二次創作小説(紙ほか)
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- デュエル・マスターズ 0・メモリー 堂々完結
- 日時: 2014/12/07 13:44
- 名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: oLjmDXls)
【読者の皆様へ】
初めまして、二次などで創作を行っている、タクと申します。この度はデュエル・マスターズ 0・メモリー、完全に完結しました! 今まで皆さん、応援ありがとうございました。続編、デュエル・マスターズ D・ステラも応援よろしくお願いします!
【番外編あらすじ】
教団の脅威は去ったはずだった。教団の神官、バラモンとデトロイトによって呼びこされた2人の無法の覇者、そして竜神王。しかし、それはやがて世界を脅かす要因に。そして、ヒナタがデュエマをやめる!? 衝撃の番外編、ついに本格始動!
用語集>>10
登場人物紹介>>02
デッキ紹介>>67
デッキ紹介2 >>190
参照1000突破企画:切札紹介 >>114
本編>>247
番外編:強襲の竜神王編
エクストラターン0:キー・メモリアル >>246
エクストラターン1:異変 >>253
エクストラターン2:竜神王 >>254
エクストラターン3:恐怖 >>257
エクストラターン4:狂気 >>258
エクストラターン5:行動開始 >>261
エクストラターン6:デコード >>262
エクストラターン7:ケリを付けろ >>265
エクストラターン8:敗者の条件 >>266
エクストラターン9:急襲、竜神王 >>267
エクストラターン10:決死の特攻 >>268
エクストラターン11:デッド・オア・デッド >>280
エクストラターン12:鬼 >>298
エクストラターン13:暴かれた根源 >>300
エクストラターン14:捨てられたデッキケース >>301
エクストラターン15:ベルフェモール >>304
エクストラターン16:向き合うこと >>305
エクストラターン17:大阪へ >>307
エクストラターン18:咆哮、激震、超克 >>310
エクストラターン19:星として、海に散る >>311
エクストラターン20:絶望への反逆 >>312
エクストラターン21:決戦の舞台へ >>313
エクストラターン22:立ち塞がる無法の皇 >>314
エクストラターン23:激震、インフィニティ・ドロン・ゴー! >>315
エクストラターン24:最後の戦い >>336
エクストラターン25:反逆の一戦 >>337
エクストラターン26:竜神王結合 >>338
エクストラターン27:破壊衝動 >>339
エクストラターン28:絶望と破壊の渦 >>340
エクストラターン29:終焉 >>341
参照3000突破記念!ヒナタへ56の質問
>>176 >>177
短編1:仁義なき戦い(パブリック・エネミー) >>163 >>164
短編2:恋の裏技 >>182 >>185 >>188
短編3:親父の背中 >>206
短編4:恐怖、学園七不思議!? >>281 >>283 >>285 >>289 >>290 >>294 >>295
短編5:探偵パラレル >>306
コラボ番外編
モノクロさん作、デュエル・マスターズMythology
”last smile”
あらすじ:デュエル・マスターズMythologyで活躍中のヒロインキャラ、御船汐。彼女の空白の一年間とは、まさしく鎧竜での一年間のことだった。では、何故彼女はそれを失うことになったのか? そして、記憶と共に彼女が失わなければならなかったものとは。オリキャラによって繋がる2作品の謎が今此処に明かされる。
そして、無法と神々が今、交錯する。
短編のつもりが中編クラスの長さになってしまったこの作品。最後まで必見!
第一話:別れと悲劇はデュエマの後で
>>316 >>317 >>321 >>322
第二話:月夜野シオは彼女なのか?
>>323 >>327 >>328
第三話:神話の使い手
>>329 >>330 >>331 >>332
第四話:そして神話へ
>>335 >>345 >>348 >>349
第五話:”先輩”
>>350
キャラクター裏話
パート1 暁ヒナタ >>293
パート2 黒鳥レン >>299
基本、概存のカードを使用していますが、これからの展開でオリジナルカードを使うかも知れません。ご了承下さい。
なお、クリーチャーの解説などは、以下サイト様から引用させていただいています。
DuelMasters Wiki(デュエルマスターズ ウィキ)様
- エクストラターン26:竜神王結合 ( No.338 )
- 日時: 2014/05/21 23:35
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)
***
「俺は1人じゃねえ、1人じゃねえから此処まで来れた! お前は道具と呼ぶのか? 今まで自分を支えてくれた竜神王さえも道具と罵って蹴るのか!!」
「うるさいんだよっ!! べるのターン。《箱庭のイザナイ ベルフェモール》を召喚!!」
箱庭のイザナイ ベルフェモール 闇/水文明(7)
クリーチャー:オラクル 5000
ウルトラセイバー:《竜神王》と名の付くクリーチャー
このクリーチャーは、攻撃もブロックもされない。
ターンの終わりに、いずれかの効果のうち、1つを使っても良い。
光臨-このクリーチャーがターンの終わりにタップされている場合、《竜神王》と名のつくクリーチャーを1体、山札からバトルゾーンに出してもよい。その後、山札をシャッフルする。
墓地光臨-このクリーチャーがターンの終わりにタップされている場合、《竜神王》と名のつくクリーチャーを1体、墓地からバトルゾーンに出してもよい。
マナ光臨-このクリーチャーがターンの終わりにタップされている場合、《竜神王》と名のつくクリーチャーを1体、マナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
現れたのは、魔女のような姿をしたオラクル。人間に近いタイプだろう。
「さらに、《転々のサトリ ラシャ》で無色以外のカードを全てタップ!」
「うっ!?」
「そして、ターンの終わりに光臨発動よ! 山札から《処刑の竜神王 サンマロン・ガルグイユ》を召喚!」
処刑の竜神王 サンロマン・ガルグイユ 水文明 (6)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/ゴッド 5000+
W・ブレイカー
G・リンク《毒牙の竜神王 サーペント・ムシュフシュ》の右横、《毒牙の竜神王 サーペント・ムシュフシュ》の下側。
ドラゴン・ブレス-《裁きの都 キングオブ・ラグーン》が要塞化されているとき、以下のD効果を使ってもよい。
Dレベル1:このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、またはリンクしたとき、カードを1枚墓地から山札の一番下に好きな順で置いても良い。その中にゴッドがあれば相手のコスト5以下のクリーチャー一体を破壊する。
Dレベル6:このクリーチャーが攻撃するとき、自分の墓地のカードを6枚山札の一番下に好きな順で置いても良い。そうした場合、自分の手札からコスト4以下のゴッドをバトルゾーンに出す。
さらに、竜の目が光り、ブレスが放たれた。
「ドラゴン・ブレス発動。レベル1で、べるの山札を1枚墓地へ。それがゴッドならば------------コスト5以下のクリーチャーを破壊できる!」
「い!?」
「さあ、やれ! 捲れたカードは《サーペント・ムシュフシュ》だったから、《ファルコン・ボンバー》を破壊!」
やられた。しかし、まだ希望の光はある。
「俺のターン! 何ならコイツだ! 《妖精のイザナイ オーロラ》を召喚!」
『何であたしがいるのか、ってことについては全然突っ込まないのね』
「大方スミスと一緒なんじゃろ? 一緒に戦いたいなら、最初っからそう言えっちゃ! おだんは女がオラクルだからって、引け目感じたことは一回もないっちゃ!」
ドラポンの言葉で、頬を紅くするオーロラ。
「おい、おめーら! ラブラブタイムはそこまでだ! 行くぜ、呪文! 《ドンドン打つべしナウ》! 効果で《オーロラ》をタップし、ターンの終わりに光臨発動!」
『頼んだわよ! 《守護炎龍レヴィア・ターン》召喚!』
「《レヴィア・ターン》の効果で、マナゾーンから《正々堂々 ホルモン》を出して、マナを加速だ、ターンエンドだぜ!」
マナゾーンのカードをさらに増やしていくヒナタ。しかし、対するベルフェモールはそれを上回る勢いで強さを増していく。
「《毒牙の竜神王 サーペント・ムシュフシュ》を召喚! ゴッド・リンク! そして、あたしで《オーロラ》を破壊!」
ベルフェモールの杖がオーロラを撃った。
「あんたうざいのよ!! ヨミ様からも一番好かれていたのはあんただったわよねぇ!! 死ねえ!!」
「知らないわよ、あんなロリコン野郎!!」
しかし、抵抗むなしくオーロラは破壊されてしまう。
そして。
「今度はべるの墓地光臨で《アングバット・アンカラゴン》を出して、ターンエンド♪ さらに、敵獣のパワーは−6000よ! これで4体リンク!! 全ては終わるのよ!!」
竜神王ムシュフシュ・ガルグイユ・ゴルニッヒ・アンカラゴン 闇/水(18)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/ゴッド 15000
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、手札を全て捨てても良い。そうした場合、墓地からコスト3以下のゴッドをバトルゾーンに出す。
このクリーチャーは、自分とリンクしているゴッドの数だけ追加でシールドをブレイクする。
ドラゴン・ブレス-《裁きの都 キングオブ・ラグーン》が要塞化されているとき、以下のD効果を使ってもよい。
Dレベル1:このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、またはリンクしたとき、カードを1枚墓地から山札の一番下に好きな順で置いても良い。その中にゴッドがあれば相手のコスト5以下のクリーチャー一体を破壊する。
Dレベル2:このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、山札から2枚を墓地に置く。その中にゴッドがあれば、そのクリーチャーを手札に加える。
Dレベル3:このクリーチャーが攻撃するとき、マナゾーンのカードを3枚タップし、墓地のカードを3枚山札の一番下に好きな順で置いてもよい。そうした場合、バトルゾーン以外の単色カードを1枚破壊する。
Dレベル4:このクリーチャーが攻撃するとき、手札の竜神王を捨てて、山札から4枚を墓地においてもよい。そうした場合、相手のクリーチャー1体を選ぶ。そのクリーチャーは持ち主の手札に戻る。
Dレベル5:このクリーチャーが攻撃するとき、自分の山札から5枚を墓地に置く。そうした場合、その数だけ相手の手札を捨てさせる。
Dレベル6:このクリーチャーが攻撃するとき、自分の墓地のカードを6枚山札の一番下に好きな順で置いても良い。そうした場合、自分の手札からコスト4以下のゴッドをバトルゾーンに出す。
Dレベル7::このクリーチャーが攻撃するとき、自分の山札から7枚を墓地に置いてもよい。そうした場合、このクリーチャーをアンタップする。
このクリーチャーは、自分とリンクしているゴッドの数につき相手のクリーチャー全てのパワーを2000下げる。
竜神王は確かに光臨した。破滅と絶望を持って。中央には新たなる竜の姿が。それは、4体でリンクしたときのみ現れる、真の姿か。
破滅と絶望の刃が、今、ヒナタに向く!!
- エクストラターン27:破壊衝動 ( No.339 )
- 日時: 2014/05/22 01:09
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)
「4体リンクしたゴッドの効果で、あんたのクリーチャー全員のパワーは恒久的に-6000!! さらに、Q・ブレイカーよ!」
「Q・ブレイカー!?」
---------やべえ、このままじゃシールドを丸ごと持ってかれる!
さらにだった。今まで唯でさえ瀕死だった《ファルコン・ボンバー》と《レヴィア・ターン》が破壊され、ヒナタに再び苦しみが襲い掛かる。
「ぐああ!?」
「ふふーん♪ この空間では、あんたにハンディを背負ってもらったわ。分かってると思うけど、クリーチャーが死んだら、どんどんあんたの命が削れて行くの♪」
「ひ、卑怯なマネしやがって!! だけどな、《レヴィア・ターン》の死は決して無駄じゃねえ! 破壊時効果でマナゾーンから《焔の下の力持ち ワーゲン》を出すぜ!」
「邪魔よ! すぐに死んじゃうわ!」
《ワーゲン》は苦しそうな声を上げると、すぐに破壊されてしまった。しかし、直後だった。うぐさまシールドへと送られたのである。
「これで、シールドは増えた!」
次のターン、Q・ブレイクと《ベルフェモール》の攻撃を喰らっても、耐えることが出来る。
「さらに呪文、《ドンドン吸い込むナウ》で《ベルフェモール》をバウンスし、《超絶 ドラポンBANG!!》を手札に!」
さらに追撃を仕掛ける。自爆覚悟だが、シールドは1枚でも削っておきたい!
「《スミス》でシールドブレイク!」
変形した右手がベルフェモールのシールドを叩き割った。
トリガーが発動した様子はない。
「よし、ターンエンドだ!」
「あたしのターン。だけどねえ、あんたは忘れてない? 神は無敵だってコトを!! あたしのターン。神で攻撃!」
シールドが一気に4枚、消し墨と化した。さらにだ。
「D・ブレス:レベル7! あたしの山札7枚を生贄に、このクリーチャーをアンタップする! もう一度シールドブレイク!」
「う、嘘だろ!? ぐああっ!!」
シールドの破片がシャワーとなってヒナタへ降り掛かった。
「くっ、ぐっ!!」
「さあ、あたしでダイレクトアタック------------」
だが、そうはならなかった。シールドの破片が収束する。
「S・トリガー発動! 《秘拳カツドン破》で《ドラポンBANG!!》を出すぜ! そして、効果で互いのマナからカードを1枚選んで破壊! さらに、《ベルフェモール》とバトルだ!」
「それがどうしたって言うのよ! 出た瞬間、竜神王の効果で死んじゃうのに!」
『決め付けるのは早いっちゃ! おだんは山札からのドロン・ゴー、つまりインフィニティ・ドロン・ゴーを持っちょる!』
「行くぜ! 不死身の太陽! 《リボルバー・サンブレイズ》、来い!」
だが、このままではダイレクトアタックを決められてしまう。《サンブレイズ》の効果は、シールドがゼロになった時点で居なければならない。だが、あまりにも遅すぎたのである。
「ふ、あはははは! 今度こそ、あたしでダイレクトアタックよ!」
「まだだ! エグザイルが破壊されたから、クライマックス・ドロン・ゴー発動! 《最終章 カツエンド》!」
最終章(ファイナル・エピソード) カツエンド P 火文明 (8)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 8000
クライマックス・ドロン・ゴー:自分の、コスト7以上の火のエグザイル・クリーチャーが破壊された時、このクリーチャーを自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に《最終章 カツエンド》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、無限の数のゴッドのリンクを外す。その後、相手のゴッドを無限の数破壊する。
W・ブレイカー
無法者と信託者、両者の戦いに終止符を打つ。そして今度は、竜神王との戦いに終止符を打つ!!
封李の意思を受け継ぐかのように。
この瞬間、竜神王が分解された。そう、文字通り。
「《カツエンド》の効果で、無限の数のゴッドのリンクをはずし、破壊する!」
「う、嘘っ!! べるの……べるのりゅうじんおうが……りゅうじんおうがあああああ!!」
竜神王の姿が崩れ落ちていく。みるみるうちに見る影も無くなった。
それを見ているベルフェモールの姿は完全に絶望に打ちのめされているといえよう。
「許せ、竜神王。これしか方法は無かったんだ」
「だまれええええ!! まだあたしがのこってるんだヨオオオオオ!!
今度こそ、あたしでダイレクトアタックじゃああああ!!」
狂気に溺れた彼女が血走った目で突撃してきた。
が。
「ニンジャ・ストライク発動。《威牙の幻 ハンゾウ》で《ベルフェモール》のパワーを−6000して破壊だ」
「ああ、ああああ!!!」
喚き散らしながら、頭を打ちつけるベルフェモール。最早、正気ではない。
ターンの終わりに《ハンゾウ》が山札の一番下へ戻る。
「俺のターンだ! 今までの借り、きっちりと返させて貰うぜ! まずは《驚異的陣形 アレキサンドライト》召喚! 効果で《クロムウェル》をシールド・ゴー!!」
ベルフェモールは何も言わない。ただただ、首をもたれているだけだ。
「行くぜ! 《アレキサンドライト》でシールドをW・ブレイク!! 《カツエンド》でW・ブレイク! 《リボルバー・サンブレイズ》で--------------」
「S・トリガー、ハツドオオオ!! 《オラクルDJ》デ、キサマノクリーチャーヲスベテタップダアアアア!!」
とうとう気がふれたか。しかし、もやもやが残る。このターンで決めようとしたのに、ダメだった。
ベルフェモールは瞳孔が裂け、既に化け物染みた形相でヒナタを睨みつけていた。
直後だ。墓地の竜神王4体が咆哮を上げて、再びバトルゾーンへ舞い戻る。
そして、竜神王の中央から渦を巻いて具現化した”何か”が現れた。
「--------------絶望、破壊、すべてを喰らえ。世界を作り変え、再び無に帰せ。司るは破壊成り。《邪念因子 スラターン》」
突如、無風のはずの空間内に暴風が。そして、多くの断末魔が聞こえる。
「ククク、さっきはちょっと取り乱しちゃったけど……お仕舞いよ!! こいつが出たからには、永遠の絶望の渦に囚われることになるわ!!」
- エクストラターン28:絶望と破壊の渦 ( No.340 )
- 日時: 2014/05/22 01:09
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)
邪念因子 スラターン 無色 ≡V≡ (8)
進化クリーチャー:ワールド・コマンド・ドラゴン 15000
墓地進化KV-自分の墓地にあるドラゴン4枚の上にこのカードを重ねておく。
T・ブレイカー
メテオバーン--このクリーチャーがバトルゾーンを離れるとき、このクリーチャーの進化元のカードを1枚墓地に置いてもよい。そうした場合、このクリーチャーはバトルゾーンに留まる。
このクリーチャーの進化元のコストを合計した数以下のコストを持つクリーチャーは、全てパワーが1になる。
相手のクリーチャーは可能であれば毎ターン、このクリーチャーに攻撃する。
突如、ヒナタのクリーチャー達が苦しみ、もがき始めた。
「《スラターン》の効果で、進化元のコスト----------つまり15--------以下のコストを持つあんたのクリーチャー全員のパワーは1になるわ」
「いっ、1だと!?」
「さらに皆、毎ターン《スラターン》に攻撃しなきゃいけない」
確かに苦しい効果だ。手っ取り早く言えば、大概のクリーチャーに死ねと言っているといえばお分かりだろうか。パワー1の状態で、更に自分へ攻撃を強制させるのが、非常にとんでもない効果なのは、もうお分かりであろう。
「フフフ、アハハハハハハ!! そういうわけだから、《スラターン》で最後のシールド-------をブレイク!」
《クロムウェル》のシールドが割られた。
これで、もう逆転の手立ては絶たれた------------と思われた。
ヒナタは息を詰まらせた。既に、呼吸など止まっていた。
世界の命運を背負っているという気負いに潰されそうになっていたのだ。だが、引いた。そして来たカードは---------------
「まだ終わっちゃいねえ!! 俺のターン、ドロー! 超無限進化で俺のアウトレイジ全員を進化元に《勝利皇帝 Guy-R》を出すぜ!!」
現れた。ヒナタの最後の切札が。
「いっけえええ!! 《Guy-R》の効果で、攻撃時に《スラターン》を破壊!!」
いける。光のその先へ。勝利が遂に訪れる-----------------と思われた。
「《スラターン》の効果発動! 進化元を捨てれば、生き残るのよ! 《アングバット・アンカラゴン》を捨てて生き残るわ」
「いっ!? てことは強制的に《Guy-R》の攻撃は-----------」
「《スラターン》に向かう。しかも、もう一度効果を発動して、今度は《ツメイ・ゴルニッヒ》を捨てて生き残る!」
守られた。またしても、ダイレクトアタックを通すことが出来なかったのだ。
「くっ、ターンエンドだ」
「あたしのターンよ!! まず、《時空の庭園》で進化元をセット! そして、《スラターン》でダイレクトアタック!!」
風圧がヒナタへ襲い掛かる。しかし。ヒナタはまだ終わっていない、ということを感じていた。
「ニンジャ・ストライク発動! 《光牙王機ゼロカゲ》でブロック!!」
「またシノビ……!!」
「ああ、そうだ! クナイにシノビの戦略を教わったんだ! それだけじゃねえ、レンにコトハ、エル、シオ、リョウ、キイチ、ジェイコフ、封李さん、シント先輩、フジ先輩、テツヤ先輩、天川先輩-----------俺は今まで、沢山の仲間に支えられてきたんだ!!」
今度こそ、最後だ。恐らく、《Guy-R》では《スラターン》を突破することは出来ない。最低でも、《スラターン》を4度除去しなければ、どかすことはできないのだ。
そうしなければ、負ける。
もう、幻惑などに負けはしない。
もう、惑わされはしない。
決してブレない、1つの芯となってヒナタを支える!!
だから、引いた。
-----------皆、見ていてくれよ!!
「俺のターン、ドロォー!!」
輝くカード。これは-------------シントに貰ったカードだった。しかし、一度見たとき、そのカードは鎖で封印されているかのようなイラストでテキストにも何も無かった。
しかし、今は在る。
アウトレイジの仲間を思う気持ち、そしてオラクルの信じる気持ちが今、一つとなる!!
「そうだ、力は借りたり貸したりするもんじゃねえ!! 皆であわせるためのものなんだ!!」
墓地、マナ、そしてバトルゾーンに在る《Guy-R》、すべての命が1枚のカードへ向かっていく。
「無法と神の力、今此処に!! 仲間の意思を弾丸に、邪悪なる存在を打ちぬけ!! 超無限進化Z、発動! すべてのアウトレイジとオラクルの思いを一つに!! 《無法神銃 限界突破の絶統》!!」
この瞬間、世界は一つになった。同時に、竜神王の体内に取り込まれていたはずの人々の魂が共鳴した。
その龍は、無法者でありながら神のような姿をしている。右手には巨大な銃。左手には聖なる槍を掲げて。
そして、龍の額には、終焉を表すZのマークが施されていたのだった。
無法神銃 限界突破の絶統 ≡V≡ 火文明(8)
進化エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX/オラクル 13000+∞
超無限進化Z--自分のマナゾーン、墓地、バトルゾーンのアウトレイジ、またはオラクルを1体以上このクリーチャーの下に置く。
このクリーチャーは、バトルに勝ったときアンタップする。
パワーアタッカー∞
メテオバーン--相手のクリーチャーが攻撃するとき、このクリーチャーの下にあるカードを1枚墓地に置く。相手のクリーチャー1体とこのクリーチャーをバトルさせる。
T・ブレイカー
これが真の”龍”神王だと言わんばかりに、ベルフェモールのシールドへ突撃を仕掛ける。
「まだだ!! こいつで攻撃するとき、メテオバーンで相手のクリーチャーとバトルさせる!」
「無駄よ! 進化元のコストは11に加え、さらにさっき補充した《腐敗無頼トリプルマウス》で合計16!! たったのパワー1で何が出来るの!」
「いやまだだぜ!! こいつは、パワーアタッカー∞を持っているから、攻撃時のパワーは無限大だ!!」
「う、嘘よ!!」
しかし、銃から射出されたバーナーは、容赦なく《スラターン》を切り裂く。2度も。
「二度のバトルで、お前の《スラターン》の進化元は-2体。そして、バトルに勝ったから、《絶統》はアンタップする!!」
「そ、そんなああああ!!」
「再び、攻撃時のメテオバーン発動! 《スラターン》を破壊!」
「い、生き残るわ!!」
「まだだ!! 今度は、通常のバトルで破壊!!」
進化元がいない。
そして、再び起き上がる《絶統》。
しかし、《邪念因子》が起き上がることは、もう無かった。
世界中の希望を持って、無法神は最後の怒りの銃口を向ける!!
「《無法神銃 限界突破の絶統》でダイレクトアタック!!」
- エクストラターン29:終焉 ( No.341 )
- 日時: 2014/05/22 01:42
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)
***
「スラターンはあたしに力を貸してくれた」
「それが始まりだったのか」
「うん」
ベルフェモールは静かに続けた。
「スラターンの邪悪な意思の一部が囁いたの。『復讐しろ』って」
その表情は、どこか哀しげだ。
「-----------べるは認めて貰いたかっただけだった」
ベルフェモールはふと呟いた。
「ヨミ様の元にずっと居たかった、それだけだったの」
ヒナタは居た堪れない気持ちになった。
目の前の少女は、寧ろすっきりしたのか、楽な表情をしている。
「竜神王を使ったのだってそう。あたしを裏切ったヨミよりも、すごいことをやってやるって。でもね、結局やってることは------------ヨミと変わらなかった」
「間違ってたんだ。最初っから全部」
彼は言った。だが、続けた。
「でもな。人間は間違いを犯したとき、それを認めてやり直すことが出来るように、お前にだって出来るはずだ」
「ううん……あたしはもう戻れない」
「そんなことはねえっ!!」
一喝。それが、何も無い空間に響いた。
「お前のやったことは確かに許されることじゃねえよ。だけどな。もう一回、やり直せるはずだぜ」
「う、うん……」
『礼を言う、暁ヒナタ』
ふと、声が聞こえた。振り向けば、既に正気を取り戻した竜神王の姿があった。
「ああ、それと……色々悪かったな。特に、ゴルニッヒ」
『心配要らないべぇ。ゴポポ。それより、謝らないといけないのはこっちだべぇ。今すぐ、おでたちが飲んだ人々の魂と肉体を元の場所に戻しておくべぇ』
「ありがてぇ! つーか、お前の口調。それが素なんだな」
『さて暁ヒナタ--------------この娘の処遇だが、我らが直接手を下すことも出来る』
ビクッ、とベルフェモールの肩が震えた。
「待てよ、こいつも結局はヨミやスラターンの犠牲になった奴に過ぎない!」
『分かっている。スラターンの因子が宇宙を漂っていたのは、我らの失態だ。そこでだ。スラターンを消滅させたお前に判断を仰ごうと思うのだ』
処刑を司るガルグイユにしては、寛大な判断だった。
『むしろ、我々は今回の件はスラターンを完全に消去するために良いきっかけになったと思っている。経過がどうであれ、我らの力で戻せば同じ』
「んじゃさ、簡単じゃん。こいつを許してやってくれ!」
『とはいえ、彼女はA級戦犯も同じだ。唯で許すことは出来ぬ。許すのは構わぬが、それに相当する”罰”が必要だ』
「えーと、それじゃあさ。罰は------------」
ヒナタは少し考える仕草をした。そして、ベルフェモールのほうに向き直った。
「お前、人間になってみたくはねえか」
「ふぇ!?」
「そしたらオラクルとしての力は失われる。つまり、罰ゲームにゃ丁度良いだろう」
『罰ゲームではないのだが……まあいい。それでいいな、ベルフェモール』
「ええ、構わない。……本当にごめんなさい。沢山の人を傷つけたのに、本当にこんなことで済まされるのか-------------」
不安げな表情を浮かべる彼女の肩に、ヒナタは手を置いた。
「それで良かったんだ」
最後にヒナタは笑いかけた。彼女も満面の笑みを返した。
***
「《四十日鼠 チョロチュー》でダイレクトアタック!」
研修合宿とは、非常に面倒なものである。という発想は、ヒナタの中で途中から爆ぜて、ドラポンの持った銃の銃口に吸い込まれて消えた。
特にデュエマで優秀な生徒を選抜し、全学年から2人ずつ出るという冬の学園対抗大会に出場する、というコンセプトから熱血デュエル馬鹿、暁ヒナタはこの合宿でトップに上り詰めようとしていた。
現に今も、1人倒したばかりだ。
この合宿では、1年のみが参加し、スイスドロー形式でどんどん戦っていくものである。
そして、最上位の1人が学園対抗合宿に参加できるというもの。しかし、超エリートのエル・ヴァイオレットは参加するまでも無く、その椅子を1つ勝ち取ってしまったのである。
勝ち数が多くない生徒は、後でマラソンさせられるという最悪の副産物が付いてくるわけだが。しかし、いつもの通り友人の黒鳥レン、如月コトハ、月夜野シオは刻々と上位に上り詰めようとしていたのだった。
が、そんな中で唯一不愉快な感情を抱く人物が居た。
相棒のチビ龍、ドラポンだ。
「全く、結局最初っからやないかい」
すると、デュエマを終えて帰ってきたヒナタが笑みを浮かべる。
「まーまー、良いじゃねえか。全部元通り! まさか、この日に戻してもらえるだなんて誰も思わねえだろうよ!」
「にしても、まだチョロチューデッキ使っちょるんかい!」
「ああ、そうだ! 悪いか? 悪いか! 強いから全てよし、だ!」
「良くないっちゃ!!」
「おらぁ、アンタら!」
声が響く。コトハだ。
「全く、次の試合の相手はこのアタシよ! 覚悟なさい!」
「へへっ、他の皆は全部忘れちまったみたいだ。あの戦いを覚えてるのは、俺らだけか」
「なーにブツブツ言ってるんですか、ヒナタ君」
後ろから声を掛けられた。そこには、リョウの姿が。
「うああっ! 幽霊!」
「へ? 何言ってるんですか? 僕はちゃんと生きてますよ?」
「あ、そ……だよな、ハハハ」
険しき戦いは終わった。邪悪なる因子の消滅によって。ヒナタは、天に向かって呼びかけるのだった。
------------ナナ、伝えたいことがあるんだ。
そして、未だ待ちわびる仲間の方を向く。
------------友達が、仲間がたっくさん、増えたよ。だからさ、もう寂しくなんかねえぜ。
拳を突き上げる。
------------デュエマって、ほんと、すげーよな。世界を救っちまったぜ。
ヒナタは、仲間のほうへ一目散にかけていった。淡い思い出を残して。その足取りには、もう迷いなど無かった-------------------デュエルマスターズ 0・メモリー ”完”
- 番外編:後書き ( No.342 )
- 日時: 2014/05/22 02:25
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)
ええ、というわけで番外編終わってしまいました。というか、終わらせました。
何せ、龍解ガイギンガの発売日までは終わらせたかったのですね。
今回の番外編、お楽しみいただけたでしょうか。最初は人気投票で一番だったキャラが主役の短編を書くつもりだったのですが、まさかの人気投票結果、たったの1票。
ふざけんなあああああ!! そんなにこの作品がマイナーだっつーのかああああ!! 確かに俺よりすごい作家一杯いるよ? 確かに俺小説大会で入賞したことすらないよ? ないけど、幾らなんでも酷くね? 参照の割りにたったの1票ってどゆことよ!? ならば、すげえ番外編書いて参照伸ばしまくってくれらああああああ!
というのは冗談ですが、少し逆ギレ気味に書いたのが今回の番外編だったということです。まあ、仕方ないとは思いますよ? 一応。結果、参照は9000突破。本当にありがとうございました。本当なら、10000突破したかったんですがね。
まあ、鬱展開の連続で(作者が病んでいた所為)シリアス気味だった今回の番外編でしたがどうだったでしょうか。というわけで、デュエル・マスターズ 0・メモリーの完結編というわけですね、今回の小説は。
ですが、ここから新章”D・ステラ”へと繋がるわけです。
ここで新章のことについて、少し話しておきましょう。
まず、テーマは”月と太陽のW・ヒーロー”です。
つまり、ヒナタと新主人公のダブル主役という形です。
そして、新クリーチャーの登場。このクリーチャーを巡って戦いになります。
最後に、構図としては英雄対龍解という形です。ドラゴン・サーガの生んだ2つの能力を持つ2つの勢力がぶつかり合います。お楽しみに!
では、また新たなる物語で-----------------
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