二次創作小説(紙ほか)
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- デュエル・マスターズ 0・メモリー 堂々完結
- 日時: 2014/12/07 13:44
- 名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: oLjmDXls)
【読者の皆様へ】
初めまして、二次などで創作を行っている、タクと申します。この度はデュエル・マスターズ 0・メモリー、完全に完結しました! 今まで皆さん、応援ありがとうございました。続編、デュエル・マスターズ D・ステラも応援よろしくお願いします!
【番外編あらすじ】
教団の脅威は去ったはずだった。教団の神官、バラモンとデトロイトによって呼びこされた2人の無法の覇者、そして竜神王。しかし、それはやがて世界を脅かす要因に。そして、ヒナタがデュエマをやめる!? 衝撃の番外編、ついに本格始動!
用語集>>10
登場人物紹介>>02
デッキ紹介>>67
デッキ紹介2 >>190
参照1000突破企画:切札紹介 >>114
本編>>247
番外編:強襲の竜神王編
エクストラターン0:キー・メモリアル >>246
エクストラターン1:異変 >>253
エクストラターン2:竜神王 >>254
エクストラターン3:恐怖 >>257
エクストラターン4:狂気 >>258
エクストラターン5:行動開始 >>261
エクストラターン6:デコード >>262
エクストラターン7:ケリを付けろ >>265
エクストラターン8:敗者の条件 >>266
エクストラターン9:急襲、竜神王 >>267
エクストラターン10:決死の特攻 >>268
エクストラターン11:デッド・オア・デッド >>280
エクストラターン12:鬼 >>298
エクストラターン13:暴かれた根源 >>300
エクストラターン14:捨てられたデッキケース >>301
エクストラターン15:ベルフェモール >>304
エクストラターン16:向き合うこと >>305
エクストラターン17:大阪へ >>307
エクストラターン18:咆哮、激震、超克 >>310
エクストラターン19:星として、海に散る >>311
エクストラターン20:絶望への反逆 >>312
エクストラターン21:決戦の舞台へ >>313
エクストラターン22:立ち塞がる無法の皇 >>314
エクストラターン23:激震、インフィニティ・ドロン・ゴー! >>315
エクストラターン24:最後の戦い >>336
エクストラターン25:反逆の一戦 >>337
エクストラターン26:竜神王結合 >>338
エクストラターン27:破壊衝動 >>339
エクストラターン28:絶望と破壊の渦 >>340
エクストラターン29:終焉 >>341
参照3000突破記念!ヒナタへ56の質問
>>176 >>177
短編1:仁義なき戦い(パブリック・エネミー) >>163 >>164
短編2:恋の裏技 >>182 >>185 >>188
短編3:親父の背中 >>206
短編4:恐怖、学園七不思議!? >>281 >>283 >>285 >>289 >>290 >>294 >>295
短編5:探偵パラレル >>306
コラボ番外編
モノクロさん作、デュエル・マスターズMythology
”last smile”
あらすじ:デュエル・マスターズMythologyで活躍中のヒロインキャラ、御船汐。彼女の空白の一年間とは、まさしく鎧竜での一年間のことだった。では、何故彼女はそれを失うことになったのか? そして、記憶と共に彼女が失わなければならなかったものとは。オリキャラによって繋がる2作品の謎が今此処に明かされる。
そして、無法と神々が今、交錯する。
短編のつもりが中編クラスの長さになってしまったこの作品。最後まで必見!
第一話:別れと悲劇はデュエマの後で
>>316 >>317 >>321 >>322
第二話:月夜野シオは彼女なのか?
>>323 >>327 >>328
第三話:神話の使い手
>>329 >>330 >>331 >>332
第四話:そして神話へ
>>335 >>345 >>348 >>349
第五話:”先輩”
>>350
キャラクター裏話
パート1 暁ヒナタ >>293
パート2 黒鳥レン >>299
基本、概存のカードを使用していますが、これからの展開でオリジナルカードを使うかも知れません。ご了承下さい。
なお、クリーチャーの解説などは、以下サイト様から引用させていただいています。
DuelMasters Wiki(デュエルマスターズ ウィキ)様
- ターン60:規格外 ( No.192 )
- 日時: 2013/10/14 10:19
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)
「俺のターン!!」
フィールドバランスは、ゼニスの登場によって完全に破壊された。天川は前のターンで攻撃してこなかったものの、次のターンは大打撃を受けるだろう。しかも、全体バウンスを食らった後の手札破壊。折角出そうとしたクリーチャーが全て墓地行きである。
「くそっ、こんな時にドラポンが居れば・・・・・・!」
引いたカードを見て、舌打ちをする。引いたのは《ファルコン・ボンバー》だった。もっとも、この状況が《ドラポン》で解決するかは疑問だが。
「ちくしょぉ、ターンエンドだ!」
その姿を見て天川はクスクス笑い出す。
「フフ・・・・・・引きが悪いとでも、言いたそうだね?残念だけど、引きが悪いっていうのは自分が危機に瀕している時のドローは含まれないんだ。何故なら-------------------」
天川のメガネが一瞬光った。
「その状況は、間違いなく相手によって引き起こされているからね。」
「くそっ!」
「さて、僕のターン。《キング・ケーレ》を進化!《レジェンダリー・バイロン》をバトルゾーンへ!」
レジェンダリー・バイロン VR 水文明 (6)
進化クリーチャー:リヴァイアサン 8000
進化−自分のリヴァイアサン1体の上に置く。
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンにある間、バトルゾーンにある自分の他の水のクリーチャーはブロックされない。
ゼニスに続き、今度は進化クリーチャー。召喚酔いがないせいで、厄介この上ない。
「さあ、《バイロン》よ!シールドを叩き割れ!!」
まず、ヒナタのシールドが2枚破られた。S・トリガーはない。
「そして、《レディオ・ローゼス》で残りのシールドを全てブレイク!」
強力な効果の上に、打点も高いゼニス。シールドは全て割られて、さらに天川にはまだ、《エメラル》と《キング・エイサー》がいる。
「さあ、《エメラル》でダイレクトアタックだ!」
しかし、そうはならなかった。
「S・トリガー発動!困ったときの、《終末の時計 ザ・クロック》をバトルゾーンへ!」
土壇場で登場した《ザ・クロック》。ターンの残りがスキップされて、ヒナタのターンに。
「俺のターン!確かにヤバい状況だ。だけど、最後まで諦めませんよ!俺のターン!6マナを払い、俺の新たな切札、《規格外 T.G.V》を召喚!」
規格外 T.G.V(トリプルジェントルボルケーノ) R 火/水文明 (6)
クリーチャー:アウトレイジMAX 5000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
スリリング・スリー:アウトレイジ(このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から3枚を表向きにする。表向きにしたアウトレイジ1体につき、次の能力を1回行ってもよい。その後、表向きにしたカードをすべて、好きな順序で山札の一番下に戻す)T3−このターン、このクリーチャーはシールドをさらに1枚ブレイクする。
「ふんっ!スリリング・スリー獣か!だが、所詮運任せに過ぎない!」
「良いんですか?俺はコイツの効果のためだけに、”デッキほとんどをアウトレイジ”にしたんですよ?」
その言葉で、天川は再びマナゾーンを見渡す。
「しまった・・・・・・!」
「《T.G.V》のスリリング・スリー:アウトレイジが発動!山札を3枚捲り、その中のアウトレイジの数だけ、このターンのブレイク数を増やせる!」
山札を3枚めくった。中は全部アウトレイジだった。もう、天川の表情に余裕はない-------------------------はずだった。
「S・トリガー発動!《スパイラル・ゲート》だ!」
スパイラル・ゲート C 水文明 (2)
呪文
S・トリガー
バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻す。
※殿堂入り
全て割られたシールドから、《スパイラル・ゲート》が発動し、《ザ・クロック》を手札へ強制送還した。もう、アタッカーはいない。
「タ、ターンエンド・・・・・・。」
「僕のターン!《レディオ・ローゼス》でダイレクトアタックだよ!」
高らかな宣言と共に、ヒナタの敗北が確定した。
デッキを片付ける両者。ヒナタはため息をつく。
「はぁ、やっぱ俺はまだまだですね・・・・・・。」
「そんなことはないよ?君だって相当な実力は持ってる。」
天川は続けた。
「さっきは、勝ったら教えるって言ったけど、久々に僕を楽しませてくれたお礼だ。といっても、どっち道教えるつもりだったけどね。」
「そ、そうなんですか。」
天川は一度息をつくと、「ヨミについては知っているよね?」と切り出した。ヒナタは一瞬疑問符を浮かべたが、すぐに納得した。
「まさか、奴がもうじきに復活するんですか!?でも、イズモは倒されて・・・・・・。」
コトハの言葉を聞き、頷く天川。しかし、
「そう。だけど、天草は知っているよね?」
天草。ヒナタはあの場にいなかったから知らないが、コトハから聞いた。イザナイの中でも、飛び抜けて神々しさを放っていたと。
「天草は、行方不明の黑鳥君を媒体に、ヨミを復活させるつもりなんじゃないか?そう武闘君や僕は睨んだんだ。」
「な!!」
それならば、全てに合点がつく。レンが居なくなったのは、教団にさらわれたからだ、と。
「イズモが倒され、多くの封印されていた無法者やクリーチャーが解放されて人間界へやってきた。そして、人間のデッキの中へ自然な形で入り込んだらしい。教団にとって邪魔なのは?」
「無法者のアウトレイジ・・・・・・!」
「そう、だからアウトレイジの所有者、つまりアウトレイジが集まる、鎧竜サマートーナメントを狙って襲撃してくるはずだ。」
天川は間を置いた。そして真剣な眼差しで話し始めた。
「武闘君の調査によると、恐らくメインターゲットは5文明の長。自然文明の《キンジ》。光文明の一部を取り込んだ、強力なエグザイルだよ。次に光文明の《アレキサンドライト》。彼の組んだ防御陣形はとても固く、さらにアウトレイジの技、シールド・ゴーの新たな使用用途を発見した。そして水文明代行、《マジックマ滝》。封印されている《無限皇》に代わり、現在のトップを勤めている。そして、闇文明代行の《デス・シュテロン》。こちらも、《不死帝》に代わって長を勤めており、デーモン・コマンドでありながらおさの代行を勤めている異色のケースだ。」
「最後に」と天川が続けた。
「火文明の長、《カツキング》。言わずも知れた、最強とも名高いエグザイル・クリーチャー。」
「じゃあ、封李さんも・・・・・・!」
「そう。恐らく、零皇崎先輩も狙われるだろう。」
最強が集うトーナメント。しかし、それは絶望への罠だった----------------------------。
「やろう!レンを助けるためにも!」
コトハは決意の眼差しで、言った。それを聞いて、ヒナタも不思議と力が湧いてくる。
「ああ、絶対にヨミを倒す!それだけだ!」
「トーナメントに出るための、最後のメンバーは決めてある。まあ、それは今度紹介しよう。そして、トーナメントまでの期間、僕がリトルコーチとして、君たちを指導する。目標は、僕を超えるくらいに、いやシント君を超えるくらいだ。良いかい?」
「「はいっ!!」」
2人の声は、決心がこもっており、天川は安心感が持てた。そして、やはり彼ら--------------------昔のシント達に似ていると確信した。
- ターン61:もう1つの太陽 ( No.193 )
- 日時: 2013/11/02 07:59
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)
「ゲヘヘ・・・・・・!貴様、人間の癖して我らに歯向かおうというのか!?愚か愚か愚か愚かァァァァアア!!ギャアハハハハハハ!!」
クリーチャー---------------------《真龍のイザナイ ガーリック》 が、1人の人間を前にして高笑いを上げていた。そう、ここは決闘空間。教団に目をつけられた、運の悪い決闘者が連れてこられる場所・・・・・・のはずだった。しかし、少年は臆さなかった。クリーチャーを目の前にして。少年は弄んでいた。目の前で戦っているクリーチャーを。
現在、少年の場には《紅蓮の怒 鬼流院 刃》のみ。一方のガーリックの場には、タップ状態の《ガーリック》と《紫電左神ヴィタリック》、《エコ・アイニー》、《ボルシャック・クロスNEX》だった。シールドは、少年が0。一方のガーリックは4枚だ。しかし、少年はため息をつくと言い放った。
「あーあ、飽きた。」
その一言を。それは、間違ってもこの戦いを放棄することを意味するのではなく--------------------”お遊び”の終結を意味していた。
「出てこい」
呟くと、カードを弾いた。直後、カードが実体化する。
「《無双竜機フォーエバー・メテオ》召喚。」
無双竜機フォーエバー・メテオ SR 火/自然文明 (8)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン/ハンター 8000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
スピードアタッカー
このクリーチャーがバトルに勝った時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選び、このクリーチャーとバトルさせてもよい。
W・ブレイカー
現れたのは、強靭な肉体を持ち、機械と武器を装備したドラゴンだった。少年は口角を吊り上げると、
「消え失せろ、ザコ共。」
と言った。次の瞬間、クリーチャーの軍勢が消滅した。《メテオ》の攻撃とともに。《メテオ》の効果は、自分がバトルに勝った際、もう一度敵のクリーチャーを選択し、バトルさせることができるのである。
ガーリックは、唖然とした。圧倒的だった戦況がひっくり返されたためである。だが、すぐに元の余裕を取り戻し、
「ギ、ギヒャハハハハハ!!ば、ばっかじゃねえのか!?まだ俺様のシールドは4枚あるんだぜ!?」
「バカはお前だ。このとき、《鬼流院 刃》の効果が発動。」
今度は超次元の扉から、3体のクリーチャーが現れる。それも、勝利を確定させる3体が。
「開け、超次元の門ッ!!《勝利のガイアール・カイザー》、《勝利のリュウセイ・カイザー》、《勝利のプリンプリン》の3体を超次元ゾーンから爆誕させる。」
勝利のガイアール・カイザー ≡V≡ 闇/火/自然文明 (7)
サイキック・クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター 5000
スピードアタッカー
このクリーチャーは、バトルゾーンに出したターン、アンタップされているクリーチャーを攻撃できる。
勝利のリュウセイ・カイザー ≡V≡ 水/闇/火文明 (6)
サイキック・クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター 6000
相手は、自身のマナゾーンにカードを置く時、タップして置く。
W・ブレイカー
勝利のプリンプリン C 光/水/自然文明 (5)
サイキック・クリーチャー:ハンター/エイリアン 4000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。次の自分のターンのはじめまで、そのクリーチャーは攻撃もブロックもできない。
V覚醒リンク−バトルゾーンに自分の《勝利のガイアール・カイザー》と《勝利のリュウセイ・カイザー》がある時、そのクリーチャーとこのクリーチャーを裏返しリンクさせる。
紅蓮の怒 鬼流院(きりゅういん) 刃(じん) ≡V≡ 火/自然文明 (7)
サイキック・クリーチャー:ビースト・コマンド/ハンター 7000
自分の自然または火のハンターがバトルに勝った時、それよりコストが小さいハンターを1体、自分の超次元ゾーンまたはマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
W・ブレイカー
※プレミアム殿堂超次元コンビ:《偽りの名 ゾルゲ》
「さあ、V覚醒リンク!!」
現れた3体が融合した。次の瞬間に現れるのは、咆哮を上げる異星獣と狩人の融合した龍。
「《唯我独尊ガイアール・オレドラゴン》」
唯我独尊ガイアール・オレドラゴン ≡V≡ 光/水/闇/火/自然文明 (30)
サイキック・スーパー・クリーチャー:レインボー・コマンド・ドラゴン/ハンター 26000+
スピードアタッカー
ハンティング(バトル中、このクリーチャーのパワーは、バトルゾーンにある自分のハンター1体につき+1000される)
このクリーチャーがバトルに勝った時、このクリーチャーをアンタップし、相手のシールドをふたつ選ぶ。相手はそのシールドを自身の手札に加える。
ワールド・ブレイカー
リンク解除(このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、そのサイキック・セルのいずれか1枚を選んで超次元ゾーンに戻し、残りのカードを裏返す)
このクリーチャーの効果を簡潔に言えば、”勝利”を体現したようなものである。まず、バトルに勝てばアンタップする無限アタッカーの上に、リンク前の《勝利のガイアール・カイザー》の効果でアンタップキラー、さらにワールドブレイカー持ちの、まさしく正真正銘、唯我独尊を表した超獣である。
龍が唸りを上げ、《クロスNEX》が消滅した。
龍が火炎を上げ、ガーリックを守る盾が破壊された。
龍が唸りを上げ、勝利を確定させる。
「《鬼流院 刃》でダイレクトアタック。」
「そ、そんな・・・・・・!!理不尽だっ!!」
------------そして、怒りの刃で神を信仰する者は、この場から消え去った。
空間が消え、少年は安堵の息をつく。が、背後に気配を感じた。
「オイ貴様ァ・・・・・・、ものすごい輝きようじゃなぁ!!」
「!」
思わず振り向く。しかし、そこには何もない。不自然に浮いたカードを除けば。
「ワシと一緒に、馬鹿げた神を倒さんか?」
「・・・・・・俺と契約するのか?」
「契約なんざいらん。世の中、ギブ&テイクじゃからのう。
それを聞いて、少年は迷いなくカードを手に取った。
「同感だ。」
この時から、少年-----------------槙童キイチは無法者を手にすることになる・・・・・・!
「槙童・・・・・・やはり、彼のもとに《キンジ》は渡ったか・・・・・・。ヒナタ君達と上手く馴染めばいいんだけどね。」
ビルの屋上から、その光景を眺め、天川は1人不敵に笑みを浮かべていた。
- ターン62:ジェイコフVSフジ ( No.194 )
- 日時: 2014/02/26 07:07
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)
「何だと?」
ジェイコフ・クライニューは、目の前の相手に向かって苛立ちを込めた口調で言う。しかし、それを聞いても動じないのか、相手----------------------武闘フジは口角を少し吊り上げただけだった。
「そうだ。今のうちに、武闘グループの傘下に入ったほうが身のためだ。俺も、俺の親父もそうだが、逆らう猿は一人残らず潰す主義でね。お前ら、クライニュー家が生き残るすべはそれ以外、無い。」
現在、2つの財閥は対峙していた。しかし、勢力的に武闘財閥の方が大きい。現在、クライニューグループは武闘財閥の傘下になりかけていた。そこで、両者の代表として、フジとジェイコフが対談することになったのだが・・・・・・。はっきり言って、不利なのはジェイコフだった。クライニューグループはこの間、大失態を犯し経営難へ陥っているのである。ここでプライドを捨て、武闘財閥の配下になるか、それとも独立を守るか・・・・・・。
その現実を突きつけたフジは、余裕の笑みばかりを浮かべていた。フジのカリスマ性は、まさしくこれだった。ライバルや反逆者への容赦のない制裁、一部からは鬼呼ばわりされることも・・・・・・いや、鬼と言ってもただの鬼ではない。屍を喰らう鬼、グール。そう、今までに幾多もの裏切り者や、ライバル企業を潰してきたのは、彼の存在があったこそだ。デュエマの実力もあり、故に人は彼をこう呼ぶ。”グール・ドラグーン”と。
(クックック・・・・・・!一度、目をつけられたら最後、死んだ企業は全て俺らの配下。グールの好物は、まだ温かい死肉なんだよ・・・・・・!)
彼は決して、悪人ではないが、企業関係の話になると容赦はしないのがフジだ。戦う前に屈服させる。しないなら、直接叩き潰す。そして、衰弱した企業を食い尽くし、自身の力とする。元は中小企業だった、この会社が発展したのは、彼の父親、そして彼がいたからだろう。ともかく、味方には優しくとも、敵には容赦しない。それが武闘フジだ。
『どうする?ジェイコフ。』
カードの中の、ムスタングが話し掛けてくる。しかし、ジェイコフは優しく「大丈夫だよ」と声をかけた。
反逆者には容赦しない。そういった点ではジェイコフも共通する点がある。しかし、それ以上に敵に情けをかけないフジ相手では、流石のジェイコフでも危機感を感じていた。しかし、ここで折れるジェイコフではない。
「分かった。だが、条件がある。」
「条件だぁ?」
フジはため息をついた。この期に及んで、まだ抵抗するとは思わなかったからだ。
「僕とデュエマで勝負して欲しい。勝てば、君たちの要求を甘んじて受けよう。」
「あ?」
フジは立ち上がった。流石に、ジェイコフもフジを怒らせたかと思ったが、違った。フジはいつもの不敵な笑みを浮かべると、
「上等じゃねェか!!」
と、叫んだ。好戦的な彼にとっては、都合の良い条件だったからだ。
「ムスタング、行くぞ」
『おうともさ!!』
そう言って、ジェイコフは黒いスリーブに入れたデッキを取り出した。
「さあ、デュエマ・スタートと行こうか!!」
「ああ!」
こうして、2人の富豪が勝負を始めた。決着の次第で、会社の命運が決まる、前代未聞のデュエマだった。
「僕のターン!《フランツ》を召喚!ターンエンド!」
デュエマは、まだまだ序盤。ジェイコフの場には、《フランツⅠ世》。しかし、マナブーストによって大量のマナが置かれている。一方のフジの場には《ダーク・ルピア》と《爆竜トルネードシヴァXX》がいた。
(やっぱり、ジェイコフ・クライニューは5色コントロール使いだったか。それもゼロ文明を含めた。)
そう考えている間にも、素早くフジはクリーチャーを召喚する。
「現れよ、俺は《レッピ・アイニー》を召喚!」
レッピ・アイニー P(C) 火文明 (3)
クリーチャー:ファイアー・バード 1000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から2枚をすべてのプレイヤーに見せてもよい。その中から名前に《超次元》とある呪文を1枚選んで自分の手札に加え、残りを墓地に置く。
「くくく・・・・・・!さあ、効果で山札から2枚を公開!」
フジが見せたのは、《超次元リバイブ・ホール》と《黒神龍グールジェネレイド》だった。そのうち、彼は《グール》を墓地に置いて、《リバイブ・ホール》を手札に加える。
「さあ、ターンエンドだ。」
「何を考えているか、知らないけど、僕のターン。
破壊こそ新たな命の糧なり。ダイチを司る龍《偽りの王 ヴィルヘルム》、爆誕」
今度は巨大な大型クリーチャー。効果によって《シヴァ》が倒された。しかし、この戦法はシントで何度も体験している。対策を立てるのは容易だ。
「ふん、俺のターン。《黒神龍アバヨ・シャバヨ》を召喚!《アバヨ・シャバヨ》を破壊し、シャバからアバヨ!!さあ、クリーチャーを破壊しな!」
「くっ、《フランツ》を破壊する!」
ジェイコフは分かっていた。次に何が来るかを。そう、フジの破壊祭はこれでは終わらない。
「さらに、《アバヨ・シャバヨ》が死んだから、墓地から《黒神龍グールジェネレイド》を召喚!」
黒神龍グールジェネレイド SR 闇文明 (7)
クリーチャー:ドラゴン・ゾンビ 6000
自分の《黒神龍グールジェネレイド》以外のドラゴンが破壊された時、このクリーチャーが自分の墓地にあれば、このクリーチャーをバトルゾーンに戻してもよい。
W・ブレイカー
黒神龍アバヨ・シャバヨ P 闇文明 (4)
クリーチャー:ドラゴン・ゾンビ/アンノイズ 4000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のクリーチャーを1体破壊してもよい。そうした場合、相手は自身のクリーチャーを1体選び、破壊する。
「さらに、《ダーク・ルピア》の効果発動!ドラゴンが死んだとき、さらに追加でクリーチャーを破壊!!」
ダーク・ルピア P(C) 闇文明 (3)
クリーチャー:ファイアー・バード 1000
自分のドラゴンが破壊された時、相手のクリーチャーを1体破壊してもよい。
効果で、さらなる追撃をかけるフジ。今度は《ヴィルヘルム》が吹っ飛んだ。
「クカカ・・・・・・!さあ、恐怖におののくがいい!!この、最強の”死龍の布陣ヤバスギル・フィールド”を前にしてな!!」
クリーチャーはゼロ。かなりまずい状況だ。しかし、ジェイコフは諦めるわけには行かなかった。絶対に負けられない戦いだから。
- ターン63:ウェディングVSドラゴン ( No.195 )
- 日時: 2014/02/26 22:17
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)
「まだまだ続くぞォ!! 《時空の嵐 ストームXX》を《超次元リバイブ・ホール》で召喚!」
超次元の扉が開くと同時に、フジの墓地からカードが1枚加わった。
《リバイヴ・ホール》の効果は、コスト7以下の闇のサイキック・クリーチャーを呼び出すと同時に、墓地からサルベージを行うことが出来る優れものなのだ。
超次元リバイヴ・ホール C 闇文明 (5)
呪文
クリーチャーを1体、自分の墓地から手札に戻す。
次のうちいずれかひとつを選ぶ。
►自分の超次元ゾーンから好きな数のサイキック・クリーチャーをコストの合計が5以下になるように選び、バトルゾーンに出す。
►コスト7以下の闇のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。
時空の嵐ストームXX P 闇/火文明 (7)
サイキック・クリーチャー:アーマード・ドラゴン/フレイム・コマンド 7000
このクリーチャーは攻撃することができない。
自分のターンのはじめに、自分の山札の上から3枚を墓地に置く。
覚醒−自分のターンのはじめに、自分の墓地からファイアー・バードを5枚選び、山札に加えてシャッフルしてもよい。そうした場合、このクリーチャーをコストの大きい方へ裏返す。
「まずい……!」
「さあ、行くぜ!! 《ダーク・ルピア》でシールドブレイク!!」
闇の小鳥が甲高い声で鳴きながらシールドを貫いた。シールドが1枚吹っ飛んだ。しかし。
「ここで覚醒されるわけにはいかない! 僕のターン、《「祝」の頂 ウェディング》を召喚してバトルゾーンへ!」
現れたのは、究極の堕天使。己の力を極限にまでゼロに近づけた者の慣れの果て。
その偽りの光は、フジに向かった。
「さあ、手札とバトルゾーンから3枚選んでシールドに加えろ!」
「ちっ、ヤなことしやがるぜ……!!」
そう呟くと、フジは手札から2枚、フィールドの《レッピ》と《グール》をシールドに置いた。
「いけっ! 《ヴィルヘルム》で攻撃……はしない! ターンエンド!」
「読みがいいじゃねえか。《ウェディング》以外で攻撃したら確実にトリガーが発動するのを悟ったようだな」
しかし、フジの笑みは狂気のものへと変わる。
「行くぜェ!! 俺のターン、《スクランブル・タイフーン》で5枚引いて3枚墓地へ落とす、そして墓地が6枚以上あるため、グラビティ・ゼロ発動!! 《モールス》を復活させる! そして、《暴発秘法 ベンゾ》召喚! コイツの効果で、シールドを1枚選択して、手札に。S・トリガー発動! 《デーモン・ハンド》で《ヴィルヘルム》を破壊だ!!」
切札であるクリーチャーが一瞬で破壊された。
しかも。フジの破壊衝動は一度始まったらなかなか終わらないのである。
「そして、《氷結カッチ・コチーン》を出して《ウェディング》を凍結して、次のターンまでアンタップできなくするぜ! さあ、《ダーク・ルピア》でシールドをブレイクだ!!」
次の瞬間だった。少々、フジは調子に乗りすぎたのかもしれない。
「S・トリガー発動《ホーガン・ブラスター》。効果で、山札をシャッフルしてから捲って呪文かクリーチャーなら出しても良い! 来た、《偽りの王 ヴォルフガング》!」
「はっ!?」
そう。このままでは、《ストーム》以外が全員破壊されてしまうのである。
「ちょっ、ヤベッ……!」
「それにさっき、君が散々墓地にカードを送ってくれたおかげで、僕のマナには《ヴィルヘルム》の効果で大量のカードが送られている! 《ボルバルザーク・エクス》を召喚! 効果でマナが全てアンタップ!」
無双機龍の登場で、枯渇した大地は再び水を得たかのように若返る。
「《メッサダンジリ・ドラゴン》に、《呪紋のカルマ インカ》を召喚! さあ、総攻撃だ!! 《ヴォルフガング》でW・ブレイク! 雑魚は皆消えな!」
王龍軍団の総攻撃を前にして、フジのシールドとクリーチャーは次々に消えていく。
「くそっ、S・トリガーは……《ヤミノサザン》に《黒神龍 オドル・ニードル》だ!」
「無駄だよ、《インカ》が居る限り、相手は自身のターン以外にクリーチャーを出せない!!」
つまり、フジの抵抗は一切出来ないということだ。
「《ウェディング》の攻撃時に、アタック・チャンスで《天頂秘伝ゼニス・レクイエム》でワールド・ブレイカーに!」
成す術無し。呆然と立ち尽くすフジ。
「ザンネンだったね、これで終わりだ。《ボルバルザーク・エクス》でダイレクトアタック」
***
勝負の後、フジはため息をついてジェイコフの顔を見上げた。
「負けた。俺様の完全な敗北だ。約束通り、武闘財閥はこれ以降クライニューグループに干渉しない。」
「ありがとう。」
ジェイコフはフジに頭を下げた。
「フ・・・・・・ハハハ!!勝者に頭を下げられるのは初めてだ。偏屈なやろうと聞いていたが、気に入った!!後で俺の所に来い。貴様、暁ヒナタを倒したくはないか?」
「もちろんだが・・・・・・どういうことだい?」
ジェイコフは首をかしげる。以前、彼には負けている。リベンジしたいという思いはあった。フジは、豪快な笑みを浮かべて見せた。
「ハハハ!!俺が直々に鍛えてやる!!サマートーナメントでアイツを倒したかったら、俺に着いてくることだな!」
「あんたが、相応の人物ならね。負けた相手にしごかれるのは、どうだと思うんだが。」
「ふん、デュエマにはもっと先の次元がある。それを見たかったら、俺様が直々に着いてやると言うことだ。悪い話じゃないだろう?」
もっと先の次元・・・・・・その言葉で、ジェイコフは興味を持った。ならば、体験するほかにはない。もっと先の次元を。
「目標は、トーナメント優勝!!そして、打倒ヒナタ!良いだろう?」
「もちろんだ。」
こうして、1つの協定が結ばれた。果たして、さらに進撃が予想される2人を相手に、ヒナタ達はどう立ち向かうのか!?
- ターン64:日向対太陽 ( No.196 )
- 日時: 2013/10/20 22:54
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)
「で、特訓の成果を試すために、デュエルロードに参加すると。」
コトハは、天川に問うた。今、3人は休日の機会を生かし、デュエルロードに参加しようとしていたのである。
「そう言うことだね。」
「で、トーナメントの話ですけど、いい加減にチーム登録はしないんすか?」
「今日、どのみち出会うよ。」
眼鏡が反射し、目の奥は見えなかったが、彼は不敵な笑みを浮かべている。どうやら、今回彼は参加しないらしい。コトハとヒナタのみの参加だ。
さて、先ほど特訓と述べたが、主に行ったのは
1.デッキ構築の穴を埋める
2.プレイ技術の向上
3.デッキを枕にして寝ること
だった。3番目はともかく、主に1番目を率先して行った。デュエマでは、デッキが命運を分けると言っても過言ではない。そのデッキをないがしろにしてどうする。僕の言っていることに間違いはないかい?えぇ?・・・・・・以上が天川の言い分だった。
さらに、勝利したいなら勝利したいと強く念じることだ。かの古代中国の王も、戦争に負けた際に次は絶対勝ってやると思いながら、苦い動物の肝を舐めて寝たらしい。その王様は、次の戦争で大勝利したらしいよ。つまり、デッキケースを枕にして寝ることは、これと同等の効果がある・・・・・・ということだった。ただ、これは冗談のつもりだったのである。
そして、バカ真面目にデッキケースごとデッキを枕にして寝たヒナタは、デッキケースの角で頭を痛めていた。(無論、コトハはやっていない。)
「てか、冗談なら冗談って言ってくださいよぉ。」
頭をさすりながら、ヒナタは言った。天川は、まさか本気にするとは思わなかったのか謝ったが、コトハに「このバカが悪いんです」と毒づかれた。
「じゃあ、行ってらっしゃい。まさか、1回戦オチなんて事はないようにね。」
「分かってますよ!」
そう言って、2人は戦いの場へと足を運んだ。
「《クリストファー》でW・ブレイク!《ドラゴ・リボルバー》でダイレクトアタック!」
「《ダイヤモンド・フォール》でW・ブレイク!《オーロラ》でダイレクトアタック!」
と、順調に2人はデュエル・ロードでコマを進めていた。そして、準決勝。コトハは、
「《ダイヤモンド・ブリザード》でダイレクトアタック!!」
得意の、ビートダウンと理詰めの戦法で相手を打ち負かしたコトハは、決勝へ駒を進めた。コトハは、ふとヒナタの対戦テーブルを見た。多分、ヒナタなら圧倒しているだろうと、思っていた。しかし、
「押されてる?!」
感想はこうだった。そして、ヒナタと対戦している少年が、ただならぬ雰囲気を感じていることに気づいた。いや、正確に言えば相手から何も感じなさすぎるのである。
数分前。ヒナタは、目の前の少年と向き合った。その少年は、少し長めのストレートヘアーで、瞳は・・・・・・はっきり言って死んでいた。つまり、覇気が感じられないのである。
「お前・・・・・・他の奴とちょっと違うな。」
ヒナタは思ったままの感想を述べた。相手は、表情を変えず、
「どーも。」
と言った。互いに、デッキのカードを並べる。デッキの中に入ったドラポンが囁く。
(ヒナタ!こいつから、アウトレイジのぶちでかい反応がするっちゃ!)
「ただもんじゃ、ねーってことだな!」
そして、両者はおきまりのかけ声を掛けた。
『デュエマ・スタート!!』
と。
現在、ヒナタの場には《蛙跳び フロッグ》と《遙か寸前 ヴィブロ・ブレード》。相手の少年は《凄い守護 ヴェルネライト》に《突撃奪取 ファルコン・ボンバー》だ。シールドはヒナタが3,少年が4である。まだまだ勝負は分からない・・・・・・しかし、
「《ドラポン》召喚!さらに、《フロッグ》と《ヴィブロ・ブレード》でシールドをたたき壊すぜ!」
一気に、少年のシールドが2枚も破られた。だが、少年からはやはり気迫が感じられない。
「このまま、飛ばすぜ!」
「エグザイル・・・・・・お前もか。」
「あ?」
一瞬、意味が分からなかった。しかし、それを思い知らされたのは次の瞬間だった。
「俺のターン。《奪太陽 サンサン》を召喚だ。」
「何だこいつ・・・・・・!エグザイル・クリーチャーか!?」
奪太陽(ゲットレジャー)サンサン UC 光文明 (4)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 3500
このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目を裏向きのまま、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加えてもよい。
ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊された時、名前に「太陽」とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に「サンサン」とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。
「ご名答・・・・・・!まさしく、こいつはエグザイル・クリーチャー!名は、サンサンだ。さて、時に暁ヒナタ。」
急に名指しで呼ばれ、驚くヒナタ。しかも、初対面の相手にだ。
「お前、俺の名前を・・・・・・!」
「貴様は輝けない。お前のような弱小デュエリスト如きが、俺を倒せるわけがない。」
いきなり罵倒され、怒りを覚えるヒナタ。しかし、
「お前にとって、クリーチャーは使い捨ての特攻部隊のようだな。ならば、お望み通り俺が処分してやる!!《ファルコン・ボンバー》で《ヴィブロ・ブレード》を破壊!さらに、効果で《サンサン》をスピードアタッカーに。」
次の瞬間、《サンサン》のカードが喋り始める。
「流石、キイチの親分!冴えてるッス!弱小火文明のドラポンさんと、その使い手如きで、オレっちとアイツ、そして親分が破れるわけがないっス!」
「声が聞こえた・・・・・・!」
ヒナタは察した。やはり、ただ者ではなかった、と。間違いない。このキイチと呼ばれた少年は、かなりの強者だ。
「おらぁ!!サーンサーンー!!先輩に対する無礼は、相変わらずっちゃな!今、弱小火文明って誰のこと言うとるんっちゃ!!しばくぞ!脳天に風穴空けちゃるぞ!」
「おやぁ?そんな口利いて良いんスかぁ?オレっちを下手に破壊すれば、さらに痛い目にあうんっスよ?」
サンサンは挑発するように、続けた。キイチが続ける。
「まあ、サンサン。そう”本当のこと”を言ってやるな。」
「本当のことって、何だよチクショーが!!」
「さーて、ここからだ。《サンサン》で攻撃!効果で、シールドが1枚山札から増えるぞ。」
シールドが増え、逆にこちらはシールドが削られてしまった。さらに、
「《ヴェルネライト》で《フロッグ》を攻撃!自爆して、シールド・ゴー!」
「く、くそっ!こんなにシールドを増やしてどーするつもりだ!?」
シールドの差を付けていくキイチに、ヒナタは為す術があるのか!?
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