い!」


爆竜勝利 バトライオウ P 火文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/フレイム・コマンド 8000
自分の火のドラゴンがバトルに勝った時、このクリーチャーを自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の火のクリーチャーが相手クリーチャーとバトルする時、かわりにこのクリーチャーにバトルさせてもよい。
W・ブレイカー

 咆哮を上げる赤き武装竜。額に刻まれた、青きVマークは勝利を表す。そう、かつての赤き勝利の竜のように--------------燃え盛る剣は、あらゆる敵を突き上げて、自軍を勝利へと導く。
 そう、名はバトライオウ。
 座右の銘は「絶対勝利」。

 その効果は、自分の火のドラゴンがバトルに勝った時に自身を手札からコスト踏み倒しできるというものと、火のクリーチャーとのバトルを肩代わりするもの。

「くぅ〜!! 来た来た来た! 俺の新・切札! こいつがいれば、無敵だぜ!!」
「どこがじゃ、ボケ! 《ベートーベン》のパワーは13000! 《ギャノバズガ》がいたとして、そう簡単には通してくれんっちゃ!!」
「ま、それは-----------次ぎのターン次第だな」

 好い加減な、と漏らすドラポン。だが、次ぎのターン。絶対にベートーベンは自分へ攻撃してくるはずだ。こちらのクリーチャーはアンタップしていて攻撃されない。

「我がターン、現れよ《宿命のデステニー・リュウセイ》召喚。効果で、《運 命》を手札に。そして、我で攻撃!! W・ブレイク!!」

 シールドが2枚、吹っ飛ばされた上に嫌なカードを手札に加えられた。
 
「アタック・チャンス、《運 命》!!」

 今度は5枚のカードがベートーベンの手札に。しかし。ヒナタはもう惑わされなかった。

「バレバレだぜ、もし手札にドラゴンが居るんだったら、さっきみたいに確実に出すために引かないからな! それに、俺の運命は俺が決める! お前の手の内にある運命なんか-------------」

 手札は7枚。そのうちの、”元からあった手札”2枚と、イチカバチカで今引かれた5枚のうちの1枚を選ぶ。
 そして、はらはらと落ちた手札にはドラゴンは無かった。

「くそ、喰らえだっ!!」

 驚愕の表情を浮かべるベートーベン。とんだ憶測だが、まさか当たっていたとは。しかし、《ベートーベン》はタップされていて壁となっている。しかし、その心配はもう要らない。
 戦慄の夜は過ぎて、暁------------そう、日の出ずる時間だ。

「俺のターン、《超竜サンバースト・NEX》を《バトラッシュ・ナックル》から進化! こいつは、バトルに勝てばアンタップする上に、パワー11000! しかも、《ギャノバズガ》で強化されている上から自身の効果でパワー12000以上の巨大獣と戦うときは、パワーが+11000されるんだ!」

超竜サンバースト・NEX P(R) 火文明 (7)
進化クリーチャー:アーマード・ドラゴン 11000+
進化−自分のアーマード・ドラゴン1体の上に置く。
このクリーチャーがバトルに勝った時、このクリーチャーをアンタップしてもよい。
パワー12000以上のクリーチャーとバトル中、このクリーチャーのパワーは+11000される。
W・ブレイカー

「《サンバースト》で《ベートーベン》に攻撃、一方的に破壊!」
「くっ……!」
「アンタップ、シールドをW・ブレイク!」

 シールドが2枚、吹っ飛ばされた。さらに、追撃は続く。

「《ギャノバズガ》で最後のシールドをブレイク!」

 シールドトリガーはない。ここで、決める。


「《爆竜勝利バトライオウ》でダイレクトアタック!!」



 ***

 こうして、ガーリックの野望は砕かれた。空間から帰還した2人をコトハは迎えた。レンはと言うと、「大恥かいた」と言って先に帰ってしまったのだった。

「いやー、しっかしつえーな!! ビギニング・ドラゴン・デッキ、定価500円で販売中! 皆も是非手に入れよう!」
「宣伝をするな!!」

 だが、ここで彼女はまだ解決していない疑問があった。

「ところで、七不思議の最後って何だったの? ヒナタ」
「……」

 ふと聞かれてうつむくヒナタ。

「それは……七不思議を全部知った者は------------------」

 振り向くヒナタの顔は-------------かの有名な、ブルーベリーの色の巨人--------------。

「青鬼になっちまうんだよなぁぁぁぁぁぁあああああ!!!」

 その瞬間、コトハの絶叫。
 と、同時にヒナタは最後にコトハの鉄拳をしかと目にしたのだった。
 青鬼のお面が割れる。
 体がぐらつき、ここが屋上だったことを思い出す。
 そして、落ちていく感覚を覚えた。

 ***

「うーん、やはり《オーロラ》も捨てがたいか……いや、《プリン》もいいかも……」

 人が眠る丑三つ時。レンは自分の部屋の片隅で1人、大量のカードを前にニヤ付いていたのだった。
 そこに、1つのフラッシュが走ると同時に、小さな影が窓から離れていったのは、レンは知らない。

 ***

 次の日。屋上から転落したと思われる生徒約1名が、奇跡的に助かったことが紙面を飾ったのは言うまでも無い。

 今回、ヒナタがやったことは、絶対にまねしないように! 作者との約束だぞ!(キラッ)

Re: デュエル・マスターズ 0・メモリー 番外編 ( No.296 )
日時: 2014/03/24 13:24
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

 最近、どうにも書いている作品の内容が重いので、気分転換にもっとライトかつポップで、ライトノベルよりも少年漫画的な新作を考えているけど、時間もないしどうしようかと悩んでいるモノクロです。

 本編(というか番外)の感想に入る前に、キャラクター紹介(裏話)について。
 やっぱり、こういうのは面白いですね。作中だと客観的な視点でそのキャラを見ることが多々あるので、こういう風に作者がどんな意図で作ったとか、どう考えて作ったとか、実に興味深いです。
 ヒナタの説明は概ね予想通りというか、まあそうだろうなという感はありましたが、改めてヒナタは主人公っぽいなぁ、と思います。
 モノクロは作者自身が捻くれ者なので、展開も捻ったどころかひねたものになってしまい、キャラもそれに引っ張られがちなんですよね……熱血キャラというか、普通に素直で単純な思考というものが理解できない……自分が天才だなんて微塵も思ったことはないですが(そもそも才能というものを信じていない)天才には馬鹿の考えが理解できない、みたいに、捻くれ者に純粋な人の考えは理解できないようです。だからうちの夕陽もあんな主人公らしからぬキャラに……
 ドラポンもヒナタ同様ですが……スミスとは旧知の仲だったんですね。オーロラとリア充ならぬリア獣してるシーンばかり目立つので、スミスとの関係は密かに気になってました。後は、他のアウトレイジとも。ブータンとは(オーロラ絡みで)あまり仲が良くなさそうですが……
 そういえばヒナタはわりと低い声、なんですかね。モノクロは声優とか知らないので……こういうとモノクロの知らない声優に失礼になってしまうのですが、最近売れている人気女性声優くらいしか知らないです。花澤さんとか東山さんとか。最近は少しずつ覚え始めてきましたが、男性声優はもうほとんど分かんないです。

 さてやっと番外感想に入ります。まさか裏話だけで800文字近くコメントすることになるとは。相変わらず冗長ですね、モノクロは。
 レンのデッキは、黒緑の連デモですか……まるでシオ(どっちかというとうちの汐か?)が使っていそうなデッキというか戦術ですが、何気にデーモン・コマンド・ドラゴンのあいつが、名前だけ出てますね……正直、あいつはそこまで強いのか? と少々疑問を感じています。まあ場をリセットして打点が上がるのもいいんですが、闇コマンド進化だと進化元が重いので、即リセット、と言うのは厳しそうですし……まあ、今後登場するであろうカード次第ですかね。

 そして今度はヒナタと《ベートーベン》のデュエルですが、これは完全に戦闘龍のデッキですね……《ドリル・トラップ》は《スクラッパー》に変えているそうですが。まあ、《ドリル・トラップ》はスペックは微妙ですからね。一応《スクラッパー》で焼けない範囲も落とせますが、結晶龍相手には全体火力や割り振り火力の方が有効ですし、天聖龍に対してはそもそも火力が届いていないという悲劇。
 とまあ、そんな小さな改造も機能して、《ベートーベン》の考えも読み切った上で、《バトライオウ》も出て来て勝利を収めたわけですが……これってやっぱり、次作の——いや、これ以上いうのは止めます。

 そんなことより、、七不思議の七つ目は、知ったら恐ろしいことが起こる、とかなんとか言って隠されるパターンに近かったですね。青鬼になるのは……死んでも勘弁願いたいところですが。そしてヒナタは屋上から叩き落とされたと……頑丈な体してますね。
 レンも、この時に撮影されていたのか……まあ、自分自身と同じカードに変態的嗜好をぶつけられたら、彼女も怒りますか。
 ちなみにモノクロは、アニメの影響もあって《ジャスミン》、もしくは《コートニー》か《ポップル》が好きです。《オーロラ》も、まあ、いいちゃいいですけど……ちなみに《プリン》は微妙。むしろ《プリン》は実用性ですね。《勝利のプリンプリン》とか《逆転王女プリン》とか。
 最近サイキックにはまっているモノクロにとって《勝利のプリンプリン》の利便性はかなりポイント高いです。

Re: デュエル・マスターズ 0・メモリー 番外編 ( No.297 )
日時: 2014/03/28 18:20
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)

モノクロさん

コメントありがとうございます。そちらのほうに顔が出せなくてすみません。
自分が書いてるのは、ライト系なので、やはりモノクロさんの作品と自分の作品では趣向が違うと思います。(今は結構重い場面ですが)

ヒナタの性格も、割とすぐに決まった気がします。自分の性格が割りと単純なので、書きやすかったところはありますね。
逆に自分は、展開も少し一本通しみたいなところがあるので、もう少し凝ったものも書いてみたいところです。
次にドラポンのことですが、昔、スミス含む他のアウトレイジと暴れまわっていた時期があったのですが、それも後々明言しようかと思います。

レンのデッキ、ヒナタのデッキは完全に伏線ですね。分かる人なら分かるはずです。

青鬼はご存知でしたか。弟が以前、自分から実況動画を見てトラウマになっていたので、弟には悪いですが起用させていただきました。

そしてレンもこのときにばっちり撮影されていたわけです。さあ、この後どうなったかはもうお分かりでしょう。

PS

ちょっとした余談ですが、ビギニング・ドラゴンデッキが予想以上に回り方が面白かったことからお伝えしようと思います。今まで絶対に2カラーで組んできましたが、単色デッキもいいかもしれないと思っている今日この頃です。だって色事故が起こりませんからね。
自分も個人的には結晶龍が気に入ってます。バニラの大量展開ハンパないです。《トライグラマ》が思ったよりも簡単に出せるところもすごいですが、《iQサイクロペディア》のシンパシーとバニラ大量展開がかみ合っているのもいいです。是非、《ジェスタールーペ》を入れて改造しようと思います。
次に戦闘龍ですが、このままだとビートと連ドラが中途半端になりがちなのですが、それでも十分いいです。《勝負だ! チャージャー》でマナが安定して伸びるのもいいですし。何より、《バトラッシュ》から《バトライオウ》のコンボが爽快でした。こっちは、火単の連ドラとして改造すると動きがすっきりしました。《ガイアール・アクセル》や《偽りの名バルガ・ラゴン》、そして《爆竜トルネードシヴァ XX》に《超竜バジュラ・セカンド》ですかね。ともかく、火単という色構成と比較的コストが低い爆竜は相性がいいので、変にマナブースト入れるよりはいいかもしれないです。後はヒューマノイド爆の今後に期待ですね。
そして天聖龍ですが、こちらは3コストクリーチャーと《アルミウム》、《ヴァルハラナイツ》のコンボによる征圧力が非常に高いです。後は《ヴィブロス・ヘブン》でしょうか。これらは、自分が今まで使ってきたハッチャキ型ヘブンズ・ゲートに入れてみました。すると、《ハッチャキ》が出るたびに《ヴァルハラナイツ》の効果でフリーズできるのが強力です。《アルミウム》はアタックトリガーのタイムラグが気になったのとスペース的に入れられませんでしたが、《ヴィブロス・ヘヴン》は決定打として非常に役に立ちました。

それでは、後でそちらのほうに顔を出すかもしれません。それでは、また。


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