複雑・ファジー小説
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- 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト
- 日時: 2012/11/10 18:20
- 名前: 梶原明生 (ID: /PtQL6mp)
美幸へ・・・しがない空手拳法有段者の警備員が「金無し大兄妹アイドル」の不運の死を遂げた未来を変えるために、過去へタイムスリップする。 ひめゆり自衛隊・・・沖縄第15旅団の隊員達が実験と称した防衛省の企みにより特戦群と空挺団の策略に巻き込まれ、時空波装置で昭和20年3月23日にタイムスリップする。そこで彼等が見たものは・・・やがて酷い惨状に特戦群の隊員等も心を動かされる。そして新たな希望が・・・2つ交互にお送りするタイムスリップアクション。ダイジェスト短縮版で執筆いたします。・・・原稿は完成済み。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.107 )
- 日時: 2013/12/02 10:53
- 名前: 梶原明生 (ID: iEydDqYB)
「美幸へ」・・・二階の俺の部屋で、再び堂守が現れた。「お久しぶりです。さて、それでは美幸さんのあの時代へ再度参りましょう。」「はい、そのつもりです。・・・」夏服に身を包んだ姿でいつものリュックを背負い、青白い光を待った。そしてあれから三年後の93年8月某日の鹿児島県52島へとやってきた。・・・続く。 「ひめゆり自衛隊」・・・「こちら第6飛行隊。敵艦をいくつか沈めました。しばらくは艦砲射撃はないでしょう。ひめゆりを連れ出してください。」木許二尉からの無線連絡に、沢田一尉が応える。「了解。・・・助かったよ、木許二尉。帰投してくれ。」・・省略・・半ば茫然とした顔付きで、第三外科壕入り口から空を見つめる神谷三尉達。・・・続く。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.108 )
- 日時: 2013/12/08 18:04
- 名前: 梶原明生 (ID: cahx6aOE)
「美幸へ」・・・一方その頃、美幸さんはと言うと、お古のスクール水着を着て海に近い川で鯉を手掴みで捕らえていた。「やった。母ちゃん喜ぶだろうな。」彼女は兄弟達とお婆ちゃん家に来ていた。急いで家に入ろうとすると、黒服の男とバッタリ出会った。「何してんだ。早く家に入れ。」美幸さんの知らない人だった。言われて入ると、久幸さんが親しげに声をかける。「おーっ、友春来たか。入れ。・・・」他の兄弟も応える。「あっ、友春兄ちゃん。」「兄ちゃん。・・・うへっ、また兄ちゃんが増えた。」美幸さんは新たに兄がいたことに驚きを隠せなかった。やがて家の中に入ると、大勢の大人が黒服の正装に身を包んでいることに違和感を覚えた。「ほれ、美幸もお婆ちゃんにお別れ言いなさい。」いつもの文子さんと違い、涙ながらに言った。・・・続く。 「ひめゆり自衛隊」・・・「沢田中隊長、これは一体どういうことです。何故空自のFー2が我々の支援のためにこの時代に。・・・」擦違うようにしながら背中で応える沢田一尉。「説明してる暇はない。行くぞ。」いつものように冷淡にしか応えない。すると前方の壕の中から衛生兵らしき兵士が現れた。「これは義烈空挺部隊の方々ではありませんか。私は玉城軍曹であります。これより本部壕との交代勤務のために数名の看護隊員を連れて帰るところであります。」「それは好都合だ。我々もこれから本部壕に戻るところだ。同行しよう。」・・省略・・その看護隊員の中に島袋ノブを見つけると急に吹田二士のテンションが上がった。・・・続く。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.109 )
- 日時: 2013/12/22 18:03
- 名前: 梶原明生 (ID: CrTca2Vz)
「美幸へ」・・・すると、彼女の目に飛び込んできたのは木箱の中にキレイな花束に囲まれて動かず眠っているお婆ちゃんの姿だった。「わぁーっ、お婆ちゃんキレイだね。」思わずそう言っていたが文子さんが彼女を後ろに下げた。「大人しくしてなさい。」涙ながらに諭した。そう。美幸さんのあのお婆ちゃんは先日に亡くなっていたのだ。こうして、友春をはじめとする10人兄弟は一堂に会したわけだった。しかし、そこへもう一人。・・・予期せぬ客が訪れていた。「お久しぶりです。長い間ご無沙汰してました。至善です。・・・皆、久し振りだな。」・・・続く。 「ひめゆり自衛隊」・・・沢田一尉等に気付かれぬように目配せで気付いてもらおうとした。「あっ、吹田さん。・・・」言いかけたところで彼女は口を噤んだ。その表情は六日ほど前とはまるで違っていた。やつれていて汚れは目立ち、眼光だけはまるで使命感に燃える闘士のような視線を放っている。とても共に青春を桜花したあの頃の島袋ノブとは思えなかった。「では、本部壕に行くぞ。付いてこい。」彼を先頭に看護隊員をカバーするように並走しつつ第三外科壕を後にした。・・省略・・「島袋ノブがやられた。君達だけでも先にいけ。我々は彼女の手当を行う。」「分りました。よろしくお願いします。行くぞっ。」玉城軍曹等が走り去るのを見計らって沢田一尉が指示を出す。「島袋ノブを96式装甲車につれていけ。」「了解。」佐藤三尉等が彼女を引連れて別方向へ走っていった。「あーっ、ノブちゃん。・・・」吹田二士は溜息混じりに呟いた。・・・続く。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.110 )
- 日時: 2013/12/31 23:40
- 名前: 梶原明生 (ID: uZAkimhj)
「美幸へ」・・・それは俺だった。・・省略・・「ウワーッ、スゲー。先生だ。」「先生、久しぶりっすよ。」友成と義弘が真っ先に反応した。美紀子も久々の再会に目を潤ませた。そして。・・・美幸さんはキョトンとしている。すっかり大きくなった女の子がいることに、時の流れを感じた。「おお、あん時の、・・・まぁまぁ上がりなさい。」久幸さんが気さくに招いてくれた。「はい。お婆ちゃんにはせめて線香だけでも上げさせて下さい。」「ありがとうね。あん時はお婆ちゃん助けてもらったからね。」涙ながらに文子さんが言ってくれた。お焼香をすませると、訝しげに見る一人の青年がいた。先ほどの友春である。「すみませんが、あなたはどういう方なんですか。」・・・続く。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.111 )
- 日時: 2014/01/01 16:27
- 名前: 梶原明生 (ID: CrTca2Vz)
「ひめゆり自衛隊」・・・「よし、我々は本部壕へ向かう。付いてこい。」沢田一尉の掛声で一斉に走り出す神谷三尉達。やがて本部壕に着く頃には陽がどっぷり暮れかかっていた。・・省略・・「うむ。それで島袋ノブの件だが、死亡が確認された。報告書には8時頃に死亡したと書いておけ。後は分かっているはずだな。」急に愛想を変える三田軍曹ではあったが、苦笑いを保ちつつ応える。「了解しました。すぐに報告いたします。」そう言ったところで奥からあの貴嶋安次郎大尉が現れた。「これは神谷三尉。元気そうだな。」「あっ、はい、貴嶋大尉。ご無事で何よりです。」「うむ。ところで、沢田一尉。・・・ものは相談だが、首里の32軍司令部へ応援に行ってはもらえんかね。嘉数で敢闘はしているものの、そう長くは持たんだろう。天皇陛下の御意志に歯向かうつもりはないが、もはやお主等の力が必要となっておる。嘉数で本部隊と共に戦うのも、ひめゆり学徒隊を守ることになるではないか。行ってはもらえぬか。もし行かぬのなら。・・・」手厚く言った矢先から、途端に後ろから38式小銃を構えた10人ほどの兵士が、彼等に銃口を向ける。咄嗟に神谷三尉や佐藤三尉等も思わず89式小銃や、コルトМ4A1カービンにミニミ軽機関銃を向けてしまった。・・・続く。
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