二次創作小説(新・総合)
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- 【オリキュア】メモリアルプリキュア!
- 日時: 2017/08/01 23:00
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
初めましてかこんにちは!愛です!
本日からはメモリアルプリキュアというオリキュア小説を書きたいと思っています。
基本テンションとノリに任せて書くのでグダグダすると思いますが、楽しんでいただけると幸いです。
それでは、よろしくお願いします。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.214 )
- 日時: 2018/01/27 22:09
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第33話「おじいちゃんの秘密?Adessoに隠された真実!」4
それから私は、リコルンに色々聞いた。
この世界に来た原因。リコルン自身が何者なのか。メモリアとは何なのか。その他諸々。
正直、おとぎ話か何かと思ってしまえるような話だ。
しかし、リコルンという存在そのものがすでにありえないような存在だから、否定できない。
「なるほど……では、君はこれからロブメモワールが向かった世界に行ってその活動を止めるのかい?」
「そうリコ。……リコルンが、ロブメモワールを止めないといけないリコ」
真剣な表情でそう言うリコルン。
それに、私は自分の手を見つめた。
こんなに小さな生物ですら、自分のやるべき使命を見つけている。
それに比べて、私には……何ができるだろう?
「……なぁ、リコルン?」
「何リコ?」
「私にも、何か……協力できることは無いか?」
私の言葉に、リコルンは驚いたように目を丸くした。
すぐに私はリコルンの手を握り、続ける。
「私も君のその活動に行動したいんだ! だから……!」
「……修太郎のその気持ちは嬉しいけど、でも、これはリコルン達の問題リコ。だから……遠慮しておくリコ」
リコルンの言葉に、私はその小さな手を離して、「そうか……」と呟くように返した。
これ以上リコルンを引き留めておくべきではない。
すぐに私達は別れ、それぞれ自分がやるべきことのために動き出した。
それから日本は敗戦し、戦争は終結した。
私はその後の戦いの中で右目の視力を落としたが、それ以外は目立った後遺症も無く、故郷に帰ることが出来た。
もう兵士として戦場を駆けまわる必要もない。
それが分かった瞬間、私は、自分の心にぽっかりと穴が空いたような感触を覚えた。
しかし、それからだった。
私の目に……メモリアが見えるようになったのは。
原因としては、恐らく、リコルンとの接触が一番の原因だろう。
そしてもう一つの原因としては、右目の一時的な失明。
右目の視力が回復していく過程で、恐らく、リコルンとの出会いからメモリアの干渉を受けるようになったのだと思う。
メモリアと言うのは、云わば人の魂のようなものだ。
今まで生きて来た人生か生まれる記憶や知識。
それらがメモリアとなり、人々を支える。
メモリアが見える生活に慣れてくる頃には、私は、メモリアをある程度扱えるようになった。
あくまで自分の中にあるメモリアだけだが、それを物に込めたり出来るようになった。
しばらくしてメモリアの扱いに慣れてくると、私は、それを使って何か出来ないだろうかと考えた。
そして始めたのが、アンティーク時計ショップ。
元々手先は器用な部類だし、機械を直したりするのは得意だった。
だから壊れた時計や、使えなくなった古い時計などを引き取って修理し、売るようになった。
時計とは、その持ち主の人生を刻むもの。
中にはメモリアがたくさん籠っており、それを修理の際に逃げないようにしながら、私はアンティーク時計ショップAdessoを経営していった。
Adesso、というのは、イタリア語で今という意味がある。
全ての人達の今を刻む時計を作る。
そんな思いを込めて、Adessoという名前を付けた。
Adessoは想像以上に繁盛し、気付けば、時見町の人気店になった。
私も、多くの人々の人生を刻む時計を作れて満足だった。
しかし、今こうしている間にも、リコルンがロブメモワールと戦っているのだろうと考えると、居ても立っても居られなくなった。
しばらくして結婚し、妻が出来る。
子供も生まれ生活が安定してくると、徐々に時間ができ始めた。
妻は私の仕事を支えてくれるし、子供も無邪気なもので、家事などは自分から率先してやってくれたのだ。
時間が出来ると、私はとある時計を修理し始めた。
それは、持ち主がその時計を凄く大事にしていて、完全に中身が故障したものだった。
しかし中に籠っていたメモリアは濃厚で、私はそれらを使って一つの置時計を制作していた。
リコルンから聞いた、プリキュアと言う存在。
色々適性などはあるが、大抵は中学生くらいの少女がなる場合が多いらしい。
恐らく、心が純潔で、一番メモリアが綺麗な時期だからかもしれない。
……あくまでもしもの話だ。
もしもまだリコルンが戦っていて、プリキュアという存在があるのなら、私はそのプリキュアに協力したい。
そこで考えたのは、メモリアを増幅する装置。
メモリアを込めればそれを増幅させて、少しでもロブメモワールとの戦いを楽にするもの。
もしリコルンとロブメモワールの戦いが終結したならば、それで良い。
結局これは、私の自己満足でしか無い。
その時計の制作には、何十年も掛かった。
気付けば子供は結婚し、孫まで産まれていた。
もしもロブメモワールによってこの世界からメモリアが奪われたら、この日常も奪われる。
その想いが、意味が無いかもしれない時計の制作の手を進めさせた。
どうやらリコルンとロブメモワールとの戦いは何十年も経った今でも終結していないらしい。
それを知ったのは、リコルンが説明してくれた記憶世界とこの世界の結合が起こった時だった。
どうやら私はリコルンとの接触や、メモリアの扱いを知っていたことから、その結合には巻き込まれなかったらしい。
その時には、私はAdessoの経営は息子に譲り、時計の制作が佳境に入った頃だった。
急がなければ。その想いから、私は時計を完成させた。
その頃には、孫もプリキュアになってもおかしくない年齢だった。
だから、デザインは孫が喜ぶようにと、可愛らしいデザインを心掛けた。
完成した頃、ちょうど記憶世界との結合が起こっていた。
今頃どこかでリコルンがプリキュアと共に戦っているのだろう。
流石にあの時計を運んでリコルンを探す体力は無かったので、儂はリコルン自身を探すことにし、店の方に出た。
そしてそこでは……孫である杏奈が、化け物に襲われそうになっていた。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.215 )
- 日時: 2018/01/28 17:38
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第33話「おじいちゃんの秘密?Adessoに隠された真実!」5
<セフト視点>
「はい、どうぞ」
「あ、ありがとう……ございます……」
優しい笑みと共に差し出された紅茶に、俺はお礼を言う。
紫音はそれに嬉しそうに笑い、俺の向かい側に座った。
それから自分の紅茶を啜り、俺の顔を見た。
「それで、えっと……それはコスプレか何か……?」
紫音の言葉に、俺は自分の格好を見下ろす。
まぁ、プリキュアの服ってほとんどコスプレみたいな感じあるから、一般人から見れば違いは無いか?
しかし、コスプレと言われると、途端に恥ずかしくなってきた。
「わ、私、の、故郷では……これが普通の服、なんです……」
ひとまず、会話を濁すようにそう言ってみる。
すると紫音は目を丸くした。
「そ、そうなの!? ごめん。コスプレなんて言って……」
「いえ、気にしてないので、大丈夫」
「そ、そっか……」
そう言って安堵したような表情をする紫音。
彼の表情にざわつく心を収めつつ、俺は紅茶を啜った。
温もりが喉を通り、腹の奥に溜まって行く。
湯気が俺の瞳を湿らしたような感覚がして、つい目を細める。
「……それで、君はなんであそこで、その……ボロボロになっていたんだい?」
紫音の言葉に、カップを握る力が強くなる。
コイツに全てを説明する?
……流石に女装癖があるとか思われたら嫌だなぁ。
俺はそう思いながら、カップを置いた。
「……あまり、話したくないです……」
出来るだけ弱々しい演技をしながらそう言ってみると、紫音は「あ、そっか」と言ってうなじの辺りを掻く。
それから俺を見て、申し訳なさそうに笑った。
「なんか……ごめんね? 初対面なのに、ズケズケと聞いちゃって……」
「いえ、良いんです。……むしろこうやって家に上がらせてもらって、感謝しないと」
俺がそう言ってみせると、紫音は「そっか」と言って嬉しそうに笑った。
彼の笑顔に、胸がざわつく。
精神は体に依存する。
そんな言葉を聞いたことがある。
今、俺の体は女だ。
つまり……俺の心が少しずつ、女に近付いているのかもしれない。
俺のメモリアを修復しているのが今行杏奈のメモリアであることも関係しているのかもしれない。
もしメモリアの修復が長引けば、さらに俺の精神に悪影響を及ぼすかもしれない。
そう思った俺は、その思考を他に逸らすように、リビングにあるピアノを見た。
「あぁ、そういえば……貴方はピアノを弾くのですか?」
「え? ……あぁ。まぁ、少し」
「まぁ。それは是非聴いてみたいです」
俺の言葉に、紫音は困ったような笑みを浮かべた。
しかしすぐに立ち上がり、ピアノの前に座る。
「分かった。……何かリクエストは?」
「……何でも。貴方が好きな曲で」
「ん……じゃあ……」
そう言って、紫音はピアノを弾き始める。
音楽療法、というのを聞いたことがある。
詳しくは覚えていないが、音楽には怪我を癒す効果があるとか。
そしてそれは、メモリアにも該当する。
少しでも、メモリアの修復を早くするためにも、藁にも縋る思いで考えたことだ。
しかし……本当にコイツは、無駄にピアノが上手いな。
心の中でそう思いながら、俺は目を瞑り、いつしか彼の奏でる音に聴き入っていた。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.216 )
- 日時: 2018/01/28 23:24
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第33話「おじいちゃんの秘密?Adessoに隠された真実!」6
<杏奈視点>
全ての説明を聞き終えた私達は、何も言うことが出来なかった。
おじいちゃんはずっと……こうなることを、予測していたのだ。
この世界がロブメモワールに襲われ、そして、リコルンとまた再会することを。
いや、予測していたというよりは……信じていた?
リコルンとの、再会を。
しかし、一つだけ気になることがある。
私は挙手をして、口を開く。
「あのさ……おじいちゃんが作ったその時計を、なんでリコルンが知っていたの?」
私の言葉に、おじいちゃんはリコルンを見た。
するとリコルンは姿勢を正し、口を開く。
「……メモリー王国には、代々語り継がれる宝具、アムールパンデュールがあるリコ。それは、メモリアを増幅させる能力があるリコ。……そして、修太郎が作った時計は、伝説にあるアムールパンデュールの見た目に似ていたリコ」
「……つまり、杏奈のおじいちゃんが作った時計が、たまたまメモリー王国の伝説の道具だったってこと?」
「そういうことじゃな」
おじいちゃんの言葉に、リコルンは頷く。
……何だそのご都合主義。
しかし、現実は小説より奇なり、とも言うし。
現実というものは、小説なんかより都合が良くて、伏線なんか無い……そんな、突拍子の無いものなのかもしれない。
「……まっ、これで事情は分かったよね」
パンッ、と胸の前で手を打ち、瑞樹ちゃんはそう言った。
それから立ち上がり、星華ちゃんと月乃ちゃんを立たせる。
「それじゃあ、今日は急に上がって申し訳ありませんでした。お邪魔しました」
「ちょ、ちょっと瑞樹さん!?」
「み、瑞樹!?」
「では、あとは祖父と孫でごゆっくり~」
動揺する二人の背中を押し、瑞樹ちゃんは部屋を出て行く。
リコルンも慌てて三人の後を追いかけて、部屋から出る。
二人きりになると、途端に緊張してしまう。
「……本当はな、もっとお前を可愛がりたかったよ」
ポツリ、と。おじいちゃんはそう言った。
見ると、おじいちゃんは慈愛が籠った目で私を見ていた。
それから私の頭に手を乗せ、優しく撫でる。
「だが……儂は目的と手段を、見誤っていた。お前を守るために、あの時計の発明に打ち込んでいたら……気付いたらお前は、こんなに大きくなって……」
「……おじいちゃん……」
「だから……これからは、いっぱいお前を構ってやれる」
おじいちゃんの言葉に、私はどう言えば良いのか分からず、口をパクパクさせる。
そんな私を見ておじいちゃんは微笑み……私の体を抱きよせた。
「あっ……」
「ずっと、構ってやれなかった……ずっと、構ってやりたかった……だから、これからはお前を、もっと見てやる」
「おじいちゃん……んっ!」
私は頷き、おじいちゃんの体を抱きしめる。
気難しいと思っていたおじいちゃん。
でも、優しくて、私を想ってくれていたおじいちゃん。
そのおじいちゃんの体を、私は強く抱きしめた。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.217 )
- 日時: 2018/01/28 23:30
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
間話
瑞樹「そういえば本編の中で全然ツッコまなかったけど、一つ良い?」
リコルン「何リコ?」
瑞樹「杏奈のおじいちゃんとリコルンが出会ったのって、第二次世界大戦の最中だよね?」
リコルン「そうリコ」
瑞樹「第二次世界大戦って終わったの今から70年くらい前なんだけど?」
リコルン「……」
瑞樹「下手したらもっと」
リコルン「……」
瑞樹「もう一つ質問良いか?」
リコルン「……」
瑞樹「メモリー王国がロブメモワールに襲われたの……いつだ?」
リコルン「勘の良いガキは嫌いリコ」
本編で多少ツッコもうと思ったけど触れずに終わっちゃったからここで消費
ロブメモワールとの戦いがどれくらい続いているのかは読者の皆様のご想像にお任せします
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.218 )
- 日時: 2018/01/29 23:14
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第34話「月乃大奮闘!プリキュアが子供になっちゃった!?」1
<月乃視点>
セフトの大々的な作戦だとか、杏奈のお祖父さんからお話を聞いたあの日から、一週間程度経った。
まぁ、セフトの作戦の方は、私はほとんど覚えていないのだけれど。
とはいえ、プリキュアをしている三人にとってはかなり大変だったし、今週末は羽を伸ばして皆で遊ぼうという話になったのだ。
待ち合わせ場所に向かっている時、隣を歩いていた星華が「あっ」と声を漏らした。
「ん? どした?」
「しまった……家にスマホ忘れて来ちゃった……」
「何やってんの」
私が呆れながら言うと、星華が「どうしよう!」と焦った様子で言う。
星華の場合、突然仕事の連絡とか入ったりするし、スマホは手放したらいけない。
とはいえ元々は星華だってリラックスするための遊びだし、ここは姉として、少し頑張るか。
「分かった。じゃ、私スマホ取って来るから、先行きなよ」
「え、でも……」
「ここから戻ってまた行くの、疲れるでしょ。星華はプリキュアだけじゃなくて仕事もあるんだし。ここは、私に任せんしゃい」
そう言って自分の胸を軽く叩く。
すると星華は顔を綻ばせ、「ありがとっ」と言って、待ち合わせ場所に向かって駆け出す。
その後ろ姿を眺めてから、私は家に向かって走った。
<シーフ視点>
たまにはメモリアでも集めようか、と、私は外に出てみた。
あまり杏奈とは敵対したくないのだけれど……ボウキャーク様の為だ。
渋々外に出て彼女を探して見ると、杏奈は公園のような場所で、前原瑞樹と何かを話していた。
私は近くの家の屋根に降り立ち、二人の会話に耳を傾ける。
「なんか、久しぶりにのんびり遊ぶ気がする」
「ははっ……最近ロブメモワールに邪魔されっぱなしだからね~。ま、たまには羽目を外してパーッと遊ぼうよ!」
ロブメモワールが全部悪いような言い方に、私はムッとする。
それにしても、羽目を外して遊ぶ、か……。
前原瑞樹の言葉を脳内で反芻していた時、後宮星華が公園に入ってくるのが見えた。
「おー。セッチー。……ツッキーは?」
「お姉ちゃんは、私の忘れ物を取りに行ってもらっちゃってて、先に行っててって」
「じゃあ月乃ちゃんが来るまで、もう少し待ってよっか」
そう言ってはにかんだような笑みを浮かべる杏奈に、二人も頷く。
まぁ、プリキュアでもない後宮月乃は戦力にすら入らないから、とりあえず計算には入れない方向で。
……羽目を外して遊ぶなら、もう少し目いっぱい楽しめるように、少し協力してあげようかしら。
「フフッ……」
私は三人のメモリアに集中して、指を鳴らした。
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