複雑・ファジー小説

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美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト
日時: 2012/11/10 18:20
名前: 梶原明生 (ID: /PtQL6mp)

美幸へ・・・しがない空手拳法有段者の警備員が「金無し大兄妹アイドル」の不運の死を遂げた未来を変えるために、過去へタイムスリップする。  ひめゆり自衛隊・・・沖縄第15旅団の隊員達が実験と称した防衛省の企みにより特戦群と空挺団の策略に巻き込まれ、時空波装置で昭和20年3月23日にタイムスリップする。そこで彼等が見たものは・・・やがて酷い惨状に特戦群の隊員等も心を動かされる。そして新たな希望が・・・2つ交互にお送りするタイムスリップアクション。ダイジェスト短縮版で執筆いたします。・・・原稿は完成済み。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.122 )
日時: 2014/03/10 17:30
名前: 梶原明生 (ID: CrTca2Vz)

「美幸へ」・・・「いかん。道場に戻らんと。・・・」慌てて忍び足で後戻りすると、後ろから声がした。「至善さん。」ギクッとして恐る恐る振り返ると、・・・幽かにあの頃見たお婆ちゃんがいた。なのに何故か怖さを感じなかった。「今になってわかる。あんたには始めから何か他の人とは違うものを感じてたけど。・・・そうかい、まだ子供だったのかい。20年も先から来るなんてな。しかも美幸のために。ああいう娘じゃけど、どうかよろしくお願いいたします。この通り。」頭を下げるお婆ちゃんに、つい涙しながら応えた。「いやっ、そんな。・・・俺はただ、彼女の事を影ながら愛していただけです。」「ありがとうね。美幸もこんなに多くの人に愛されて幸せ者じゃ。」そう言い残すと、お婆ちゃんの姿は消えていた。「こちらこそ、ありがとうございます。きっと、幸せにしてみせます。」・・省略・・いずれにしろ、美幸さんを強く思う気持ちが現れたのだろうと信じたかった。夜空を見上げれば、そこは夏の星座がひしめく銀河がひろがっていた。・・・続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.123 )
日時: 2014/03/23 16:26
名前: 梶原明生 (ID: CrTca2Vz)

「ひめゆり自衛隊」・・・「接戦」5月12日午前5005時。  「どうした、眠れなかったのか。」神谷三尉が吹田二士に声をかけた。まだ、日も昇り切らない早朝の光景が、彼等を何かにかりたてているようだった。「眠れるわけないでえしょ。何で俺達が居残りなんすか。あんまりだ。」「そう言うな。皆だって同じさ。大丈夫だ、訓練を思い出せ。五日後には皆と合流できるんだからな。」「五日もあれば10回も死ねますよ。」鼻息を荒げつつ感情を抑えるようにうつむき加減に下をみた。すると、無線から岡田二尉の声が耳に飛び込んできた。「佐藤三尉、神谷三尉、私と共に牛島司令官に会いにいくぞ。すぐに来てくれ。」「了解。」彼等は例の如く第32軍司令部へと向かった。司令官室では牛島中将が決済書類に捺印を押していた。ほとんど目を通さずにページをめくる速さだけが際立つ。「牛島司令官。義烈空挺部隊の岡田二尉が到着しました。」「うむ。通せ。」・・・続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.124 )
日時: 2014/03/30 12:35
名前: 梶原明生 (ID: CrTca2Vz)

「美幸へ」・・・翌日の朝。美幸さんは一人、道場に来ていた。遅い朝食をとりながら声をかけた。「あ、おはよう。夜はお婆ちゃんに会えたかい。」「えっ、どうして知ってるの。」「いやっ、あーっ、外出たら話が聞こえてねぇ。ハハハッ。・・・」思わず頭を掻いた。「会ったよ。でもおかしいんだ。母ちゃんボォーっとして泣いてるの。何でかなぁ。・・・」俺は彼女を見据えて話をした。「いいかい、美幸ちゃん。お婆ちゃんはね、遠い遠い星になったんだよ。美幸ちゃんや皆を見守れるようにってね。だからこそ、逆にお利口さんにしてないと、お婆ちゃんやお爺ちゃんは怒るんだぞ。真っ直ぐに生きる。これが一番大事なんだ。真っ直ぐに生きてさえいれば、お婆ちゃんはいつでも美幸ちゃんのそばで見守ってくれると思うよ。」「うん、わかった。」彼女なりの解釈で素直に応えてくれた。この子の幸せなる将来を願わぬ人など誰もいないと俺は思ってやまなかった。    次回、⑨「幼稚園へ行けない」に続く。・・・

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.125 )
日時: 2014/04/12 20:04
名前: 梶原明生 (ID: y.72PaHC)  

「ひめゆり自衛隊」…岡田二尉等が司令官室に入った。「義烈空挺部隊の岡田二尉であります。」「よく来た。私が第32軍司令官の牛島だ。かねてより貴嶋大尉に嘆願していたところだがようやくその願いが叶ったようだな。」・・省略・・「52高地で一進一退の攻防が続いている。がっ、今日あたり米軍は総攻撃を仕掛けてくるに違いない。君たちの力で奴等を撃退してもらいたい。後は八原大佐に従って現地に向かってくれ。以上だ。」「了解しました。」岡田二尉以下全員で牛島司令官に向けて敬礼した。そこへ八原大佐が現れる。「私が八原参謀長だ。ほぉ、…これは変わった戦闘服だな。私も今まで数多くの軍服を見てきたが、こんなものは初めて見る。いや、さすがは天皇陛下直轄の部隊なだけはあるな。それでは早速来てくれ。」「はい。」岡田二尉他、神谷三尉達は彼に連れられて別室へ案内された。その途中には料理人の厨房や菓子工房に床屋等の理容室もあった。食料の缶詰めも沢山積まれていて、中にはその木箱を寝床代わりにして仮眠をとる兵士もいた。やがて別室に入ると、まだうら若い小中学生かと思う少年が3人立っていた。…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.126 )
日時: 2014/04/18 20:26
名前: 梶原明生 (ID: y.72PaHC)  

「美幸へ」…⑨「幼稚園へ行けない。」
数日後。いつもの朝が天原家に訪れていた。若佐工務店の仕事はなく、今日は皆が学校へ行った後、マキワラを拳で突いて鍛錬を始めた。「おはよう先生。行ってきます。」妙子だけまだ残っていたらしく、後ろから声をかけられて振り向いた。「おう、おはよう。行ってらっしゃい。」再びマキワラに戻ろうとした時、縁側で座りながらランドセル姿の妙子を見つめる美幸さんがいることに気づいた。「幼稚園、いつになったらいけるかなぁ。」羨ましそうな目をしながら彼女はふとつぶやいた。…省略…もし俺が親だったら美幸さんを幼稚園へ行かせられないのなら妙子も行かせないだろう。それは正彦も勇も同じだったろう。「美幸ちゃん。平仮名とアルファベットの体操教えてあげようか。」「え、本当。やるやるーっ。」俺が今出来る事はせめてそれぐらいしかないと思えた。


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