複雑・ファジー小説
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- 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト
- 日時: 2012/11/10 18:20
- 名前: 梶原明生 (ID: /PtQL6mp)
美幸へ・・・しがない空手拳法有段者の警備員が「金無し大兄妹アイドル」の不運の死を遂げた未来を変えるために、過去へタイムスリップする。 ひめゆり自衛隊・・・沖縄第15旅団の隊員達が実験と称した防衛省の企みにより特戦群と空挺団の策略に巻き込まれ、時空波装置で昭和20年3月23日にタイムスリップする。そこで彼等が見たものは・・・やがて酷い惨状に特戦群の隊員等も心を動かされる。そして新たな希望が・・・2つ交互にお送りするタイムスリップアクション。ダイジェスト短縮版で執筆いたします。・・・原稿は完成済み。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.257 )
- 日時: 2016/02/04 17:00
- 名前: 梶原明生 (ID: eVM80Zyt)
「ひめゆり自衛隊」…岡田二尉は各部隊に次々に部隊に指令をくだしたが、最前線にて戦っている部隊には通達できないと知り後退を指示した。が、すぐそばに来ていた鉄血勤皇隊の銀条正人が82式装甲車に向かって叫んだ。「自分が伝達にいきます。」「おっ、おい待て行ってはならん。」ついスピーカーのマイクを取っていたが、聞くふうもなく銀条は前の茂みへと走っていく。ここで本来なら無視しなければいけないのだが、岡田二尉にそれはできなかった。「三村三曹、宗末三曹、一緒に来い。柄川三尉、後の指揮を頼む。」「一体どこへ。岡田二尉。」「銀条を連れ戻す。これ以上死なせるわけにはいかん。」…続く。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.258 )
- 日時: 2016/02/11 21:27
- 名前: 梶原明生 (ID: x03fhwcN)
「ひめゆり自衛隊」…彼をここまで行動させたのには6月17日の出来事が関係していた。摩文仁の司令壕襲撃の後、銀条と再会した時は待機中だった。「よぉ、銀条。久しぶりだな。」「はい、お久しぶりです岡田ニ尉。」「比田と新島も元気か。」聞くべきでなかったと思うには遅すぎた。「比田も…新島も…伝達の時に砲弾や機銃掃射で死にました。同級生で残っているのは私だけです。でも、二人の死は無駄にはしません。私も最後まで戦い抜くつもりです。「そ、そんな…死んだなんて…」それが彼に行動を起こさせる原因にもなっていた。「総員、岡田ニ尉の部隊を援護しろ。」柄川三尉は仕方なく持ち場にいる全隊員に告げた。…続く。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.259 )
- 日時: 2016/02/15 19:59
- 名前: 梶原明生 (ID: y.72PaHC)
「美幸へ」…それからやがて、三女の加代の姿が見えないことが多かった。彼女は見栄っ張りでシャイなところが多く、そこを正そうとするのだが、なかなか治らない。ドアが開いてるとクラスメートに、この家に住んでいるのが見られたくないのか、美幸さんに「閉めろよ。」と怒鳴ることがあった。「コラ、見えたからって何だ。お前は本当に恥ずかしいことを知らんのか。家がボロい、貧乏だ、みすぼらしい、だが本当に恥ずべきことはそんなことじゃない。人に隠れて汚いことをする、悪いことをする奴らこそ恥ずべきことなんだ。そう教えたはずだが。」加代はポケットの箱を握りしめて、険しい表情になった。「わ、わかってるよ。」そう言ってトイレに逃げ込んだ。「美幸っ、誰も入れないように見張ってな。」加代はそう吐き捨てるように言うと、ドアをピタリと閉めた。そこへタイミング良く友成が家に入ってくる。「どけっ。」友成はつい勢いよく美幸さんを突き飛ばす。…続く。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.260 )
- 日時: 2016/02/16 21:11
- 名前: 梶原明生 (ID: x03fhwcN)
「美幸へ」…それを知っていたからこそ俺は後ろで美幸さんを支えた。「友成、いくらなんでも女の子を突き飛ばすとは何事か。」「先生は黙ってて下さいよ。これは身内のことです。」そう言いつつトイレのドアを叩いた。「わごーっ、ふざけんなっ、開けろ。」物差しで軽い鍵を開け、加代を引きずり出した。「何だこれは。わごーっ何才だ。」友成の手に握られていたのは紛れもなくタバコの箱であった。加代が吸おうとしていたのだ。「もう嫌だ。私この家出ていく。こんなとこ嫌いだ。」「待て、コラっ。」友成が追いかけるのを制する俺。「待てっ、俺が行く。お前は美幸ちゃんを見てやれ。」飛び出した俺は加代の後を追った。…続く。
- Re: 美幸へ。ひめゆり自衛隊。混合ダイジェスト ( No.261 )
- 日時: 2016/02/18 20:27
- 名前: 梶原明生 (ID: hwITajaP)
「ひめゆり自衛隊」…穴ぼこだらけになった土地に足を取られそうになりながら、岡田二尉等は荒廃した民家や亀甲墓等を遮蔽物にしながら前進した。砲弾が炸裂するなか、やっと銀条の背中に追いついた。「銀条っ、もういい、行くな。」彼の背中を掴みながら岡田二尉は叫んだ。「申し訳ありませんが、それだけは聞けません。伝達が私の使命である以上、最前線で戦っている人達を見捨てて私だけ後退する事などできません。行かせて下さい。」その真剣な眼差しに岡田二尉は驚いた。…省略…「わかった。そこまで言うなら仕方ない。但し、…我々も行く。行き先を指示しろ。三村三曹、宗末三曹、ついてこい。」血相変えた三村三曹が驚く。「ちょっと待ってくださいよ。そこまで義理立てる理由ないっしょ。何でわざわざ死ぬかも知れない所へ…」言いかけたところでストイックな宗末三曹が横槍を入れてくる。「恐ぇーのか。そんなにビクついてんのか、あんたは。同じ空挺団が聞いて呆れるぜ。」…続く。
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