二次創作小説(新・総合)

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【オリキュア】メモリアルプリキュア!
日時: 2017/08/01 23:00
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

初めましてかこんにちは!愛です!
本日からはメモリアルプリキュアというオリキュア小説を書きたいと思っています。
基本テンションとノリに任せて書くのでグダグダすると思いますが、楽しんでいただけると幸いです。
それでは、よろしくお願いします。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.204 )
日時: 2018/01/21 20:49
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第32話「取り戻せ!愛のメモリー!アムールパンデュール!」1

<セフト視点>

 時計塔から見える時見町に、俺は目を細める。
 キュアアデッソは、恐らくもう、戦えない。
 他に二人いるが……あのプリキュアの中心は、キュアアデッソだ。
 彼女がいなければ、あとの二人はどうとでもなる。

「それじゃあ、第二フェイズと行こうか」

 そう呟き、俺は腕にメモリアのコピーを纏わせる。
 前に、プリキュア以外の人間全員からワスレールを生み出した。
 あの時も二人だったが、あの時とは事情が違う。
 きっと、ラブメモリーウォッチの恩恵で、キュアアデッソはワスレールにならないだろう。
 しかし変身はしない。出来ても、戦闘に集中出来ないハズ。
 足手まといになるキュアアデッソを庇いながら、数多くのワスレールを倒す。

「まぁ、せいぜい頑張るが良いさ」

 そう呟き、俺は……指を鳴らした。

---少し時間は遡り---

<杏奈視点>

 窓から差し込む光が、いつもより眩しく感じた。
 部屋を照らす電灯の光が、いつもより目に痛く感じた。
 だから、電気を切って、カーテンも閉じた。
 暗い部屋の中、私は膝を抱える。

 ダークアデッソ……セフトが言ったことは、正論だ。
 私は目立つ苦労も努力もせずに、現状に甘えている。
 優しい人に囲まれて、いつも笑顔でいられた。
 でも結局は……私が甘やかされていただけなんだ。
 そして、周りが優しかっただけなんだ。

 プリキュアは伝説の戦士。
 プリキュアは、人々の思い出を守るために戦う者。
 瑞樹ちゃんや星華ちゃんは、それ相応の苦労や苦痛を今まで味わって来た。
 でも……私は……?
 甘やかされただけの私なんて、きっと、これからの戦いでも足手まといになる。
 二人に迷惑を掛けて、疎まれるだけ。
 ……私は、プリキュアになるべきではない。

 ブーッブーッ。

 その時、スマホのバイブが鳴った。
 手探りでそれを探し、画面を見ると、それは……瑞樹ちゃんからの電話だった。

「ッ……!」

 咄嗟に私はその電話を切り、スマホを持った手を下ろす。
 ……瑞樹ちゃんは、こんな私でも心配してくれている。
 いや、瑞樹ちゃんだけじゃない。見れば、星華ちゃんや月乃ちゃんからもメッセージが来ている。
 ……プリキュアとして戦わなくても、私は迷惑を掛けている……?
 そんな……私は、ただ皆に迷惑を掛けたくなくて……。
 プリキュアとして戦わなくても皆に迷惑を掛けるなら、私は、一体どうすれば……。

「私、今一番……もう、何が何だか……」

 そう呟き、抱えた膝に顔を埋めた時だった。
 世界が白黒に染まったのは。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.205 )
日時: 2018/01/21 22:51
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第32話「取り戻せ!愛のメモリー!アムールパンデュール!」2

<瑞樹視点>

 ツー……ツー……。

「また切られた!」

 スマホから聴こえる無機質な音に私は舌打ちをして、電話を切る。
 その様子を見ていたセッチーが、ため息をつく。

「こっちもメッセージ送ってますけど、全部既読すらつきません」
「右に同じ。……電話切ってるってことは、スマホは手元にあるハズなんだけど……」

 そう言って顎に手を当てるツッキー。
 実際、不在着信にはならず、全部途中で切られている。
 そこから察するに、彼女はスマホが手元にあって、着信だけ切っているのだろう。

 ……先ほどの戦いで何があったのかは分からない。
 しかし、杏がここまで消耗するなんて……。
 杏の心は弱い。だから守ってあげないとダメなのに……ロブメモワールのことが解決するまで、一人にしたらいけなかったのに……。

 あの時杏を一人にしたことを悔やんでいた時、世界が白黒に染まった。

「……! ツッキー!」

 咄嗟に私はツッキーを見る。
 案の定ツッキーも停止していて、顎に手を当ててスマホを見ている姿勢のままだった。
 このタイミングで……いや、このタイミングだからこそ、なのか……。
 そう一人で納得していた時、ツッキーの頭上に時計の針が現れた。

「瑞樹さん!」

 名前を呼ばれ振り向くと、セッチーが焦った表情で私を見ていた。
 それに私は「分かってる!」と言いつつ、ラブメモリーウォッチを構える。
 同じくラブメモリーウォッチを構えたセッチーと顔を見合わせ、どちらからということもなく頷き合った。
 そして今にもワスレールが出てきそうな時計の針を睨み、同時に叫んだ。

「「プリキュア! メモリアルコンバージョンッ!」」

<杏奈視点>

 白黒に染まった世界。
 電気を切り、暗くした部屋の中だと、ほとんど真っ暗だった。
 しかし、なんとか手探りで部屋の扉を探し出し、開いた。
 停止しているから扉が開かないのではないかと思ったが……恐らく、ラブメモリーウォッチの恩恵か。
 私は部屋を出て、廊下を歩いて、階段に向かう。

「パパ、ママ……無事……?」

 そう呼びつつ階段を下りる。
 しかし、一階に下りると、目の前に広がる光景に私は息を呑んだ。

「なんで……」

 そこには、頭上に時計の針を出現させて停止するパパとママの姿があった。
 直後、六時半の部分で時計の針が重なり、時計の針から空間が割れて、ワスレールが現れる。
 狭い室内に現れた巨大な化け物に、私は後ずさる。

「わす……れぇる……あっ、変身、しなくちゃ……」

 反射的にそう呟きながら、ラブメモリーウォッチを構える。
 そこで、頭の中に、ダークアデッソの言葉が反芻した。

『貴方は……一番、プリキュアに相応しくないと思わない?』

 ……そうだ……。
 私はプリキュアには相応しくない。
 だったら、変身しても……。
 そう迷っている間に、ワスレールが攻撃しようとしてくる。
 それに、私は反射的に瞼を瞑った。

 ……しかし、どれだけ待っても、攻撃をされなかった。
 恐る恐る瞼を開くと……―――

「……おじい、ちゃん……?」

 ―――……そこには、このお店を掃除する箒でワスレールの攻撃を受け止めているおじいちゃんの姿があった。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.206 )
日時: 2018/01/22 18:04
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第32話「取り戻せ!愛のメモリー!アムールパンデュール!」3

「……おじい、ちゃん……?」

 私がそう名前を呼ぶのと、おじいちゃんがワスレールの攻撃を弾き返すのはほぼ同時だった。
 それから二体のワスレールを見て顔をしかめ、私の手を取る。

「杏奈。付いて来なさい」
「え……」
「良いから」

 そう言っておじいちゃんは私の腕を引き、歩き出す。
 ワスレールから攻撃されるのでは、と怯えたが、そんなことはなかった。
 もしかしたら、先程攻撃を受け止められて警戒しているのかもしれない。
 そんなことを考えていると、店の裏に連れていかれた。
 やがて辿り着いたのは、おじいちゃんの部屋だった。

「ここは……おじいちゃんの……」
「ここならしばらくは大丈夫じゃろう」

 そう言っておじいちゃんは座布団に腰掛ける。
 畳の一室。和室、というやつだろうか。
 ひとまず私も適当な場所に腰を下ろし、おじいちゃんに尋ねた。

「あの、おじいちゃん……」
「……なんで動けるか、か?」

 おじいちゃんの言葉に、私は頷く。
 そもそも、おじいちゃんは気難しい性格で、今までほとんど話したことがなかった。
 ご飯の時も自分の部屋に籠っていて、たまに顔を合わせても朝の挨拶程度しかしたことがない。
 だから、こうして二人きりで話すなんて、無かった。

「……それは、儂の言葉なんじゃが……」
「あっ……」

 おじいちゃんの言葉に、反射的に私はラブメモリーウォッチを付けた腕を背中に隠した。
 しかし、おじいちゃんはそれを見逃さず、私を見て目を細めた。

「……まさか、お前が……」

 そう呟いたおじいちゃんの言葉に、私はハッとする。
 まさか……おじいちゃんは……。

「おじいちゃんは……プリキュアのこと、知ってるの……?」

 私の言葉に、おじいちゃんは悲しそうに顔を歪めた。
 それに、私は察する。
 おじいちゃんは……プリキュアの関係者だ。
 でも、なぜ今更……?

「……まさか、杏奈がプリキュアになっているとは……」
「……おじいちゃん……」

 おじいちゃんは一体何者なの?
 そう聞こうとした時、突然部屋の扉が強く叩かれる音がした。
 それに私はビクッと肩を震わせ、固まる。
 するとおじいちゃんが私と扉の前に立ち、部屋にあった孫の手を構える。
 ……って、武器が孫の手!?

「おじいちゃん!?」
「儂が時間を稼いでおくから、今の内に机の上にある時計を持って行きなさい。きっと役に立つ」

 おじいちゃんの言葉に、私は机を見た。
 そこには、ピンクを基調とした可愛らしいデザインの時計が置いてあった。
 ……何これ……。

「おじいちゃん、これって……」
「……プリキュアの為に作った道具じゃ。それがあれば、少しは戦いが楽になるじゃろう」
「で、でも……」

 私の言葉に、おじいちゃんは訝しむように目を細めた。
 それから私の前でしゃがみこみ、私の目を見た。

「何かあったのか?」
「えっと……」

 答えようか迷った時、ワスレールが扉を叩く音が大きくなった。
 時間が無い。
 そう思った私は、早口で、おじいちゃんに全てを話した。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.207 )
日時: 2018/01/22 21:32
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第32話「取り戻せ!愛のメモリー!アムールパンデュール!」4

 正直に全部話すと、おじいちゃんは「ふむ……」と呟いて顎に手を当てる。
 ていうか、ワスレールヤバくない!?
 先ほどからチラチラと扉の方に視線を向けているからか、おじいちゃんは「あぁ」と呟いて扉に視線を向けた。

「ワスレールのことならしばらくは大丈夫じゃよ。あの壁に儂のメモリアを集中させて、補強しているから」
「え、何それ凄い……」
「ハッハッハ。年を取ると、記憶が豊富じゃから、メモリアなんて有り余っとるわい」

 メモリアにそんな使い方があったとは……って、おじいちゃんホントに何者。
 ポカンと呆けていると、おじいちゃんはニカッと笑い続けた。

「年を取るとなぁ、色々なことがあるんじゃよ」
「そういうもの……なの……?」
「あぁ。……大人になったらいくらでも苦労はするし、努力しないといけなくなる。だったら、若い内は楽しいことをいっぱいしておいた方が良いんじゃないか?」

 おじいちゃんの言葉に、一瞬気持ちが楽になる。
 しかし、脳裏に瑞樹ちゃん達の顔が過り、私は目を伏せた。

「……でも、私と同い年の子でも、私より苦労してきた子達はいる。……皆に比べたら……私なんて……」
「……苦労した人間が、偉いのか?」
「え……?」

 顔を上げると、そこには真剣な瞳のおじいちゃんがいた。
 おじいちゃんは私の顔を見て、その目を緩ませた。

「不幸自慢なんて偉くない。確かにお前は苦労していないかもしれない。でも、人を想える良い子だ」
「そんなこと……」
「いいや。お前は良い子だ。優しい子だ。だって、お前は自分がしたいことより、友達の足手まといになることを重視して、プリキュアを辞めるという判断をした」
「あっ……」

 おじいちゃんに言われて初めて気付いた。
 私は、自分がしたいことなんて、考えなかった。
 自分の手を見て、私は考える。
 私がしたいこと……それは……。

「私は……瑞樹ちゃん達と……大切な人達と一緒にいたい。皆で笑い合える楽しい日々を守りたい。……プリキュアとして、皆と戦いたい!」
「……だったら、自分がするべきことは分かっているだろう?」

 おじいちゃんの言葉に、私は頷く。
 そして机の上にある時計を持って、部屋の窓を開けた。
 外では大量のワスレールが徘徊していて、中々に凄い情景だ。

 ありがとう。おじいちゃん。
 おかげで、自分がやりたいことが分かった。

 確かに、私はプリキュアにも、瑞樹ちゃん達にも相応しくないかもしれない。
 でも、私が一緒にいたいんだ。
 楽しい記憶も、悲しい記憶も、どちらも未来の糧になる。
 だったら私は……自分も、皆も楽しくなれる日々を作りたい。
 だから私は、戦う!
 私はラブメモリーウォッチを構え、窓から飛び出した。

「プリキュア! メモリアルコンバージョンッ!」

 私はもう……迷わないッ!

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.208 )
日時: 2018/01/22 23:17
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第32話「取り戻せ!愛のメモリー!アムールパンデュール!」5

<瑞樹視点>

「過去を束ねろ! プリキュア! パーストレーヴ!」
「未来を照らせ! プリキュア! フューチャーエスペランス!」

 何度目かになる私とフューチャーの叫びが響き渡る。
 剣から放たれた光がワスレールを浄化していくのを尻目に、私達は別のワスレールを斬りつける。

「パースト! このままじゃキリがありませんよ!」
「クッ……せめて、アデッソがいれば……」

 そう呟いたところで、私は慌てて首を横に振った。
 今アデッソは……杏はいない。
 まだ回復していないから。
 だから、とにかく私達二人で解決しなければ。
 でも……。

「パースト! 後ろ!」

 その時聴こえたフューチャーの声に、私は後ろを見る。
 そこには、今にも私を攻撃しようとしているワスレールがいた。
 しまった。この距離じゃ防御が間に合わな……!

「危なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいッ!」

 そんな叫びが聴こえたのと、ピンク色が基調となった時計らしき何かがワスレールの頬にめり込むのは、ほとんど同時だった。
 今の声は……杏……?
 そう認識した時、ワスレールが倒れる。
 同時にガシャッという音を立てて、時計が地面に落下した。
 ……何、これ……。

「パースト!」

 杏の声がして、私は顔を上げる。
 そこには、キュアアデッソに変身した状態でこちらに駆け寄ってくるアデッソの姿があった。

「アデッソ……?」
「パースト大丈夫? 怪我してない?」

 心配そうにそう聞いてくるアデッソに、私は「大丈夫」と答えた。
 すると、安心した様子でアデッソは破顔する。

「良かったぁ……間に合ったみたいで……」
「アデッソ。アンタ……」
「二人ともしゃがんでぇ!」

 フューチャーの言葉に、私は咄嗟にアデッソを押し倒してその場に倒れ込む。

「未来を照らせ! プリキュア! フューチャーエスペランス!」

 それと同時にそんな声がして、私達の頭上を光の筋が通って行った。
 少しして、私達の背後にいたワスレールが浄化されていくのを眺めながら、私はアデッソを立たせる。
 するとフューチャーが、感極まった表情でこちらに駆け寄ってきた。

「あ、アデッソ……復活したんですか……!?」
「え? あぁ、うん。そうだよ」

 アデッソがそう言って微笑むと、フューチャーが「アデッソ!」と叫んでアデッソに抱きつく。
 あーもう周りにワスレールいるのに。
 そう呆れつつも、私は肩を竦め、その様子を眺めた。

「あはは……二人ともごめんね。心配かけて」

 そう言ってはにかむアデッソ。
 それに笑い返しつつ、私は足元にあった時計を拾ってアデッソに見せた。

「ねぇアデッソ。これは一体……」
「それはアムールパンデュールリコォっ!?」

 遠くから様子を伺っていたリコルンが、私が拾った時計を見ていきなりそう叫んだ。
 それに私達は面食らいつつも、首を傾げた。

「えっと……そのアムールパンデュールとやらは一体……」
「……まさか、キュアアデッソが復活するとは……」

 セフトの声がして、私達は顔を上げる。
 そこには、忌々しそうにこちらを睨んでいるセフトがいた。

「セフト……」
「どうやら、私も本気を出さなければならないようですね」

 そう呟くと同時に、セフトの周りをキラキラした光が包み込んだ。
 少しして出て来たのは、キュアアデッソにソックリな見た目をした少女だった。
 コイツのせいでアデッソは一度行動不能になった。
 でも、今は……。

「もう……その手には乗らない」

 アデッソはそう言って、拳を構える。
 ……頼もしくなっちゃって。
 あの短時間で何があったのかは分からない。
 でも、今のアデッソならもう……大丈夫。
 だから私はパーストソードを構え、フューチャーもフューチャーレイピアを構えた。

「行くよ……二人とも!」
「おお!」
「ハイ!」


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