複雑・ファジー小説
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- 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト
- 日時: 2012/11/10 18:20
- 名前: 梶原明生 (ID: /PtQL6mp)
美幸へ・・・しがない空手拳法有段者の警備員が「金無し大兄妹アイドル」の不運の死を遂げた未来を変えるために、過去へタイムスリップする。 ひめゆり自衛隊・・・沖縄第15旅団の隊員達が実験と称した防衛省の企みにより特戦群と空挺団の策略に巻き込まれ、時空波装置で昭和20年3月23日にタイムスリップする。そこで彼等が見たものは・・・やがて酷い惨状に特戦群の隊員等も心を動かされる。そして新たな希望が・・・2つ交互にお送りするタイムスリップアクション。ダイジェスト短縮版で執筆いたします。・・・原稿は完成済み。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.247 )
- 日時: 2015/11/20 21:28
- 名前: 梶原明生 (ID: x03fhwcN)
「ひめゆり自衛隊」… 「全面地上戦」 6月18日、午前0610時。嵐の前の静けさとはこの事だろうか。昨夜は明滅する照明弾が休むことなく沖縄南方を飛び交って夜襲をかける米軍を助けていた。そんな合間のほんの小休止。摩文仁の沢田一尉等や病院壕の佐藤三尉等も、朝焼けの周囲を見渡していた。…省略…あの神谷三尉が呆然自失の状態で座っていた。無論、そこにはイサムもいた。「なぁ、あんた今ノイローゼにかかってんだってな。俺もそんな感じだぜ。タマーにしか外出してもらえねーし、飯もレトルトばっかだし。無理ねぇっての。」それを聞いてやっと反応したのか、始めて口を開く神谷三尉。「ふっ。…君に一体何がわかるんだ。そんな事じゃない。そんな事じゃないんだ。」…続く。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.248 )
- 日時: 2015/11/26 22:46
- 名前: 梶原明生 (ID: D486Goe5)
「ひめゆり自衛隊」…「じゃあ、何があるってんだよ。」そう反論したイサムをキッと見据えて神谷は無言で訴えた。その目には涙が溢れていたが、それだけで彼には普通とは違う事を理解させられた。無言の空気が流れる中、いきなり96式装甲車の扉が開かれた。外から朝の光と空気が一気に入り込んでくる。「神谷小隊長、おはようございます。元気してますか。って無理っすよね。安心してください。俺別に励ましにきたわけじゃないっすよ。ただちょっと…気晴らしでもしようかと思って。」喋りつつもアサルトパックから慣れた手付きで座席をテーブル替わりにして、銀色のツールを並べはじめた。…省略…銀のカップ二つに色鮮やかな液体が流れ込み、それを合わせてシャカシャカ両手に持って上下に振り始めた。「こう見えても高校時代、メンズクラブでバイトしてて、そん時に俺を贔屓にしてくれた常連のホステスさんとカクテルバーにデートで行って、すげーっマスターがいたんすよ。」…続く
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.249 )
- 日時: 2015/11/27 20:20
- 名前: 梶原明生 (ID: y.72PaHC)
「ひめゆり自衛隊」…「そんで、そこに仕事そっちのけで通って…あっ、でも自分に才能無いってわかったら何か白けちゃったもんでね。それで今はこの世界に。…さっ、出来ました。朝飯前の景気付けの一杯、俺特製のモーニングスペシャル。」プラスチックの透明カップに色鮮やかなカクテルが注ぎこまれて神谷の前にそれを置いた。「ささっ、どうぞ。これ効くんですよマジで。俺好きだった娘にふられた時もこれ飲んで元気取り戻したんすから間違いないっす。」「俺も飲みてぇーっ。」イサムが手を出すとそれを葉室三曹は叩きふせた。「ダメだろオメーは。未成年だろ」「はぁっ、未成年。俺19だっつーの。あんたも同じだろ。」「バカ、俺は22才だ。タメ口きいてんじゃねぇ。」「ちぇっ、ツイてねぇの。」イサムはふてくされて壁に頭をつけた。「ありがとう、いただくよ。…君達から見たら、情けない指揮官に見えるよな。三等陸尉なのにこんなことになって。」カクテルグラスを手にしながら力なく口を開いた。…続く。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.250 )
- 日時: 2015/11/28 20:47
- 名前: 梶原明生 (ID: x03fhwcN)
「ひめゆり自衛隊」…「何言ってんすか、そんな事ないっすよ。誰だってあんな事あったら。…」言いつつ葉室三曹はグラスを傾けて飲み干した。とっ、その時装甲車を揺るがす爆揺が彼等を襲った。「クソッ、もう始めやがった。米軍の攻撃か。」葉室三曹は反射的に88式鉄帽を被って89式小銃を手に持った。「それじゃ、俺戻ります。お大事に。」足早に片付けてアサルトパックを背負って外に出る。それを唇を噛み締めながら悔しい気持ちで見る神谷だった。その頃、摩文仁の司令壕では、木村三尉をはじめとする部隊が牛島司令官や長参謀長等高官を取り囲むように立っていた。…続く。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.251 )
- 日時: 2015/11/30 21:32
- 名前: 梶原明生 (ID: DU.Bh3c8)
「ひめゆり自衛隊」…そして部屋の奥には時限爆弾をセットして置かれていた。「なるほど。もし逆らえばこの爆弾で我等もろともぶっ飛ばすつもりというわけか。」木村三尉が人質を取った側に似つかわしくない態度で応える。「そうであります。ですが本意ではありません。あくまで念のためです。しかし目的は一つ。米軍共を蹴散らすためです。昨日お話したように、先ずは空からの攻撃を絶ち、その後地上部隊による掃討作戦を行います。」落ち着き払って座っている牛島司令官はゆっくり目線を木村三尉に向けつつ問いただした。「して、その戦闘機とはどこから飛んでくるのか。鹿児島からか、台湾からか。」「それにはお応えできません。ですが確実に米軍を粉砕できます。…既に出撃時間です。我々はこれで。」部下を引き連れて壕を後にする木村三尉。途中旧日本軍兵士と睨み合いとはなったがやり過ごした。「203飛行隊、コルセア機とマゼラン機を迎え撃て。空母も攻撃してかまわん。徹底的に空から来るやつは叩いてほしい。」無線で沢田一尉が木許二尉に連絡を入れているところだった。大軍で押し寄せる米軍機に対し、迎え撃つは航空自衛隊の203飛行隊。…続く。
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