複雑・ファジー小説
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- 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト
- 日時: 2012/11/10 18:20
- 名前: 梶原明生 (ID: /PtQL6mp)
美幸へ・・・しがない空手拳法有段者の警備員が「金無し大兄妹アイドル」の不運の死を遂げた未来を変えるために、過去へタイムスリップする。 ひめゆり自衛隊・・・沖縄第15旅団の隊員達が実験と称した防衛省の企みにより特戦群と空挺団の策略に巻き込まれ、時空波装置で昭和20年3月23日にタイムスリップする。そこで彼等が見たものは・・・やがて酷い惨状に特戦群の隊員等も心を動かされる。そして新たな希望が・・・2つ交互にお送りするタイムスリップアクション。ダイジェスト短縮版で執筆いたします。・・・原稿は完成済み。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.37 )
- 日時: 2012/12/11 15:53
- 名前: 梶原明生 (ID: UlsZCx61)
「ひめゆり自衛隊」・・・「よって、我々は新日本陸軍義烈空挺部隊を創設し、極秘に研究を進められて今ここにいるというわけである。」沢田一尉のその話に誰も疑問に思う者はいない。時に涙する者もいたくらいだ。神谷三尉は本当にこれでいいのかと自問自答をくりかえすだけだった。・・省略・・目の前に何か小さく動くものを発見してしまった。色グロで、ちょっと小汚い感じの少年が彼をじっと見ている。新垣陸士長はつい辺りを見回したが誰もこちらを見ている者はいない。「どうだ、食うか。」しばらく96式装甲車下でその大きな瞳で彼を見ていた少年は、そろりと起き上がって近寄ってきた。・・省略・・「うめぇー、こんなの食べたの初めてだ。ましやっさ。・・・いや、好きだな俺。」少年の喜ぶ顔を見てにこやかに言う新垣陸士長。「かまわねぇよ。おれも沖縄の者だから。なーふぃん食べ。」・・省略・・岡田二尉は不意にさっきとは違う笑顔で彼に接する。「ハハハッ。つい厳しく言ってすまんな。悪かった。いやーっ、しかし可愛いもんだな。この時代の子供とは思えんよ。俺にも子供が3人いるんだがな、やはりどうしてもこれだけは非情になれない。」そう言って集約胴衣・タクティカルベスト・に入っていたチョコレートバーを取り出して子供に手渡す。仲良く食べている子供を見て、二人が思った事は同じだった。「この子達、死ぬんですよね。このあと。・・・」新垣陸士長が悲しい顔になりながら、ふと洩らした。「バカ言うな。そうとは限らんだろ。きっと米軍にでも保護されて。・・・」「どうしてそう言えるんですか。鉄の暴風と言われた沖縄戦ですよ。きっと、この子達だって、生きていられない。俺達、結末を知っているのに助けられないなんて、子供一人も助けられないなんて、そんなのありっすか。・・・せめてこの子達だけでも本当の事を話しておくべきじゃ・・・」・・・続く。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.38 )
- 日時: 2012/12/13 14:47
- 名前: 梶原明生 (ID: UlsZCx61)
作者からの豆メッセージ・・・ユーチューブもよく見るんですが、その中にlancarさんの陸自特戦群を描いた作品は好きで見てます。装備、編集、ストーリー、背景は否の打ちどころないほどに素晴らしく完璧です。ただ・・・装備類を身にまとっている中身の人間が惜しい。お世辞にも鍛えてる人間のものではなく、女の子かお年寄りが演じているみたいで大変惜しい。役者さんの方がまだましな動きをされると思います。もう少し体を鍛えて、自衛隊員の動きや日本拳法を鍛錬されると宜しいかと思います。それでは更新いましばらくお待ちください。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.39 )
- 日時: 2012/12/15 16:26
- 名前: 梶原明生 (ID: UlsZCx61)
「美幸へ」・・・「よかった。」満面の笑みを返してくれた美幸ちゃんだった。その後、朝食を済ませると殺風景な道場の清掃に取り掛かった。そんな時、若佐工務店からスマートフォンに電話が掛った。「ど、どうしてこの時代にスマホにかけられるんだ。」不審に思いつつも出てみた。「おお、至善君か。すまんが、うちんところまで今すぐ来れるかな。」・・省略・・若佐工務店に向かった。しかし、そこで待ち受けていたものは、身体検査のようなものだった。最後に心電図のような機械にかけられて、電極みたいなパッチを体にいくつも貼られた。「あのーっ、これって一体何の検査なんですか。」若佐社長が答える。「ん、ああ、まぁ、君の健康チェックだよ。気にしなくていい。」「はぁ、そうですか。」その答えに深く考えることもなく、やがて検査は終了した。「今日はこれだけだ。帰っていいけど。・・・何か必要な物はあるかい。」「そうですね。できればイサミのサンドバッグとキックミットに子供用の防具一式とかあれば最高なんですが。」「イサミね。わかった。すぐに用意させよう。」「ありがとうございます。」俺は意気揚揚として若佐工務店を後にした。「・・・うむ。今帰ったよ。堂守、お前の読みが当たったよ。至善の体はこの時代ですでに丸四日経ってるのに何の変化もない。24時間以上過去にいたら死ぬという説は覆ったよ。・・・しかし堂守。お前がこの時代に来た時は驚いたさ。初老の男としていきてたんだものな。しかも未来からの使者とは驚いたぜ。まぁ、とにかくだ。・・・時岡博士に宜しく伝えてくれ。」・・・続く。 「ひめゆり自衛隊」・・・「それは許さん。」その声は幸村二尉だった。彼はいきなり子供に近付いて手に持っていたチョコバーを平手で叩き払った。・・省略・・lav高機動車4台でひめゆり学徒の寄宿舎を見張っていた空挺団と特戦群の隊員は、もうすっかり日がくれた夜のとばりを見ていた。富岡三曹は・・・続く。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.40 )
- 日時: 2012/12/17 16:30
- 名前: 梶原明生 (ID: UlsZCx61)
「美幸へ」・・・俺が帰った後、何も知らない所でそんな会話が交わされていたとは。「わかっている。今はそれを言う時ではない。とにかくしっかり彼を監視していてくれ。今はそれだけだ。」「了解。」この二人は何者なのか。知ることはできない。そして、夕方にポツリポツリと子供たちが集まってきていた。六男、正彦君。五男、勇君。美幸さん、そして三男友成君が、四男、義弘君と四女、加代さんを連れてきた。さすがに妙子さんは来ていない。友成君らしいと思った。教えるなら彼が好ましいと感じていた。気質が自分に近いなと思ったからだ。しばらく掃除をするフリをして見ているだけだったが、上着を脱いで羅心流空手拳法道の至善となった。「はい、皆注目。いいかな。この道場へ来たということは、すでに入門したようなものだから言うが、先ず、道場に入る前に何をした。」・・・続く。 「ひめゆり自衛隊」・・・何となく、慌ただしく聞こえる学徒達の声を聞いていた。本当に60年以上も昔の女性の声なのだろうかと思っていた。・・省略・・しかしその声は何となく寂しげで悲壮感が満ちている。すると、突然。運転席にいる葉室陽介二等陸曹がバックミラーで顔肌のチェックをしながら言いだす。22歳の欧米人のような顔立ちのイケメンだ。「なぁ、富岡。これって無駄じゃねぇか。どうせ南風原陸軍病院まで、全員無事に辿り着くってわかってるのに何で見張りが必要なんだよ。」「さぁ、わかりません。でも用心に越した事はないってことでしょう。」「ふーん、退屈だよなそういうの。」脇で聞いていた後藤曹長が坊主頭の血管をピリピリさせて怒る。「コラッ、何が退屈だ。これが我々の仕事だ。もう少し真面目にやらんか。」「は、はい。すみません。・・・チェッ。」不満そうな顔をしつつも葉室二曹は姿勢を正した。またもや後藤曹長の握力グリップを握る高速音がカチカチ鳴り響く。・・省略・・一方、寄宿舎にいたひめゆり学徒隊の二人、砂川美佐と美紀はほんのわずかな身の回り品と医療品と、学生服をキレイに畳んでリュックに入れていた。最後の時を考えて。・・・同級生の宮城静子が声をかける。「もう時間よ。そろそろ外に出ないと。でも、あなた達二人には色々と世話になったわ。ありがとう。・・・本当に二人ともよく似てる。さすが双子だね。もしもの事考えて二人の顔をよく見せて。」「何言ってるの。必ずまた生きて会える。まだこれからだから、死ぬと決まったわけじゃないわ。」双子の一人、美紀がそう静子を宥めた。「そうだね。天皇陛下が送って下さった、逞しい義烈空挺部隊の方々もいるし、きっとこの戦争、日本が勝つよね。」そう言ってすぐに3人共立ち上がり、見つめ合った。「じゃ、行こう。」「うん。」・・・続く。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.41 )
- 日時: 2012/12/18 17:25
- 名前: 梶原明生 (ID: .8sHsKzk)
「美幸へ・・・突然の質問に戸惑いつつも友成君が応える。「えっ、別に何も。何かあるんですか。」「では何故こんな質問をしたか説明しよう。先ずここは神聖なる道場だ。と言うより、君達がこれから心と体を磨く所なのに、自分の心と体を大事にしない気かい。いや、そんなはずはないよね。だからこれからでいいんだが、道場に入る前に一礼して・入ります。・と一言言ってから入ること。皆分かったかな。」「はい。」・・・続く。 「ひめゆり自衛隊」・・・頷きつつ、寄宿舎の外に出た。辺りはすっかり暗くなり、月光の明かりだけが無数の女学生の防空頭巾姿を映しだしていた。野田校長はじめ、石垣先生、平良先生、西平先生、東風平先生が女学生の指導にあたっていた。いよいよこれより、ひめゆり学徒隊が南風原陸軍病院へ向かう時が来たのだ。・・省略・・沢田一尉が言う。「ひめゆり学徒隊が出発する。歴史通りなら何も心配いらんが、万が一の事もある。一応、我々は二手に部隊を分散して向かう。特戦群と空挺団の一部は先ず第32軍司令部に向かって出発する。・・省略・・そこで牛島中将等と接触して宣撫を行う。その後南風原陸軍病院の三角兵舎前にて合流する。」・・・続く。
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