二次創作小説(紙ほか)

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デュエル・マスターズ 0・メモリー 堂々完結
日時: 2014/12/07 13:44
名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: oLjmDXls)

【読者の皆様へ】
初めまして、二次などで創作を行っている、タクと申します。この度はデュエル・マスターズ 0・メモリー、完全に完結しました! 今まで皆さん、応援ありがとうございました。続編、デュエル・マスターズ D・ステラも応援よろしくお願いします!

【番外編あらすじ】
教団の脅威は去ったはずだった。教団の神官、バラモンとデトロイトによって呼びこされた2人の無法の覇者、そして竜神王。しかし、それはやがて世界を脅かす要因に。そして、ヒナタがデュエマをやめる!? 衝撃の番外編、ついに本格始動!

用語集>>10

登場人物紹介>>02
デッキ紹介>>67
デッキ紹介2 >>190
参照1000突破企画:切札紹介 >>114

本編>>247

番外編:強襲の竜神王編

エクストラターン0:キー・メモリアル >>246
エクストラターン1:異変 >>253
エクストラターン2:竜神王 >>254
エクストラターン3:恐怖 >>257
エクストラターン4:狂気 >>258
エクストラターン5:行動開始 >>261
エクストラターン6:デコード >>262
エクストラターン7:ケリを付けろ >>265
エクストラターン8:敗者の条件 >>266
エクストラターン9:急襲、竜神王 >>267
エクストラターン10:決死の特攻 >>268
エクストラターン11:デッド・オア・デッド >>280
エクストラターン12:鬼 >>298
エクストラターン13:暴かれた根源 >>300
エクストラターン14:捨てられたデッキケース >>301
エクストラターン15:ベルフェモール >>304
エクストラターン16:向き合うこと >>305
エクストラターン17:大阪へ >>307
エクストラターン18:咆哮、激震、超克 >>310
エクストラターン19:星として、海に散る >>311
エクストラターン20:絶望への反逆 >>312
エクストラターン21:決戦の舞台へ >>313
エクストラターン22:立ち塞がる無法の皇 >>314
エクストラターン23:激震、インフィニティ・ドロン・ゴー! >>315
エクストラターン24:最後の戦い >>336
エクストラターン25:反逆の一戦 >>337
エクストラターン26:竜神王結合 >>338
エクストラターン27:破壊衝動 >>339
エクストラターン28:絶望と破壊の渦 >>340
エクストラターン29:終焉      >>341

参照3000突破記念!ヒナタへ56の質問
>>176 >>177

短編1:仁義なき戦い(パブリック・エネミー) >>163 >>164
短編2:恋の裏技 >>182 >>185 >>188
短編3:親父の背中 >>206
短編4:恐怖、学園七不思議!? >>281 >>283 >>285 >>289 >>290 >>294 >>295
短編5:探偵パラレル >>306


コラボ番外編

モノクロさん作、デュエル・マスターズMythology

”last smile”
あらすじ:デュエル・マスターズMythologyで活躍中のヒロインキャラ、御船汐。彼女の空白の一年間とは、まさしく鎧竜での一年間のことだった。では、何故彼女はそれを失うことになったのか? そして、記憶と共に彼女が失わなければならなかったものとは。オリキャラによって繋がる2作品の謎が今此処に明かされる。
そして、無法と神々が今、交錯する。
短編のつもりが中編クラスの長さになってしまったこの作品。最後まで必見!

第一話:別れと悲劇はデュエマの後で
>>316 >>317 >>321 >>322

第二話:月夜野シオは彼女なのか?
>>323 >>327 >>328

第三話:神話の使い手
>>329 >>330 >>331 >>332

第四話:そして神話へ
>>335 >>345 >>348 >>349

第五話:”先輩”
>>350

キャラクター裏話

パート1 暁ヒナタ >>293
パート2 黒鳥レン >>299


基本、概存のカードを使用していますが、これからの展開でオリジナルカードを使うかも知れません。ご了承下さい。

なお、クリーチャーの解説などは、以下サイト様から引用させていただいています。
DuelMasters Wiki(デュエルマスターズ ウィキ)様

Re: デュエル・マスターズ 0・メモリー ( No.207 )
日時: 2013/10/26 01:39
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)

Orfevreさん


コメントありがとうございます。そして、面白いと言っていただき、嬉しい限りです。
そちらの小説も、更新されたら見に行こうと思います。
それでは、また。

ターン71:大地王 ( No.208 )
日時: 2014/10/13 18:44
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sPkhB5U0)

「《ギーガ》でシールドブレイク!!」

 ドリルがブロッカーを貫通し、シールドを破壊する。
 ジェイコフのシールドゾーンにあったカードが1枚、吹っ飛ばされた。

「シールドなら、幾らでもあげるさ」
「っせェ、強がり言うなよ! 《ゼッツー》でもシールドを叩き割るぜ!」

 火の鳥が、翼に仕込まれた無数の弾幕を放つ。やはり、ホログラムで実体化しているように見えるこのフィールドでのデュエマは、決闘空間と同等のスリリングが味わえた。
 しかし。二度目の攻撃は通らない。

「《デ・バウラ》でブロック! 相打ちで破壊だね」

 やられた、とは言え相手のブロッカーを巻き添えに出来た。
 現在、ヒナタのシールドは5枚。場には《ギーガ》。マナは4。この手のデッキは手札を使いたくないので、手札からのマナ加速に対しては消極的だが、対照的に手札補充に対しては積極的である。
 一方のジェイコフのシールドは4枚で、場には《フランツ1世》が佇んでいる。マナは6。しかし、次のターンで7になる。

「ボクのターン! 《フェアリー・ギフト》から《メッサダンジリ・ドラゴン》を召喚だ!」

 現れたのは、結晶を額に埋め込まれた装甲竜(アーマード・ドラゴン)。虚しく咆哮をあげているのは、既にアンノウンの支配下に置かれているからか。

「そして、3マナで《セブンス・タワー》を使ってマナを更に増やす!
 この呪文は、メタモーフで自分のマナゾーンにカードが7枚以上ある場合、マナゾーンに3マナを加速できるのさ!」
「嘘だろ!?」

 ---------10マナもあったら、ゼニスだって普通に出せるぞ!? てか、あいつのデッキには《ウェディング》が入ってやがったな。

「ターンエンド」

 マナのアドバンテージで完全に差をつけられたヒナタ。今頃どうこうできるものではないが。

「俺のターン! 《ギーガ》から《カーリ・ガネージャー》に進化! 出てきたときに手札を増やして、更にW・ブレイク!」
「S・トリガー発動だ」

 割られたシールドが収束する演出が出た。
 次の瞬間、ジェイコフのマナゾーンからカードが1枚シールドに置かれる。

「《深緑の魔方陣》でマナゾーンから《深緑の魔方陣》をシールドへ!」
「えっ!? 確かそいつは、マナからシールドを増やすカード……てことは、次のターンも繰り返しってことか!?」

 しまった。コンボで、次のターンもこの方法で凌がれてしまう。

「ターンエンド……」
「まだまだ終わらないよ!? 僕のターン、カンタンに君の手札から切札を消す方法がある。《真実の名 ワーグナー》召喚!」



真実の王(トゥルーキング) ワーグナー SR 水文明 (9)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン 12000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から3枚をすべてのプレイヤーに見せる。その中から呪文をすべて自分の手札に加え、残りを好きな順序で山札の一番上に戻す。
このクリーチャーが攻撃する時、自分の手札から呪文を1枚、コストを支払わずに唱えてもよい。
T・ブレイカー


 
 現れたのは呪文を司る王龍。水文明の強力なキング・コマンド・ドラゴンだ。その強力さはアタックトリガーで呪文を手札から唱えられること、そして自身の登場時効果でその呪文を調達できることにあるのだ。

「《ワーグナー》の効果で、山札から3枚を公開。そして、呪文である《ミステリー・キューブ》と《ロスト・ソウル》を手札に」

 真実の力を持つ王龍はドラゴンたちに、自由を約束した。ここでゼニスではなく、有色のキング・コマンド・ドラゴンが出てくるとは思わなかったが、妥当だろう。

「《メッサダンジリ・ドラゴン》の効果発動! アンノウンはスピードアタッカーに! 《ワーグナー》で攻撃して《カーリ・ガネージャー》を破壊だよ!」

 王竜の槍が《カーリ・ガネージャー》を貫く。同時に知識への門が開き、新たな呪文を開発した。

「《ワーグナー》の効果発動! 自分の手札から呪文を1枚、コストを支払わずに唱えても良い! 《ロスト・ソウル》で手札を全部ハカイだよ!!」

 ヒナタの手札が一気に弾かれた。

「ターンエンドだよ」

 まずいことになった。
 ビートダウンデッキは、自身の最高パワー以上の大型クリーチャーが出てくると、よほどではない限り、突破が難しくなる。
 しかし、アウトレイジには強力な能力を持つクリーチャーが非常に多い。

「コントロールって、長引くと厄介ですよね」
「なーに。《百万超邪 クロスファイア》が来れば大概のクリーチャーは倒せるっしょ」

 キイチの反応は冷めたものだったが、最後に一言付け加えた。


「ま、来ればの話っすけどね」


 と、それと同時にヒナタが頭を抱えているのが見えた。

「馬鹿なァー!! 《クロスファイア》がねえええ!!」
(このバカ、ここでやるか!?)

 観客の愉快な仲間達は思いっきり突っ込んだのだった。
 墓地の一番上には、《クリスタル・メモリー》。墓地のクリーチャーが6体以上揃ったためか、《クロスファイア》をサーチしようとしたのだろうか。

「アレ? どうしたんだい、ヒナタ君」
「るっせぇ! 《パルサー》召喚、手札を入れ替えてターンエンド!」

 まずいことになった。デッキに《クロスファイア》が入っていない。最悪、シールドに入っているという可能性もあるが、脳内ババロアのヒナタにそんなことを考えている由もなく。
 徐々に、追い詰められていくのだった。

ターン72:底力と意地と勝算と ( No.209 )
日時: 2014/10/13 19:13
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sPkhB5U0)

「僕のターン。《ワーグナー》でもうシールドをT・ブレイク」
「させねえよ、ニンジャ・ストライク発動! さっき手札に加えた《斬隠オロチ》で《ワーグナー》を転生させるぜ」

 《オロチ》の効果で《ワーグナー》は破壊され、《デ・バウラ伯》が現れた。
 しかし、まだ《ワーグナー》の効果が終わったわけではない。

「《ワーグナー》の攻撃時能力発動。効果で手札から《ミステリー・キューブ》を撃つよ!」

 山札が捲れて現れたのは、龍の中の龍だった。
 再び訪れる戦慄の旋律。
 奏でられるは-----------

「《偽りの王 モーツァルト》を出すよ」

 -----------破滅だ。
 この瞬間、ヒナタの場にあるドラゴン以外のクリーチャーは全て破壊された。ヒナタのデッキがドラゴンではないからまだいい物の、だ。

『ど、どうするっちゃ!』
「っせぇな、ドラポン。信じるしかねえだろ、必然力ってヤツをよ!」



偽りの王(コードキング) モーツァルト P 闇/火/自然文明 (11)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン 17000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、ドラゴン以外をすべて破壊する。
相手のドラゴンは攻撃することができない。
T・ブレイカー



 ホログラムに映り、吼える王。そして、灼熱の炎がヒナタのシールドを焼き尽くした。
 シールド、残り2枚。
 さらに《メッサダンジリ・ドラゴン》が急襲し、残りのシールドを叩き割った。
 残り、1枚。
 S・トリガー、なし。

「ターンエンドだよ」

 ジェイコフは高らかに言った。
 ヒナタの首筋に汗が伝う。
 勝つには、このターンで決めるか、クリーチャーを全滅するしか方法は無い。
 
「俺のターン、ドロー」

 引いたカードは---------------《暴走龍 5000GT》だった。

「よっしゃあ、いくぜ! 《5000GT》召喚! 効果で《メッサダンジリ》と《デ・バウラ》を破壊!」
「だけど、そいつじゃ《モーツァルト》は倒せない!」
「倒せるぜ! さっきシールドから手札に来たカードでな!」

 ヒナタがみせたカードは呪文だった。

「呪文! 《秘密結社 アウトレイジ》をG・ゼロで使用だ!」
「な、何だと!?」
「そして、《5000GT》のパワーはこのターン、攻撃時に+1000000される!」

 

秘密結社(チームエグザイル)アウトレイジ UC 火文明 (4)
呪文
G・ゼロ−バトルゾーンに自分のアウトレイジがあれば、この呪文をコストを支払わずに唱えてもよい。
バトルゾーンにある自分のクリーチャー1体は、このターン「パワーアタッカー+1000000」を得る。

 

 大きくパワーが増強された《5000GT》は一方的に《モーツァルト》を殴り倒した。
 暴走した魂は止まらない。

「ターンエンドだ!」
「くっ、僕のターン。《ワーグナー》を出す。効果で《ロスト・ソウル》を手札に」

 しかし、《ワーグナー》はもう何もできない。
 そしてヒナタにはもう1つの勝ち筋があった。

「俺のターン、《新世界 シューマッハ》を召喚! 効果で手札を全て捨てて、新たに5枚手札を引く!」
「なんだと!?」
「さらにスピードアタッカー、《天災超邪 クロスファイア2nd》をG・ゼロで召喚! さらにもう1体《5000GT》を出すぜ!」

 スピードアタッカーが2体。まず、《5000GT》でシールドが3枚吹き飛ばされた。《新緑の魔方陣》が発動し、再びシールドが増えるが、さらに《クロスファイア》がそれを焼き尽くす。
 もともと、このようなデッキにS・トリガーは積まれていなかったのか。
 
「《5000GT》でダイレクトアタック!」

 高らかな宣言と共にヒナタの勝利が決まった。



 ***

 休憩室。ジュースを飲んで、休んでいるジェイコフにフジが近づいてきた。

「・・・・・・残念だったな。」
「でも、むしろスッキリかな。全力でぶつかれたから、後味良いよ。」

 「そうか。」と呟くフジ。ジェイコフは続けた。

「応援してるよ。」
「そうか。じゃあ、俺も試合があるからな。」

 そう言って、フジは去った。

「なるほど・・・・・・本格的に手合わせしたいものだ。」

 そう、つぶやきながら。

ターン73:驚異的かつ脅威的な陣形 ( No.210 )
日時: 2013/10/26 12:39
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)

「準々決勝の相手が決定した。相手は、”エヴォルブ・タイフーン”だ。」

 天川は、ヒナタたちにそう告げた。さらに、

「驚くことに、1年生では、右に出るものは、ほとんどいないと言われる、敗率0%のダークホース。エル・ヴァイオレットが大将だ。」
「エルか・・・・・・。」

 エル・ヴァイオレット。アメリカ出身のデュエリスト。しかし、入学以来、一度も負けたことがないのだ。一度、ヒナタも勝負したが、後ギリギリのところで敗北したのだった。

「ただ、今のところ、先鋒と中堅の茅山リョウと月夜野シオが一方的に相手をねじ伏せているせいで、エル・ヴァイオレットが使用しているデッキがわからない。」
「リョウとシオ!?」

 コトハとヒナタは、同時に声を上げた。

「何だ。知り合いかい?」
「知り合いもなにも、クラスメートですよ!!」

 そうなると、かなり厄介だ。両方共、かなりの実力者だからだ。

「じゃあ、ビデオをみようか。一回戦と二回戦の映像を撮ってるんだ。」

 天川は、デジタルカメラを起動させる。





「・・・・・・成る程な・・・・・・。」

 それを見終わった後、ヒナタたちはミーティングを再開した。

「両方共から妙な覇気を感じられるんだよな。」

 ヒナタはそう言った。他の面々も同じだった。恐らく、考えられる要因はただ1つ。文明代表、及び代行のカードを所持している可能性があるからだ。サンサンとドラポンも、何か感じているらしい。しかも、今のところまだ、1回もバトルゾーンに現れていないのにも関わらず。

「映像からも伝わる覇気・・・・・・これは、間違いなく《アレキサンドライト》っちゃ!」
「そして、底無しの闇のオーラは、《デス・シュテロン》のものッス!」

 ならば、確定した。しかし、疑問が残る。

「毎度、思うんだがよ。何で、闇文明の長の代行が、《デス・シュテロン》なんだ?」
「ペット。」

 キイチが一言呟いた。

「へ?」
「だから、《デス・シュテロン》は端的に言えば《不死帝》の飼い犬なんだよ。《デス・シュテロン》は、どっちかというと犬みたいだろ。つまり、《不死帝》の収める闇文明の本拠地、”ブリティッシュ・パビリオン”の番犬だ。よく、神話に出てくる、地獄の番犬のケルベロスみてーなもんだ。」

 まあ、全部サンサンから聞いたんだけどな、とキイチは付け加えた。《不死帝》の番犬・・・・・・そう思ったら、納得できた。

「そもそも、《ブリティッシュ》が人間界にいる以上、《デス・シュテロン》が務めるしかなくなった。ただ、これだけは覚えておけ。いくら番犬といえど、《デス・シュテロン》は番犬にするには勿体無い程の知能と統括力を持つ。それでも、飼い主の《不死帝》には忠実で従順なんだがな。」

 従順かつ、超強力。だからこそ、《不死帝》が代行を務めさせたのだろう。




『それでは、準々決勝を始めます!!まずは先鋒、槙童キイチ選手対、茅山リョウ選手ッ!!』

「互いに全力で頑張ろう。」

 そう言って、リョウはキイチに手を差し出す。が、キイチはそれを手で払った。

「何するんだ!」
「勝負という以上、俺は容赦しない。馴れ合いはゴメンだ。」
「・・・・・・君とは仲良く出来そうにないね・・・・・・!」
「同感。」
 
 キイチはそう呟く。馴れ合いとは、キイチが一番嫌いなことである。普段不真面目な彼が言っても、全くを持って説得力がない。が、勝負という以上、互いがキリキリしたムードで行う。その上で、相手よりも余裕を保てるかが勝利への道しるべ。

『試合開始ッ!!』

「「デュエマ・スタートッ!!」」




 現在、キイチの場には、《ヴェルネライト》に《アレフティナ》。そして、前のターンに《緊急再誕》で《サンサン》を破壊し、バトルゾーンへ現れた《キンジ》だ。シールドは3枚。一方のリョウは、《正々堂々 ホルモン》に《驚異的存在 カニス》の2体だ。シールドは《凄い守護 ヴェルネライト》のシールドも含め、3枚。

「さあ、僕のターンだ!《無敵城シルヴァー・グローリー》を要塞化!そして、《カニス》で《アレフティナ》、《ホルモン》で《キンジ》を破壊!!」
「ちっ、してやられたな。」
「ターンエンドだ!」

 ブロッカーはいないはずなのに、攻めきれない。これがリョウの戦法、攻撃的防御陣形だ。

「ふん、俺のターン。《無重力 ナイン》召喚。ターンエンドだ。」

 かなりまずい状況である。遡れば、あの《シルヴァー・グローリー》が原因だ。さらに、リョウは猛追をかける。

「僕のターン!攻撃性と防御性を併せ持つ、盾の力!あらゆる敵を、その弓矢で撃ち抜け!光文明の長、《驚異的陣形 アレキサンドライト》を召喚だッ!!」

脅威的陣形(アメイジングアロー) アレキサンドライト SR 光文明 (6)
クリーチャー:アウトレイジMAX 6000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から6枚を見る。その中から「シールド・ゴー」を持つカードを1枚表向きにして、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加えてもよい。残りを好きな順序で自分の山札の一番下に戻す。
W・ブレイカー
「シールド・ゴー」を持つカードが自分のシールドゾーンに表向きであれば、バトルゾーンにある自分のアウトレイジはすべて「ブロッカー」を得る。

「ほほう・・・・・・!!本格的にヤバくなってきたじゃねえか!!」

 流石のキイチも、文明代表を目の前にして焦っている。が、同時にヒートアップしてきたのである。
 《アレキサンドライト》は、シールド・ゴーを持つカードをシールドに表向きで加える能力と、シールドにシールド・ゴーがあるならアウトレイジをブロッカー化する能力を持つ。2つの能力はシナジーしており、前者の能力で手に入れたシールドを、後者の能力で守れるのである。
 
「効果で、《イカリ》をシールドへ!そして、アウトレイジ全員をブロッカー化!!ターンエンド!」
「成る程・・・・・・だけど、俺だって負けてられねえ!!俺のターン!《グローバル・ナビゲーション》で《カニス》をマナ送りにし、《R.S.F.K》を手札に!」

 敵の場には、不敗のブロッカー。しかも、シールド・ゴーによってかなり強化されている。キイチに勝機はあるのか!?

ターン74:レイジVSレイジ ( No.211 )
日時: 2013/10/26 23:00
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)

 不敗のブロッカーに、シールド・ゴー。かなり、まずい状況だということは察せた。しかし、諦めるわけにはいかないのである。

「《羊頭駆逐 パール》を召喚。G・0で《無重力 ナイン》を召喚。」

 軽量アウトレイジを召喚し、牽制を続けるキイチ。しかし、不利な状況を覆せたわけではない。

「くそっ、《パール》もこの状況では役に立たないな・・・・・・。」

 観戦していたヒナタが声を上げた。その通りである。

羊頭駆逐(メリメリ・メリー) パール R 光文明 (3)
クリーチャー:アウトレイジ 1000+
自分のシールドが5つ以上あれば、このクリーチャーのパワーは+5000され、「W・ブレイカー」を得る。(「W・ブレイカー」を得たクリーチャーは、シールドを2枚ブレイクする)

「ターンエンドだ。」
「僕のターン。それじゃあ、これを召喚させてもらうよ。」

 リョウはキイチにそう言って、1枚のカードをみせた。

「反転せよ、世界をッ!!《反転する不完全 ギャラクシー》召喚だ!」

反転する不完全(ミスター・パーフェクト) ギャラクシー SR 光文明 (7)
クリーチャー:アウトレイジMAX 9000
ブロッカー
W・ブレイカー
相手がバトルゾーンにあるクリーチャーを選ぶ時、「シールド・ゴー」を持つカードが自分のシールドゾーンに表向きであれば、このクリーチャーを選ぶことはできない。(ただし、このクリーチャーを攻撃またはブロックしてもよい
自分のシールドがブレイクされる時、「シールド・ゴー」を持つカードがそのシールドに表向きであれば、そのシールドのかわりに自分の他のシールドを手札に加えてもよい。(その「S・トリガー」を使ってもよい)

「効果発動!僕のシールドに、シールド・ゴー獣がいるから、君はコイツを選べないよ!」

 これが、リョウの新たな切札、《ギャラクシー》だった。シールド・ゴーを最大限に生かした効果は、キイチを苦しめることになる。

「くそっ、選べねえブロッカーまで・・・・・・!」
「どうだい?これが僕の実力だ!」

 圧倒的な戦力差を見せつけられたキイチ。しかし、その表情は-----------------輝いていた・
「面白い・・・・・・!この俺が、最高に楽しいと感じているッ!!」
「何を言うかと思えば・・・・・・!《アレキサンドライト》でシールドを2枚、消し飛ばす!!」

 シールドが割られた。しかし、

「S・トリガー発動!《DNA・スパーク》でお前のクリーチャーを全員タップ!!」
「なっ!!」

 範囲指定をしないこの呪文で、《ギャラクシー》もタップされた。良いぞ・・・・・・!最高だ・・・・・・!!キイチはこれまでにない興奮を感じていた。今までで、一番の接戦。キイチが求めていた感覚はこれだった。

「全力で、ぶつかってやるぜ!!俺のターン!呪文、《キリモミ・ヤマアラシ》だッ!!」

キリモミ・ヤマアラシ R 火文明 (1)
呪文
このターン、次に召喚する自分のクリーチャーの召喚コストを1少なくしてもよい。ただし、コストは1より少なくならない。そのクリーチャーをバトルゾーンに出した時、このターンの終わりまでそのクリーチャーは「スピードアタッカー」を得る。

「そして、コストを1軽減し、《極太茸 菌次郎》を召喚だ!」

極太(ゴンブト)茸(マッシュ)菌次郎 UC  自然文明 (3)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 2000
このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンにおいてもよい。
ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊された時、名前に「極太」とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に「菌次郎」とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。

「ス、スピードアタッカー!?だけど、攻めきれるわけがない!!」
「どーだか・・・・・・デュエマは最後まで、何が起こるか分からない!《ファルコン・ボンバー》を召喚だ。そして《菌次郎》でシールドへ攻撃ッ!!と、同時に手札から《EX秘伝 カツトンファー》を唱える!」

 さきほどから、彼の行動には不可解なものが多い。何故、スピードアタッカーを追加する必要のあるクリーチャーがもういないのに、《ファルコン・ボンバー》を出したのか。しかし、それは次の瞬間明らかになった。

「そして、《菌次郎》を破壊しドロン・ゴー!!《極太陽 シャイニング・キンジ》召喚!そして、《ファルコン・ボンバー》で最後のシールドを頂戴する!」
「くそっ・・・・・・《ファルコン・ボンバー》はこのため・・・・・・!!」

 トリガー無し。そして、《シャイニング・キンジ》にスピードアタッカーが追加された。この時点で、彼に敗北が確定する。

「《シャイニング・キンジ》でダイレクト・アタック!!」





「負けたよ。」
「ふん、こっちはキリキリ舞いさせられたがな。」

 リョウは、ふぅとため息をつく。

「僕は甘いかな。やっぱり。まだ、精神的にもプレイング的にも。」
「どーだかな。己の力を判断し、決定するのは、最後は己。先人の教えだ。だが、お前にも教わった事がある。」
 
 少しキイチは間を空ける。

「防御ってのは、守りてえモノで強くも弱くもなるって事だ。俺が守りたいものは何だ?俺にはまだ分からん。だが、お前にはハッキリそれが見えてる。羨ましいぜ。」

 そう言ってキイチは、チームメイトの元へ戻っていった。






『中堅戦ッ!!如月選手対、月夜野選手!』

「まさか、シオちゃんと当たるなんてね。」
「先輩。容赦はしないので、ご覚悟を。」

 2人は向き合い、既に火花を散らしている。ここで、レイジ・オブ・アゲインストが勝利すれば、コールド勝ち。そして、エヴォルブ・タイフーンが勝利すれば、大将戦に持ち込める。

『試合開始ッ!!』
「「デュエマ・スタート!!」」


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