二次創作小説(新・総合)
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- 【オリキュア】メモリアルプリキュア!
- 日時: 2017/08/01 23:00
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
初めましてかこんにちは!愛です!
本日からはメモリアルプリキュアというオリキュア小説を書きたいと思っています。
基本テンションとノリに任せて書くのでグダグダすると思いますが、楽しんでいただけると幸いです。
それでは、よろしくお願いします。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.259 )
- 日時: 2018/04/01 23:39
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第40話「バーグラーと月乃!?二人きりの補習授業?」2
……なぜ、俺は、敵であるキュアフューチャーの家に上がっているのだろうか。
台所から漂ってくるコーヒー豆のニオイを嗅ぎながら、そんなことを考える。
現在、俺は後宮家に上がっている。
リビングのソファに腰かけ、部屋を物色する。
……ごく普通の、ありふれたリビングだ。
「どうぞ。ホットコーヒーです」
その時、俺の前にあるテーブルに、コーヒーが置かれた。
コーヒーの苦みのあるニオイが鼻孔をくすぐり、美味しそうだと感じた。
「ありがとう。凄く美味しそうだな」
そう言いながらコーヒーカップを取り、啜る。
苦い味の熱い汁が体の中に入って来て、少し驚く。
「む……苦いな」
「え、そうですか? ミルクか砂糖入れます?」
「……何が変わるんだ?」
「えぇ!? えっと……ミルクは味がまろやかになって、砂糖は甘くなるんですよ」
「……じゃあ、ミルクで」
「分かりました。少し待っていてください」
そう言って台所に入っていき、少しして、俺のコーヒーにミルクを追加してくれる。
味が薄くなったそれを飲んでみると、味がまろやかになって、飲みやすくなっていた。
「あぁ……これは美味い」
「良かった。場倉先生って、ブラックで飲むのかと思っていました」
そう言って自分の分のコーヒーを啜る。
彼女は何も入れなかったみたいだが、苦くないのか?
「えっと……先生になる勉強は順調ですか?」
コーヒーカップを置いた後で、後宮月乃はそう言った。
……あぁ、そっか。
俺は元々、教育実習生という名目でコイツの学校に潜入していたんだったか。
「……あぁ、順調だよ」
とりあえず、当たり障りのない返答をする。
すると、彼女は「本当ですか!」と嬉しそうに言った。
……俺のことなのに、なんで喜ぶんだか……。
「私、場倉先生のこと応援しているんですよ! ……無愛想で素っ気ないけど、良い先生になれると思うんです」
「一言余計だ」
苦笑しながら言ってやると、彼女は「えへへ」と笑う。
それから少しコーヒーを啜って、口を開く。
「でも応援してるのは本当ですよ」
「ハイハイ。……それで? お前こそ勉強は上手く行っているのか?」
「あ、それはバッチリです! こう見えて、学年で一位なので」
そう言って胸を張る後宮月乃に、俺は「ふーん」と言いながらコーヒーを啜る。
試しに彼女のメモリアを覗いてみる。
……どうやら、本当に学年一位を取ったらしい。
凄いな。
「……あれ」
その時、後宮月乃は微かにその身を震わせた。
どうしたのだろうかと考えていると、彼女は自分の両腕を擦る。
「……? どうした?」
「いや、その……今、寒気がしたんですよね。ここ最近多くて……風邪かなぁ」
……メモリアを覗いたのを体調で察知している?
おかしい。基本的にそれは、普通の人間には分からないハズなのに。
……知りたい。この女のことをもっと、知りたい。
前から興味はあったんだ。
記憶世界との結合での異変を、この女は察知していた。
しかし、この場では、いずれ後宮星華が帰ってくる。
……場所を移そう。
俺はコーヒーを一気飲みし、立ち上がる。
それから彼女の肩に手を置き、微笑んで見せる。
「少し、行きたい場所がある。付いて来てくれないか?」
「え? ……良いですよ」
俺の言葉に、彼女は笑顔で応じた。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.260 )
- 日時: 2018/04/02 22:27
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第40話「バーグラーと月乃!?二人きりの補習授業?」3
<星華視点>
家の扉を開けようとすると、鍵が掛かっていた。
ドアノブを回しても、ガチャガチャと音を立てるだけで開く気配が無い。
……お姉ちゃん、鍵閉めちゃったのかな。
そう思いつつ、私は鍵を差して回転させ、開く。
「ただいまー」
そう言いつつ辺りを見渡す。
しかし、中には誰もいない様子だった。
お姉ちゃんの靴も無い……出かけているのかな。
それこそ、晩ご飯の買い出しとか?
しかし、台所に行ってみると、すでに買い出しは済んでいる様子だった。
……そして、流し台に、コーヒーカップが二つ浸してあった。
「……誰か、来たの……?」
呟き、少しずつ焦り始める。
私は慌ててスマートフォンを取り出し、お姉ちゃんの番号に掛ける。
二回くらいのコール音の後、それが途切れる。
「お姉ちゃん!?」
『もしもs……いか? どう……の?』
途切れ途切れのお姉ちゃんの声。
電波が悪い所にいるの?
「お姉ちゃん、今どこにいるの?」
『え? なんt……?』
『―――?』
お姉ちゃんの背後から、男の人の声がした。
何を言っているのかは分からなかったが、機械越しでも、その声には聞き覚えがあった。
……バーグラー?
『あぁ、いもうt……電話が』
「お姉ちゃん! 今どこ!? そこにいるのは誰!?」
『ごめ……でんp……いから……とで……すね』
途切れ途切れでそんな言葉が聴こえたかと思えば、突然、電話が切れる。
ツーツーと虚しく響く無機質な音に、私は、背筋に寒気が走ったのが分かった。
バーグラーが、お姉ちゃんの近くにいる?
私は一度電話を切り、杏奈さんの番号に掛けた。
なんとかして、お姉ちゃんを助けないと……。
<バーグラー視点>
「星華、一体何の用だったのかな」
そう言ってため息をつき、スマホをポケットにしまう後宮月乃。
……意外と勘付くのが早いな、後宮星華。
電話の最中に誰からの電話なのか聞いてしまったため、もしかしたら、俺と後宮月乃が一緒にいることにも気付かれたかもしれない。
……だとしても、手遅れだ。
「この辺りは電波が悪いからな。後で掛け直せば良い」
「そうですね。ところで……ここは?」
笑顔で首を傾げる後宮月乃に、俺は「どこだろうな」と返す。
ここは……廃工場。この辺りは電波もロクに通っていないし、寄り付く人間もいない。
流石に警戒したのか、彼女は足を止める。
「あの……本当にここ、なんですか? 行きたいところって」
「うん? あぁ、悪いな。警戒するのも仕方がない。……安心してくれ。危険なことはしない」
俺がそう言って見せると、彼女は少し考えるような間を置いた後で、一歩こちらに踏み出した。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.261 )
- 日時: 2018/04/05 17:25
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第40話「バーグラーと月乃!?二人きりの補習授業?」4
廃工場の中に踏み込むと、足音がやけに響いた。
当然か。俺と後宮月乃以外いないのだから。
俺の隣を歩く彼女の足取りは、どこか怯えている様子だった。
「あの……本当にここなんですか?」
「……あぁ」
俺の返答に、彼女は不安そうに辺りを見渡した。
大分奥の方まで来た。
ここなら、仮に覗き込まれても、見えないだろう。
俺はすぐに後宮月乃に向き直り、彼女の肩を掴んで近くの壁に押し付ける。
そして、彼女の目を覗き込んだ。
「ば……ぐら……せんせぇ……?」
「……」
彼女の言葉に答えず、俺は彼女の目を見つめる。
意識を集中させ、彼女のメモリアにシンクロさせる。
メモリアの中身を見るのではなく……外面を……。
そう思っていた時、突然、メモリアに拒絶された。
「……!?」
「やめてください!」
拒絶されたことに驚いていると、強く突き飛ばされた。
俺の体はそれに素直に従い、後ろにたじろぐ。
その間に、彼女は怯えが混じった目で俺を見ていた。
「場倉先生……こういうことするんですね……」
「……いや、俺は……」
「私は……先生のこと、応援していたのに……」
目を伏せそう言う彼女のメモリアが、微かに乱れる。
突然の事に、俺はたじろいだ。
すると、彼女はバッと顔を上げた。
その目は……涙で潤んでいた。
「貴方はもう……私の先生じゃない! もう、貴方なんか知らない!」
そう言って、俺の脇を抜けて走り出そうとする。
しかしその際に何かに躓き、彼女の体が倒れる。
それを咄嗟に助けようとした時、彼女が躓いた影響で、機材とかが倒れてくるのが見えた。
「クッ……!」
なんでかは分からない。
でも、気付いたら俺の体は勝手に動いていた。
倒れてくる機材から守るように、倒れた彼女の上に覆いかぶさった。
元々体は強い方だ。
倒れてくる機材を背中に受けても、少し痛い程度で済んでいる。
背中に少し痛みを感じる……が、その程度だ。
「……場倉先生……?」
「……悪いな」
俺はそう言いつつ立ち上がり、後宮月乃に手を差し伸べる。
すると、彼女はオズオズとその手を取り、立ち上がる。
「あ……ありがとう、ございます……」
「……いや、俺の方こそ、悪かったな、こんな所に連れてきて……」
俺はそう言いながら中指と親指を合わせ、パチンッ、と鳴らした。
世界が白黒に染まり、彼女も停止する。
止まった彼女の頬を、指で撫でる。
「……悪いな。お前の、先生になれなくて……」
小さく呟き、その指から手を離す。
すると、まるで糸を引くように、メモリアが付いてきた。
俺はそのまま彼女のメモリアを吸い取り、腕に纏った。
「ディープエアインネルング!」
叫び、ワスレールを召喚した。
……これが、自分の正解だと信じて。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.262 )
- 日時: 2018/04/05 21:17
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第40話「バーグラーと月乃!?二人きりの補習授業?」5
<星華視点>
「お姉ちゃん、どこ……!?」
道路を駆けながら、私は呟く。
息が切れ、足が覚束ない。
気力が途切れそうになった時、世界が白黒に染まった。
「……!? お姉ちゃん!?」
突然のことに、私は焦る。
お姉ちゃんに何かあったのでは!?
そう焦った時、どこからかワスレールが現れた。
「な……!?」
驚き、私は固まる。
しかし、そんなことをしている場合ではない。
すぐにラブメモリーウォッチを構え、叫んだ。
「プリキュア! メモリアルコンバージョンッ!」
「未来を照らす、一つの希望! キュアフューチャー!」
変身を終えると、私はすぐにラブメモリーウォッチにレモン色の針を嵌め、回転させる。
出てきたフューチャーレイピアを構え、ワスレールに向ける。
するとワスレールは雄叫びを上げ、腕を振り下ろしてくる。
私はそれをフューチャーレイピアで受け止め、いなす。
「はぁッ!」
フューチャーレイピアを振るうと、ワスレールは怖気づいた様子で後ずさる。
……今回のはそこまで強くない?
その事実に、私は一気に踏み込む。
「おや? 今回は一人だけかい?」
その時、そんな声がした。
立ち止まり顔を上げると、そこには、建物の屋根の上に立ってこちらを見下ろしているバーグラーの姿があった。
「バーグラー……!?」
「まぁ、今回は一人でも倒せるかもしれないがな」
「……どういう意味?」
私が聞くと、彼はニヤリと不敵に笑い、続けた。
「なぜなら……そのワスレールは、後宮月乃ただ一人のメモリアから作っているからな」
「……貴様ぁッ!」
私は叫び、フューチャーレイピアを振り上げて、バーグラーの元に駆けた。
元々、記憶世界と結合した時のワスレールは、複数の人間から奪ったメモリアで作っている。
それを一人の人間のメモリアだけで負担しているだなんて……!
お姉ちゃんのメモリアがどうなるか……!
「ワスレール!」
その時、バーグラーがそう声を張り上げた。
直後、背中に衝撃を受けた。
私は地面を転がり、咳き込む。
「怒りに身を忘れて現在倒すべき敵を見失うとは……愚かだな」
そう言って嘲笑するバーグラーに、私は歯ぎしりをする。
立ち上がろうとした時、ワスレールが追い打ちのように私の横腹を蹴り飛ばす。
無様にも私の体は地面を跳ね、壁にぶつかって停止した。
「愚か、憐れ……そんな言葉がよく似合うな」
「うる……さい……!」
何とか立ち上がろうとするも、体が言うことを聞かない。
……あぁ、そっか。
一人分のメモリアと言っても……お姉ちゃんのメモリアだもんね。
私の癖とか、一番分かっているわけだ。
でも、私は……!
「私はお姉ちゃんを……守るんだ!」
「私、じゃなくて!」
「私達、でしょ!」
どこからか聴こえた声に、私は顔を上げる。
次の瞬間、アデッソとパーストが同時にワスレールに飛び蹴りを放った。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.263 )
- 日時: 2018/04/06 22:24
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第40話「バーグラーと月乃!?二人きりの補習授業?」6
「アデッソ! パースト!」
私は二人の名前を呼び、立ち上がる。
すると、パーストがニカッと笑い、親指を立てた。
「ゴメン! 遅くなった!」
「心配だったけど……大丈夫そうで良かった」
そう言って安堵の表情を浮かべるアデッソに、私は「なんとか……」と答え、倒れるワスレールを見る。
立ち上がるより先に、一気にトドメを刺さなければ。
「アデッソ! パースト! 一気にトドメを!」
「そうだね!」
「オーケイ!」
私の言葉に二人は頷き、すぐに三人で手を繋いで輪を作る。
「「「甦れ、愛情のメモリー。アムールパンデュール」」」
そう言った瞬間、私達の作った輪の中心が光り、アムールパンデュールが現れる。
私達はそれぞれ、桃色、空色、レモン色の針を嵌め込み、回転させる。
すると腕時計に合ったサイズだった針が回転するごとに伸び、普通の長針、短針、秒針になる。
それを認識できるようになるのと同時に、時計の針が高速で回転して、白い剣が出てくる。
剣の柄を握った私達は、剣の切っ先をアムールパンデュールの時計の針の中心に合わせ、叫ぶ。
「過去を束ね!」
「今を輝き!」
「未来を照らせ!」
「「「煌け! 愛のメモリー!」」」
そう叫ぶと同時に、アムールパンデュールが輝きを放つ。
標準をワスレールに合わせ、私達は叫んだ。
「「「プリキュア! メモリアルレボリューション!」」」
そう叫んだ瞬間、アムールパンデュールから極太の光が放たれる。
それはワスレールを包み込み、浄化していった。
「チッ……」
バーグラーはそれに舌打ちをして、どこかに消えていく。
……まさか、お姉ちゃんの所に!?
「二人共、すぐにアイツを探しましょう!」
「え、急にどうしたの!?」
「アイツがさっきまでお姉ちゃんと一緒にいたんです! このままじゃ、お姉ちゃんが……!」
私の言葉に、二人は焦燥の表情を浮かべた。
お願いだから、無事でいて……お姉ちゃん……!
<バーグラー視点>
カツ、カツ……足音が、無人の廃工場に響く。
白黒に染まり停止した世界の中で、後宮月乃だけが、輝きを放っているように見えた。
……いや、あながち間違いでは無い。
現在、彼女にメモリアが戻って来ている最中だからだ。
この記憶世界との結合は、メモリアを奪った人間にメモリアが完全に戻り、記憶として定着することで終了する。
普段は数人の人間から少量のメモリアを奪うから、定着するのに時間は掛からない。
しかし、今回は……。
「……」
俺は無言で……後宮月乃のメモリアを少量、奪った。
それらは全て、俺が、場倉霧として彼女と関わった時の記憶だ。
……彼女にはこんな記憶、必要無いだろ?
俺はそのメモリアを握り締め、消滅させた。
後は、俺がここから消えるだけ。
それだけで、充分……。
「……あ、れ……?」
……充分だった、ハズなのに……。
背後から聴こえた声に、俺は小さく舌打ちをする。
どうやら、計算が狂ってしまったらしい。
元々、メモリアの一部だけを消すなんてこと、初めてやったから。
仕方がない。腹を括ろう。
俺は大きく息を吐き、振り向く。
「私、ここで、何を……貴方、は……?」
後宮月乃は、そう言って俺を見た。
俺は動揺をひた隠しながら、自分の胸に手を当てた。
「俺はバーグラー。ロブメモワールの幹部であり、ボウキャーク様の下僕」
「ロブメモワール……って、星華達の……」
「あぁ。プリキュアの……いや、貴様等人類の敵だ」
俺の言葉に、彼女はその表情を青ざめさせた。
しかし、すぐにキッと睨み、自分の胸に手を当てた。
「私に何する気……!?」
「……貴様みたいな雑魚に用は無い」
俺はそう吐き捨て、奴に背を向ける。
それから足音を響かせながら、歩き去る。
歩きながら、ロブメモワールへの瞬間移動を行う。
「……さよなら……場倉先生」
「……!?」
背後から聴こえた声に、俺は咄嗟に振り向いた。
しかし、一足早く、瞬間移動のタイミングが訪れる。
ロブメモワールに着いた後も、俺は、しばらく動くことが出来なかった。
確かにメモリアを消滅させることに成功したハズなのに……アイツは、一体……?
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