複雑・ファジー小説

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美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト
日時: 2012/11/10 18:20
名前: 梶原明生 (ID: /PtQL6mp)

美幸へ・・・しがない空手拳法有段者の警備員が「金無し大兄妹アイドル」の不運の死を遂げた未来を変えるために、過去へタイムスリップする。  ひめゆり自衛隊・・・沖縄第15旅団の隊員達が実験と称した防衛省の企みにより特戦群と空挺団の策略に巻き込まれ、時空波装置で昭和20年3月23日にタイムスリップする。そこで彼等が見たものは・・・やがて酷い惨状に特戦群の隊員等も心を動かされる。そして新たな希望が・・・2つ交互にお送りするタイムスリップアクション。ダイジェスト短縮版で執筆いたします。・・・原稿は完成済み。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.157 )
日時: 2015/01/22 18:56
名前: 梶原明生 (ID: DU.Bh3c8)  

「ひめゆり自衛隊」…一方その頃、クロフォード大尉は空母へ帰還しようと必死だったが、空田三尉のFー2により、20ミリバルカン砲を喰らって墜落しかかっていた。「ザマァ見ろ。クソッ、萌。…木許二尉、相原三曹は生きています。俺が救出しに行きます。」「馬鹿を言うな、落ち着け。もうすぐ時空波が開く。我々に出来る事は何もない。後は陸自の連中に任せよう。」…省略…彼等を尻目にクロフォード大尉の機は尾翼を破壊されて黒煙と炎を吐き出しながら糸満付近の原生林の中へ墜落していった。その頃、相原三曹は与座岳付近の林の中にいた。暫く気絶していたが、ようやく意識を取り戻した。そんな彼女が最初に取った行動は、武器の確認だった。通常持たないが、今回の作戦に必要と判断されて配備されていたのは9ミリ短機関銃である。…続く。



Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.158 )
日時: 2015/01/28 18:24
名前: 梶原明生 (ID: TR6NNYH/)  

「美幸へ」…「ごめん下さい。…いやーっ、奇遇だなぁ。実は泊まるホテルと交通に関するチケットが余ったんですよ。若佐工務店の宴会用に使うはずがキャンセルになりましてね。そこで勿体無いから使ってくれないかと言われたんですが、どうです。このさい皆を連れていっては。」天原兄弟総出で喜んだ。「やったーっ。」こうして美幸さん一人だけ連れていくはずが結局全員鹿児島市内に行くこととなった。「美紀子か。今頃どうしてるかな。結局就職した会社の転勤で鹿児島市内に赴任したさい、職場内の男性と恋に落ちたんだっけ。幸せになってくれればいいが。」ただただそう願うばかりだった。「先生も行きなよ、折角姉ちゃんの結婚式なんだし、皆で羅心流空手拳法道の演武やろうよ。」加代がそう言い出したから大変だ。「いや、ま、待てよ。俺仕事あるしさ。」「嘘でしょ。若佐社長休みって言ってたしね。」…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.159 )
日時: 2015/01/30 19:36
名前: 梶原明生 (ID: 84hRb0Yz)  

「ひめゆり自衛隊」…勿論9ミリ拳銃も所持している。「いけない。すぐに陸自の本隊と合流しないと。…708、708、応答願います、こちら相原。聞こえますか。…ダメだ、雑音しか聞こえない。すぐここを離れないと。」故障なのか無線が通じなかった。ダークグリーンのスーツの上から着ていた飛行服とヘルメットを脱ぎ捨て、ブーニーハットを被ぶり、持てるだけの装備と道具をバックパックに詰め込んで背負った。9ミリ短機関拳銃を手に持って林の中を歩きだした。その後ろでは時限爆弾が作動し始める。この時代に痕跡を残さないためだ。「これが70年前の沖縄。…」彼女は辺りを物珍しそうに見回しつつもゆっくり歩きはじめる。しかしその歩き方はおぼつかない。草地で時々転びそうになりながらも歩いた。…省略…すぐ前を見ると小学生かと思わされる軍服姿の少年が立っていた。「あなたはまさか、岡田二尉と同じ部隊の方では。」それは鉄血勤皇隊の銀条正人だった。…続く。


Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.160 )
日時: 2015/02/08 20:17
名前: 梶原明生 (ID: y.72PaHC)  

「美幸へ」…どこで仕入れてきたのか、その事実を加代は知っていた。やむなく俺も同行することに。…やがて結婚式は始まり、着々と式は進んでいった。そんな時、赤いドレスを着た美幸さんが「おいで」と一人の男性から手招きされているのを目撃した。「抱っこ抱っこ」甘える美幸さんを腕高く上げながらあやしていた。「ありがとう。オジサンだぁれ。」すると傍らにいた久幸さんが応えた。「兄ちゃんだよ。美幸の兄ちゃん。」「えーっ、兄ちゃん。」自伝書ではたしか、一番上のお兄さんは27歳も年上と書いていた。…やがて結婚式も終盤を迎えはじめて、いよいよ最後の演目となった。天原兄弟総出で羅心流空手拳法道の型を演武した。俺の武器術演武を行い、長かった式の締めを飾った。あの頃を思い出したのか、美紀子が涙を流して感動していた。「先生、ありがとう。」その言葉も終わらぬうちに感極まった新郎が握手を求めてきた。「いやー、感動しました。素晴らしい。是非私と歌でデュエットしてもらいたいんですが、よろしいですか。」「えっ。…ええ。」「良かった。カラオケに自信がなくて、歌いたい歌に不安があったんです。美紀子に送りたいんです。」なんと当時の結婚ソング「夜明けのブレス」だ。…省略…美幸さんには悪いけど、当時生まれて初めてできた彼女との思い出の曲でもあった。たしか名前は永野千華だ。…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.161 )
日時: 2015/02/12 21:48
名前: 梶原明生 (ID: tdVIpBZU)  

「ひめゆり自衛隊」…目を丸くした相原三曹ではあったが気丈に応えた。「ええ、そうよ。私の名は相原三曹。本隊はどこなの。」「ええ、あの南側です。私は伝令の帰りですから、ご案内します。着いてきてください。」相原三曹は一瞬ホッとした心地になって彼の後ろに着いて行った。…省略…その頃、沢田一尉等は山城の本部壕付近にいた。「急げ。本部壕に直撃弾が当たるまでそう時間はないぞ。」半泥地と化した自然道を走りながら叫んでいた。その隊の中には高山陸士長もあった。入り口までくると、酒田一等兵が彼等を出迎えた。「これは沢田一尉。…」「うむ、ここに安座間晶子という予科二年の学徒がいるはずだ。我々が保護する必要がある。連れてきてもらえるか。」少し顔を曇らせて応える酒田一等兵。「しかし、彼女は体をこじらせて床に伏せっています。連れ出すのは無理かと。」その言葉を無視するように命令する沢田一尉「木村三尉、柿村三曹、それから高山陸士長、担架を用意して連れ出せ。」「了解」柿村三曹はバックパックに入れていた折り畳み担架を出して広げた。高山陸士長はその取手を持って彼等と中へ入っていった。中は絶えず雫が落ち、洞窟を壕にしたような所で咽せるような臭気に襲われた。タコの足のようにひとつひとつの穴が次第に細く、奥へと食い込むように伸びているようだった。そこに何と、逃げてきた一般民間人もおよそ100人ぐらい中で座っていた。柿村三曹と高山陸士長は、その人垣を掻き分けるように前へ進んだが、灯りと言えば蝋燭がやっとだった。「安座間…か。」思い出すように呟く高山陸士長。南風原の小川にいた頃を思い出していた。…続く。


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