複雑・ファジー小説

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美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト
日時: 2012/11/10 18:20
名前: 梶原明生 (ID: /PtQL6mp)

美幸へ・・・しがない空手拳法有段者の警備員が「金無し大兄妹アイドル」の不運の死を遂げた未来を変えるために、過去へタイムスリップする。  ひめゆり自衛隊・・・沖縄第15旅団の隊員達が実験と称した防衛省の企みにより特戦群と空挺団の策略に巻き込まれ、時空波装置で昭和20年3月23日にタイムスリップする。そこで彼等が見たものは・・・やがて酷い惨状に特戦群の隊員等も心を動かされる。そして新たな希望が・・・2つ交互にお送りするタイムスリップアクション。ダイジェスト短縮版で執筆いたします。・・・原稿は完成済み。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.277 )
日時: 2017/02/02 01:06
名前: 梶原明生 (ID: Xc48IOdp)  

「ひめゆり自衛隊」…「えっ…」意外な応えに神谷ノブ子は驚いた。「でも余計なことは考えなくていいよ。悪いようにはしないから。ただ黙ってついてきてほしい。今言えるのはそれだけだ。さぁ、少し横になってた方がいい。」「はい。わかりました。」神谷三尉は彼女を折り畳みベッド(陸自仕様)へ促した。再び彼はゴツゴツした岩場に座り場を見つけて、89式小銃の銃口を上向きにし、肩に抱いて仮眠を取った。嵐の前の静けさが辺りを包む。午前5000時。仮眠していた皆を揺り起こして支度をさせた。…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.278 )
日時: 2017/02/08 01:49
名前: 梶原明生 (ID: W4UXi0G0)  

「ひめゆり自衛隊」…吉川三曹はMFIを取り出して稼動させ、壕入り口周辺を探らせた。「先に指示した通り、ガスマスクをしっかり被るんだ。但し指定した者のみ被れ。わかったな。」「はい。」神谷ノブ子も上間道子も屋良ヨシも、突然の命令に戸惑いながらも、返事を返した。初夏とはいえ、朝早いほんの涼しい時、熱い戦いは刻一刻と迫っている。「こちら82式指揮車の三浦。UAVの熱探知画像からして、そちらに米軍部隊が向かってる。到着まで約3分。」「了解、確認した。これより作戦開始する。」無線連絡に応える元村一曹。LCD画面を見ながら吉川三曹が言う。「来ました。UGVを行かせますか。」「まだだ。慌てるな。ガス弾を投げこまなければ史実に反する。事はそれからだ。皆も決して発砲するな。」「了解。」全隊員に緊張が走る。「ヘイッ、デーテコーイ、デーテコーイ、コロシマセン、ナニモシナケレバ、タスケマース。」予想通りの降伏勧告。無論誰一人出る者などいるはずがない。それから数秒も経たずに金属製の物体が壕の中へ投げ込まれた。ガス弾である。「今だ、吉川三曹、外のUGV。」「了解。」元村一曹の掛け声と共に、壕の外の茂みに擬態して隠しておいた三機のUGVを一気に稼動し、数十人に及ぶ米軍兵を捕らえた。ダダダダーンと急に後ろから一掃射撃されては成す術もなくなぎ倒されていく。「前へ。テーッ。」元村一曹等もまた防護マスク4型を被った格好で89式小銃や、ミニミ軽機関銃を構えてサーモグラフィックスコープで、米軍兵の残存兵を捕らえて引き金を引いた。「掃討完了、これより、ひめゆりを連れ出す。」元村一曹や高山陸士長、そして神谷三尉等は外に出て索敵を行い、本部に無線連絡を入れた。…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.279 )
日時: 2017/02/14 22:20
名前: 梶原明生 (ID: q6woXfHh)  

「美幸へ」…義弘と早紀さんがいると、わざと大声で罵声を浴びせたり、お風呂に入ろうとしたら栓を抜こうとしたので、待ち伏せしていた俺が止めた。「んっ、誰かいるの…」早紀さんが気付いた様子なので、慌てて口を塞いで道場まで美幸さんを連れ去った。「バカっ、美幸お前自分が何してるのかわかってるのか。」「何で先生邪魔するの、あの女の味方するの。」「違う。」「じゃあ何で。」俺は息を飲み、心をおちつかせて話した。「いいか、確かにお前が義弘兄ちゃんを好きなのはわかる。それを奪った形で早紀さんがいるわけだから、腹立たしいのもわかる。だが逆の立場ならどうだ。美幸だって好きな人がこれから出来て、その家族から同じ仕打ちを受けたらどうだ。悲しいんじゃないか。」しばらく黙り込んだ美幸さん。「とは言え、納得はいかないだろうから、意地悪はするな。ただしその代わり、意見はしていい。それでどうだ。」彼女は仕方なく小さく頷いた。…続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.280 )
日時: 2017/02/17 15:26
名前: 梶原明生 (ID: 0zy7n/lp)  

「ひめゆり自衛隊」…見慣れたとはいえ、米軍兵士の無惨な姿を見て言い知れぬ吐き気を感じていた。「よし、今だ。ひめゆりを壕から連れ出せ。」元村一曹が全員に指示する。「待って下さい、私も連れてってください。」「自分もお願いします。」「私も…」神谷三尉等が、ひめゆりの生徒を外へ連れ出そうとした時に、壕の中にいた傷病兵や一般患者等が口々に彼等に哀願してくる。高山陸士長が叫ぶ「気持ちはわかる。だが君達を連れていくわけにはいかないんだ。」彼もまた心痛耐え難い思いで訴えたが、その脇からせり出すように神谷三尉が叫ぶ。「皆、聞いてくれ。この壕に残っても、決して死ね事も国に恥じることもない。青酸カリを渡されても飲むな。米軍が来ても逆らうな。彼等は決して君達を殺さないし、辱めもしない。頼むから


生きてくれ。生きてくれ。



俺のこの言葉を心に刻んでいてくれ。」「神谷三尉、何てこと…」吉川三曹が神谷三尉に向かっていくところを高山陸士長が抑えた。「吉川三曹、言わせてやって下さい。」彼も自然と高山陸士長に従った。壕の中の人々は先程と打って変わって沈黙する。「さようなら。」神谷三尉はその一言で壕を後にした。「元村一曹、申し訳ありません。」「何の事です。…何も謝る必要はないですよ。さっ、時間が押してます。急ぎましょう。」「元村一曹…」彼の背中姿を見つめつつ、先を急ぐ神谷三尉であった。
次回 「激戦地」に続く。

Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.281 )
日時: 2017/02/21 17:16
名前: 梶原明生 (ID: 70vEHkeO)  

「ひめゆり自衛隊」 「激戦地」…昭和20年6月20日 午前0230時。摩文仁と東辺名付近に宿営地を置く陸上自衛隊第708実験中隊は、23日の大時空波まで米軍の進撃を食い止めるため、ほぼ旧日本軍との連合軍と化して応戦していた。沢田一尉の指示により、意外にも戦況がよくなりはじめた事に日本軍も志気が上がった。しかし難しいのは、あまり攻撃を強めると史実に反するし、弱めれば進撃される。その調整に四苦八苦していた。そして。…佐藤小隊長率いる空挺団と特戦群混成部隊が、暗視ゴーグルと熱探知スコープを用いつつ、銃口を向けて進撃している所だった。シュルルと音を立てて次から次へと米軍の照明弾が上がる。「照明弾を撃ち落とせ。」これで、沖縄の空に夜間が戻ってくるのだが、それは米軍にとって悪魔の闇でもあった。こうなったら陸上自衛隊第708実験中隊の独壇場である。155ミリ加農砲が火を吹いても、ほとんど当たらない。幸村二尉率いる特殊部隊が、加農砲を叩く。その間に前線に進出している米軍歩兵を片付けていく。「テーッ。」佐藤三尉の班が、熱探知スコープに捕らえた赤い人影を次々に撃ち殺していく。米軍歩兵も応戦するも、火花が散った銃火を目印にした所でその時はすでに移動している。「クソーッ、どこだ、どこから撃ってくる。」言ってる間に一人、また一人と米軍歩兵は倒れていく。そしてパンツァー110ミリ対戦車砲が、155ミリ加農砲を次々破壊していった。「へっ、そんなとこ隠れたって丸見えだぜ。」地賀谷一曹がコルトM4A1の銃口を向けて引き金を引く。「よし、田丸二曹、援護しろ。」「了解。」…続く。


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