複雑・ファジー小説

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美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト
日時: 2012/11/10 18:20
名前: 梶原明生 (ID: /PtQL6mp)

美幸へ・・・しがない空手拳法有段者の警備員が「金無し大兄妹アイドル」の不運の死を遂げた未来を変えるために、過去へタイムスリップする。  ひめゆり自衛隊・・・沖縄第15旅団の隊員達が実験と称した防衛省の企みにより特戦群と空挺団の策略に巻き込まれ、時空波装置で昭和20年3月23日にタイムスリップする。そこで彼等が見たものは・・・やがて酷い惨状に特戦群の隊員等も心を動かされる。そして新たな希望が・・・2つ交互にお送りするタイムスリップアクション。ダイジェスト短縮版で執筆いたします。・・・原稿は完成済み。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.137 )
日時: 2014/07/03 19:55
名前: 梶原明生 (ID: DU.Bh3c8)  

「美幸へ」…丁度、園児達が帰る時間帯なので、出てくるところを一人一人に花を手渡した。「わー、キレイ。」「ありがとう。」そんな時、文子さんの乗る軽自動車が美幸さんの横に止まった。「美幸、乗りなさい。…君たちも送っていくから乗っていいよ。」「わー、やったーっ。ありがとう。」彼女と園児3人がヒョイヒョイ乗ってくる。車中でも美幸さんは園児にお花を配った。しかし、御多分にもれず皆そのピンクの花を食べたりはしない。頭の髪飾りにするか、手に持っているだけ。そのことを不思議そうに見ている美幸さんだった。家に帰ってくると満面の笑みを浮かべて車を降りていた。「マズい。確かこの日PTAの役員か何かが天原家に来て、幼稚園児を送ってく文子さんの事を話しにくるんじゃなかったかな。」ヤバいとは思ったが、妙に介入もできないなと感じていた。そうこうしているうちに一人の女性が天原家を訪れていた。「ごめん下さい。」「はーい。」それは明らかにPTA役員だ。文子さんが応対する。「すみません。実は最近この辺りで幼稚園児に声をかけて車で連れまわすパンチパーマの中年男がいるという噂がありまして。もし見つけたらお知らせしてもらえませんか。…」「は、はぁ、そうですか。」それは間違いなく文子さんのことだった。しかし、パンチパーマの中年男とは。失礼なかぎりだ。「美幸、明日から幼稚園行けないからね。」「えーっ、どうして。」「どうしても。」外から聞いているだけでも美幸さんが不憫に思えた。そこへ友美が一足先に小学校から帰ってきた。「わー、友美姉ちゃん、お帰り。」「美幸、これ食べな。パンって言うんだよ。」「へーっ、これがパン。」それを脇で覗き見しながら…省略…人生初のパンを手にして少しは機嫌を直してくれた美幸さんに安堵した。その頃、義弘も中学から帰る途中だった。妙なコブ付きで。…「テスト勉強も終わったことだし、なぁ義弘。今日はお前んとこ行っていいよな。」「え、それは困るけど。」「あっ、困るだと。そんなことねぇよな。皆楽しみにしてんだぜ、お前んとこでの飲み会をさ。」「う、うん。」…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.138 )
日時: 2014/07/04 20:57
名前: 梶原明生 (ID: eVM80Zyt)  

「ひめゆり自衛隊」…「回収」 昭和20年5月16日午前0820時。砲兵隊を信じられない攻撃法で撃破された米軍は戸惑っていた。今までこんな戦法は見たことがない。その場しのぎの戦車、砲弾を増やす物量作戦にでるしかなかった。そしてそれは効を奏しはじめていた。この4日間、カ数高地をめぐってすでに10キロ以上進出出来たからだ。後に首里を手に入れればまだ戦いを有利に進められる。だがそれは物量作戦が効いていたわけではなく、史実になるべく近付けるために八原大佐の意見に乗じて散発的なゲリラ攻撃に岡田ニ尉が徹したからだ。その間に多くの日本兵が死ぬのを見た。それでも彼等には何も出来なかった。この5日間、自衛隊員側に死者、傷病者は出ていなかったが、その疲労感は限界に達している。そこで16日朝。激戦を繰り返す第32軍司令部を後にして、南風原陸軍病院に戻っている岡田ニ尉達であった。そしてすでに崇原ヨシという、本科一年のひめゆり学徒隊員を呼んで保護していた。再びあの青白い光と雲を目の当たりにして沢田一尉等の部隊がタイムスリップしてきた。…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.139 )
日時: 2014/07/19 20:16
名前: 梶原明生 (ID: D486Goe5)  

「美幸へ」…肩をリーダーらしい少年に抱かれながら半ば強制的に納得させられていた。…省略…「ほうっ、えらくキレイになったな。」リーダー格の少年が道場の真ん中で陣取りながら見回す。「さて、ビールといくか。おい、義弘。つまみ開けろよ。」義弘は渋々言うことに従う。タバコも吸い始めて夕方から騒ぎ出すクラスメイト達。「やめてくれよ。親にばれるし、師範が帰ってきたら大変だよ。」「あ、師範だ。そんなもん関係ねぇよな。皆。」「おうっ。」完全に出来上がってしまって手がつけられない。そこへ食材を買ってきた俺が、レジ袋を下げて運悪く入ってきた。「何だこれは。」「あ、先生。…」義弘が急に立ち上がった。「君達はここを何だと思ってるんだ。」「すみません。これにはワケがあって。…」弁解する間もなく、おもむろにリーダーらしき男子生徒が立ち上がった。「あれー、あんたが師範なんだ。悪いけどしばらく俺達の溜まり場にしてたんだよ。何なら一緒に飲みますか。」「お断りだ。今すぐここから出て行きなさい。ここは俺の家でもあり、道場でもある。礼儀もなく、未成年のクセに飲酒する者を置いておくわけにはいかん。さっ、帰った帰った。」掴みかかって生徒達を立ち上がらせようとしたところ、振り払って逆らう。「何するんだよ。」「離せよ。」それを見ていたリーダー格が掴み返してくる。「ふざけんな、オッサン。調子乗るなよ。」…省略…リーダー格の少年のパンチをモロに顔面に食らった。「何するんだお前。」明らかに少年のパンチではない。拳の軌道といい、速さといい、ボクシングであることは間違いなかった。しかし、二打目は容赦しない。上段受けと共にもう一方の手で腕を掴み、円を描くように引き回す。そして中段回し蹴りを顔面に喰らわせてやった。「えーいっ。」気合いに恐れをなしたのか、うなだれるリーダー格の少年を他の少年が抱きかかえつつ、道場を後にした。「義弘、これはどういう事なんだ。」向き直って真っ直ぐ見つめる俺。「なんてことしてくれたんですか。」「な、何。…」…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.140 )
日時: 2014/08/07 17:04
名前: 梶原明生 (ID: qSKICFXZ)

「ひめゆり自衛隊」・・・そして、装甲車の扉が開いて沢田一尉等が姿を現した。「御苦労。それで岡田二尉、状況を聞かせてもらおうか。」「はっ。今のところ傷病者はおりませんが、連日連夜の戦闘で疲れがたまっております。せめて少しでも休めさせてやりたいかと。」「うむ、分かった。喫食の後に仮眠を取れ。後は我々が担当するから安心しろ。」「了解しました。」このやりとりの後、再び時空波が発生し、またもや一瞬にして彼等はタイムスリップした。次に彼等が姿を現すのは昭和20年6月3日。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.141 )
日時: 2014/08/07 17:39
名前: 梶原明生 (ID: qSKICFXZ)

「ひめゆり自衛隊」・・・「森山三曹」 昭和20年6月3日 午前0620時。この時すでに八原大佐による沖縄南部への後退案が掲示されて実行されていた。始めは各師団長、参謀長等が猛反対したものの、総攻撃の失敗により、意見を述べることのなくなった長参謀長は認めざるおえず、これを牛島司令官も頷く以外になかった。これを受けてひめゆり学徒隊をはじめとする南風原陸軍病院の各壕は、5月25日未明に移動せざるおえなかった。その二日後に第32軍司令部も摩文仁へと撤退したのだ。その際、一般住民も一緒に南下したため、その途中に米軍の砲撃や戦闘機による爆撃や機銃掃射により、15000人が路上で死んでいった。その上那覇の南にある小録地区を守る大田実少将率いる海軍部隊は、米海軍海兵隊の上陸があったために、挟み撃ちで孤立してしまう。ひめゆり学徒隊にあっては先の25日夜までにはすでに8名の戦死者をだしており、負傷者の移動は大問題だった。貴嶋大尉率いる防衛隊員も頼りにならず、石垣実俊先生は壕に残さねばならなかった。だが、・・・・・・実はここで、渡嘉敷良子と狩俣キヨも残していかねばならないのだが、彼女達はいない。沢田一尉等によって例のごとく保護されている。・・・続く。


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