複雑・ファジー小説
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- 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト
- 日時: 2012/11/10 18:20
- 名前: 梶原明生 (ID: /PtQL6mp)
美幸へ・・・しがない空手拳法有段者の警備員が「金無し大兄妹アイドル」の不運の死を遂げた未来を変えるために、過去へタイムスリップする。 ひめゆり自衛隊・・・沖縄第15旅団の隊員達が実験と称した防衛省の企みにより特戦群と空挺団の策略に巻き込まれ、時空波装置で昭和20年3月23日にタイムスリップする。そこで彼等が見たものは・・・やがて酷い惨状に特戦群の隊員等も心を動かされる。そして新たな希望が・・・2つ交互にお送りするタイムスリップアクション。ダイジェスト短縮版で執筆いたします。・・・原稿は完成済み。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.57 )
- 日時: 2013/01/12 17:00
- 名前: 梶原明生 (ID: .8sHsKzk)
「ひめゆり自衛隊」・・・「日本拳法」3月26日0630時。まだオレンジ色の太陽の光が辺りを照らし出してる時、拳が風を切る音が宿営地中に響くようだった。上半身裸ですでに汗だくとなっている一人の男が物干場近くで徒手格闘の訓練に励んでいた。その男とは高山陸士長であった。・・省略・・すると相変わらずヤクザみたいな強面の宗末三曹が仁王立ちで睨んでいた。「あんたが噂の高山陸士長か。」「そういうお前は確か佐藤三尉の所の宗末竜二三曹だったな。」「おう。・・・俺も元村先輩と同じ青森の弘前駐屯地から出た者だ。一度手合わせしてもらいてぇもんだな。」・・省略・・「やめんか、宗末。もう勝負あったんだ。男らしく負けを認めろ。」「畜生っ、あともう一歩、少しの差だったんだ。」悪態をついたものの、柄川三尉の腕を振り解き、無言のまま天幕へと戻っていった。・・省略・・三角兵舎から朝早くに起きていた安座間晶子と、上原光子、上間道子もまたこの様子を見ていた。「いっ、今の見ました。」「うん。あれは空手のようだったけど見たことないような技ばかりだった。あれが本土の空手かしら。」「でもおかしいです。今の寝技なんか見たこともないし、それにあんな高い蹴りなんて。」偶然目撃者となった3人は互いに疑問の気持ちを持った。そこへ、長田則子婦長が3人に向かって用事を伝えた。「あなた達、それを終えたら炊事場を手伝ってくれる。」「はい、わかりました。」3人同時に応えて炊事場に向かった。・・・続く。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.58 )
- 日時: 2013/01/13 14:28
- 名前: 梶原明生 (ID: UlsZCx61)
「美幸へ」・・・5「兄妹闘争」 とんだクリスマスイブだったが、俺は文子さんに感謝した。と同時に美紀子の話相手になってほしいと頼んだ。皆にもこれまで通り接してほしいと。昼間、道場内で若佐社長とスマホで話していた。「それで美紀子ちゃんの証言はいりますか。」「あーっ、心配ない。奴等、別件でも留置してるんでな。その子なしでも立件できる。何せ奴等に付く弁護士はこちら側の人間なんでな、厳重な罰を与えてやるさ。」「できることなら戦わせたいと思ってたんですが。・・・わかりました。自分の立場もありますし、願わくば警察沙汰は避けたいところでした。ありがとうございます。」電話を終わらせて後ろを振り向くと驚いてしまった。「うわっ、ビックリした。なっ、何だ。美紀子ちゃんか。」うつろな目で彼女は立っていた。「ごめんなさい。何か先生と話がしたくなって。今ダメですか。」「いや、そんなことはないけど。でも俺なんかより、お母さんの方がいいんじゃないか。」「うん、でも。・・・先生。・・・」「ん、何だ。」「私に空手教えて。」「ええっ、何だって。」・・・続く。 「ひめゆり自衛隊」・・・朝の陽ざしが快く感じる。もし、現代人なら、それは楽しいキャンプ場の楽しい調理場のようにも見える。でも防空頭巾とモンペ服姿がそれを許しはしない。配給による米と野菜と調味料がこの頃はまだ多目にあった。その頃、近くで高山陸士長が川で体を拭きながら柄川三尉と話していた。「さっきの健闘ぶりはなかなかのものだったな。普連にあんたのような男がいたとは。特戦群に欲しいくらいだな。」「御冗談を。・・・特戦群なんて夢のまた夢。一時期失望して除隊してからはサラリーマンやったり、k-1にも出場したりしましたけどね。」「そうか、やはりあのホークマンと呼ばれた選手はあんただったか。」・・省略・・「ええ、ビルコ・キャップって選手に回し蹴りでやられましたよ。それで北海道から今度は沖縄の駐屯地に行きたくなって。・・・やはりこの世界が性に合ってるとわかったんでね。」「なるほどな。高山陸士長、何かあったら俺を訪ねてきてくれ。何かにつけて優遇するぞ。」「ま、期待せずにその言葉承っておきましょう。」二ヤリと笑みを返す柄川三尉。・・・続く。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.59 )
- 日時: 2013/01/17 08:36
- 名前: 梶原明生 (ID: uZAkimhj)
「美幸へ」・・・唐突だったので驚いた。「ダメですか。」「ダメってことはないけど。何でまた急に。」「先生にたすけられたからっていうのもあるけど、何となく、何て言うんだろ。羅心流空手拳法道を見てたらしたくなったんです。」「わかった。いつでもどうぞ。」その後道場の真ん中に座り込んで、止めどない話に夢中になった。「えーっ、宮沢りえってそうなんですか。・・・何か先生って私と同じ年みたい。全然オジサンって感じがしない。話も合うし。ひょっとして私と年変わらないんじゃないですか。」「えっ、そ、そうかな。・・・」言われてドキッとした。彼女の言ってることは当たっている。もし、現在側にいたら美紀子と同世代だからだ。「ま、まさか。充分オジサンだよ。」「ところで先生。実家はどこですか。卒業旅行で福岡の博多に行く予定だったんですよ。」「そ、それはいかん。」「えっ、いかんってどういう意味ですか。」「いや、その、何だ。いっても大した家じゃないし。父ちゃんも母ちゃんも見られたもんじゃないし。」「なに言ってるんですか。家だって同じようなものですよ。恥ずかしがってどうするんです。」いや、そうじゃないんだ。とは言えず。「はは、そうだな。・・・ところで今夜のおかず何にしようかな。」話を逸らした。・・・「おーい、見ろよ。オバンがアイドルやってるぞ。」梨本が警備室でテレビを見ながらバイト学生に振ってきた。「オバンは言い過ぎでしょ。知ってますよ。昨日突然サウンドステーションに出演してカモリが押してた鹿児島の52島出身の3人子持ちアイドルですよ。」二人の前で、テレビは進行していく。「それではファウスト・アイリスさんに登場いただきましょう。」「faust.airisでーす。よろしく。」5人のママさんアイドルが登場する。「私が、ファウスト・アイリスの発揮人ことエースを勤めます・・・藤崎夢尽美こと夢っちゃんです。」司会者が割り込んでくる。「確か本名は天原美幸さんでしたよね。12人兄弟で執筆も手がけてらっしゃる。」「そうなんですよ。よくご存じで。」これは一体。いつの間にか次元が混ざりはじめていた。・・・続く。 「ひめゆり自衛隊」・・・安座間晶子が飛び出していた。「あっ、安座間さん。」上間道子が声をかけたが遅かった。「あの、私、師範学校予科二年の安座間と申します。先ほどの訓練を失礼ながら拝見しました。・・省略・・本土の方は主に柔道、剣道、銃剣道を重視されているのに高山さんはまるで違ってたものですから。」「ああ、そのなんだ。日本拳法。・・・うん、日本拳法をやってたんだよ。」「日本・・・拳法ですか。」・・省略・・「我々は新しい武術を創ってる最中でね。それで見たこともないんだと思うよ。」柄川三尉が助け舟を出した。「そうだったんですか。お忙しいところお邪魔してすみません。」「いや、いいんだ。それよりも後で君の御同輩が不安げにしているよ。戻ってあげたほうがいいんじゃないかね。」それは上原光子と上間道子の事だった。「わかりました。・・・」会釈を返して彼女は帰っていった。・・・「日本拳法」終わり。 次回「今昔」に続く。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.60 )
- 日時: 2013/01/20 15:16
- 名前: 梶原明生 (ID: UlsZCx61)
「美幸へ」・・・一方、至善側ではすでに年越しが済み、52島もすっかりお正月気分になっていた。新春初稽古と称して外で寒稽古を行い、美幸さん達と共にお雑煮を食べた。「よーし、皆もういい、道場に入れ。」そう言って促すと、俺は中にあった段ボール箱に近寄った。「さぁ、すまんがお年玉はない。が、その替わり皆にプレゼントがある。ほら。」その中にあったのは、皆分の道着とヘッドギア、ボディプロテクター、グローブ、金的ファールカップ、レッグサポーターだった。「うわーっ、スゲー。」友成と義弘が感嘆の言葉を投げかける。そして最初に俺が手に取ったのは、・・・美幸さんの道着だった。羅心流空手拳法道としっかり左胸に刺繍が施されている。「はい、美幸。おめでとう。」「ありがとう。」彼女はうれしそうにその道義を取った。それからというもの、アッと言う間に夜は更けて、貧乏とはいえ天原家もこのときばかりは派手に賑やいでいた。道場と家を親戚筋の人達のために開放していたが、家の方ではお年玉渡しが始まっていた。勿論、美幸さんにも渡されたが、何故か彼女は妙子さんと道場側に消えていった。「ん、どうしたんだろう。」宴たけなわだったが、気になって二人を追った。「ねぇ、美幸。一個とこれ二個と交換したげる。それから紙よりコインの方が高いんだよ。」それを見て妙子が何をしているのか分かった。・・・続く。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.61 )
- 日時: 2013/01/17 12:33
- 名前: 梶原明生 (ID: uZAkimhj)
「ひめゆり自衛隊」・・・「今昔」 3月27日1325時。 無論、それは普通のラジコン機ではない。防衛省技術研究本部との協同で開発したマイクロUAVとMFIだ。UAVはオートジャイロで飛行し、高度6000メートルまで上昇でき、CCDカメラを内蔵していて、データ伝送通信機で地上の状況を細かく分析して部隊の本部へ映像とデータを送ってくる無人偵察機だ。主に長距離、広範囲の戦況を偵察する目的で使用することになっている。MFIは言わばその小型版で、羽根は電圧をかけると歪む電圧アクチュエーターによって羽ばたくシステムになっている。UAVで賄えない、小さな範囲や建物や地下の捜索。索敵や隊員の替わりに敵を探ることのできる偵察機である。・・省略・・LAV高機動車の上には大きく縦に設置された低空レーダー装置が競うように稼働している。パラボラアンテナのようなレーダーで、低空を飛んでくる航空機を感知できる代物だ。・・省略・・それを何故か嬉しく思いながら扱う男達がいた。田丸行伸二曹と三浦三曹である。田丸二曹は元々自衛官を目指していたわけではなかった。ノーベル賞でも取れる電子工学博士になるのが夢だった。大学卒業後は大学院へ進む予定だったのだが。・・・続く。
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