複雑・ファジー小説

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美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト
日時: 2012/11/10 18:20
名前: 梶原明生 (ID: /PtQL6mp)

美幸へ・・・しがない空手拳法有段者の警備員が「金無し大兄妹アイドル」の不運の死を遂げた未来を変えるために、過去へタイムスリップする。  ひめゆり自衛隊・・・沖縄第15旅団の隊員達が実験と称した防衛省の企みにより特戦群と空挺団の策略に巻き込まれ、時空波装置で昭和20年3月23日にタイムスリップする。そこで彼等が見たものは・・・やがて酷い惨状に特戦群の隊員等も心を動かされる。そして新たな希望が・・・2つ交互にお送りするタイムスリップアクション。ダイジェスト短縮版で執筆いたします。・・・原稿は完成済み。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.22 )
日時: 2012/11/13 15:57
名前: 梶原明生 (ID: uZAkimhj)

「美幸へ」・・・2「一人が怖かった」 あれやこれやしているうちにいつの間にか勇君、正彦君、そして妙子さん、文子さん、美幸さんだけになった。お父さんの久幸さんは造園業の仕事に繰り出していった。「あれー、しまった。あんたがいたよね。ゴメンゴメン。」いえそんなと返したかったが、すぐ近くで妙子さんが美幸さんを思いっきりツネッているのが見えた。顔が歪むほどに引っ張っている。「コラっ、なにしてるんだ妙子さん・・・いや妙子ちゃん。こんなことしたら痛いだろ。いくら姉妹でも相手の痛みを分るべきだろ妙子ちゃん。」「だって、美幸がムカつくんだもん。」幼子に少々熱くなりすぎたかなと思ったが、つい叱ってしまった。膨れっ面になった彼女は、今度は勇君や正彦君を相手にしはじめた。・・・続く。       「ひめゆり自衛隊」・・・その頃、沢田一尉は三浦真也三曹に尋ねているところだった。彼は同じ特戦群隊員で今年32歳になる。主に通信やハイテク機器を専門とする理知的な男だ。特別発注した眼鏡にインテリ系の顔付が余計そんな雰囲気を出している。「おい、三浦三曹、準備はできたか。」「はい。後は作動させて擬装すれば完成です。」「よし、すぐに作動させろ。日本軍を信じ込ませるにはその特殊通信機が必要になるからな。歴史上、ここは米軍も日本軍も足を踏み入れもしなければ爆撃も受けなかった所だ。ここに設置すれば、沖縄の第32軍司令部の無線機通信や電波、モールス通信に至るまで、我々の都合のいいように変換できる。でないと命取りだ。」・・省略・・「義烈空挺隊じゃなく、天皇陛下直轄の新日本陸軍義烈空挺部隊・・だろ。」「ええ、まさにその通りです。」二人は二ヤリと不敵な笑みをこぼした。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.23 )
日時: 2012/11/14 15:09
名前: 梶原明生 (ID: UlsZCx61)

「美幸へ」・・・それから俺は文子さんに挨拶した後、美幸さんをあとにして、中52町を散策して回った。田舎と言うわりには中流都市の半分くらいの街並みもある。そして渡された電話番号のカードを頼りにある場所を探していた。それは堂守に紹介された若佐工務店である。「仕方ない。ケータイで電話するか・・・ってこの時代スマートフォンの電波帯どころかケータイもまだあのデッカイやつしかない頃だっけ。」・・・続く。       「ひめゆり自衛隊」・・・「あり、三村三曹、おめぇーは話聞かねぇのか。」すれ違いに歩き去る彼に佐川二曹が問う。「ああ、大丈夫。さっき聞きましたよ。」「ふーん。」不審に思いつつも、89式自動小銃を吊れ銃に変えつつ、96式装甲車や高機動車LAV等で作った円陣へと向かう。「灯火を点けろ。」沢田一尉の一言で一斉に暗闇だった場所が急に明るい会議場と化した。「集まってもらったのは他でもない。今のこの状況を見ても、まだ内容が飲み込めない者、不可解に思う者は多々あると思う。そこでようやくその謎が解けたので説明する。三浦、後を頼む。」「了解。・・省略・・何らかの機械的トラブルか、何らかの自然現象かによる偶発的作用により、・・・信じられないかもしれませんが、我々は昭和20年、即ち1945年の3月24日の0330時に来てしまったんです。その証拠がこれです。」そう言って三浦は持っていたノートパソコンを高らかに両手で持ち上げた。そこには確かにデジタル数字で「1945・3・24・0330」と表示されている。さすがの自衛隊員でもかなりのどよめきと驚きの声が上がった。・・・続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.24 )
日時: 2012/12/10 13:28
名前: 梶原明生 (ID: uZAkimhj)

「ひめゆり自衛隊」・・・「一体どういうことだ。」「いくらなんでもそんな馬鹿なことがあるか。」「ゆっ、夢でも見てるんじゃないか。」だれもが口々にそんな言葉が洩れてくる。だが、沢田一尉が一喝すると、さすがにそんな騒ぎも静まっていく。人知と常識を越えたこの事態にあっても、やはり鍛え抜かれた習性がパニックを抑え込む。「いい加減にしろ取り乱すんじゃない。これは紛れもない事実だ。私も三浦三曹から詳しいことを聞くまでは信じられなかった。しかし、これは夢でもなければトリックでもない。その証拠にこの暗がり、この何もない原野は何だ。・・・間違いない。我々は1945年3月24日にいるんだ。」その話に思い出したように神谷三尉が叫ぶ。「1945年ってまさか・・・昭和20年3月の、沖縄戦真っ只中じゃないですか。」新垣陸士長が付け加える。「しかも、3月24日と言えば、ひめゆり学徒隊に従軍命令が下る日・・・」・・省略・・「ちょっと待って下さいよ。勿論今日中に俺達の時代に帰れるんでしょうね。」沢田一尉が冷徹に応える。「それは無理だな。少なくとも2週間はかかる。・・・だが安心しろ。三浦の計算ではこの時空波はコマ切れにやってくる。2週間といってもここでは3ヶ月近くに値する。つまり我々は3日から1ヶ月単位でこの時代を移動できる。しかも好きな所へピンポイントにだ。そして2週間後の大時空波がきた時、我々のいた元の時代へ戻れる。なんせこの時代で過ごす1日は現代のおよそ2分に値する。だから3ヶ月過ごしても3時間ほどにしかならん。だから安心しろ。」「安心しろったって2週間もこんなとこいたら殺されちゃうよ。何でこんな事に。」肩をガクッと落とす吹田二士。近くにいた木村広二三尉が一喝する。・・・続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.25 )
日時: 2012/12/10 13:33
名前: 梶原明生 (ID: uZAkimhj)

「美幸へ」・・・一人呟きつつキョロキョロと街を見回す。すると建材等が置かれている砂利の広場の奥に「岩佐工務店」の文字が書かれた看板が目に入ってきた。「ここか。」俺は一目散に向かった。ガラス戸を開けると5人くらいの男達が工務店らしい作業を行っていたものの、こちらの存在に気付いてから一斉に手が止まった。「社長、例の。・・・」一人がそう叫ぶと奥から上半身だけ作業着のネクタイした初老の男が出てきた。髪は白髪交じりの、ガン黒な中背中肉といったところだろうか。「おーっ、来ると思ったよ。自分の目で確かめたかったんだろ。堂守から話は聞いたよ。」・・・続く。        「ひめゆり自衛隊」・・・「わかったかっ。」「は、はいっ。いえ、了解しました。」思わず返事をしてしまう吹田。「くそーっ、あいつだけじゃねぇー。俺だって今日は愛しの娘や女房と一緒に那覇へ出かける予定だったんだ。」「俺は愛しのデリバリー嬢とヤりまくりた・・・いやいや酒飲みにいきたかったなぁ。」「あーっ、ソーキソバ食べまくりたかったなぁ。」諸岡、佐川、新垣の3名が口々に小声で呟く。「上に何言っても無駄だ。言いたくても全てYESで終わり。意味がないぜ。」高山陸士長が諦めた口調で洩らす。・・省略・・「カラン」と何か物を落とす音が聞こえた。全隊員に緊張の気持ちが駆け巡って思わず89式自動小銃を構えた。「コイツっ、来い。」柄川良幸三尉が招かざる客の首根っこを掴んで沢田一尉の前に突き出す。・・省略・・さて、その男だが。自衛官でないのは確かだ。ダボついたロングTシャツに訳のわからぬ絵や文字がプリントされていて、切れたジーンズにブーツ。・・省略・・赤っぽい茶髪にピアスは5個・・・「何だこのガキは。」「分かりません。気が付いたら96式装甲車の下に隠れていたようで。」そうしているうちに吹田二士が突然叫んだ。「お、お前ーっ、イサムじゃねぇか。」・・・続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.26 )
日時: 2012/11/19 17:36
名前: 梶原明生 (ID: uZAkimhj)

「美幸へ」・・・「え、彼を知っているんですか。」「あー、知ってるも何も仲間だからな。既に段取りは組んである。先ずは住むところだな。今日中にプレハブ住居を作れるよう準備はできてるよ。それから何かあった時の避難場所もここだし、ダミーのバイト先もここに勤めてることにすりゃ問題ねぇ。それから必要な物資も金もここで調達できる。まさにオメーさんの基地みてぇなもんだから、安心して美幸さんとやらの運命に立ち向かいな。応援してるぜ。」・・・続く。        「ひめゆり自衛隊」・・・沢田一尉が彼に近ずく。「お前の知り合いか。」「え、あ、は、はい。高校時代の同級生で・・・」答えてるところでイサムが叫ぶ。「よぉーっ、あんたが隊長か。タイムスリップしたって本当かよ。話聞いてたらジクウが何とかって、昭和20年とかって事だったからよ。俺本当にそんな時代に来たのかよ。なぁ、教えてくれよ。一体あんたら何考えてんだよ。何があったんだよ。」・・・続く。


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