複雑・ファジー小説

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美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト
日時: 2012/11/10 18:20
名前: 梶原明生 (ID: /PtQL6mp)

美幸へ・・・しがない空手拳法有段者の警備員が「金無し大兄妹アイドル」の不運の死を遂げた未来を変えるために、過去へタイムスリップする。  ひめゆり自衛隊・・・沖縄第15旅団の隊員達が実験と称した防衛省の企みにより特戦群と空挺団の策略に巻き込まれ、時空波装置で昭和20年3月23日にタイムスリップする。そこで彼等が見たものは・・・やがて酷い惨状に特戦群の隊員等も心を動かされる。そして新たな希望が・・・2つ交互にお送りするタイムスリップアクション。ダイジェスト短縮版で執筆いたします。・・・原稿は完成済み。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.52 )
日時: 2013/01/07 14:33
名前: 梶原明生 (ID: uZAkimhj)

「美幸へ」・・・こうして、イブの日を向かえた。いつもより、珍しく化粧して出かけるところを、俺が立ちはだかった。そして、これまでのことを話して夕空の中、出かけることをやめるよう促した。「嘘、そんなの和貴にかぎって・・・とにかく私行くから。先生どいて。」恋は盲目と言うが、まさにその通りで彼女は最終バスで西野表町に向かった。力ずくで引き止めてもよかったかも知れない。しかし、その恋を止められるのは美紀子の目しかないと思えた。仕方なくそのバスを、市がんタクシーさんを呼んで追いかけた。ビジネスホテル52島で待ち合わせと聞いていたがいない。焦った俺は西野表港へ飛ばさせた。「これ、どういうこと。ねぇ、和貴、嘘よね、こんな事って。・・・」「悪い。俺のためと思って一肌脱いでくれ。先輩達の相手をすりゃいいんだよ。」「嫌っ。」既に5,6人のタチの悪そうな漁師姿の男が和貴の悪友二人と漁船の前にいた。悪友二人は美紀子の両脇を掴んで男達に差し出す。「和貴、よくやった。約束だ。お前らから今後一切上納金はせびらねぇ。それでいいよな。」「はいっ、ありがとうございます。」リーダー格の男がクーラーボックスに横柄に座ってタバコを吹かしながら笑った。「おーーっ、可愛いじゃねぇか。たまんねぇ。おいっ、船ん中へ連れてけ。」「オッスッ。」パシリらしい男達が美紀子を船に乗せようとする。「もうすぐ股開かせてやるからよ。・・省略・・股開かせんの大好きなんだ俺。」抱えたパシリが汚らしく美紀子に呟く。「そんなに股開くの大好きか。」「ああ、そうだよ。・・・って何だオメッ。・・・」男の股は本当に開かれた。・・・続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.53 )
日時: 2013/01/08 18:48
名前: 梶原明生 (ID: uZAkimhj)

「美幸へ」・・・いきなりローキックが男の内踝に激突して、勢い余って股関節が外れた。「いでーーっ、本当に股がいでーっ。」「りゅっ、竜一っ、クソッ、テメーッ。」もう一人が予期せぬ来訪者に飛び掛る。が、しかし。鋭い縦拳が顔にヒットし、鈎拳を脇腹に叩き込まれる。「股が痛いか、女の痛みはその100倍は痛いんだ。よく思い知れ。」紛れもなくそれは俺だった。「美紀子ちゃん、大丈夫か。走って逃げられるか。」「至善、先生。・・良かった。・・・無理、足が。・・・」可哀想に。恐怖で足が震えて逃げられる状況ではなかった。キッと前に向き直った。「男が5,6人も、か弱い女の子一人によってたかって・・・人間のする事かっ。・・・美紀子ちゃん。離れるなよ。」彼女を庇いながら戦う決心をした。「はーーっ、何だとコラッ、ふざけんなっ。」更に2人飛び掛ってきた。同時に受けに回らずいきなり1人に回転後ろ蹴りを入れた。セオリーで言うと危険なやり方だが、ついそんな技が出てしまった。左から来るもう1人が殴りかかるところを上受けして逆拳突きこみを胸に食らわし、足刀で太股を蹴り倒した。「ヤベーッ、おいっ、気をつけろ。コイツ、空手か何かやってやがる。」リーダー格の男が仲間に叫んだがもう遅かった。パシリ共は手に木刀や鎖を持ちはじめたが、サブリーダーらしき男が抑えた。「お前らどいてろ。ふん、その手刀の掌を前にして逆手の拳を顎下に構えるって事はテメー、羅心流か。面白い。俺が相手してやるよ。」サブリーダーは左右の拳を顔の前に立てて構えた。「極貫流空手か。」・・・続く。        「ひめゆり自衛隊。」・・・「あの・・・何か。」真剣な眼差しになった富岡三曹に不審に思った古波蔵満子が問いかけた。「あっ、いや、何でもない。」慌てて我に返った。・・省略・・やさしく見守る富岡三曹だった。「もうひとつの謎」終り。 次回「推察」3月25日0850時・・・戸倉誠治一曹である。今年28歳になる空挺団所属の隊員だ。後藤曹長傘下にいる。「その写真、持ってたのか。」声をかけたのは後藤曹長だった。「はい。・・・いつも、肌身離さず持ってるもので。」「そうか。確かお前の祖父は旧日本陸軍の少尉だったな。しかも京都出身の。」「ええ、そうです。・・・今自分は運命を感じてるんです。私の祖父は、この沖縄戦で戦死した兵士の一人でした。私は写真でしか祖父を見たことがありません。もしかしたら会えるかもしれないと。そんな気がするんです。」遠くを見つめるような目で語る戸倉一曹。・・省略・・宮平トヨが不審な光を見て声を上げた。「そんなはずは。戦闘機も飛んでいなかったし、まだこんな所へは。」一緒に資材を運んでいた渡久山ヨシが応えた。「で、でも義烈空挺部隊兵舎の方だから砲撃があったのかも。」萩堂ウタ子が心配そうに言った。「いずれにしても凄い光だった。」内間シマが感心したように宿営地側を見た。新里キサと知念芳子も思わず手を止めて見入っていた。しかし新里キサはまた違った気持ちで見つめていた。嘗て幼かった妹と共に遊んだ線香花火。あの頃とは全く違うこの現在の変わりように、すぐに悲壮感が襲ってくる。「文ちゃん。お母さん。会いたい。」・・・続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.54 )
日時: 2013/01/09 18:43
名前: 梶原明生 (ID: UlsZCx61)

「美幸へ」・・・「オウ、そうさ。ケンカに勝つためにな。」「極貫流空手の三村館長は確かにケンカ空手を唱えていたが、亡くなられるまで弱きを助ける上での空手と言っていた。お前は恥ずかしくないのか。」「はっ、亡くなる。・・・何言ってんだお前。」「何でもない。」三村館長が未だこの時代に生きてることをすっかり忘れていた。と、その時。瞬速の上段回し蹴りが風を切って飛んできた。もう一歩見切っていなかったら危うくkoされるところだった。続いてワンツーフックにローキックとコンビネーションで重い拳を当ててくる。正拳でもう一回突いてきたのを空かさず襟と腕を掴んで、捌き崩した所へ足甲で顔面へ蹴りを入れる。「今だっ。」腕を掴んだ手を脇へ通して、男の左頬に回して襟の方の手でその手を握り、右腰を相手の腰に当てて「腰投げ」にして投げた。ドタンッと音を立てて倒れ込み、そこへ顔面に拳で殴りつけた。その反動で男はコンクリートにキスをした。呻き声だけが聞こえる。残心しつつ、リーダー男に向かって構えた。「おいっ、何してる。お前いけ、お前も、・・・」すでに戦意喪失しているパシリには無理だった。逃げようとするリーダー男に怒りの矛先を向けた。走りに走って飛び足刀蹴りをお見舞いしてやった。襟を掴んで引き上げると、みっともないほどに両掌かざして振り、やめてやめてと哀願してくる。・・省略・・今度は和貴達が逃げ出す。「コラッ、待たんかっ。」叫んだものの間に合わない。そこへ。「よくも姉ちゃんをっ。」逃げる高校生をものともせずに叩きのめす少年二人がいた。・・・続く。        
「ひめゆり自衛隊」・・・三田軍曹が声を掛けてきた。「君達は新里キサ、知念芳子だな。それから、そこの君達は萩堂ウタ子、内間シマ、渡久山ヨシ、宮平トヨだな。義烈空挺部隊の沢田一尉がお呼びだ。今すぐ兵舎に向かうように。」知念芳子は顔を隠すように微笑んだ。やがてその6人は宿営地へ向かった。丁度、警務に当たっていた戸倉一曹が彼女達と接触した。・・省略・・「あのーっ、私達は沢田隊長の命でここへ来るようにと貴嶋大尉から報告を受けたんですが。」言うか言わないかで後藤曹長が近付いてきた。「戸倉、構わん。入れてやれ。私に通達があった。さぁ君達、私が案内するから来たまえ。」「はい。」・・省略・・しかし、歩けば歩くほどに見るもの全てが物珍しいものばかりで、つい、口にせずにはいられなかった。「わーっ、凄い。何あの戦車。」「あれも見て、あんな機械見たことないわ。いっ、板に赤青黄色・・・何だか分からないけど光ってる。一体あれは・・・。」内間シマと宮平トヨが小さく騒いだ。新里キサも知念芳子も同じく驚いていた。「本当にこういったものがこの世にあるのかしら。何十年も先の世界に来たみたい。」「えっ、新里さんもそう思うの。私も。」・・・続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.55 )
日時: 2013/01/10 15:21
名前: 梶原明生 (ID: uZAkimhj)

「美幸へ」・・・何と、友成と義弘だ。「ヒぇー、助けて。」和貴は二人にボコボコにされていた。「コイツッ、コイツッ。」血だらけになった二人の拳を掴んだ。「もういい。やめろっ、友成、義弘、十分だ。」怒りは収まらないが、ようやく二人は手を止めて我に帰った。「先生、俺。・・・」「わかってる。わかってるから。・・・でもどうして2人共ここへ。」「おーい、美紀子。」「至善君、無事か。」言ってる脇から久幸さんと若佐社長が来ていた。「営業の帰りに甲女河の橋で天原さんと車ですれ違ってな。もしかしてと思って一緒に来たんだ。お母さんが頼んだらしい。」「文子さんが。」ああ見えてもやっぱり母親。何となく娘のおかしな様子に気付いていたのだろう。・・省略・・「ところで営業の帰りなんて嘘でしょ。確か、こっちを回る予定なんてなかったはずですが。」「あれ、そうだったかな。」・・省略・・「それより、天原さん。娘さんを早く家へ。ここはうちの者が警察に説明しますから。もう帰った方がいい。」「そうですな。ありがとう若佐さん。恩にきます。」「いいって、天原さん。うちもお宅の造園に世話になってるんだし。ささ、早く。」こうして、帰る事になった。が、久幸さんの軽トラックがいきなり甲女河の橋でストップした。「どうしたんだろう。」気になって若佐社長の車を降りた。・・・続く。        「ひめゆり自衛隊」・・・一応、彼女達を送り届けたが、近くにいた佐川二曹が天幕に聞き耳を立てた。10分後、彼は神谷三尉の所へ急いだ。「おい、神谷。さっき、ひめゆりの連中が沢田隊長の所に呼ばれたの知ってるか。」「ああ、知ってるが。それがどうしたんだ。」「実は俺、聞き耳立ててたんだが。」「おい、そんなことしたら・・・」「まぁ、聞けって。彼女達に色々質問してたんだ。その内容がどうもおかしいいんだなこれが。」「何が。」「ああ、親戚とかに軍上層部はいるかとか、地図を渡されてないかとか。」「地図だと。・・・」・・・続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.56 )
日時: 2013/01/11 15:43
名前: 梶原明生 (ID: uZAkimhj)

「美幸へ」・・・「気分が悪くて。・・・」美紀子は河のほうに身を乗り出した。・・省略・・俺のその言葉に安堵したのか彼女は戻した。そして俺はティッシュを差し出す。「久幸さん。これでわかったはずです。これが女の子の現実なんです。これでも15歳で女の子を外に出しますか。」「分かった。・・・じゃがな、家計の事情もある。他の子はどうなる。納得せんじゃろ。」「ならせめて、家を出るかは本人の意思に任せてそれまでは15歳で出ろと言うのは止めたらどうですか。」「分かった。考えてみる。」美紀子さんを寂しげな目で見ていた。「それはそうと、友成、義弘。少々やりすぎだったが姉を守ろうとしたその心意気は立派だった。その心、忘れるなよ。」「押忍っ。」「うむ。・・・美紀子ちゃん。」向き直り、彼女の背中に上着をかけた。「ありがとう。先生。・・・あっ、雪。」この日52島には珍しく、小さな粉雪が降った。  4「家訓で対立」終わり。 次回5「兄妹闘争」に続く。         「ひめゆり自衛隊」・・・一体何の目的でそんな質問をするのか疑問がより一層深まった。「それに呼ばれているのは沖縄戦で犠牲者となったひめゆりの人達ばかりを選んでいる。」通りかかった新垣陸士長が弾薬を運びながらぼやいた。「そんなことよく知ってるな。」神谷三尉が言うと、沢田一尉の天幕を見ながら新垣陸士長は続けた。「ええ、実は私の血筋はひめゆり学徒隊の一人でしたから。否応なしに幼い頃から詳しく聞かされてきたんです。」「そうだったのか。」・・省略・・「もしかすると何か別に目的があるのかも知れません。」新垣陸士長に神谷三尉が応える。「うーむ。・・・しかし、変に嗅ぎまわるのも皆の士気にかかわる。今のところは静観でいくしかない。二人とも、しばらくは伏せておいたほうがいいだろう。」その話に佐川二曹が納得した。「わかったよ。」しかし、新垣陸士長は天幕をジッと見つめていた。  「推察」終わり。 次回「日本拳法」に続く。


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