二次創作小説(紙ほか)
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- あやかし緋扇*希望*
- 日時: 2014/08/17 15:56
- 名前: 美玉 (ID: 7hV223vQ)
美玉です!!
Sho-Comiで連載している、くまがい杏子先生の【あやかし緋扇】の小説を書いていきたいと思います。
部活や親や勉強などで、更新は遅くなると思いますが一生懸命頑張ります。
もしよかったらコメントください!!
下手な小説ですが、よろしくお願いします!
.。.:*・゜+.。.:*・゜+.。.:*・゜+.。.:*・゜+.。.:*・゜+.。.:*・゜+.。.:*・゜+.。.:*・゜
部活やら勉強やらで、更新率がすごく減ります。
もしも更新が途絶えたら、『親にPCとPSP……取り上げられたな』と思ってください。
まずは、この小説を見てくれている人はいるのかな…?Σ(ωo)!!
お待ちしております♪
- Re: あやかし緋扇*希 ( No.488 )
- 日時: 2014/05/27 21:52
- 名前: 美玉 (ID: z5Z4HjE0)
授業は以外にもスムーズに進んだ。分からないところもあったが、そこらへんは丁度当てられなかったらしい。さすが、運は凄い。
でも問題は体育だった。
今日はバスケットボール。授業の埋め合わせでよくやっていた。未来なら喜びそうだが……。
「陵、どうしましょう。方法は分かるのですが出来ません」
面白いほどにボールがバウンドしない。投げてもあまり上に上がらない。
「うーん。困りましたね……」
未来は得点王みたいなものだからパスが回ってくるのも当然のことだろう。
「まあ。やるだけやってみましょう」
数分で解決できる問題ではなかったので頑張れとしか言いようがない。未桜は頑張ります、と聞こえる大きさで呟きながらボールを手のひらでペシペシ叩いていた。
その結果。
「未来っ!」
「きゃっ」
クラスの一人の女子が相手チームのボールを奪い取りパスをする。勿論、未来に。そして可愛い叫び声が体育館に響いていた。
「ご、ごめんなさいっ」
「未来〜。どうしたの? いつもと違う」
「言葉使いも性格もかわってるしねー」
「まるで別人みたーい」
一番最後の言葉に未桜も得点板の前で見学している陵は焦った。
- Re: あやかし緋扇*希 ( No.489 )
- 日時: 2014/05/29 06:26
- 名前: 美玉 (ID: z5Z4HjE0)
「未来さんは熱があるので」
陵が駆けてきて話に割り込む。
「分かってるけどさー。神山、彼氏なんだから彼女のこと見ててあげなよ」
「はい」
笑顔で答える陵。未桜はその陵のジャージの裾をクイッと控えめに引っ張った。
「……?」
未桜の方を見てみると、涙目で申し訳なさそうに陵を見つめていた。
「陵……すみません……」
この時の顔はクラスの九割り以上が惚れてしまう悲しげで愛しくなるような顔だっただろう。体育館の人々の顔が紅に染まっている。しかし陵だけはにっこりと微笑んだ。
「未来さんは見学していてください。酷くなったら言ってくださいね」
「え、でもそれだとウチらのチーム一人足りないじゃん」
「そんなの不利だよ〜」
「『見ててあげなよ』って言っていたではないですか。……しょうがないですね。僕が入ります」
ため息混じりに陵が言うとチームからまた不満の声があがった。
「え〜、神山がぁ?」
「ちゃんと戦力になるのー?」
「そんなこと言ってるなら人数が足りないなどと文句を言わないでください」
不満の言葉を遮るようにして発した正論にみんなはウグッと声を漏らす。するとポツポツと。
「まあ……いないよりはマシだよね」
- Re: あやかし緋扇*希 ( No.490 )
- 日時: 2014/06/04 18:49
- 名前: 美玉 (ID: z5Z4HjE0)
「そうだよなー……」
と声をあげる。
「じゃあ、神山。入って」
「分かりました」
陵は少し険しい顔をしつつも、学校指定の長袖ジャージを脱いでパサリと床に落とした。しかし気に入らなかったのか置いたジャージを手に取り丁寧に畳み直す。
その姿を見て未桜はオドオドと手をのばす。
「ああ。私に言ってくださればやりましたのに」
「このくらい自分でやりますよ。未来さんは試合を見ててください」
その言葉に「うう」と唸っている未桜に陵は少し考えてから畳んだジャージを正座している未桜の前に差し出す。その行動に未桜は首を傾げた。
「では、これを持っていてください」
「っ! はい!」
陵のジャージを受け取る未桜は目が輝いていた。頼られるのが余程嬉しかったのだろう。
するとクラスの皆がコソコソと耳打ちしだした。
「今日の未来、可愛くない? いつもそうだけど。……なんかかっこ良さがない」
「素直すぎて可愛すぎるっ。熱でこんなに変わるもんだっけ?」
「ホント、別人みたいだよね。あり得ないけど」
そんな小さな声が聞こえた陵は顔を渋る。
いつもあんなに可愛いのに、と。
- Re: あやかし緋扇*希 ( No.491 )
- 日時: 2014/06/14 13:48
- 名前: 美玉 (ID: z5Z4HjE0)
何で未来の友達は陵のことを馬鹿にするのだろう。あんなにも素晴らしいのに。あんなにも素敵なのに。あ、ほら。また陵が球を小さい網に入れた。皆、唖然としている。
勉学が出来て、体を上手に動かすことも出来る。
ーー力だって。
『私に力があれば、お前を護ることが出来るのにな』
いつも、嶺羽様は言っていた。いつも、苦しそうに呟いていた。
なぜ、前世と来世でこんなにも違うのだろう。
……ううん。
前世では未桜が嶺羽を護っている。来世では未来が陵に護られているんだ。もし、自分に力がなかったら嶺羽様はずっと体が悪くて外の美しい景色が見られなかったかもしれない。病に苦しんでいたかもしれない。
呪いから嶺羽様を護れなかったけど、この力には感謝しないと。
「ーー!」
嶺羽様……。
「ーー未桜っ、危ない!!」
「……え」
いきなり名を呼ばれて声がする方を見るとーー茶色の球が斜め上にある。反射で頭を護ろうとしたが。
ドンッ!
未桜の体は徐々に傾いていき、床にぶつかった。そして目が虚ろになっていく。
「未桜っ!!」
意識が遠のいていく中で声が聞こえる。霞んでいる視界にうつる黒い影。誰かが目の前にいる。
- Re: あやかし緋扇*希 ( No.492 )
- 日時: 2014/06/17 06:43
- 名前: 美玉 (ID: z5Z4HjE0)
……嶺羽様?
気づくと未桜は目の前にいる人の首に腕をまわし、口づけていた。
「え……」
そのまま力が抜けていき抱えられている腕に身を任せるように体が倒れ、目が段々と閉じていく。闇に引き込まれてしまいそう。
「ふう……」
神山陵は未来の鞄を手に持ち、小さくため息をつく。
未桜を保健室に運んだ後、陵は未桜が早退出来るように教室に荷物を取りに行っている。あと自分のも。
「未来さん……大丈夫でしょうか?」
本人の身体の中で睡眠状態なのだが、安心は出来ない。閉じ込められているのと同じなのだから。未桜が未来の身体の中から出ていかないと一生眠り続けてしまう。そして、今回後頭部を強く打った未来の体はどのような異常をきたしているのだろうか。保健医は軽い脳震盪だと言っていたけれど。
未桜も、……。
考えているとあることを思い出す。
「……未桜と、キス……したんだ」
陵の頬に紅がさし、口を右手で隠すように押さえた。
別に乙女的なものではない。が、人前でキスをしたのだ。罪悪感が湧いてきた。
少し、寂しい気がした。
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