二次創作小説(新・総合)
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- 【オリキュア】メモリアルプリキュア!
- 日時: 2017/08/01 23:00
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
初めましてかこんにちは!愛です!
本日からはメモリアルプリキュアというオリキュア小説を書きたいと思っています。
基本テンションとノリに任せて書くのでグダグダすると思いますが、楽しんでいただけると幸いです。
それでは、よろしくお願いします。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.164 )
- 日時: 2017/12/31 16:29
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第25話「杏奈争奪戦!?小悪魔シーフ登場!」6
「ワスレール! やってしまいなさい!」
シーフの言葉に、ワスレールが襲い掛かって来る。
それを私達は躱し、それぞれ剣で斬りかかる。
私達の剣がワスレールを切り裂く度に、黒いメモリアが零れる。
「アデッソ! 一気に決めるよ!」
「うん!」
私の言葉にアデッソは頷き、互いの剣の柄をぶつけ合う。
剣が輝き始めるので、私達はすぐにそれぞれラブメモリーウォッチから針を外し、もう一方の剣の柄にはめ込み、指で弾く。
すると、針は高速で回転し、輝きを増す。
「今を輝け!」
「過去を束ねろ!」
「「全てを司る思い出よ! 記憶を刻み、未来を照らせ!」」
そう叫んでから、ぶつけ合った柄の部分を中心に円を描くように剣を上に向かって回転し、時間で言うところの十二時の位置で重ねる。
すると、剣が輝きを増していく。私達は背中合わせになる形で剣を構え、もう一方の手を強く握り合う。
「「プリキュアッ! メモーリアイルミネイトッ!」
そう叫びながら、剣を前に向かって倒した。
すると、剣の光が一層強くなり、ワスレールに向かって極太の輝きが射出された。
その光は瞬く間にワスレールを包み込み、静かに消していく。
私達はすぐに剣を交差するように構え、それぞれ互いの剣の針の回転を止めた。
すると、ワスレールの体は光の屑となり、消えて行った。
「ふぅ……アデッソ」
「パースト……!」
私が名前を呼ぶと、アデッソは嬉しそうに駆け寄って来た。
先にアデッソが両手を挙げるので、私はその手に自分の手を重ね、指を絡めた。
それから二人で見つめ合い、同時に笑った。
「……なるほど。今のプリキュアに苦戦する理由が、分かりましたわ」
その時、シーフの声がした。
顔を上げると、憎らしげにこちらを見ているシーフの姿があった。
「シーフちゃん……」
「杏奈……私は、貴方を諦めませんから」
そう言うと、シーフは消えていく。
ひとまず、私達は割れたガラスが修繕するより前に時計塔の内部に入った。
やがて世界は色を取り戻し、動き出す。
「……あれ? 星華?」
不思議そうな顔で辺りを見渡すツッキー。
あぁ、そっか。世界の時間が止まっているわけだから、体感時間はそこまで経っていないんだ。
私達はその後ツッキーに事情を話した。
---
<シーフ視点>
「まさか、君がプリキュアに好意を抱くようになるとは思わなかったよ」
ロブメモワールに帰って早々、バーグラーが皮肉交じりにそう言ってくる。
それを私は無視して、特等席であるソファに腰掛けた。
「プリキュアを惑わせようとして、逆に惑わされるとは……ミイラ取りがミイラになるとは、よく言ったものだな」
「うるさいですわ。……次こそは……」
そう言いながら背凭れに体重を預け、私は瞼を瞑る。
すると、瞼の裏に、今行杏奈の笑顔が浮かんだ。
……確かに、私は彼女が好きだ。
ボウキャーク様を崇拝するのとは、また違った感情。
この感情の名前を……私は知らない。
だから、彼女を手に入れて……これから知る。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.165 )
- 日時: 2018/01/01 09:28
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
あけましておめでとうございます!愛です!
本当は12時半くらいに挨拶する予定でした。
聞いてください。データ消えた(´;ω;`)
挨拶のデータ消えましたよ!だからこうして書き上げました!
さてさて、まぁ何はともあれ、今年も私は好きなものを書くだけですね
メモリアルプリキュアも、全50話構成の内、25話まで仕上がりました。
去年の書き納めが……正直あんな回で良いのだろうかw
まず季節感おかしいですよね!?
プリキュアの話数と季節に合わせてますが!
なぜこの時期に夏休み!?しかも26話は水着回だし……( ´・ω・`)
私のオリキュア小説元祖である風林火山プリキュアでは夏にクリスマス回やってました。
なぜこう、ことごとく季節感がずれるのだろう……w
それから、やはり私のオリキュア小説を支えていると言っても過言ではない百合ですよね。
正直言いましょう。25話はやりすぎましたごめんなさい!
元々ね、メモリアルプリキュアは風林火山プリキュアよりも百合を増やしてやろうというのはあったんですよ。
でも!でも今回はやりすぎた感がする!
好き、程度なら友情として誤魔化せると思いましたが、今回のシーフちゃんの好きは重いですね。
正直これはやりすぎたと思います。
ここで「いやお前が書いたんだろ」と言われそうな今日この頃。
ここで言いたい。
私は基本ノリと勢いでこの小説を書いてるぞ、と。
例えばロブメモワールのセフト君。
彼は初登場回を書いてると突然何の前触れもなく登場しました。
えぇ、ただの勢いのみでの登場でした。
でもなんとなく「あ、こういう敵キャラ良いな」と思いそのまま執筆を続け、「そうだ折角なら紫音君と組ませよう!」と考えた結果紫音君と共にBL枠に葬りました。
紫音君の扱いもどうしようか困っていたので、良い使い道が決まったと思います。
それから月乃ちゃんですね。
彼女は元々「星華ちゃんの大切な人でロブメモワールの手により意識不明状態の人」という設定だけは決まっていました。
聞いてください。元々は星華ちゃんのクラスメイトという設定でした。
はい。元々は姉妹ではなく友人という設定だったのです!
なぜ姉妹になったのかは……結城友奈は勇者である、を参照してください。
姉妹百合がすごく尊いです。
恐らくあれの影響です。
あとはこのメモリアルプリキュアの大黒柱、百合も勢いで色々変わりましたね。
元々はこれ、杏奈ちゃん×瑞樹ちゃん、後宮姉妹のCPで固定の予定だったんです。
しかしある日、星華ちゃんと杏奈ちゃんを組んでみたらあら不思議。滅茶苦茶この二人ええやん。
そこから「じゃあもうハーレムで良いや」と始まったのが杏奈ハーレム。
瑞樹ちゃんに始まり、星華ちゃん、歩美ちゃん(第13話参照)、そして25話の問題児シーフちゃんです。
月乃ちゃんは検討中です。
彼女はシスコンのイメージが強いので杏奈ちゃんに惚れてるところが想像出来ないのです。
まぁ折角の美少女だしハーレム員に入れたいところではありますね。
さてさて、好き勝手言って来ましたがそろそろ締めますかね。
こんな感じで私はかなりグダグダと、ノリと勢いのみで書いています。
こんな私の小説ですが、これからも楽しんで読んで頂けるとありがたいです。
それから、年明けということでお正月の短編も予定しております。
今年も皆さんがメモリアルプリキュアを楽しく読んでもらえるように頑張りたいと思います。
では皆さん。良いお年を!
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.166 )
- 日時: 2018/01/01 11:05
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
番外編 後宮姉妹の初詣
「星華っ! 初詣行こう!」
コタツで正月番組を見ていると、お姉ちゃんが突然そう言い放った。
それに、私は顔を上げ、食べていたミカンを飲み込んだ。
「お姉ちゃん……急にどしたの?」
「だから、初詣だよ! 初詣! 元日だよ!? 行かないと損だよ!」
「初詣に損得なんて無いと思うんだけど……」
私の言葉に、お姉ちゃんは「え~?」と言って頬を膨らませる。
いや、えーって言われても……。
私は体を起こし、一度伸びをする。
「そもそもだ。伝説の戦士、プリキュアである星華が、そんな風にだらけるのは良くないと思う!」
「はぁ……?」
「リコルンもそう思うよね?」
私の隣で寝ているリコルンにそう聞くお姉ちゃん。
するとリコルンは眠たげな目を擦ってお姉ちゃんを見て、首を傾げた。
「何の話リコ?」
聞いてませんでしたとさ、ちゃんちゃん。
お姉ちゃんはガクッとずっこけ、こたつの上に手を付く。
「二人とも酷いよ……私はただ、星華とリコルンと楽しい思い出を作りたいだけなのに……」
「「……」」
「来年から星華も中学生だし、初詣で星華が上手く行くように皆でお願いしたいなって思って……」
そう言って机に突っ伏しメソメソと泣き始めるお姉ちゃん。
……いや、嘘泣きなのは分かってるんだけどさ。
私はため息をつき、リコルンに視線を落とす。
「どうする? リコルン」
「これ、もし受けなかったらどうなるリコ?」
「多分もっと面倒なことになる」
「……じゃあ受けるしか無いリコ」
「だね」
私はため息をつき、お姉ちゃんに視線を向けた。
「分かったよ。行くよ」
「やたー!」
やっぱり嘘泣きだった。
すぐに元気になったお姉ちゃんを見て、私とリコルンは同時にため息をついた。
というわけでやって来ました時見神社。
山吹色のコートに身を包み、私はマフラーに顔を埋めた。
「……寒い」
「そうワガママ言わないの。……あれ? リコルンは?」
「ここリコ~」
そう言って私のコートの胸元から顔を出すリコルン。
お姉ちゃんはそんなリコルンを見て、笑みを引きつらせた。
「えっと……リコルンの性別ってどっち?」
「性別?」
「男か女かを聞いてるんだけど……」
「妖精にそんな概念ないリコ」
「えー……」
お姉ちゃんは一体何を気にしているのだろう……?
そんな風に考えつつ、神社にある手水舎にて手を冷水で流す。
手がキンキンに冷たくなり、お姉ちゃんのハンカチで手を拭く。
「……手冷たい……」
「まぁお湯が出るわけでもないしねぇ……あ、甘酒くばってるよ。貰おう?」
「ん……」
寒さに耐えきれず、私は頷く。
それから紙コップに入った甘酒を貰い、早速口に含む。
「「あまーい!」」
私とお姉ちゃんは、同時に同じ感想を言った。
甘い。そして温かい。
ゴクゴクと喉を鳴らし、私達は甘酒を飲みほした。
「美味しかった~。ご馳走様」
「……リコルンも飲みたいリコ」
紙コップを捨てていると、リコルンがそんな感想を漏らした。
それに、私とお姉ちゃんは顔を見合わせた。
「……あの、妹がおかわり欲しいみたいなので、もう一杯良いですか?」
少しして、お姉ちゃんが甘酒を配っているオジサンにそう言った。
なぜ私を理由にする! 私の食い意地が張っているみたいじゃないか!
と、少し憤慨しつつも、オジサンから差し出された甘酒はしっかり受け取っておく。
「はっはっは。甘酒は体に良いから、たっぷり飲みなさい」
「は、はい……」
私は頭を下げると、少し人ごみから外れて、コートの胸元に入れているリコルンに紙コップを差し出す。
「零さないようにね」
「分かってるリコ」
リコルンはそう言うと紙コップに口を付け、少し飲む。
それから口を離し「甘いリコ~!」と嬉しそうに言った。
「フフッ。喜んでもらえて良かった」
「リコルン甘いもの好きだもんねぇ。遠慮なく飲みな~。おかわりもあるよ~」
「お姉ちゃん……どうせまた私をダシに使うんでしょ……」
私が呆れながら言うと、お姉ちゃんは「オフコース」とドヤ顔で言った。
それに私はため息をつき、空っぽになった紙コップを見る。
「お、飲み終わったね。……おかわりは?」
「大丈夫リコ~。おかげで体ポカポカリコ!」
「そう? 良かった」
私はホッと一息つき、紙コップを捨てる。
それから神社の本殿に行き、お姉ちゃんから百円玉硬貨を渡される。
「こういうのって、五円玉とかの方が良いんじゃないの? ご縁がどうとか」
「前にテレビで見たけど、そういうの関係ないんだって。だから、無難に百円。あ、リコルンにも、ハイ」
「やったーリコ~」
「へぇ……」
そんな会話をしながら、私達は神社の賽銭箱の前に立つ。
百円玉を入れ、二回頭を下げて、二回手を叩く。
これを二礼二拍手と言うらしい。
それにしても、願い事か……。
ひとまずモデルの仕事と、あと……勉強のこと。
それからもちろんプリキュアのこともだし……と、考えたところで、私はお姉ちゃんのことが頭に過った。
先ほどの願いは、全て自分の力次第でどうにでもなる。
……お姉ちゃんが、今年も元気でいられますように……。
そうお願いをして、私は二回お辞儀をして、二回拍手をした。
頭を上げると、お姉ちゃんもちょうどお願いをし終わった後のようで、こちらを見ていた。
「よし、それじゃあおみくじと……絵馬書いてこっか」
「ん……らじゃ」
私は敬礼し、お姉ちゃんについて歩く。
おみくじの所には列が出来ていたので、少しの間並ぶ。
「ところで星華。一体神様には何をお願いしたのかな?」
「えっ……べ、別に何でも良いでしょ?」
「んん~? そうやって焦らされると気になるなぁ」
「そ、そう言うお姉ちゃんはどんなお願い事したの?」
「え、それは~……んんッ」
わざとらしく咳をするお姉ちゃんに、私はため息をついた。
それからリコルンに視線を落とした。
「……で、リコルンは、やっぱりメモリー王国のこと?」
「えっ? ……まぁ、そんなところリコ」
「おや? 何か隠しているような感じですなぁ?」
お姉ちゃんが悪戯っぽく笑いながら言うと、リコルンは視線を逸らす。
その時私達の番が来たので、お金を払い、おみくじを買った。
……二人しかいないのに三枚おみくじを買った時の、店員さん? の顔は忘れない。
それから人ごみから離れ、私達はおみくじを開く。
「……あ、中吉だ~。お姉ちゃんは?」
「……末吉……」
「あ……微妙……リコルンは?」
お姉ちゃんの結果に私は若干引きつつ、リコルンに話を振る。
するとリコルンは「これって良いリコ?」と言っておみくじを見せてくる。
見ると、そこには大吉と書いてある。
「うわ、凄いよリコルン! 大吉は一番良いんだよ!」
「本当リコ!?」
「え、リコルン大吉なの!? 替えて!」
「お姉ちゃん!?」
リコルンに交渉を迫るお姉ちゃんを宥め、私達は近くの木におみくじを結んだ。
それから最後はお店で絵馬を買い、ペンを借りて願い事を書く。
でもやっぱり、自分のことは結局自分次第だしなぁ……。
そう思い、私はペンを走らせた。
「……よし。書き終わった。星華とリコルンは?」
「私もオッケー」
「もう少し……書き終わったリコ!」
リコルンの言葉に、私達は絵馬を掛けに行く。
絵馬もお互い見ないようにして。
「……っし。じゃあ帰ろっか」
お姉ちゃんの言葉に、私達は頷いた。
それから歩き出した時、私は、ふと気になって絵馬が掛かっている場所を見た。
すると、ほとんど偶然だが、お姉ちゃんの絵馬が目に入った。
それを見て、私はフッと笑った。
「ん? 星華どうしたの?」
「……ううん。何でもないっ」
「星華今絵馬見てたリコ」
「ちょ、リコルン……!」
私が窘めつつ顔を上げると、お姉ちゃんはなぜか顔を赤くして固まっていた。
「……? お姉ちゃん?」
「え……私のお願いも、見た?」
「見たというか……見えた、というか……」
私の言葉に、お姉ちゃんは恥ずかしそうに視線を逸らした。
……恥ずかしいと思うようなお願い事ではないと思うけど。
「えっと……私は嬉しかったよ。私も、その……お姉ちゃんのこと、大好きだから」
「星華……あ、ありがとう……」
顔を赤らめながら言うお姉ちゃんに、私もなんだか恥ずかしくなって、自分の顔が熱くなるのを感じた。
背後に、風に揺れる絵馬がカラカラと音を立てるのを聴いた。
『今年も星華が元気に過ごせますように。後宮月乃』
『今年もお姉ちゃんが元気に過ごせますように。 後宮星華』
『星華と月乃が元気に過ごせますように。リコルン』
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.167 )
- 日時: 2018/01/01 13:58
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
- 参照: ?「アンタ他に友達いないの?」
第26話「星華の友達?青い海と友情を!」1
<瑞樹視点>
「うーみだー!」
バスを下りた私は、目の前に広がる海を見てそう叫んだ。
それに、遅れて下りたセッチーが「何やってるんですか」と言って笑う。
「いやぁ、やはり海というものを見ると気持ちが昂るというか……同じ青属性を持つ者として同族の匂いがするというか……」
「何言ってるのかサッパリ分かりませんけど」
「ははっ……瑞樹は海が好きだからね。仕方ない」
そう言ってバスから荷物を持って下りてくる兄貴。
それに続いて下りて来た風斗さんが、遠い目で海を見つめた。
「良いねぇ、海を見て喜べるその純粋さ。見習いたいよ」
「風斗……お前の中身は何歳だ?」
「……十七歳だよ」
「何だその間は」
「よいしょっと」
兄貴と風斗さんのやり取りを聞いていると、バスからツッキーと杏が下りてくる。
ツッキーはセッチーと自分の荷物を纏めて持っているので、少し疲れた様子だ。
「お姉ちゃん。やっぱり荷物分けた方が良かったんじゃ……」
「大丈夫だって。改めて、今日は妹諸共お世話になります」
そう言って頭を下げるお姉ちゃんに、兄貴は「そんな、大丈夫だよ」と若干たじろぐ。
そう、本日兄貴と風斗さんは私達の保護者代わりだ。
やはり海で中学生だけで遊ぶというわけにはいかないからね。
しかし……。
「杏……何か元気無い?」
私が話を振ると、杏は「へっ?」と間抜けな声で反応した。
それからヘラッと笑って、「あぁ、いや……えっと……」と言いながら頬をポリポリと掻く。
「何? 折角の海だから、楽しまないと損だよ?」
「う、うん……ただ、この前のシーフちゃんを、思い出していただけ……」
「シーフって……ロブメモワールの?」
セッチーの言葉に、杏は頷く。
「うん。……私、あの時シーフちゃんに、ずっと一緒にいるよって……言ったんだ……だからさ、私だけこんな楽しいことしてたら、なんか……裏切ったような気がして」
杏の言葉に、私はため息をついた。
それから暗い顔をしている杏の顔を両手で挟み、むにーと両頬を引っ張った。
「ひ、ひふひは……?」
「あのさぁ、何か勘違いしてるんじゃないの? そもそもシーフは敵なんだから、裏切ったも何も無いでしょ」
「へ、へほ(で、でも)……」
否定的な反応の杏に私はため息をつき、さらに強く頬を引っ張る。
すると杏は「いだだだだだ」と声をあげるので、私は彼女の頬から手を離した。
赤く染まった頬を両手で押さえる杏の頭を撫で、私は笑って見せる。
「それに、楽しい時は純粋に楽しまないと。ねっ?」
「そういうものなのかなぁ……あと頬痛い」
そう言って顔をしかめる杏の背中を私は「そういうものだ。ドンマイ」と言ってバンバン叩いた。
すると杏は顔を綻ばせ、「ありがと」と答えた。
「それじゃあ、とりあえず着替えようか。そこの海の家で更衣室借りて」
兄貴の言葉に私達は頷き、海の家に向かった。
そこで私は、そういえば、と今いるメンバーを見る。
風斗さんと兄貴は友達。私と杏も友達。
ツッキーとセッチーは姉妹……だけど、ツッキーには同年代の友達はいる。それこそ私達とか。
単純な疑問。
セッチーに同年代の友達っているの?
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.168 )
- 日時: 2018/01/01 14:57
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
- 参照: ?「アンタ他に友達いないの?」
第26話「星華の友達?青い海と友情を!」2
あれから水着に着替え、私達は海に入った。
……んだけど……。
「セッチー。海入らないの?」
パラソルの下で日焼け止めクリームを塗るセッチーに、私はそう聞いてみる。
するとセッチーは腕に白いクリームを塗りながら口を開いた。
「入りますよ。ただ、肌を焼くわけにはいかないので」
「星華ちゃんはモデルさんだもんねぇ……それに、肌すごく綺麗だし」
杏に褒められたからか、セッチーは顔を赤らめて目を逸らす。
そこで、私は先ほど気になった疑問を聞いてみることにした。
「そういえばさ、セッチーって、私達以外に友達っていないの?」
「……」
ブチャァッと音を立て、大量のクリームが吹き出した。
それを、近くで同じく日焼け止めを塗っていたツッキーが「あわわ」と慌てて手で受け止める。
そんな二人を見て、私は、「あ、やらかしたな」と思った。
「えっと……」
「瑞樹! それは禁句!」
ツッキーの言葉に、私は口を手で押さえる。
しかし、ツッキーの必死のフォローに、セッチーはますます表情を曇らせた。
あらら……。
「えっと……なんかごめんなさい」
「いや、別に……良いですよ……事実ですから……」
そう言って死んだ目を伏せるセッチー。
それにツッキーが苦笑しながら、受け止めた日焼け止めクリームをまだセッチーが塗っていなかった部分に塗る。
「星華って一応芸能人だからね。単純に周りが距離を置いてる感じだから……」
「だから私にはどうしようもないんですよ。……それに、杏奈さん達がいるから、それで満足です」
「いや、そういう問題ではなく……」
そこまで言って、私はため息をつく。
まぁ、セッチーが満足だと言うのなら、それで良いのかなぁ。
……いや、良くないでしょ。
そう思っていると、セッチーの体に日焼け止めクリームを塗っていたツッキーが「よしっ」と声を出した。
「一応全身に塗れたと思うけど、こまめに塗り直すように。予備は持って来てるから」
「ん……ありがと」
そう言って微笑むセッチーに、ツッキーも笑う。
確かにこの姉妹は仲良しだし、セッチーは杏にも懐いている。
私とセッチーの仲だって悪くないし、確かに私達はセッチーの友達とも言えるだろう。
でも、やっぱり同級生の友達は一人くらいいた方が……。
「それじゃあ早速海に……」
「あのぉ~!」
立ち上がって言ったツッキーの言葉を遮るように、遠くから声がした。
見ると、そこには、シャツのようなものを持って走ってくる女の子がいた。
セッチーと……同い年くらい……?
「あ、あの……更衣室に、忘れ物があって……違いますか?」
そう言って差し出されたものを見て、私はツッキーを見る。
これは確か、ツッキーが着ていた……。
「あ、これ私のだ!」
「そうなんですか!」
「ちょっ、お姉ちゃんっ!」
セッチーが抗議するようにツッキーを見ると、ツッキーは「ごめんごめん」と言って笑う。
するとシャツを持ってきた女の子は、セッチーを見て「えっ!」と驚いた。
「あ、後宮さん……!?」
「えっ……あ、もしかして……水野さん!?」
……どうやら、忘れ物を持ってきたのは、セッチーの同級生だったらしい。
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