二次創作小説(新・総合)

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【オリキュア】メモリアルプリキュア!
日時: 2017/08/01 23:00
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

初めましてかこんにちは!愛です!
本日からはメモリアルプリキュアというオリキュア小説を書きたいと思っています。
基本テンションとノリに任せて書くのでグダグダすると思いますが、楽しんでいただけると幸いです。
それでは、よろしくお願いします。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.114 )
日時: 2017/12/14 21:15
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第18話「Let dance!忘れられない一時を」2

「なんか上手くいかない~」

 練習が終わり、声を漏らす私に松中さんが苦笑しながら近づいて来る。

「だから無理しないでって言ったのに……やっぱり変わろうか?」
「あぁ、いや、大丈夫……何度か練習すればなんとかなるハズだし。それに、松中さんは実行委員だから、私より忙しいでしょ?」
「それは……まぁ……」
「だから、私が頑張るよ。ね?」

 私の言葉に、松中さんは曖昧な感じの顔をした。
 とはいえ、フォークダンスの男子役は想像以上に難しい。
 女子をリードしないといけないし、足取りとかテンポとかを考えないと。
 確かフォークダンスも点数に入るって聞いたから、せめて自然な感じで出来るようにしないと。

 ひとまず、フォークダンスでたくさんの女の子達と手繋いで手汗だらけになったから、手を洗いたい。
 練習ももう終わりだし、あと教室に帰るだけだから、先に手を洗っても大丈夫だろう。
 そう思って体育館を出た時、見覚えのある人影を見て、私は声をあげた。

「星華ちゃん!」

 私が名前を呼ぶと、星華ちゃんも「杏奈さん!」と言って笑顔を浮かべ、こちらに駆け寄ってくる。
 星華ちゃんは競技の練習の後なのか、額には汗が滲み、呼吸が微かに荒い。
 その様子に、私は苦笑した。

「星華ちゃん大丈夫?」
「えっ……?」
「いや、すごく疲れてるみたいだから。体育祭の練習?」

 私の言葉に、星華ちゃんはハッとした表情で顔の汗を拭い、「ハイッ!」と頷いた。
 この後はちょうど昼休憩だし、私と星華ちゃんは壁に背中を預け、雑談に耽る。

「私ここに来たばかりだから、他の学年がやる競技とか全然知らないんだよねぇ……一年生は何に出るの?」
「えっとぉ……一応全員リレーと……あと大縄です」
「なるほど……お互い頑張ろうね!」
「はいっ!」

 笑顔で頷く星華ちゃんに、自然と私の顔も綻ぶ。
 すると、星華ちゃんは安心したような表情で微笑んだ。

「……? 星華ちゃん。どうかしたの?」
「杏奈さん……やっと笑った」
「えっ?」
「なんか、ずっと疲れた感じの表情していましたよ? ……杏奈さんのクラスは、体育館での練習だったんですか?」
「あぁ、えっと……実は……」

 それから私は、フォークダンスで男子役をすることになったこと。
 先ほどまでフォークダンスの練習をしていたこと。
 そして、男子役が上手くいかなかったことを話した。
 全てを聞き終えた星華ちゃんは、顎に手を当てて「ふむ……」と声を漏らした。

「私もフォークダンスの練習を今朝したばかりなのでうろ覚えではありますが、確か、フォークダンスの男子役って女子をリードしないとダメなんですよね?」
「うん」
「……だったら、杏奈さんには合ってないんじゃない気がします」

 星華ちゃんの言葉に、私はつい「えっ?」と聞き返した。
 かなり間抜けで素っ頓狂な感じの声が出たか、星華ちゃんは特に気にせずに続ける。

「杏奈さんは、すごく優しい性格だから……人を引っ張るというよりは、人に合わせる方が得意な感じがするというか……」
「……だから、男子役は向いていない……と?」

 私の質問に、星華ちゃんは頷いた。
 なるほど……そういう考え方があるのか。
 運動神経とかそれ以前に……性格に合っていない。
 でも……・

「……星華ちゃん。それは違うよ」
「えっ?」
「だって、私は優しく無いもん。だから星華ちゃんの意見は間違ってる」
「いや、でも……」
「それに……仮にそうだとしても、そんな理由で私は諦めたくない」

 私の言葉に、星華ちゃんはキョトンとした顔をした。
 それに、私は自分の顔の前に手を出し、グッと握り締めた。

「……私、この学校に来たばかりだし、これで少しでも皆の役に立てるなら、やってみたい。出来るか出来ないかとか、向き不向きじゃなくて……私は、私がやりたいことをしたいの」
「……ホント、杏奈さんには敵わないなぁ」

 星華ちゃんは苦笑混じりにそう言った。
 それから、フッと笑みを浮かべた。

「それでは、折角の機会ですし、少し練習してみませんか?」
「練習?」
「ハイ。私と一緒に……Shall we dance?」

 そう言って微笑み、星華ちゃんは私に手を差し出した。
 それに私は笑い返し、彼女の手を取った。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.115 )
日時: 2017/12/15 22:04
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第18話「Let dance!忘れられない一時を」3

「それじゃあ、まずはオクラホマミキサーから練習しましょうか」

 人が来ない体育館裏まで来ると、星華ちゃんはそう言った。
 彼女の言葉に私は頷き、彼女の背中に回る。
 肩の高さまで上げられた右手を後ろから握り、彼女の腰くらいの高さに左手を上げ彼女の腰の横に持って行くと、上にソッと手を置かれた。
 一気に距離が縮まったからか、甘い匂いが私の鼻孔をくすぐった。
 多分……制汗剤の匂いかな……。

「……杏奈さんの鼓動の音がする」

 嗅ぎ慣れない星華ちゃんの匂いにドキドキしていると、星華ちゃんがそう呟いた。
 その言い方はどこか嬉しそうに感じたが……私の勘違いだろうか?

「私の鼓動?」
「はい。……ドクン、ドクン、って……なんだか、安心します」

 そう言って、肩越しにこちらに振り向く星華ちゃん。
 すると、ただでさえ密着している状態だったため、キスするのではないかというくらいの近さに互いの顔があった。
 それに気づいた瞬間、私達はどちらからということもなく、顔を背けた。

「じゃ、じゃあ早速始めましょうか」
「う、うん……そうだねっ」

 なぜか緊張してしまい、言い方がぎこちなくなる。
 手に汗をかいてないだろうか。心臓の鼓動が速くなっていないだろうか。
 星華ちゃんに……私の緊張が、悟られていないだろうか。
 つい彼女の手を握る力を強くする。

「……では、ゆっくり行きましょうか。私が歌うので」

 星華ちゃんの言葉に、私は「ん」と頷いた。
 すると星華ちゃんは息を吐くようにフッと笑い、それから息を吸った。

「~♪」

 鼻歌のような、歌詞の無いメロディ。
 オクラホマミキサーだ。
 それに合わせながら、私達はフォークダンスを踊る。
 星華ちゃんの透き通るような美声を聴いていると、自然と体が動いた。

「「~♪」」

 気付いたら、私も歌っていた。
 二人で歌いながら、踊り続ける。
 元々オクラホマミキサーというものは、クルクルと一緒に踊る人が頻繁に変わるものだ。
 けど、無理矢理つなぎ止め、私達は二人で何度も踊っていた。
 ひとしきり踊った後は、星華ちゃんがサッパリした感じの表情で笑っていた。

「なんか、凄い楽しかったです」
「私も。練習の時より、楽しかった」

 私の言葉に、星華ちゃんは照れたような、曖昧な感じの笑みを浮かべた。
 照れくさそうに体操服の裾を握り、「えへへ」と笑う。
 その笑顔が可愛くて、私も釣られて笑った。

「フフッ。星華ちゃん。今一番可愛い」
「ぅえッ? 可愛い!?」
「あ、ごめん。星華ちゃんはいつも可愛かったね」
「いや、そうじゃなくて……」

 星華ちゃんはそう言って顔を赤らめ、目を伏せる。
 何か失言をしてしまったのだろうか、と私は焦る。
 その時、昼休憩終了五分前の予鈴が鳴った。

「あっ……そろそろ教室に戻らないと」
「……あ、あの、杏奈さん」

 私の言葉を遮るように、星華ちゃんは声を掛けて来た。
 見ると、星華ちゃんは耳まで顔を真っ赤にして私を見つめていた。

「何? 星華ちゃん」
「あの、フォークダンスって、オクラホマミキサーともう一曲……ありますよね?」
「……あぁ。コロブチカ、だっけ」
「はい。それで、その……良かったら明日の昼休憩に、一緒に練習しませんか?」

 星華ちゃんからの誘いに、私は目を見開いた。
 嬉しくて、つい言葉を失う。
 しかし、すぐに私は彼女に笑い掛け、「もちろん」と答えた。
 私の返答に、星華ちゃんは嬉しそうに笑った。

 ちなみに、私達が昼食を食べ損ねたことに気付くのは、また別の話。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.116 )
日時: 2017/12/16 23:16
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第18話「Let dance!忘れられない一時を」4

 放課後、私は茶封筒を片手に帰路を歩く。
 Adessoよりさらに数分程度歩いた先。
 そこに、瑞樹ちゃんの家はある。
 私は玄関に立ち、インターフォンを鳴らす。
 しばらくして扉が開くと、そこには、マスクを付けた瑞樹ちゃんが立っていた。

「杏、手紙持って来てくれたの?」
「うん。ハイこれ」

 私が渡すと、瑞樹ちゃんは驚いたように目を丸くして、茶封筒を受け取った。
 それから中身を見て、嬉しそうに目を細める。

「ありがとう、杏」
「いえいえ。それで、風邪の様子は?」
「ん……もうほとんど大丈夫。熱も下がったし」
「そっか……良かった」

 私の言葉に、瑞樹ちゃんは目を細めて笑う。
 それから腰に手を当て、私の顔を覗き込んでくる。

「何々? 私がいなくて寂しかった~?」
「うん。やっぱり瑞樹ちゃんがいないと物足りないね」
「む……素直に言うじゃん。可愛いやつめ」

 そう言って悪戯っぽく笑い、瑞樹ちゃんは私の髪をワシャワシャと撫でた。
 私はそれに「やめてよ~」と笑いつつ、とあることを思い出し、「あっ」と声を漏らした。

「ん? どした?」
「そういえば今日フォークダンスでね、男子役することになって……」

 私の言葉に、瑞樹ちゃんはポカンとした表情を浮かべた。
 少しして、「えぇぇ!?」と驚いた声を出した。

「あ、杏が、男子役!?」
「ちょ、瑞樹ちゃん声大きいよ」

 私が口に人差し指を当てながら言うと、瑞樹ちゃんは自分の口を手で押さえた。
 それからオズオズと口から手を離し、小さな声で話す。

「男子役なんて、出来るの?」
「ん……私も不安だったよ。でも、星華ちゃんと練習したら、上手に踊れたんだ」
「星華って……あの生意気モデルと?」

 私の言葉に、瑞樹ちゃんは驚いた様子で目を見開いた。
 どうしたのだろうかと考えていると、背後から足音が聴こえた。
 振り向くとそこには、歩いて来る紫音さんと風斗さんが見えた。

「あれ、杏奈ちゃん。瑞樹のお見舞い?」
「あ、ハイ。そうなんです。手紙を届けに来て」
「ははっ、二人は本当に仲良しなんだね。俺も風邪引いたら紫音にお見舞いに来て欲しいな」

 紫音さんの隣で、風斗さんがそう言って笑う。
 すると紫音さんは「何言ってるんだよ」と言って笑いつつ、風斗さんの頭を小突いた。
 二人も随分仲良いと思いますけど?

「それじゃあ、俺はこっちだからもう行くよ。バイバイ、紫音」
「あぁ。また明日」

 風斗さんは紫音さんに別れを告げ、歩いて行く。
 その後ろ姿を見てから、紫音さんはこちらに歩いて来る。

「ん……じゃあ、私ももう行くよ。瑞樹ちゃん、また明日学校で」
「あ、ちょっと杏!」
「では紫音さん。お邪魔しました」
「ん。またね、杏奈ちゃん」

 手を振る紫音さんに手を振り返し、私は家まで駆け戻る。
 部屋に戻ると、私は学校鞄を床に放り、机に置いてあるスマホを手に取る。
 そのままベッドに寝転がり、LIMEを開く。
 星華ちゃんとのトーク画面を開き、早速メッセージを打ち込んでいく。

『今日はありがとう。明日も頑張ろうね!』

 誤字が無いかを確認し、送信ボタンを押す。
 スマホを胸に抱き、私は息をつく。
 その時、フワフワとリコルンが目の前に浮かんで来るのが分かった。

「杏奈。良いことあったリコ?」
「リコルン……うん。すごく良いことがあったよ」

 私はそう言って少し笑い、天井を見つめた。
 今日もだけど……明日も、良い日になる。
 明日が……楽しみだなぁ。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.117 )
日時: 2017/12/17 10:15
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第18話「Let dance!忘れられない一時を」5

 それから練習を重ね、ついに本番を迎える。
 種目は順調に進み、もうじきフォークダンスを迎える。

「上手く出来るかなぁ……」
「大丈夫だって。今行さん、昨日のリハーサルでは割と上手に踊っていたじゃない」

 松中さんの言葉に、私は「でも……」と呟く。
 すると松中さんは笑いながら「大丈夫大丈夫」と言った。
 それに戸惑っていた時、校庭に、見覚えのない人影が入って来るのが見えた。

「あれは……シッパーレ……?」
「え? 失敗?」

 シッパーレの名前を見事に間違える松中さん。
 いや、今はそれどころじゃない。
 私の視線に、離れた場所で何人かと話していた瑞樹ちゃんが、私を見る。

「杏。何見てんの?」
「瑞樹ちゃん……アレ……」
「え? ……あれって……!」

 瑞樹ちゃんもシッパーレに気付き、顔色を変える。
 その間にシッパーレは歩き、ワスレールにする素材を探す。

「ねぇ、今行さんも前原さんもどうしたの?」
「あ、松中さん……これは……」

 説明しようとした時、突然松中さんの後ろにシッパーレが立った。
 松中さんは驚いた表情で振り向く。
 すると、シッパーレは舌なめずりをして、手を構えた。

「やめて!」

 私が叫んだ瞬間、松中さんの胸元に時計の針が現れる。
 松中さんの目から光が失せ、倒れる。
 胸元が裂けると、シッパーレはその中に踏み込み、消えていく。

「おい! 大丈夫か!」

 すぐに男の先生が松中さんに駆け寄り、体を揺する。
 それを見ながら、私は瑞樹ちゃんに小声で話しかける。

「瑞樹ちゃんどうしよう……このままじゃ……」
「ん……私に任せて」

 そう言うと瑞樹ちゃんは教師に何かを話す。
 すると男の教師は血相を変え、どこかに走っていく。
 それを見て、私は首を傾げた。

「瑞樹ちゃん。何を話したの?」
「あっちに集団で倒れてる人達がいますよって」

 そう言って瑞樹ちゃんは明後日の方向を指さす。
 あー、うん……名前も知らない先生、ドンマイです……。

「で、私と今行さんで松中さんは保健室に連れて行っておきますって伝えておいたから。ホラ、行くよ」
「……はーい」

 私が情けない声を漏らすと同時に、瑞樹ちゃんはヒョイッと松中さんをお姫様抱っこした。
 ……もう瑞樹ちゃん一人で良いのではないか……。
 とはいえ、保健室に連れて行く目的が介抱だけでないことは分かっているので、瑞樹ちゃんの後に付いて行く。
 一刻も早く松中さんの記憶世界に入らないといけないけれど、状況が、状況だ。
 それでもなんとか早足で保健室に松中さんを連れて行こうとしたところで……星華ちゃんに見つかった。

「杏奈さん。クラスの人ですか?」

 呼び止められ、私と瑞樹ちゃんは同時に足を止める。
 瑞樹ちゃんが明らかに「面倒な奴を呼び寄せやがって」と言いたげな顔でこちらを見てくる。
 私はそれに無言で視線を逸らした。

「ま、まぁそんな感じ……疲れたのか倒れちゃったみたいで」
「へぇ……じゃあ、私も付いて行って良いですか?」

 星華ちゃんの言葉に、瑞樹ちゃんの顔がますます不機嫌そうになる。
 気持ちは分かるけどそんな目で私を見ないで……辛い……。

「あー、えっと……気持ちは嬉しいけど、私達のクラスのことだし、星華ちゃんには関係ないんじゃないかな」
「そんな……私は杏奈さんが心配で……!」
「……杏が迷惑してるのが分からないの?」

 瑞樹ちゃんが低い声で言うと、星華ちゃんが「な……!」と声を漏らした。
 何この状況……ていうか松中さんのメモリアがぁ……。

「そんな……迷惑していませんよね? 杏奈さん!」

 なんかすごい必死な表情で私の腕を抱きしめ上目遣いで私を見る星華ちゃん。
 瑞樹ちゃんはそれに、視線だけで“時間が無いからさっさと拒絶しろ”と訴えてくる。
 うぅ、星華ちゃんを拒絶するのは心が痛いけど、致し方ない……。

「ごめん星華ちゃん。星華ちゃんは私達のクラスには関係ないし、今急いでるから……またね?」

 私はそう諭しつつ、星華ちゃんの腕を離させる。
 すると星華ちゃんはムスッとした表情で瑞樹ちゃんを見た。

「ホラ、杏行くよ」

 瑞樹ちゃんの言葉に私は頷き、もう一度星華ちゃんに謝罪をしてから瑞樹ちゃんに付いて行く。
 保健室に着くと、瑞樹ちゃんはベッドに松中さんを寝かせ、ポケットからラブメモリーウォッチを取り出し手首に装着した。
 同じように私も手首にラブメモリーウォッチを付け、松中さんの胸元に掲げる。
 すると彼女の胸元が裂け、異空間が現れる。
 その中に入ると、すでに世界は白黒に染まって停止し、ワスレールが暴れていた。

「うわ、もう派手にやっちゃってんじゃん……あの生意気モデルの野郎……!」
「あはは……ホラ、さっさとやっちゃおう!」

 私の言葉に瑞樹ちゃんは大きく頷く。
 そして二人でラブメモリーウォッチを構え、叫んだ。

「「プリキュア! メモリアルコンバージョンッ!」」

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.118 )
日時: 2017/12/17 20:12
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第18話「Let dance!忘れられない一時を」6

「今を輝く、一つの光! キュアアデッソ!」
「過去を束ねる、一つの夢! キュアパースト!」
「「取り戻せ! 愛のメモリー!」」
「「メモリアルプリキュア!」」

 名乗りを終えた瞬間、ワスレールが襲い掛かってくる。
 咄嗟にそれを躱し、私達は後ずさる。
 しかし、間を置かずにすぐにワスレールが追撃をしてくる。

「このワスレール……速いッ!」

 躱しても躱しても、すぐに追撃をされてしまう。
 休むことも、反撃することも出来ない。
 ただ、躱すことに専念させられてしまう。

 そこで、なぜかは分からないけれど、星華ちゃんとのフォークダンスを思い出した。
 死ぬ前に見る走馬燈というものなのかもしれない。
 しかし、その記憶を思い出した瞬間、私はとあることに気付く。

「パースト! フォークダンスだよ!」
「……はぁッ!?」

 私が脈絡も無く叫んだからか、パーストは変な声を発した。
 それに、私はワスレールの攻撃を躱しながら続ける。

「フォークダンスは二人の息を合わせて踊るもの! 私達二人の息を合わせて、ワスレールの動きをリードする!」
「ったく……最初からそう言えっての!」

 パーストはそう言うとワスレールの攻撃をいなし、こちらに駆け寄って来る。
 私が手を差し出すと、パーストはその手を取る。
 それから私達は両手を取り、身を寄せる。

「ガァァァァァッ!」

 ワスレールが雄叫びをあげ、こちらに向かって攻撃をしてくる。

「アデッソ!」
「パースト!」

 私達は互いに名前を呼びあい、踊るようにワスレールの攻撃を躱す。
 そしてワスレールを自分達に引き寄せるようにしては、その攻撃を躱していく。
 まるで、スペインの闘牛士のように。
 私達という赤い布で、ワスレールという闘牛を引き付けては躱す。
 自然と私達の息は合い、二人でワスレールの動きを支配する。

 しばらく攻防を繰り返していると、ワスレールは疲労し始める。
 動きも鈍くなり、動きが遅くなる。
 私達は顔を見合わせ、寄せていた身を離す。

「「せーのっ!」」

 叫びながら私達はワスレールの上空に飛び上がり、同時に蹴りを放つ。
 するとワスレールはあっさり地面に陥没し、それ以降動かない。

「あれっ……もうやられた?」
「というか、立ち上がる体力が無いんじゃない?」
「あー……なるほど」

 私はそう納得しつつ、パーストを見た。
 するとパーストは私を見て微笑み、「久々にやりますか」と言った。
 その言葉に私は頷き、彼女の手を強く握り直す。
 パーストも私の手を強く握り返してくる。
 それから私達は空中を弾むようにしてワスレールの頭上まで行き、私達は腕を構える。

「「プリキュア! シャインドリーマー!」」

 そう叫ぶと、五線譜の輪がワスレールを囲う。
 光がその五線譜の輪をなぞり、ワスレールを浄化していった。


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