二次創作小説(紙ほか)
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- デュエル・マスターズ 0・メモリー 堂々完結
- 日時: 2014/12/07 13:44
- 名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: oLjmDXls)
【読者の皆様へ】
初めまして、二次などで創作を行っている、タクと申します。この度はデュエル・マスターズ 0・メモリー、完全に完結しました! 今まで皆さん、応援ありがとうございました。続編、デュエル・マスターズ D・ステラも応援よろしくお願いします!
【番外編あらすじ】
教団の脅威は去ったはずだった。教団の神官、バラモンとデトロイトによって呼びこされた2人の無法の覇者、そして竜神王。しかし、それはやがて世界を脅かす要因に。そして、ヒナタがデュエマをやめる!? 衝撃の番外編、ついに本格始動!
用語集>>10
登場人物紹介>>02
デッキ紹介>>67
デッキ紹介2 >>190
参照1000突破企画:切札紹介 >>114
本編>>247
番外編:強襲の竜神王編
エクストラターン0:キー・メモリアル >>246
エクストラターン1:異変 >>253
エクストラターン2:竜神王 >>254
エクストラターン3:恐怖 >>257
エクストラターン4:狂気 >>258
エクストラターン5:行動開始 >>261
エクストラターン6:デコード >>262
エクストラターン7:ケリを付けろ >>265
エクストラターン8:敗者の条件 >>266
エクストラターン9:急襲、竜神王 >>267
エクストラターン10:決死の特攻 >>268
エクストラターン11:デッド・オア・デッド >>280
エクストラターン12:鬼 >>298
エクストラターン13:暴かれた根源 >>300
エクストラターン14:捨てられたデッキケース >>301
エクストラターン15:ベルフェモール >>304
エクストラターン16:向き合うこと >>305
エクストラターン17:大阪へ >>307
エクストラターン18:咆哮、激震、超克 >>310
エクストラターン19:星として、海に散る >>311
エクストラターン20:絶望への反逆 >>312
エクストラターン21:決戦の舞台へ >>313
エクストラターン22:立ち塞がる無法の皇 >>314
エクストラターン23:激震、インフィニティ・ドロン・ゴー! >>315
エクストラターン24:最後の戦い >>336
エクストラターン25:反逆の一戦 >>337
エクストラターン26:竜神王結合 >>338
エクストラターン27:破壊衝動 >>339
エクストラターン28:絶望と破壊の渦 >>340
エクストラターン29:終焉 >>341
参照3000突破記念!ヒナタへ56の質問
>>176 >>177
短編1:仁義なき戦い(パブリック・エネミー) >>163 >>164
短編2:恋の裏技 >>182 >>185 >>188
短編3:親父の背中 >>206
短編4:恐怖、学園七不思議!? >>281 >>283 >>285 >>289 >>290 >>294 >>295
短編5:探偵パラレル >>306
コラボ番外編
モノクロさん作、デュエル・マスターズMythology
”last smile”
あらすじ:デュエル・マスターズMythologyで活躍中のヒロインキャラ、御船汐。彼女の空白の一年間とは、まさしく鎧竜での一年間のことだった。では、何故彼女はそれを失うことになったのか? そして、記憶と共に彼女が失わなければならなかったものとは。オリキャラによって繋がる2作品の謎が今此処に明かされる。
そして、無法と神々が今、交錯する。
短編のつもりが中編クラスの長さになってしまったこの作品。最後まで必見!
第一話:別れと悲劇はデュエマの後で
>>316 >>317 >>321 >>322
第二話:月夜野シオは彼女なのか?
>>323 >>327 >>328
第三話:神話の使い手
>>329 >>330 >>331 >>332
第四話:そして神話へ
>>335 >>345 >>348 >>349
第五話:”先輩”
>>350
キャラクター裏話
パート1 暁ヒナタ >>293
パート2 黒鳥レン >>299
基本、概存のカードを使用していますが、これからの展開でオリジナルカードを使うかも知れません。ご了承下さい。
なお、クリーチャーの解説などは、以下サイト様から引用させていただいています。
DuelMasters Wiki(デュエルマスターズ ウィキ)様
- Re: デュエル・マスターズ 0・メモリー 番外編 ( No.318 )
- 日時: 2014/04/27 23:33
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)
予告通り現れたモノクロです。1レス分を奪いに来ました。
などという怪盗かぶれの台詞はさておくとして。
フジやテツヤ、天川たちにもスポットがあてられていますが、こちらは前作とも関わっているっぽい感じがして、いまいちピンときませんでした。
そして次はいよいよ《ジャッキー》と《ブルース》の登場ですか。まさか二体いっぺんに戦うことになるとは思っていませんでしたが、青黒赤の墓地ソースのようなデッキで、どちらの能力も上手く生かしていますね。
さらにここで前々から仄めかされていた《ドラポン》の過去が明らかになりましたが、単純に助けられたとかではないのがいいですね。あと《ジャッキー》が、生きることが罰だから生きて償え、といった意味の言葉を投げかけましたが、これでキリスト教の教えを思い出しました。アウトレイジなのにオラクル(=宗教)的な台詞ですが、いい意味でちぐはぐな感じがあって、わりとよくある台詞でもアウトレイジとオラクルという背景と組み合わさって、いい効果を生んでいるように感じられました。
……なんか、わけわかんないこと口走ってますね。スルーしてくださって結構です。
さて話を戻して、ヒナタの一喝で《ドラポン》が新しく《超絶 ドラポンBANG!!》となり、インフィニティ・ドロン・ゴーを得ましたが、これって既存のドロン・ゴーを根本からぶっ壊してますね。デッキからドロン・ゴーで出て来るなんて……このぶち壊しっぷりは、流石エグザイルといったところでしょうか。
そしてインフィニティ・ドロン・ゴーで現れた《超絶弾 リボルバー・サンブレイズ》ですが、こちらは《サンブレイズ》という名前が、暁ヒナタという名前を想起させますね。
さらに《リボルバー・サンブレイズ》からもインフィニティ・ドロン・ゴーですが、まさかドロン・ゴーで進化エグザイルが出るなんて……
しかも《絶望への反逆 ガトリング・エヴォルバー》が出て来てどう逆転するのかと思ったら、《反逆秘伝 ワン・フォー・オール》からの《クロスファイア 2ed》が出て来たので、少なからず吃驚しました。
《ガトリング・エヴォルバー》の《絶望への反逆》という名称は、オラクルに立ち向かうアウトレイジらしくもあり、《ドラポン》の過去から今にかけても繋がっているように感じられ、味のあるネーミングでいいな、と思いました。
しかしあれですね、《ジャッキー》の台詞と言い、《超絶》という名称からゴッドである《ゼンアク》が思い浮かばれたりといい、モノクロの勝手な解釈ですが、この辺りの話はアウトレイジなのに敵対するオラクルを想起させることがあり、この逆を行くフレーズや名称はモノクロ好みです。
そしてここからどう話が転がるのかと思ったら、前に仰っていたコラボ短編ですか。
この焦らすような粋な演出は嫌いじゃないです。
一応、シオの設定はこちらにあるので、今のところは山も谷もなくという感じですが、シオは直前まで転校することを知らなかったんですね。モノクロは事前に知っていたものだと無意識のうちに思っていたので、そこだけちょっと驚きました。いや、変更要求とかではないので、修正の必要はありません。
しかし、ここで《ヨミ》が出て来るとは。意外と好きな《シャンツァイ》や《ターメリック》《胡椒》が出て来て軽く歓喜していたところに《ヨミ》の再登場で、これまた驚きです。
まだ山場はこれからでしょうが、今のところは《ヨミ》の発言が気になりますかね。
やはりこちらの作品とも繋がるということで、他の話とは違った感覚がありますね。本編も《ベルフェモール》はどうなったのか、など気になるところは多数ありますが、コラボ短編の方も同様に先が気になるところです。続きを楽しみにしております、無理しない程度に頑張ってください。
それではこれにて。
- Re: デュエル・マスターズ 0・メモリー 番外編 ( No.319 )
- 日時: 2014/04/28 09:42
- 名前: Orfevre ◆ONTLfA/kg2 (ID: P747iv5N)
タク様
お久しぶりです
新たなコラボ作品の
アイデアを持ち込んだので報告に来ました
ズバリ、ドラポン、コルル、アポロン、(若菜の切り札・本作では未登場)が4人で冒険する
「クリーチャー珍道中」と
それと、ヒナタ、夕陽、若菜の3人で戦う
こちらの本編に出てきた3on3のデュエル短編ものを書きたいと思っています。
それでは、また
- Re: デュエル・マスターズ 0・メモリー 番外編 ( No.320 )
- 日時: 2014/04/30 22:28
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)
モノクロさん
コメントありがとうございます。というか、返すのが遅れてすみません。
今回、ジャッキーとブルースが使っていたデッキは、公式サイトのデッキ開発部に載せられていたものを参考に、(というかそのまんま)しました。
単純に助けられたのではない、まあそうですね。ただ、これがアウトレイジのやり方と言えばそうでしょう。
また、アウトレイジとオラクルが重なってみえる描写、やはりこれは、所詮両方の種族が元は同じ種族、ということを示唆しているんですね。無法と神の共闘、これが今回の裏テーマでもありますから。
インフィニティ・ドロン・ゴーも山札からクリーチャーを出す、オラクルの光臨能力とドロン・ゴーを組み合わせたものです。
さて、専用のアタック・チャンスは要らなかったか、と今更ですが思っている次第です。
というのは置いておいて、《ガトリング・エヴォルバー》の解説ですが、言うまでもなくマッド・ロック・チェスターを基にしてるんですね。最初、こいつの能力を今までのプレミアム殿堂クリーチャーの中から選んだんですが、その中でデザイン的にも”銃”という共通点のある邪神にしました。
ちなみに、《超絶》は特に意識したわけではありません。悪しからず。
さて、コラボ短編も乞うご期待、といったところですね。
気遣いありがとうございます。そちらも、受験シーズンということで無理をしないでください。それでは、また。
Orfevreさん
どうも、コメントありがとうございます。
まあ、コラボ短編のアイディアについては、こちらから口出しすることでもないので、良いんじゃないですかね?
そちらの作品とのコラボも、出来れば、とは考えています。
が、そちらの物語がもう少し進んでから出ないと、どうにも、といった状況なので、ご了承ください。
互いに執筆をがんばりましょう。
それでは、また。
- コラボ短編:last smile (3) ( No.321 )
- 日時: 2014/05/13 06:35
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)
***
楽しかったデュエマ大会も終わり、4人は帰路に付いていた。
しかし、これはまだ1日目、である。
明日も同じような日程でデュエマ大会を行う予定なのだ。
「あー、滅茶苦茶楽しかったな〜! 明日もがんばるぞ」
「最後はシオちゃんにボロ負けしたくせに」
「るっせぇな!」
コトハの言葉に言い返すヒナタ。そんな2人を見て、1人シオはため息をついた。
それを見たレンが、声を掛ける。
「不安か」
「……ですね」
「ま、あいつらは貴様がこの学校から居なくなっても、多分ずっとあのままだ。何も変わらん」
少し、驚いたような表情をしたシオだったが、レンは続ける。
「だから、貴様も何も変わるな。ずっと、貴様のままでいろ。お前が向こうで悲しそうな顔をしていたら、奴らだって悲しむ」
ふっ、と息を漏らすかのような呟き。
「先輩……これを」
ひゅっ、とカードが投げられる。
そのカードを見た。
「何時から気付いていた? 僕が闇文明に転向するつもりだったのを」
「せんぱいは……ずるい人です」
シオは、眼を逸らして言った。
「人には変わるなって言っておいて。自分だけ、変わろうとするんですから」
「……すまん」
本当は分かっている。周りだけがどんどん変わって行って、自分だけが取り残されていくのが怖いのだ。
ゼロ文明を捨てたのは、今までの自分に見切りを付けてしまいたかったからだ。
しかし、つまりを言えばレン自身も”何かが変わって”しまうことである。
一番良いのは、共に歩むこと。
しかし、それは叶わない。
人の変わる、つまり成長するスピードは、本当に様々だ。
だから、それで取り残されるくらいなら、
-------------皆、ずっとそのままのほうが良い----------------。
本当にずるいヤツだ、自分でもそう思う。だからこそ、自分に嫌気が差してくる。
一体、何を信じればいい?
一体、何がいけなくて、何が正しい?
「信じてください、自分の仲間を」
ふと、我に返った。シオの凛とした言葉が、レンの心の闇から光のように差し込んでくる。
「先輩達は、何時だってそうです。嬉しいときは、一緒に喜んで、悲しいときは一緒に悲しんで、そして-------------もし誰かが遅れていたら、歩幅を合わせるような器用な事が出来なくても------------」
シオは続けた。
「その人を、思いっきり引っ張り上げることが出来るはずです」
そのとき、レンの心の中の何かが爆ぜた。
僕は一体、何を悩んでいたんだ。
--------------ああ、そうだ。いつも一緒に居て気付かなかったが、
「そうだ、仲間がいたんだ」
こんな当たり前のことに気付かないなんて、自分は何て馬鹿だろう。
そして、以前にそれを目の前の彼女に教えたのは、紛れもない自分なのに。
「私は、此処に来て良い仲間を持ちました」
彼女は続けた。
「私には勿体無いほど、でも……とっても大切な」
そう言って、空を見上げたシオの瞳は澄んでいた。
***
シオは自分の借家の前に立っていた。
「はぁ……この借家とももうすぐお別れですか」
「ブー! 大丈夫だブー! シオちゃんには、ブータンがいるブー!」
「ありがとう、ブータン」
しかし、妙に妖しい空だ。
暗い。
とても暗いのだ。
闇文明の使い手だからか、何となく分かる。
今宵の闇が、自分に味方をしていない、ということを。
「やはり、此処に帰ってきたか月夜野シオ」
声が聞こえた。振り向けば、鎧を着た男の姿が。
やはりか。嫌な予感こそしたが、ここでクリーチャーに出くわすとは思っていなかった。
「《破戒のインガ シャンツァイ》ですか。全く、ストーキングも大概にして欲しいです」
「ストーカーとは失礼だな。それにしても分かってるではないか。ククク……」
「何のようですか? ヨミは死んだはずですよ? それと同時に、殆どのオラクルも死に殉じたはずですが」
「ふはは、貴様に話すことなど、何もない。だが」
そういうと、シャンツァイの手に光が集積してデッキが現れる。
「我が信仰する、ゴッド・ノヴァに八つ裂きにされるがいい!!」
その瞬間、彼女は黒い霧に一気に包み込まれた。
***
「私のターン、《一撃奪取 ブラッドレイン》召喚です」
「我がターン。《聖邪のインガ スパイス・クィーンズ》を召喚だ」
聖邪のインガ スパイス・クィーンズ P 光/闇文明 (2)
クリーチャー:オラクル 3000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
ブロッカー
このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
自分のゴッド・ノヴァ OMGの召喚コストを1少なくしてもよい。ただし、コストは1より少なくならない。
シオが繰り出したのは、闇文明のコストを軽減する《ブラッドレイン》。
一方のシャンツァイの手札から現れたのは、”終焉の新生神(ゴッド・ノヴァOMG)”を崇拝する双子の姉妹。
仮面の下から不気味に笑うシャンツァイからは狂気さえも感じられ、恐ろしい。
「私のターンです。《豚乱舞 ブータン・ジャクソン》召喚です」
ブータンの新たなる姿。しかし、肝心の能力がアタックトリガーのため、次のターンを待つしかない。
「ターンエンドです」
「ふむ、やるな。では、私は《エナジー・ライト》で手札を補充するとしよう。ターンエンドだ」
「私のターン」
手札を引く。よし、これならばいける。
「呪文、《ブータン転生》で《ブータン》を破壊して、デッキからウルトラ・ドロン・ゴー発動です」
破壊されたブータンの身体が再び光となって集積し、現れた。
究極の力が、今此処に。
「凶槍の王。死のワルツを舞い、悪魔の盤面に超臨です----召喚《凶槍乱舞 デスメタル・パンク》」
凶槍(スピアー)乱舞(ダンス) デスメタル・パンク SR 闇文明 (8)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 8000
このクリーチャーが攻撃する時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーは無限にパワーを失う。(パワー0以下のクリーチャーは破壊される)
W・ブレイカー
ウルトラ・ドロン・ゴー:このクリーチャーがバトルゾーンを離れた時、名前に《乱舞》とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に《乱舞》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。
破滅の舞を踊るエグザイルが、とうとう現れた。
しかし、それを眼にしてもシャンツァイは未だ余裕の笑い声を上げていたのだった。
- コラボ短編:last smile (4) ( No.322 )
- 日時: 2014/05/14 21:37
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)
「更に呪文、《一極両得ボッカン&ドックン》で《スパイス・クィーンズ》を破壊。そして《ブラッドレイン》でシールドブレイクです」
1枚目のシールドが叩き割られた。しかし、それでもシャンツァイは動じない。
それどころか-------------。
「S・トリガー発動、《アクア・サーファー》! 《デスメタル・パンク》をバウンス!」
「っ……ですが、ウルトラ・ドロン・ゴー発動です。 《デスメタル・パンク》をもう一度召喚です」
『シオちゃんは、俺様が護る!! 貴様ら逆徒に触れさせはせぬわ!!』
---------保険を掛けておいて良かったです。
ウルトラ・ドロン・ゴー最大の利点はどんな除去にも対応できることだ。マナに送られようが、手札に戻されようが、ドロン・ゴーすることができるのである。つまり、エグザイルの弱点を突いたのだ。
しかし、もう1つの弱点は解決されていなかった。
シャンツァイのターン。ここで、いよいよ神が現れる。
「《霊騎左神ロラパルーザ》召喚。効果により、《デスメタル・パンク》をタップ、さらに次のターンはアンタップできないのだ!」
「ッ-------------!」
エグザイルは唯一なる存在。故に、こうして止められてしまうと、逆に邪魔になってしまうことがある。
そう、同名の後続のエグザイルを呼びにくくなってしまう。
「そして、《アクア・サーファー》で《ブラッドレイン》を攻撃して破壊」
「うっ」
思わず呻き声を上げるシオ。たったの1ターンで、場は最早半壊している。
「ターンエンドだ」
慈愛とは程遠いシャンツァイの声が暗い空間に響いた。
その後も、展開は続いていく。召喚された《サイバー・N・ワールド》を《デスメタル・パンク》のパワー無限マイナス効果で破壊するも、《スパイラル・ゲート》でバウンスされてしまう。
数多くの足止めなどで既にシオは疲弊し切っていた。
そして、魔の8ターン目。シオのシールドは5枚。一方のシャンツァイのシールドは2枚。手番は後攻のシャンツァイ。
現在、シオの場には《デスメタル・パンク》。しかし、タップ状態だ。
一方、シャンツァイはリンク状態の《ロラパルーザ》と《神滅右神グラストンベリー》。しかし、パワーが低い上に次のシオのターンで破壊されてしまう。
しかも、ゴッド・ノヴァOMGはリンクしても打点はなかなか増えないことが多いのも手伝って、シャンツァイは不利に見える。
しかし。
「我が世の春が来たあああ!! 我がターン、《破戒のインガ シャンツァイ》を召喚!!」
今度はガン○ムである。全く懲りないパロディ野郎だが、はっきり言って今度は二打点の大型クリーチャーが本当に出てしまった。
破戒のインガ シャンツァイ R 光/闇文明 (8)
クリーチャー:オラクル/デーモン・コマンド/エンジェル・コマンド 6500+
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーを召喚する時、自分の手札から好きな枚数のゴッドを相手に見せる。このようにして見せたゴッド1体につき、このクリーチャーの召喚コストを1少なくする。ただしコストは2より少なくならない。
バトル中、自分のオラクルとゴッドのパワーは+3000される。
W・ブレイカー
オラクルの階級のうち、”インガ”に属するものの特長。それは”神”を直接補助する、というものだ。
まさしく、シャンツァイもその1体。
「な、なんですか、これは」
「フハハハ! 能力発動! 《シャンツァイ》が居れば、我がオラクルとゴッドのバトル時のパワーは+3000! さあ、《ロラパルーザ&グラストンベリー》で攻撃し、《デスメタルパンク》を破壊だあああ!!」
パワー10000対8000。どちらが勝つかは明確である。
「ッ……あ、手札がもう無いです……」
「クカカ、ターンエンドだ」
「負けられない、負けられないのに……」
カードを引くシオ。引いたカードは------------------。
「……《ブータン・ジャクソン》を召喚、ターンエンドです。まだ、諦めないです」
『ブー! そうだ、シオちゃんにはブータンたちがいるブー!』
---------そうです。まだ、勝負は分からないです。
そうだ。自分のシールドは、まだ1枚も割られていない。デュエマは最後まで何が起こるかわからないのだ。
背後から、何かを感じた。自分のクリーチャーが、青い霊のようなものになっている。シオの背中を押すように。
「《ドルバロム》、《ガル・ヴォルフ》、《ブラッドレイン》、《ブラックルシファー》……勝てるです。私には仲間がいるです」
希望だ。暗い闇を照らす、希望の光。皮肉なことに、闇文明の使い手がそれに照らされることになったが、問題ない。
----------いける。先輩達のために、私は----------
「果たして、どうかな?」
嘲笑うかのように、シャンツァイは彼女の逆転の可能性を否定する。
「我がターン、《「黒幕」》を召喚」
「-----------え?」
希望をさえぎる闇。
まず、シオの手札が全て吹っ飛んだ。
「し、しまったです------------」
確実に、ウルトラ・ドロン・ゴーの可能性を潰しにかかってくる。
しかし、それだけではない。《「黒幕」》が2柱の神とリンクを始めた瞬間、奇妙な瘴気が漂い始めた。
「トライ・ゴッドリンク」
この瞬間、全てのシールドが叩き割られた。
「黒幕」 SR 闇文明 (9)
クリーチャー:ゴッド・ノヴァ OMG/オラクル 12000+
このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、相手は自身の手札をすべて捨てる。
T・ブレイカー
中央G・リンク(このクリーチャーまたは自分の他のゴッドをバトルゾーンに出す時、自分の好きな数のゴッドからカードを1枚ずつリンクを外してもよい。その後、このクリーチャーを、「右G・リンク」または「左G・リンク」を持つゴッドにリンクしてもよい)
このクリーチャーがカード3枚でリンクした時、このクリーチャーは各プレイヤーのシールドをすべてブレイクする。
これが、《「黒幕」》の能力である。トライ・ゴッドリンクした瞬間、敵味方関係なく、全てのシールドをブレイクするのだ。
唖然としている彼女。しかし、無慈悲にもシールドはガラスのように次々と割られていく。
「で、でも、S・トリガー発動ですっ。《デーモン・ハンド》に《地獄門デス・ゲート》で《シャンツァイ》と神を破壊」
「《グラストンベリー》を墓地に置く。そして、リンクした神は召喚酔いしない。さあ、遺言はあるか?」
「っ----------これ以上、先輩達を-------皆を傷つけるのはやめてください--------」
「虚しいな、雑魚が。リンクした《「黒幕」》でダイレクトアタック」
リンクした神が迫る。
しかし。
刹那。
黒いオーラがシオを護る。
「---------ブータン!」
『シオちゃんはっ、シオちゃんは死んでもブータンが護るんだブー!!』
身体のパーツが、ドット状にどんどんはじけ飛んでいくブータン。神の攻撃は神々しく、そして容赦なく続く。
黄色のレーザーによって、身体の各部を次々に焼ききられていく。
「ブータンッ! もういいです、やめてください、貴方が死んだら、私は、私は--------------」
『-----------短い間だったけど、楽しかったブー』
これが最後だった。
『ごめん、て皆には伝えてブー』
「馬鹿言わないでくださいです、ブータン!! 最後だなんて、そんなの私が許すとでも思ったんですか」
必死の懇願が届かないことは分かっている。
だが、居なくなって欲しくはなかった。
『アイ・ラブ・ブー、シオちゃん』
最後に、砕け散った身体が再構築され、ドロン・ゴーした。ブータン、否デスメタル・パンクはレーザーを受け止める。
しかし、体中に《「黒幕」》の放った蛇が喰らい付いた。
特大のレーザーを放たないとばかりに、神が腕を振り上げた。
そのときだ。
「最期まで一緒です、ブータン」
巨大な、デスメタル・パンクの足元に、シオの小さな身体が見えた。デスメタル・パンクは一瞬驚いたようだったが、最期の力を振り絞り、最後の咆哮を上げた。
***
3月23日。それは、誇り高き闇文明を司る愛の騎士が神の前に散った日である。
だが悲劇はまだ続く。
最早、支配欲と復讐心の塊である神人類によって。
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