二次創作小説(新・総合)
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- 【オリキュア】メモリアルプリキュア!
- 日時: 2017/08/01 23:00
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
初めましてかこんにちは!愛です!
本日からはメモリアルプリキュアというオリキュア小説を書きたいと思っています。
基本テンションとノリに任せて書くのでグダグダすると思いますが、楽しんでいただけると幸いです。
それでは、よろしくお願いします。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.194 )
- 日時: 2018/01/16 21:08
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第30話「シーフの罠!?守れ!杏奈のメモリア!」4
杏のラブメモリーウォッチが指した方向に行ってみると、それは、廃工場だった。
扉はピッチリと閉まっていて、中の様子は伺えない。
私達はその扉の前で立ち止まり、扉を見つめる。
「この中に杏が……」
私はそう呟いて、一度唾を飲み込んだ。
それから重い扉に手を掛け、ゆっくりと開けていく。
錆びついた扉の先にあったのは……―――
「やぁあッ! あああッ!」
―――黒いリボンに縛られ、叫び声をあげる杏の姿だった。
「杏ッ!」
「あら? もうバレてしまったの。意外と早いのですね」
余裕の笑みを浮かべ、そう言うシーフ。
それに私は袖を捲り、ラブメモリーウォッチを構える。
正直、普通に戦って彼女と対等になるとは思えない。
でも、だからって杏が苦しんでいるのを黙って見ていられるわけがない。
そんな私を見て、シーフは忌々しそうに顔をしかめた。
「……戦うのですか」
シーフはそう呟きながら、指を鳴らした。
その瞬間、世界が色を無くし、停止する。
「お姉ちゃん!」
セッチーの言葉に、私はツッキーを見る。
当たり前だが、プリキュアじゃないツッキーも世界と同じく停止した。
この状況で人数を減らされたのは辛い……。
「……シーフ。杏に何をしているの?」
「何、って、見て分かりませんの?」
「……触手p」
私が答えようとすると、セッチーが無言で私の口を押さえた。
そんな私達を見てシーフはため息をつき、両手を広げた。
「まぁ良いです。……私は、今、杏奈のメモリアを取っているのです。プリキュアとして……いいえ、この世界の人間としての記憶さえ無ければ、彼女は私の物になってくれるハズですから!」
あーこの子ヤバい子だ。
杏ってばなんでこんな子に関わっちゃうかなぁ……って、シーフから関与してきたんだっけ。
しかも杏は優しいから、断るどころか仲良くしようとしてるし……。
「ぅぁあッ……あぁッ……」
そんなことを考えていると、杏の声が弱々しくなるのが分かった。
このままではマズイ!
そう思っていると、シーフが腕にメモリアを纏わせるのが分かった。
「それは……まさか……!」
「えぇ。杏から抜き取ったメモリアです。味方のメモリアで苦しみなさい! ディープエアインネルング!」
叫び、腕を振るう。
するとメモリアが黒い塊を作り、それが晴れると、ワスレールが現れた。
時計のような見た目をしたワスレールに、私もセッチーもラブメモリーウォッチを構えた。
「行くよ! セッチー!」
「ハイ!」
「「プリキュア! メモリアルコンバージョンッ!」」
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.195 )
- 日時: 2018/01/16 23:30
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第30話「シーフの罠!?守れ!杏奈のメモリア!」5
「過去を束ねる、一つの夢! キュアパースト!」
「未来を照らす、一つの希望! キュアフューチャー!」
「「取り戻せ! 愛のメモリー!」」
「「メモリアルプリキュア!」」
名乗りを終えると、私達はすぐにリボンで縛られている杏の元に駆けた。
しかし、大人しくそんなことをさせてくれないのがワスレールだ。
奴は顔? 部分に付いている針を掴むと、引き千切るように自分の顔から外した。
すると、それはまるで刃の無い剣のようで、かなり迫力がある。
「このッ……!」
私は振るわれる剣を紙一重で躱し、リボンに縛られる杏に手を伸ばす。
しかし、その時目の前に時計の針で出来た剣が現れる。
まさか……長針と短針での二刀流……!?
「しま……!?」
「はぁぁッ!」
攻撃を受けそうになり咄嗟に立ち止まりそうになった時、私とその剣の間に黄色い影が舞った。
見ると、それはフューチャーだった。
「フューチャー!」
「早く、杏奈さんの、所に……!」
そう言ってフューチャーレイピアで剣を弾くフューチャー。
彼女の言葉に私は頷き、一気に杏奈の元に駆け寄る。
「杏!」
「ぁ……ぁあッ……」
大分彼女の声が弱々しくなっている。
彼女を縛るリボンに触れると、バチッという音を立てて手が弾かれた。
痺れるような痛みを感じ、私はその手を擦る。
「杏……すぐに助けるからね」
そう呟き、私は空色の針を取り出してラブメモリーウォッチに嵌め込む。
それから回転させ、パーストソードを取り出した。
両手で握って手触りを確認し、私は構える。
「はッ!」
息を吐くように声を出しながら、私はリボンにパーストソードを振るった。
すると、バチィッ! と、黒く眩い閃光が発生した。
「ぁああッ!」
「杏……杏ッ!」
叫びながら、私はパーストソードを全力で振るう。
するとリボンが切れ、そこから黒い光が失われていく。
同じ要領でリボンを切り、杏が介抱される。
安心したのか、脱力した様子で倒れ込む杏を支える。
「杏。大丈夫? 少し休んだ方が……」
「……へ……?」
不思議そうな顔をして私を見る杏。
よく見れば、彼女の目に光が無い。
これは……まさか……。
「言ったでしょう? 杏奈のメモリアを取っていると」
……またこのパターンか……。
いや、今回は前回よりも悪質だ。
前回は、なんだかんだ、杏のメモリアでワスレールを作ったりはしなかった。
「きゃぁッ!」
その時、ワスレールに弾き飛ばされたフューチャーがこちらまで転がって来る。
フューチャーレイピアもどこかに手放してしまった様子で、かなり満身創痍だった。
彼女もここまでになるくらい頑張ってくれたのに、肝心の杏は……。
「あ、の……これ、一体、どういう……?」
困惑したような表情で呟く杏。
それに、ひとまず私は彼女の手を握り「大丈夫」と呟き、彼女の体を抱きよせた。
なるほど、と思う。
こうなることが分かっていたから、シーフは私を止めなかったのだ。
結局私は、彼女の掌の上で転がされただけ。
「さぁ、杏奈を渡しなさい。そうすれば、今回は見逃してあげるわ」
冷たい笑みでそう言うシーフ。
……万事休す、か……。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.196 )
- 日時: 2018/01/17 23:22
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第30話「シーフの罠!?守れ!杏奈のメモリア!」6
「さぁ、杏奈を渡しなさい。そうすれば、今回は見逃してあげるわ」
そう言ってこちらに手を差し出してくるシーフ。
メモリアを失い、記憶喪失の杏。
フューチャーレイピアを手放し、満身創痍のフューチャー。
私が強引に戦っても良いが、ワスレールで足止めをされている間に杏を奪われるのが目に見えている。
……万事休す、か……。
「あ、あの……」
その時、掠れた声が聴こえた。
見ると、そこには暗い目で私を見ている杏がいた。
「杏……」
「えっと、あの……杏奈、って……私のこと、ですか……?」
杏の言葉に、私は小さく頷いた。
すると杏はシーフと私を交互に見て、少し考えてから、口を開く。
「それはつまり……私があの人の所に行けば、二人は見逃してもらえるん……ですか?」
そう言って首を傾げる杏。
彼女の言葉に、私は言葉を失った。
「……ダメ……」
喉から振り絞った声で、なんとかそう呟く。
しかし、杏は私の手を握り、淀んだ目で微かに眉を潜めながら言う。
「でも、私が行けば、二人は無事なんですよね? ……なんでこんな状況になっているのかも分かりませんけど、でも、二人が傷つく姿なんて……」
「ダメ!」
声を張り上げ、私は杏の体を抱きしめる。
確かに、杏をシーフに差し出せば、少なくとも今回は私とフューチャーは見逃してもらえる。
しかし、その後どうなるか分からないし、何より……。
「杏のいない日常なんて、私……嫌だよ……」
そう呟きながら、私はさらに強く杏の体を抱きしめた。
すると杏は、恐る恐ると言った様子で手を伸ばし、私の背中を撫でた。
見ると、光の無い目で、杏は不思議そうな顔をしていた。
「杏……?」
「なんで、だろ……私、貴方が悲しむのは、見たくない……私があの人の所に行って貴方が悲しむなら……私は……」
「杏奈ッ!」
シーフが叫ぶと同時に、ワスレールが剣で近くの機材を殴る。
古びた機材は揺らぎ、床に倒れた。
巻き上がる埃を気にせずに、杏はオズオズと私の顔に手を伸ばし、私の頬に手を当てた。
「杏……」
「……分からない……何が何だか分からない、けど……貴方が苦しんだり、悲しんだりするのを、見たくない……」
相変わらず不思議そうな顔のままでそう呟く杏に私は笑い、彼女の手に自分の手を重ねた。
それから彼女の手を握り、私の顔から離させる。
その時、とあることを思い出し、私は杏のラブメモリーウォッチを取り出した。
「……?」
「これ……これも、杏には何が何だか分からないと思う。けど、持ってて」
そう言いながら、私は杏の手にラブメモリーウォッチを置いた。
すると杏はラブメモリーウォッチをしばらく観察した後で、私を見て首を傾げる。
その様子に私は笑い、彼女の手を取って、手首に巻いてあげた。
「これはね、お守りみたいなもの。そして……杏にとって、すごく大事なもの……」
「私に、とって……」
私の言葉を復唱する杏に笑いつつ、私は杏の腕にラブメモリーウォッチを巻いてあげた。
その瞬間、ラブメモリーウォッチが、強く光り出した。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.197 )
- 日時: 2018/01/18 21:33
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第30話「シーフの罠!?守れ!杏奈のメモリア!」7
強く光り出したメモリアに、私は目を細める。
一体、何が起こっているんだ……?
そう不思議に思っていると、杏が目を瞑った。
「杏……?」
「なんか……何かを、忘れている気がする……何だろう、この感覚……」
不安そうな表情で呟く杏に、私は答えられない。
でも、杏の手に自分の手を重ねて、握ってあげる。
「大丈夫だよ。……私が付いてる」
「ぁ……」
「杏奈ッ! なんで私を見てくれないのですか! 私を見て下さいッ!」
焦った表情でそう言うシーフ。
それに、杏は困惑した表情でシーフを見て、それから私を見る。
どうしたのだろう、と不思議に思っていた時、杏が私の手を握った。
「怖いよ……私、これまで何をしていて、これからどうなるのか……分からない……怖いよ……」
「杏……」
「この光ってる時計も、あのよく分からない生物も、何もかも……分からなくて……私……」
杏の言葉に、私は杏のラブメモリーウォッチを見る。
ラブメモリーウォッチを見るために視線を落とした時、地面に桃色の針が落ちているのが分かった。
……これは、杏の……!
私はすぐに針を拾い、杏に差し出した。
「これ!」
「へ……?」
「これで、もしかしたら杏の記憶が戻るかもしれない……とにかく、その時計に嵌めてみて!」
私の言葉に、杏は困ったような表情で桃色の針を受け取る。
それから時計の長針に重ねるように、桃色の針を嵌め込む。
その瞬間、ラブメモリーウォッチの光が強くなり、杏を包み込んだ。
「うッ……杏ッ!」
「杏奈ッ!」
「ケホッ……パースト、これ……どういう状況なんですか……?」
ようやく回復してきたフューチャーの言葉に答える余裕は無い。
やがて光が収まると、そこには、真っ直ぐ自分の力で立ち、シーフを見る杏がいた。
「……杏……」
「私、やっぱダメだなぁ……私一人の力じゃ、何も出来ないや」
そう言ってこちらを見て微笑む杏。
よく見れば、ワスレールもいなくなっていて、彼女の目には光が灯っている。
……そうか。ワスレールは、杏のメモリアから作られていたから……。
「杏……」
「パースト、フューチャー。ご心配おかけしました」
そう言って、杏は頭を下げる。
それに何か言おうとした時、横を何かが通り過ぎた。
「杏奈さん!」
そう叫んで、フューチャーが杏に抱きついた。
杏はそれに驚いたように目を丸くして、フューチャーを見つめる。
「良かった。杏奈さんが無事で、良かったぁ……」
安堵した表情でそう言いながら杏を抱きしめるフューチャー。
それに杏は苦笑し、フューチャーの頭を撫でる。
それから私を見て、何か物欲しそうな目をする。
……まさか、私にも同じことをしろと……?
「……ふざけないで……」
その時、シーフの押し殺すような声がした。
見ると、そこには、その表情を怒気に染め上げながら私達を見ているシーフがいた。
「シーフ……」
「嫌……嫌よ……! こんなの認めないッ! 杏奈は、杏奈は私のものにならないと!」
「シーフちゃん……皆で仲良くするんじゃダメなの……?」
杏の言葉に、シーフは「は?」と聞き返した。
すると杏は微笑んで、片手でフューチャーの頭を撫でながら、もう片方の手を広げた。
「私は、シーフちゃんとも、瑞樹ちゃんとも星華ちゃんとも……色々な人と仲良くしたい。たくさんの友達と、楽しい思い出を作りたい。それじゃあ……ダメなのかな?」
杏の言葉に、シーフはグッ……と唇を噛みしめる。
しかし、フッと無表情になると、私達に背を向けた。
「シーフちゃん……?」
「よく分かりました。杏奈。……私達は、相容れることは出来ないと」
シーフの言葉に、杏の顔が悲しそうに歪む。
するとシーフはこちらに振り向き、悲しそうな笑みを浮かべた。
「次に会う時は……きちんとした敵として、戦わせて頂きます」
そう言って、シーフは静かに消えていった。
取り残された私達は、何も言う事が出来なかった。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.198 )
- 日時: 2018/01/19 21:28
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第31話「セフトの秘策!もう一人のキュアアデッソ!」1
<杏奈視点>
「しっかし、昨日は散々だったねぇ」
そう言って笑う瑞樹ちゃんに、私はひとまず笑っておく程度で済ませておく。
昨日……シーフちゃんの罠にあっさり引っ掛かり、メモリアを奪われて皆に迷惑を掛けてしまった。
正直、瑞樹ちゃん達が来てくれなければ、きっと私はあっさりシーフちゃんの物になっていただろう。
それに、星華ちゃんや月乃ちゃんにも迷惑を掛けた。
というわけで、私は昨日のお礼として、これから皆にケーキをご馳走するのだ。
瑞樹ちゃんと共にケーキ屋さんに行き、私達四人と、リコルンの分。合計五人分のケーキを購入した。
ちなみに余談だが、リコルンは、最近は後宮家でお世話になっている。
まぁ、元々は星華ちゃんのパートナーとして戦ってきたので、当然かもしれない。
「でもさぁ、しばらく一人で外出禁止は酷くない?」
会話が途切れてしまったので、私はなんとなくそう聞いてみた。
それに、瑞樹ちゃんは「酷くないですよ~」と言ってムッとした。
「杏はシーフに割とガッツリ目付けられてるんだよ? 一人にしたら何が起こるか分からないもん」
「で、でも……」
「でもじゃありません。しばらくは一人での外出は控えるように。もし外に出たくなったら、私かセッチーに連絡するよーに。ツッキーは……流石に無理か」
「うぅ……了解しましたぁ」
私が不満そうに言うと、瑞樹ちゃんは笑って「よろしい」と答えた。
彼女の言葉に、私はため息をつく。
まるでお母さんみたいだなぁ、となんとなく考えた。
<セフト視点>
戻ってきたシーフは、かなり落胆した様子で部屋に閉じこもってしまった。
彼女のメモリアを覗いた感じ、彼女の渾身の作戦は失敗に終わったようだ。
シーフの作戦自体はかなり良かったと思うが……今回のプリキュアは、本当に手強い。
これは一筋縄ではいかないなぁ……。
「ねぇ、バーグラー」
「ん? なんだ?」
「バーグラーはさ、ドッペルゲンガーって……知ってる?」
俺の言葉に、バーグラーは「はぁ?」と訝しむような目で俺を見た。
しかし少し考える素振りをしてから、「あぁ」と答えた。
「知ってるよ。確か……アレだろ? 自分とソックリな見た目をしていて、見たら三日後に命を落とすという……」
「そうそう」
「それがどうかしたのか?」
バーグラーの言葉に、俺はニヤリと笑う。
それから人差し指を上げて、口を開いた。
「ちょっと、良い作戦を思いついたのさ」
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