複雑・ファジー小説

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美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト
日時: 2012/11/10 18:20
名前: 梶原明生 (ID: /PtQL6mp)

美幸へ・・・しがない空手拳法有段者の警備員が「金無し大兄妹アイドル」の不運の死を遂げた未来を変えるために、過去へタイムスリップする。  ひめゆり自衛隊・・・沖縄第15旅団の隊員達が実験と称した防衛省の企みにより特戦群と空挺団の策略に巻き込まれ、時空波装置で昭和20年3月23日にタイムスリップする。そこで彼等が見たものは・・・やがて酷い惨状に特戦群の隊員等も心を動かされる。そして新たな希望が・・・2つ交互にお送りするタイムスリップアクション。ダイジェスト短縮版で執筆いたします。・・・原稿は完成済み。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.303 )
日時: 2017/06/28 23:15
名前: 梶原明生 (ID: NOqVHr1C)  

↑消してくださりありがとうございます。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.304 )
日時: 2017/06/28 23:59
名前: 梶原明生 (ID: u7d.QD9m)  

「ひめゆり自衛隊」…元村一曹が駆け寄って、男を拘束具で手首を縛り上げて起こした。勿論90度の角度から、三村三曹が89式小銃折曲銃床式を構えて、もしもの時に備えていた。「こ、こいつどうします。」「高山陸士長が折角生け捕りにしたんだ。23日まで拘束するしかないだろう。」聞いてくる三村三曹に素っ気なく返す元村一曹。少し意識が戻ったのか、何か叫びはじめる。「ファックユーッ、お前ら殺してやる。俺の飛行小隊の仇を取ってやるからな。」英語でまくし立てるので、何の事かわからなかった。「どうやら彼は海軍のパイロットらしいですね。我々を殺してやるとさっきから叫んでます。無理もないです。」植村三曹が聞き取った。「何もたついてる、本部に戻るぞ。」佐藤三尉がまくし立てて促した。元村一曹と高山陸士長で肩を担いで、この招かざる客を連れて帰った。その頃、ニミッツ提督とスプルーアンス大将は地上へと降り立ち、他の将校とブリーフィングしていた。「ここに来て戦局は不利になっている。このままでは一向に占領が進まん。犠牲者も多すぎる。下手するともう1ヶ月は戦わねばならんが、それは断じて許されん。・神風・などと信仰がましい迷信をジャップ共は真に受けてると笑ったが、もはや本物とまで思わなければならん戦況だ。あの新型桜花にしてもそうだが、一体あんな戦闘機どこから現れるのか。それすらも見当がつかん有り様。こうなったら奥の手を使うしかあるまい。」それを聞いた一人の将校が血相を変えてニミッツ提督を凝視した。「まさか、あの…新型爆弾を。」「その通りだ。まだテスト中だが、試作型は完成しているはず。それをB−29に積ませて摩文仁付近に投下するしかない。先ずは沖縄を占拠して基地を造り、それから手始めに広島、京都に落とすはずだったが、やむを得まい。大尉、すぐに大統領に連絡を。」「イエッサー。」進展せぬ沖縄戦に終止符を打つべく、あってはならない歴史の変動が起きようとしていた。…次回「無惨、哀しき母子」に続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.305 )
日時: 2017/07/03 22:46
名前: 梶原明生 (ID: VlfYshYD)  

「ひめゆり自衛隊」…「無惨。哀しき母子」

昭和20年6月22日午前1030時 東辺名。「沢田中隊長。昨日の特殊通信機からの情報の中に米軍空母から発せられた無線で気になるものが。」連戦の日々で既に汚れと疲労の色が現となっている沢田一尉だったが、なりふり構わず動き回っていた。無論、それは皆も同じではあったが。「何だ、言ってみろ。」「はい。米国に向けての通信なんですが、よく聞きとれないんです。最初は作戦とは関係ないと思ったんですが、爆弾というキーワードがあったもので。」「わかった。音声処理してみろ。」「了解。」三浦三曹はパソコンのキーを高速で打ちはじめた。「これです。」エンターを押した途端、彼等の表情は凍りついた。6月23日正午1200時、オキナワ南方、新型爆弾投下を要求する。…」「バカな。新型爆弾と言えば、原子爆弾じゃないか。沖縄に落とすと言うのか。」そこまで予想していなかっただけに、まさに寝耳に水だった。「どうしますか。このままでは沖縄が世界初の被爆地になってしまいます。」眉間に皺寄せつつ、しばらく黙っていたが、すぐ答えを出した。「この東辺名を明け渡し、摩文仁だけに宿営地を集中するしかない。とにかく米軍に少しでも進撃できたと思わせないとな。明日には大時空波が来るんだ原爆なんか落とさせてたまるか。すぐに全隊員に報告しろ。今すぐ摩文仁へ移動する。」「了解。」こうして全車両が移動を開始した。その摩文仁付近では、神谷三尉等が最後のひめゆり救出に向かっていた。高山陸士長が言う。「いよいよ今日で最後ですね。ようやく肩の荷が降りる感じです。」「そうだな。でも気を引き締めていこう。ここが正念場だ。」「了解。」高山陸士長は警戒しながら返事を返していた。今度は米軍と一戦交えることなく、ひめゆりの宮平トヨ、友利ハツ、渡久山ヨシ、黒島幸子、新垣ハル、比カ静枝、上原光子、他と合流した。「高山さん。」「おう、無事だったか。良かった。皆が待ってるぞ、付いてこい。」上原光子は高山陸士長を見るなり、安堵の気持ちを現にしていた。しかし、岡田二尉が全隊員に伝えた。「おい、よく聞け。米軍が明日正午に沖縄南方に原子爆弾を投下するそうだ。」…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.306 )
日時: 2017/07/05 13:58
名前: 梶原明生 (ID: 87ywO7pe)  

「美幸へ」…本来、美幸さんはこの思春期真っ盛りに、ちょっとヤンキーぽく素行悪くなっていたはずだが、やはり俺が現れた化学反応か、変化が訪れていた。そのせいもあってか、イジメや自殺未遂もなかった。そこで、美幸さんに褒美と称して「ケータイ」をプレゼントした。本当は「無料キャンペーン」に応募して抽選で三名様に当たる中で美幸さんが当たるはずだった。しかし、「ある事情」からやむなくケータイだけは歴史に介入しなければならず、若佐社長から渡されていたものをタイミングを見てプレゼントしたのだ。「うわーっ凄い。先生これいいの。」感謝する美幸さん。「まぁな。羅心流空手拳法を頑張って修行したからな。記念も兼ねてな。「ありがとう先生。」以来美幸さんは前にも増して空手拳法の修行に専念した。本来ならこの時、お母さんに「何で私を産んだんだよ。」とか叫んだり、自殺をほのめかす行動に出るのが彼女の史実だった。心身共に羅心流空手拳法の修行で健全となり、溌剌とした中学二年生を終えた。しかし、俺にとって恋のライバルが出現しようとは、この時まだ思いにもよらなかった。…次回⑳「十五歳からの卒業そして夢」に続く。
追伸:ついにラストが近くなりました。恋のライバルは爽やかな15歳の中学生、建斗。羅心流空手拳法初段です。そして美幸さんのハツカレ。しかし52島にないはずの羅心流空手拳法の道場が何故ここに。果たして時空の捻れは今後どんな影響が…

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.307 )
日時: 2017/07/08 00:36
名前: 梶原明生 (ID: u7d.QD9m)  

「ひめゆり自衛隊」…神谷三尉が血相を変えて向き直る。「何ですって、原子爆弾っ、そんなバカな。そんなことをしたら歴史が大きく変わってしまう。」…省略…佐藤三尉が舌打ちしながら辺りを見回す。「ちっ、どうりで155ミリ加農砲の砲撃や爆撃が少なくなったわけだ。」「とにかく急ぐぞ。」「了解。」岡田ニ尉の一声で全隊員が動いた。その途中、壕へ戻ろうとしていた兵士と出会った。「おう、これは義烈空挺部隊ではないか。米軍共を蹴散らしてくれたか。」見たところ少尉だった。「はい。今は摩文仁の本部壕へ戻るところであります。」「うむ。わしらもすぐ近くの別の壕に戻るところだ。お主等の兵士を幾人か貸してくれぬか。」「いや、それは…」岡田ニ尉が苦心していると、高山陸士長はあることに気づいた。何とその少尉の肩には陸自迷彩のアサルトバックパックが担がれていたのだ。「岡田ニ尉、私達が行きます。」高山陸士長は率先して出た。「いや、しかしだな。」「いえ、松金の件でも…いるかも知れませんし、沢田中隊長にお伝え下さい。」「わっ、わかった。しかし長居はするなよ。」「了解。」こうして高山陸士長に神谷三尉、元村一曹に三村三曹等が同行して壕へと向かった。「ところで少尉。その背嚢はどこで手に入れましたか。」「んん、これは民間人ごときが持っておったから、ワシが取り上げた。もらいうけたとふざけた事を申したから殴り倒してやったわ。ハハハッ。」それを聞いた途端、89式小銃を持つ手に怒りの炎が伝わる高山陸士長であったが、元村一曹が無言の合図で彼を制する。やがて壕に着くと、中に数名の日本兵がいたが、タクティカルライトで辺りを照らすと見慣れたはずの惨状が、厳然と彼等の目に飛び込んできた。「こ、これは…」予期していたことが起こっていた。一人の女性がうずくまるように、二人の子供の「死体」の前に座り込み、赤ちゃんを抱えていた。光を当ててもピクリともせず、子守歌を歌っているところから、精神が正気でないのは容易に理解できる。「まさかっ、そんな…」危うくライトを落とすところだった。元村一曹も神谷三尉も唖然としていた。そう、その女性と子供達は具志上恵子と健一、ナツ。そして一才にも満たない洋介だったのだ。「恵子さーんっ。」…続く。


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